春輝Side
身体が怠い……それに、何だか暑い。やばい……身体がおかしいのが分かる。
何だか頭がぼうっとするし、ぐわんぐわんってする……。
「ぅ……う~ん……っ?あれ、ここ、どこだ……?」
ゆっくりと目を覚ますと、そこは知らない天井が拡がっていて、自分はベッドに寝かされていた。
状況が分からず、首を傾げていると……。
「おや、起きたかね?」
「?誰……あれ、あなたは?」
声のした方を見ると、そこには以前に五車町に来たオークのケインさんがいた。
「あなたは、ケインさん……?」
「そうだとも。そして、Welcome!Mr.春輝。
私の職場、“
「さんずのかわ?」
「そうさ。正式名称はノマド強制労働施設“三途川”。
あ、そうだ。体調はどうだね?
ここまで何があったか、覚えているかな。」
「ここまで……?確か、対魔忍の仲間に襲われて……それで、下水道に逃げ込んで……。」
「そこまで覚えているのならGOODだ。
キミはこの三途川の近くに倒れていたのを、偶々私が見つけてね?
体調がかなり悪かったから、ある程度手当と治療をさせてもらったのさ。」
「そう、なのか。それはありが『ガチャッ!』っ?」
今、何か聞こえてはいけない音が聞こえたんだけど?
手元を見ると、俺の右手には頑強な手錠が掛けられており、ベッドから出られないようになっている。
いや、何だよコレ?!
「驚いているようだね。それはこの三途川で造られた特注の手錠だ。火や水、風の力でも簡単には壊せないようになっているんだ。」
「あの……。コレ外してくれませんか?みんなと合流「今の状態でかね?」え?」
「今のキミの状態だが、はっきり言ってかなり悪い。
何せまともに長期間栄養を摂取していなかった為に栄養失調に成りかけていたし、過剰なストレスに加えて連戦で肉体も精神もダメージを負っている。
キミに出来るのは静養して、肉体と心を休める事だ。
幸いここは隔離施設だ。受刑者たちは入ってこれない。」
「静養しろって……ケインさん、俺は」
「キミとMr.芳陰、Mr.礼導、Mr.甲河、Mr.犬塚の5人が法外な懸賞金を掛けられているからかね?」
「っ!?どうして知って……。」
「私は端末1つで政府のネットワークに侵入出来るんだ。キミたちに何が起こっているかは、軽く調べたんだ。そして、今回の首謀者も知っている。」
「え!!?」
今回の首謀者……!!?
ケインさんはそいつの事も調べたのか!?
驚いていると、ケインさんは端末を俺に投げてきて、受け取ると、そこには1人の老人が写っていた。
「これは……。」
「風間 鬼蔵……政府の重役の1人で、キミたちを指名手配犯に仕立て上げた張本人さね。」
「この、政治家が……俺達を!?」
写真に写っていた初老の男、こいつが俺達を……!?
「ちなみに今、キミたち5人の首に掛けられた懸賞金は1人10億、5人で50億。」
「っ!!そんな!?なんでまたこんな事を……?」
「そこまでは分からん。それより、キミに出来ることは身体を休めて万全にする事だ。
あとで食事を持ってくる……しっかり休むことだ。」
それだけ言うとケインさんは、部屋を出ていった。
けれども俺は、写真に写っていた男……風間 鬼蔵が何故こんな事をしたのか、それが分からずもやもやしながら、天井を見上げていたが気持ちが収まらない。
その中で俺は九喇嘛に話し掛けた。
「(九喇嘛、起きてる?)」
【あぁ、起きてるぞ。それに、今お前が何を思ってるかも大体は分かる。】
「(なら話が早いか……鬼蔵って奴は、何のために俺達を?)」
【……さぁな、そこまでは知らん。だがまぁ、碌でもない事をやろうとしてるってのは、確かだろうな。】
九喇嘛と話していると、扉が開きケインさんが入ってきて、何やら大量の料理が乗ったカートが入って3台程入ってきた。
ケインさんが自分の所にステーキを20皿とワインを置き、俺の所にも肉料理10皿程と山盛りの米を置いてきた。
「(え?これ、全部食うの……?)」
「やはり身体が弱っている時には食事が一番!
食べたら少し休み給え。」
「は、はぁ……。ありがとうございます。」
謎の高待遇で饗される事に戸惑う春輝。
美味い食事を食べ終え、その後はベッドにて休むように言われ、そのまま眠るのであった……。
しかし、その頃、すでに彼を追う敵は近くまで来ていたのである。
「へぇ?この奥、ねぇ……。」
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