飽きられないように頑張ります!!
※修正案、ありがとうございます!
春輝がケインに拾われてからどれほどの時間が経っただろうか。
時間が分からない中で、春輝はケインの事を考えていた……。
「(ケインさんは、何で俺を助けたんだ?
いくら自由を愛すると言っても、こんな事同族が知ったら、殺しに来てもおかしくないのに……。)」
如何にケインが自由であると言っても、それが許されるのには限度がある筈。
それにケインは自由とはいえ魔族、そんな中で彼は自分を助けた……春輝はその理由が分からなかった。
「……はぁ、考えても分からない。寝よ。」
春輝は身体を休めるために眠るのであった……。
◆♧◆
ノマド強制労働施設『三途川』
ケインの“自由”と“仕事”を考えて造られた巨大刑務所。
捕獲された者はノマドの新たな重工業や精密機器の作成する為に強制労働を強いられる。
だがそれは裏で使われる物ではなく、一般的に出回る普通に使える商品であるため社会貢献はしている。
受刑者、看守は全員男性。
そんな三途川へと続く扉の前に、1人の男が立っている。その見た目は長身で筋肉質であり、髪は癖のある銀色のカジュアルロング。
服装は全身タイツに黒の巨大マントとズボン、両腕にギブスのようなプロテクターを付けている。
「すぅ~、はぁ~……それじゃ、おっ邪魔しま~す。」
バアァァアンッ!!
ビイーーッ!!ビイーーッ!!
吸っていた煙草を捨てると男は分厚い扉が破り、中に入る。すると、警報が鳴り響く。
その警報に受刑者達は何事かと驚きながら首を傾げていると、見慣れない男が歩いてきており、受刑者達はその男に首を傾げる。
そんな時、突如寒くなり始めたのだ。
「な、なんだ!?」
「寒ぃ……!?」
「ど、どどど、どうなってんだ!?」
「さぁて、ゆっくりと凍死するのを待つか、俺に殺されるか、好きな方を選びな。」
「ひいっ!!?た、助けて……!!」
「か、身体、がぁ……!!」
受刑者達は徐々に凍りつき始め、ものの数分で完全に凍りついて動かなくなり、彼の周りの物も完全に凍りついてしまった。
「あ~らら、終わっちゃったよ。もう少し保つかと思ったんだがなぁ。『パチパチッ』ん?」
「Good Evening。私の縄張りで随分と好き勝手してくれたモノだ……。」
「これはこれは珍しい。誰かと思えば、“自由なる狩人”じゃないか。こんな辺鄙な所に住んでるのか。
あんたなら知ってかもしれないから聞くが……“人柱力”は何処だ?」
「じんちゅうりき……?はて、何の事かさっぱり『パキィィンッ!』おやおや。」
ケインの足は即座に凍りつき、それを見たケインは感心した様に息を漏らす。
「悪いんだが、俺は無駄な時間を過ごす気は無いんでね?
ここに人柱力の一人、水城 春輝が運ばれたのは知ってる……早く吐かねぇと、氷像か丸焼きにしちまうぞ?」
あまりに上から目線の態度に対して、ケインは俯き身体を震わせながら笑う。
「ふっふっふっ……!!随分上から目線の態度じゃあないか?しかし、まさかこんなにもナメた態度とは……!!」グググッ!!
「ほう……?」
「怒りが爆発する寸前だよ……!!!」
ケインは額に青筋を浮き立たせ、筋肉が膨張していき、同族のオークよりも頭2つ程飛び出る程の巨体になる。
さらに膨張した筋肉の熱により、自身の足を覆っていた氷が砕け散り、衣服も弾け飛ばす。ケインはブーメランパンツ1枚になると巨大な拳を男に向かって振るう。
「ふんっ!!!」
ブンッ!!ダアアアンッ!!
「っと!確かにあんたの腕力は大したものだ。だが……どんなにすごい力も当たらなければ意味はない。それに……」ゴオオオッ!!ズガッ!!
「ぐっ!!?」
「無駄な時間を過ごす気は無いって言ったろ。敵対するってんなら……潰すまでだしな?」
ボオオオオオォォォォッ!!
彼は拳を紙一重で躱し、高熱を発した掌をケインの顔の前に翳し、火炎を放つ。
モロに顔面に直撃し、片付いたと思いニヤリと笑う。
しかし、次の瞬間……。
ガシィ!
「っ!?」
「慌しいことだぜ。そんなせっかちだとレディにはモテないぞ?」
攻撃を喰らいながらもプロテクターごと腕を掴むケイン。
そして空いている手にゆっくりと力を込めて握りこむ。
「男なら…こうして…!」
ミシミシミシミシッ!
「ッ!?(ふ、振り解けねぇ!)」
離れようとする彼だったがあまりにも強い力で掴まれて振り解けない。
一方ケインは、握りこんだ拳を後ろへ振りかぶる。
「ゆっくり…優雅に行くのが…」
ズドンッ!
「がはぁっ!?」
「スマートってもんさ」
ケインの拳が腹部に直撃し、吹っ飛ばされる彼だったが、足に力を入れ地面を引きずった事で、数メートルまで飛ばされるだけで壁に激突されずに済んだ。
だが思わぬダメージにその場で片膝をつき、腹部を抑える。
「げっほ!げっほ!……なんつー馬鹿力だよっ!
(これ、下手したら内臓殺られてんぞ!?)」
「そうそう。馬鹿力が取り柄さ……。さて、君に質問だが?“
ワザとらしく聞いてくるケイン。
それに対して直撃した腹部を擦る彼は、ムカッとしたのか、ゆっくりと立ち上がる。
「はぁ……よーく分かったぜ。どうやらアンタを見くびってたようだ。謝るよ、“自由なる狩人”。」
両掌から高温を発しながら笑う。
それを見ていたケインも同じように笑う。
「じっくり時間を掛けて殺るとしよう……丸焼きの刑だ。」
「望む所さ♪」
◆◆◆
その頃、春輝は夢の中で大天狗の天、鵺の焔呪、土蜘蛛の鐵河、そして九喇嘛の4人と話していた。
「天、焔呪、鐵河、九喇嘛……俺、何でケインさんは助けてくれたんだろう?」
【さぁな。まぁ悪意は感じなかった、何かしら有るんじゃねぇか?】
【ボクも九喇嘛と同じ意見かな?
悪い人……いや、悪いオークではなさそうだから良いと思うよ。】
【2人は甘いといえば甘い。何か理由があるんだ。
それが分からん限りは気を許すのは止めておけ。】
【何でも良い。】
好意的な天、否定的な焔呪、基本的に何を考えているのか分からない鐵河に春輝は悩みながら首を傾げる。
しかし、春輝はケインという存在を悪い者とは思えず、初めて会った時も友好的な態度に戸惑いながらも、彼と話すことが出来た。
自由を愛する性格からなのか、元々の性格からなのか、ケインのフレンドリーさに春輝は驚いていたが、何故か信用出来ると思えたのだ。
「(何でケインさんは俺を助けてくれたんだ?
やっぱり何か理由が……?)」
【おい、春輝。悩むのは結構だが部屋の外、そこでケインが誰かと戦ってる。】
「え?!それ本当!?」
【あぁ。妙な雰囲気の人間だが、かなり強いぞ。
んで?どうする?】
「ここまでしてくれたんだ!ケインさんにはお礼もしたいから助ける!!」
春輝は精神を戻すと、右手の手錠に触れようとすると、手錠は外れており、さらに身体の調子も普段より調子が良くなっていた。
「っ!?(身体の調子が良い……。ケインさん……ありがとうございます!!)モード、電光石火!」
春輝は気配を探りながら部屋を出て、電光石火で廊下を駆けていき、外へと出るとそこには肌から煙を上げているケインがいた。
そして、その前には今にもケインに止めを刺そうとしている男がおり、春輝は電光石火で男の懐に入ると、その腹に小節を叩き込んだ。
「っらあああぁっ!!!」
ダアアアンッ!!
「がはっ!!!?」
殴り飛ばされた男は大きく吹き飛んだのであった……。