獣狩 雨夜……彼は風間 鬼蔵の外部からの協力者であり、元々AAプロジェクトの被験体の調達の為、抜け忍の生け捕りなどをしていた。
紳士的で口調は丁寧だが、残忍で好戦的な性格をしている彼の実力は本物であり、鬼蔵が以前に飼っていた子飼いの忍、数人ほど皆殺しにしたのだ。
その功績が認められ、特殊刀“雁木鑢”を手に入れたのだが、この雁木鑢という刀は見た目は“刀”とは呼べず、斬ることには向いていない。
だが、逆に“
さらに“
“対魔粒子”であれば、忍法に対して耐性を持ち、喰らい続ける事で長時間維持でき、“魔力”であれば喰らえるエネルギーの範囲が大きくなり、最大で10メートルまで伸び、“自然系・異能系忍術”であれば、その忍術の特性を纏うことが出来るという能力を有している。
だがもし、その“3つを合わせたエネルギーを雁木鑢が取り込んだらどうなるか”。
答えは……。
ガシュッ!!!
「ぐっ!!!?」
ズンッ!!グルルルルルルッ……!
「雁木鑢がコレほどまでに巨大化するとは……。
それにまさかここまで歓喜している所を見ると、どうやらあなたのタコ味が気に入ったようですねェ?
……中々、削り甲斐のある方のようだ。」
「っ!!?」
「さぁ、もっと本気を見せてくださいよォ!!」
【晃、変われ!!!】
◆◆◆
パリィィィンッ!
「っ!?」
五車学園の晃の暮らしている部屋、その部屋を掃除していたケイリー・マイヤーズ。
その時、晃の茶碗を落としてしまい、それが粉々に砕けてしまったのを見たケイリーの胸中に不安が募る。
「師匠……。」
ケイリーは砕けた茶碗を片付けながら、晃の身が無事である事を願う……。
◆★◆
「これは……どういう事でしょうかねぇ?
八尾といえば雷遁を超える力を持っていて、どんな強敵にも迅雷の如く倒したと聞いていたのですが……まさか怪我をするとは。」
「はぁ、はぁ……っ!」ぽたぽた……。
晃の頭から赤い血の雫が、ポタポタと滴り落ちる。
牛鬼が晃と変わった瞬間、咄嗟に牛鬼は雷遁で雁木鑢を躱したのだが、その雷遁すらも削り取られた上に雷遁の速さもプラスされてしまい、晃の頭を掠めたのだ。
しかし、それよりも牛鬼は雨夜から感じられた“冷たい狂気”……人間では感じられない“ソレ”は、尾獣ですら震わせる。
「はぁ、はぁ……っ!はぁ、はぁっ!」
【晃!?おい、晃!!しっかりしろ!!
くそっ!どこの誰だか知らねぇが、ヤバい奴送りやがって!!】
「もしかしてすでに限界ですか?それなら……遠慮なく削り取らせてもらいますがね!」
「っ!!?」
晃は雁木鑢が振り下ろされた瞬間に後ろへ飛び退く。
彼の中には今まで感じたことのない恐怖と悪寒を感じ、後ろに下がろうとするが、それを見た雨夜は雁木鑢を肩に乗せて笑みを浮かべる。
「おやおや、まさか恐怖しましたか?
私に確実に“
「っ!」
【晃、挑発だ!!乗るな!!】
「八尾の能力者はお気楽ながら実力者だと聞いていたのですが、これくらいの人間でしたか。」
「っ!!負けるかよ、馬鹿野郎この野郎!!ういぃいいいいいいっ!!」
ゴオオオオオオオオオオオオオッ!!
「ほう?まだこれほどの力を隠していましたか。
ですが、その強がりがどこまで持ちますかね!
水遁“
ドオオッ!!
「っ!?(これは、雷遁を纏った水遁の鮫!!?)」
水遁、彩鮫弾……それは、雁木鑢で喰らった忍術を水遁の鮫に纏わせ放つ術であり、晃の雷遁を喰らった事で雷遁を纏っているのだ。
「このっ!ナメるなよ!馬鹿野郎この野郎!」
ズババァッ!!
「ほう?彩鮫弾を切り裂くとは。そこそこ出来る様ですね。ですが、まだまだ甘いですね……。
水遁、爆水衝波!!」
ドオオオオオッ!!
「ぐっ!!?ぐああっ!?」
「私の系統は水遁、ですが私は雁木鑢の力で相手の力を削り取り、吸収することで無限に戦えるのですよ。」
「はぁ、はぁ……!馬鹿野郎、この野郎!
舐めるんじゃ、ねぇよ……!!」
「おやおや、まだ立てるのですか?しぶといですねぇ。
」
「負けるのは、嫌いないんだよ。(こいつは、長引かせると面倒だな……。八っつぁん、力貸してくれ。)」
【あぁ、良いぜ。だが奴はお前より確実に上だ。
無理はするなよ。】
「(オーケー……!“バージョン2”だ!!)ういいぃいいいいいいっ!!!」ドゴオオオオオオオオオオオオッ!!!
「ほう?これが尾獣の力、その一端ですか……。ん?」
ガチガチッ!!
「おやおや、雁木鑢はここまで震えて喜んでいるのは初めて見ますね。どうやらその力をかなり気に入ったようですよ。」
「嬉しくねぇ告白だぜ……!雷遁、“
「ほう、タックルですか?分かりやすいですね!!」
「(掛かった!)っしゃあおらあああああっ!!」
晃がタックルに見せかけた攻撃、それに釣られた雨夜は晃のタコ足に絡め取られ、動きを封じられる。
そして、その隙に晃は自身の最強の術をぶつけにかかる。
「喰らえ!!霆遁!“
「ぐうぅっ!!?(なんという力!!?ですが、容易くは吹き飛びませんよ!!)」
ぶぅんっ!!ザクザクッ!!
バリバリッ!!
「ぐっ!!?しまった、チャクラを!!?」
胸を大きく抉られて吹き飛ぶ雨夜。しかし、晃も雁木鑢をぶつけられ、その肌の突起によって衣を剥がされてしまい、人間態まで戻されてしまう。
そして、晃のチャクラを貪り食う雁木鑢は雨夜に擦り寄ると、晃から奪い取ったチャクラを雨夜に注いでいく。
すると、雨夜の傷は見る見る内に塞がっていき、大きく抉られた胸は完全に塞がってしまった。
「ふぅ……なかなかやりますねぇ、八尾の方。
雁木鑢が力を分けなければ私は死んでましたよ。」
「はぁ、はぁ……!(くそ、“
こいつ、俺とは相性が最悪だ……!!)」
「さぁて、どこを切り落とし……否、削り取ってあげましょうかね?」
完治した雨夜は晃にゆっくりと歩み寄る。
晃は立ち上がろうとするも、身体には力が入らなかった……。
晃はどうなる!!?