かなり頑張ったかな?
藤志郎Side
「(く、くそ……身体が、動か…ねぇ……。
肋が何本が逝ったか?)」
馬鹿みたいな勢いで背負投げされた上に、岩を纏った正拳突きまで食らって、確実に肋は折れてるな。
それに、立ち上がろうとする度に身体中が痛む。受け身はギリギリだったようだ。
「(くっ!?軽く動いただけで軋む……。
かなり深い所まで折ったらしいな。)」
【藤志郎!!?大丈夫か!?生きてるか!?】
「(悟空か……。あぁ、とりあえずは大丈夫だ。
だが……身体中が、かなり痛む。)」
【マジか!?くそっ!?すまねぇ、あの野郎の術の瞬間に守りきれなかった!!】
「(馬鹿野郎、悟空は悪くない。……だが、ここで負ける訳にはいかない。)」
【藤志郎……!】
そうだ……。こんな所で殺られてたら、甲河家の者としてのプライドが許せないし、
何より、想い人の如月や俺を好いてくれてる雫や朱華に顔向け出来るかよ!!!
「っ!うおおおおおおおおおおっ!!!行くぞ!悟空!!」
【おうよ!!】
俺と悟空はリンクすると、身体中が熱く燃え上がる溶岩が如く熱くなっていき、力が湧き上がってくるのを感じた……。
◆◆◆
藤志郎が悟空と共にリンクさせた事によって、藤志郎の髪は紅くなり、犬歯が鋭くなり、身体は焔のように揺れている。
その姿を見た宗忌は怪訝そうに藤志郎を見る。
「あぁ?(なんで立てるんだ?)お前、何なんだ?」
「対魔の忍、ナメんなよ……!」
シュッ!!……バギッ!!
「〜〜っ!!?んぎ〜〜っ!!?ぁあああああっ!!」
「らあああぁぁぁっ!!」
打打打打打打打打打打打ッ!!
宗忌の肘の関節を外し、連打を当てた藤志郎。
宗忌はゆっくりと立ち上がると、痛みに悶えることも無く藤志郎を見る。
「あぁ……
ゴギュッ……。
「……自ら肘を填め治したか。もうお前がなんなのかは良く分かった……お前は、本当の
「はあぁああぁぁぁ……!!!」
「ここで倒れろ!!」
ダァンッ!!
「あ"ぁぁぁっ!!」
「ちぃっ!?」
藤志郎が正拳突きを放つも、その勢いを利用して背負投をしようとする宗忌の脳天に肘鉄を撃ち当てて、怯ませて距離を取る。
「ぅがああぁあああぁぁぁっ!!!」
「っは!!尼村とか言ったな、お前はたしかに強かったよ。だがなぁ、俺はこんな所で殺られるわけにはいかないんだ……悟空!!!」
【おう!!!】
藤志郎は四尾の大猿、孫悟空へと変化すると、その姿を見た宗忌は息を呑む。
「【俺達をナメてると、火傷するぜ!!熔遁、灼河大噴火!!!】」
ゴゴゴゴゴ……!
ドッパァァァァァァァンッ!!
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!!?」
高温高圧力の灼熱のマグマが吹き出し、そのマグマに焼かれる宗忌の身体は肉が焼け焦げ、骨もボロボロに崩れていく。
「んぎあああああああああ……っ!!!!」
全てが焼かれていった宗忌は最後には燃えカスへとなったが、最期に宗忌は殺した家族に対して、過去を思い出し笑みを浮かべていた。
「(あぁ……たのしかったなぁ……。)」
その後、悟空とのリンクを切った藤志郎は近くの建物の屋上に最後の力を振り絞って避難すると、その場に倒れ伏す。
伸びた犬歯や焔のような体毛も消えて元に戻った。
「っぐ……力を使いすぎた、か。はは、指一本動かせないとはな……。」
藤志郎は仰向けになると、真っ青な青空を眺めながら離れている想い人達の事を想っていた。
『藤志郎さん!』
『藤志郎はん!』
『藤志郎……!』
「(如月、雫、朱華……。)はぁ、はぁ……少し休んだら、春輝達と、合流しないとな……。
それまで……少し……―――」
藤志郎はそれだけ呟くと眠りについた……。