かつて、天才と言われた少年がいた。
その少年は武術、特に空手や柔道を使わせれば、対魔忍の中でも負け無しであり、誠実な面から将来を嘱望されていた。
しかし、それから数年後、“とある事件”が発生し、町中は騒然とした。
その事件とは数人の対魔忍が何者かによって、ズタズタに殺されていたのである。
さらにその遺体は、“
その少年の名は、尼村 “宗忌”。
土遁武術の麒麟児と言われた人物であったが、対魔忍の上層部は彼を重要参考人と判断し、捕縛を命じるも誰1人帰ってこなかった。
それをきっかけに尼村 宗忌は“抜け忍”となった……。
◆◆◆
「ぐっ……がはっ!!!?」
「あはっ♪苦しいよね♪それじゃあそろそろ「……せ。」んん~?なに?聞こえないよ?」
「離せって……言ってるんだ……!!!」
ぐぐぐぐっ!!!
「らぁ!!!?」
どぢゅううっ!!!
「ぐぎゃああああああっ!!?」
藤志郎は彼の片目を潰すと、その僅かに緩んだ隙に宗忌を蹴り飛ばして、距離を取ると激しく咳き込んだ。
「げほっ!!げほげほっ!!はぁ、はぁ……!」
【大丈夫か、藤志郎!!?】
「はぁ、はぁ……げほげほっ!
(な、なんとかな。あいつ、流石に怯んだ)……!!?」
「はぁ……はぁ……!!」
しかし、藤志郎が見たのは片目を潰された痛みに悶える姿ではなく、嬉々とした表情の宗忌であり、その顔は明らかに“痛み”ではなく“快楽”を感じていた。
「ど、どうなってんだ……!?目潰ししたのに、なんで平気そうなんだ!?」
「あはぁぁぁぁぁ!!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……痛ぁぁぁぁぁい♪!!!!」
「ちぃっ!?気狂いか!!」
藤志郎は目の前の男、尼村 宗忌に戦慄した。
尼村 宗忌……かつて麒麟児と呼ばれながらも、何人もの忍や自身の家族を投げ殺し、絞め殺した人物であり、その正体は“
始めは同行していた忍を殺し続け、さらには自身の家族をも殺した為に抜け忍になったが、彼の存在に目をつけた風間 鬼蔵が、“
彼はそのプロジェクトの中で、異能力『痛力変換』を移植に成功したが、副作用として受けた痛みに比例してエンドルフィンやドーパミンなどの脳内麻薬の分泌が上昇し、ダメージを快楽に転化させてしまう体質になってしまった。
故に彼はあらゆる痛みを快楽に変えてしまう身体になり、傷つけば傷つく程に強くなり、これによりダメージを受けても嬉々として反撃するなど常人離れしたタフネスを見せる。
「(悟空、こいつは普通のやり方じゃあ倒せない……!)」
【あぁ!お前の眼を通して見てたが……“奴”は
「なら、徹底的にやる!!
ダァァァンッ!!!
「がはぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「どうだ?」
「痛い痛い痛い……あはぁ♡すっごく痛ぁぁい♪けどびっくりしたよ♪それで?
剛力闘神と烈衝打の合せ技を放ち、吹き飛ぶ宗忌。しかし、痛みを力に変える痛力変換で痛みを力に変えて立ち上がり、さらに自身の得意系統の忍術である土遁で、全身に岩を纏わせ、鎧を作り上げる。
「くっ!?しぶとい!!」
「行くよぉぉっ♪土遁!
「くぅ!!?『ガァァンッ!!』ぐっ!!?」
「はあぁああぁぁぁっ♪!!捕まえたっ♪!らぁぁぁっ!!土遁!
ダァァァンッ!!
「ガハッ!!」
宗忌は藤志郎の腕を掴むと同時に土遁の爪を食い込ませながら、彼を殺す程の怪力で一本背負を放つ。
その影響で、2人のいた建物の天井は崩壊し、藤志郎は下の階に落下していく。
「っは!!?(なんて怪力だ……!?受け身がギリギリだ!?)」
「あはぁぁぁ♪行くよぉぉ♪
ズガァァァァンッ!!
「げはっ!!?」
意識を飛ばし掛けている藤志郎に容赦なく拳を振り下ろす。
【藤志郎!!?おい、しっかりしろ!!】
「トドメ、行くよぉぉ♪」
意識を飛ばし掛けている藤志郎に、宗忌は無情にもそう宣言するが、藤志郎の意識は朦朧としていた……。
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