※この作品はR-18です。

対魔忍HARUKI   作:ボルボロックス

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独りよがりの歪んだ正義が、春輝達に迫る。


歪んだ正義

 浅川 猟が達郎と交戦していた頃。春輝達は風間 鬼蔵によって用意された悪趣味な戦い、バトルロワイヤルを強いられていた。

 

 

 しかし、その結果は鬼蔵の予想を裏切る結果となったのである。

 

 

「な、なに……!!?これは!!」

 

 

『荼毘!ちょっとごめんよ、っと!』

 

 

『あ?うぉっ……。何すんだよ?』

 

 

『今は状況が状況だし。協力してくれ。』

 

 

 春輝や対魔忍達はバトルロワイヤルの中で、殺し合いをせずに自分達に向かってくる死体のみを倒していった。

 

 

 鬼蔵の予想では、春輝達は状況が飲み込めずに同士討ちをして死体に殺られるという結末を予想していた……その予想が裏切られ、協力する五車の者達はともかく、敵であるはずの“冥”とも協力する事に驚き、頭を掻く。

 

 

「(馬鹿な!馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な馬鹿な!!!……こんな事、計画にはないぞ!!?)」

 

 

『人を台座にしたりしやがって……。テメェ前より歪んでねぇか?』

 

 

『少しばかり成長した感じだよ。というか、荼毘!これが終わったら、あんたとミサキを倒して、2人を解放してもらうからな!!』

 

 

『解放?ハッ!やれるもんならやってみろよ。』

 

 

 軽口を叩きながらも死体を切り刻み、灰に変えていく春輝と荼毘の2人と協力し合いながら現状を打破していく真達を見て、ドンッ!!と鬼蔵は機材を強く叩いて苛立ちを露わにする。

 

 

 その中で猟の方でも変化があった。

 

 

『死ねぇええ!小僧!!!』

 

 

ドゴオオオオオオオオオオオッ!!

 

 

ジ…ジジ……。

 

 

 強烈な爆発音とその後に走ったノイズ音を聞いた鬼蔵の腕が、力なくだらりと落ちる。

 

 

 AAプロジェクトで見つけた最高傑作の4人、そのメンバーは2人が死亡で、2人が行方知れず。さらに蓋を開けてみれば対魔忍に圧される始末。

 

 

 その結果に鬼蔵は情けなくなり、涙が出そうになる。

 

 

「(猟までしくじったのか……。)ははは……ははは……っ。このっ……役立たず、共があぁぁぁっ!!!」

ガシャアァアアンッ!!

 

 

 乾いた笑みを浮かべながらそう言うと、鬼蔵は椅子を蹴り飛ばし、怒りを隠さずに冷静さが消えていく。

 

 

 すると、鬼蔵は手元にある端末を弄る。

 

 

 そして、画面を見ると端末の画面には赤いスイッチが表示されており、それを壊れたような笑みを浮かべると……。

 

 

「ふふふっ……!こうなれば、もう生ぬるい事はせん。わしの正義、その身に一度分からせてやる……吹き飛べ、化け物ども!!」ピッ!

 

 

◆◆◆

 

 

「はぁっ!!」ズバアァッ!!

 

 

「消えろっ。」ボアァァァッ!!

 

 

 春輝の風遁と荼毘の蒼炎の威力のある広範囲の攻撃によって、切り裂かれ焼かれていく死体達。

 

 

 着実に数を減らしていく中、厳重な機会の扉が吹き飛び、さらに鉄製の壁がドロドロに溶けていくを見ると、晃やミサキ達が入って来た。

 

 

「みんな!無事だった?」

 

 

「まぁ何とかな。」

 

 

「……篠宮と晃は大丈夫だったか?」

 

 

「はい。何事も無く無事でしたよ。」

 

 

「イエイっ!オレ「「「「「「ラップ止めろ。」」」」」」アウチっ!?そんなぁ……!!?」

 

 

「んじゃ、雑魚どもも片付いたし……そろそろ」

 

 

 その瞬間、白い閃光が下から迫るのが見え、そして……

 

 

カッ…………ズガアアアアアアアアッ!!!

 

 

 盛大な爆裂音が響き渡り、春輝達のいた施設は連鎖的に爆破されていき、ゴゴゴ……ッと、けたたましい音を立てて崩れ、砂埃が止むと“そこ”はがらがらと崩れた廃墟と化していた。

 

 

 鬼蔵が押したのは、自分の部屋以外の“全ての施設”を爆破して破壊するスイッチであったのだ。

 

 

 このスイッチは鬼蔵に都合の悪いモノの全てを破壊できる装置であり、そのスイッチを押された事で春輝達は瓦礫の下に埋もれてしまった。

 

 

「……ここまで壊せるとはな。奴らは瓦礫の下か。

力は……クククッ……死体から搾り取れば良い。

 

そうすれば、わしの計画(プラン)と今回の作戦で失った4人分の穴は容易に埋められる。

 

そうと決まれば掘り出す用意を……。」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ………!!!

 

 

 

「!?」

 

 

 正面から感じた鋭くもドロリとした威圧感と殺気……それはまるで巨大な怪物に舐められたような感覚であり、それを感じ取った鬼蔵は、懐から銃を抜くとその方向に向かって構える。

 

 

 すると、そこには橙色のオーラを纏いながら、気絶している仲間達や荼毘達を護っていた春輝がいた。

 

 

「貴様……生きていたのか?あの大爆発から生き延びるとは大した物だな。」

 

 

「……こうやって。」

 

 

「?」

 

 

「こうやって何か思い通りにいかなきゃ壊して消すのか?お前らは。」

 

 

「それは全てわしの目指す“正義”の為だ。」

 

 

「あんたの、正義?」

 

 

「今この日本は化け物が裏で操っている。かつて“大日本帝国”と呼ばれたこの国が今では、何の権力も持たない小国であり、化け物が裏で平気で暮らしている。

 

哀れだとは思わないか!!?

 

高々一匹の吸血鬼如きに支配されるなどあってはならんのだ!!

 

ならば有能な者が、使える武器や兵器を投じてこの国をかつての……いや、かつて以上の大日本帝国を築き上げるのだ!!!」

 

 

「……下らねぇ。」

 

 

「何だと……。」

 

 

「下らねぇって言ったんだよ。

大日本帝国?んなもん、俺らみたいな現代人が知るかよ。大体影で活躍してる忍がそんな物(あんたの妄想)のために動くかっての。けど確実に言えることがある。

 

 

風間 鬼蔵、お前は俺がぶっ倒す!!!!」

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!




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