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「はぁ、はぁ……っ!」
「刃が当たる寸前で躱したか。大した反応速度だ。」
達郎の腕から大量に出血しており、肩で息をしながら猟の姿を捉えている。
猟の忍者刀が振り下ろされる寸前に防具で防いだが、その薄い守りでは守りきれずに腕を斬りつけられ、達郎は身を翻して躱した。
腕は切り落とされず、刃も骨まで届いていないが、それでもかなりの激痛であり、出血が止まらない。
「痛むか?泣き喚いて助けを呼んでみるか?……助けを呼んだとて、無駄では有るがな。」
「ぐっ……!!ナメるな!!風遁、空刃!!」
「(術の速度を活かして逃げるつもりか。)」
達郎の扱える風遁の中で最速の術、空刃を猟に放つ
しかし猟は冷静に対処し、後ろにある墓石まで飛び、
「っ!?(今のは、一体どこへ……)」
「火遁、火焔刃!」
シュボッ!!……ズバババッ!ジュッ!!
「っ!!この!」
達郎は再び空刃を放ち躱すが、猟は近くの墓石の所まで飛び、再び入り込もうとする。
「っふん。往生際が悪い奴だ。」
「逃がさないっ!このまま一緒に……」
達郎は入り込もうとする猟を見て、一緒に入ろうとまだ入っていないマフラーの掴む
バリバリバリバリッ!
しかし、マフラーを掴んで入ろうとするも、達郎は弾かれ倒れ込む。
「無駄だ、この抜け道は私専用。他人は疎か小石一つも入れはしない」
そう言って完全に墓石に入り込む猟。
「こ、今度はどこから」
「火遁、火焔刃!」
「ぐぁっ!!!?」
ドサッ!!
猟の火遁の刃が足を貫通し、肉が灼けた痛みに倒れてしまう。
猟は空間から出ると達郎に近付き、足で首を抑える。
「抵抗されても面倒だ。四肢の2〜3本はへし折っておこう。いや……どうせ殺すんだ。達磨でも変わらないか。」
「っ!!?」
「死ね「風遁、空爆!」『ボンッ!!』っ。」
白い煙と共に達郎の姿が消えたが、遠くに彼の姿が見えて、達郎が風遁を使い、その場から足を引きずりながら逃げ出したのを見た猟はため息を吐く。
「腑抜けが……。風遁を使って逃げるとは。だが、逃がすと思うか?」
罵倒しながら達郎の後を追う猟。
「(くそっ!一旦潜り込まれると気配が感じられない。どこから攻めてくるかも分からない……。恐らくあいつの能力は姉さんの空遁の術に酷似してる。)」
常に風遁を使い続けて逃げる達郎は猟の能力を考えており、一番に思い浮かべたのが姉の術である空遁の術ではないかと思う
「(だけど、あれは跳躍というより潜伏の方が近い。それに……。)」
達郎は手に持っている物を見る。
それは弾かれた際、千切ったマフラーの一部だった。
「(小石一つも入らない。他の物体は入れないなら奴の持ち物は対象外なのか。それとも……)」
そう考え、マフラーの一部を調べると、“
「!?これは!」
「どこへ逃げても無駄だ」
どこからか猟の声が響き渡る
「お前のその行動は、自分をさらに死を近づかせる。故に…………背後からの奇襲には反応できない」
すると、猟は
「(っ!!ここだ!)喰らえぇぇ!」
「ッ!ぐぅ!」
ザッシュ!
「ぐぅぅ!?」
ザッシュ!
この攻撃に猟は反応が遅れ、両腕を斬られるがそのまま達郎の肩を斬り、そのまま勢いに任せ、達郎から離れると同時に地面に亜空間を作り出してその中へ逃れる。
肩を斬られた達郎は再び逃げ出し、猟はそれを追いながら達郎に攻撃を仕掛けていく。
「あぐっ!!?」
「ちぃっ……。」
追いかけっこをしていく内に攻撃を受け続けた達郎は血を流し続けによる大量出血、風遁を使い続けた疲労でその場に倒れてしまう。
「ぁ…………。」ドサッ……。
「(頃合いか。)」
猟はもう限界だと判断し、姿を現し、そのまま“斬空”を構えながら近づく。すると達郎はフラつきながらもゆっくりと体を起こし立ち上がって叫ぶ。
「分かった、ぞ……。お前の、能力の正体と、その、特性が……!!」
「なに……?」
「お前の、能力の正体は、その刀……だ。その刀で切った亜空間に入れるが、そこには、自分以外の物は小石一つでも通さない……。その事から身に付けている服やブーツは例外じゃないのか……?」
マフラーの一部を見せる達郎。マフラーの中から“ある物”を取り出す……それは毛髪だった。
「一見分からないが繊維の中にお前の毛髪が編み込まれている。こうする事でお前はマフラーを自分の一部に仕立て上げた。そう例えば、お前の身に付けている装具全てにはお前の、DNAデータが組み込まれている……とか。」
「ほう?この短時間でそこまで見抜くか……。(この小僧、生かしておくには少々厄介だな。確実に始末する。)」
人質ではなく、確実に始末する事にした猟。
例え斬空の能力と特性を見破られても亜空間に入ることの出来ない達郎に勝機は無いと考えていたが達郎は笑いながら……
「頭上には、注意した方が……良いよ?」
……と言いながら上に指さして言う。
それに釣られ猟が上を向くと何かが迫ってきていることに気づく。それは先ほど射出した二つの円盤状の手裏剣が風遁を纏って戻ってきたのだ。
“猟の血がべっとり付いた状態”で。
「あれはっ!?」
「お前の血がべっとり付いた手裏剣……喰らいな」
「くっ!?」
猟はそれを見て驚愕し、急いで亜空間に入るが、手裏剣も後を追うように入っていき、次の瞬間、何かが切り刻まれる音と叫び声が起きた。
ズババッ!!!
『ぐあああああぁぁぁぁぁっ!!?』
亜空間を作った場所の地面から血がにじみ出ており、それを見た達は策が上手くいったと思い、その場に座り込み深く息を吐き出す。
「勝った…のか…?」
そんな達郎の背後からゆっくりと猟が姿を現れる。
「(まさかこの私がここまで…だがそれも終わりだ。死ねぇえ!!)」
風遁による操作された手裏剣で切り刻まれて血だらけに何ながらも達郎を殺そうと“斬空”を振り下ろした。
「……!?……〜〜っっ!!?」
だが当たる直前に“斬空”が止まる。猟は何故止まったのか疑問に思っていると次第に手が痙攣し始め、持っている“斬空”を落とす。
次第に体全体が痙攣し出し、目や鼻から血が出始め、口から血を吐き出す。
「が、かはっ……!な、何を……した、のだ……!?」
「はぁ、はぁ……毒さ。ある人が、調合してくれた、“血”に触れると起きるタイプでね……効き目は遅いけど、少しでも体を動かすだけで急激に促進するもので、さらに何回も毒を受ける事で強化される……。毒の効果は思考能力の低下、体の機能低下、そして毒の浸食さ。」
「……!!?」
それを聞いた猟は思い返し気づく。
目的のためなら手段を択ばず、即座に斬り捨てようとしていた自分が何故、あの時達郎の“斬空”の話を聞いたりしていたのだと。そしてあの時、逃げ続けていた行為も毒の促進を早めるためだったのだと。
これこそ毒の効果なのだと理解したのだ。
まんまと達郎の策に嵌った猟はこのまま死ぬなら道連れにしようと服の下に仕掛けていた爆発物を使おうとした。
「こうなれば、貴様諸共!!道連れだ!」
「!!?……(
達郎はそれを見てその場から離れようとしたが、もう逃げる体力も残っていない。どうすればと考えていると、
「死ねぇぇぇぇっ!!!小僧!!!?」
ドガアアアアアアアアアアアッ!!!!!
そして猟は爆発物は使い自爆した……。
◆◆◆
「っ!!?今のは、爆発音!?」
フェイル・アサシンを倒し終えた一同。その中で凜子の耳の良さで爆発音を聞き取った。
「ここから少し距離があるが、走れば間に合う!行くぞ!!」
「「「「はいっ!!」」」」
宗一郎にそう言われて全員が爆発音のした方に向かうと、そこには広範囲の爆破で周りは何もかも黒焦げになり、小さなクレーターが出来ている廃墓地があった。
「んだこりゃあ?何が爆発したんだ……?」
「酷い……。」
「……誰かいるぞ!」
「「「「!?」」」」
刺客かと思い皆が構えると、そこには空間を切りそこから“斬空”を手にし亜空間に入る事に成功した達郎であった。
「た、達郎ーーーーっ!!!?」
「姉、さ………みん、な………。」
「達郎!!?しっかりしろ!!?達郎、よかった!!?本当に良かった……!!!!?」
猟が自爆する寸前で、咄嗟に“斬空”を手にして亜空間に入る事に成功し、身に付けている服は血で染まっていた為に体の一部として認識されたらしい。
「秋山……いや、達郎。遅くなって済まなかった。よくやった頑張ったな。……半分の5人は達郎と秋山を連れて下がれ。残りは7人は俺と来い。」
「「「「はいっ!!」」」」
次回、本編に戻ります。