「このわしをぶっとばす?貴様のような小僧がか……?くく……っ!くふふふっ……!!面白い!やれるものならやってみるがいい!!」パァンッ!パァンッ!
鬼蔵は着ていたスーツを脱ぎ捨てて、下に着ていた黒の忍び装束に黒の籠手と肘あての姿になり、手にしていたカートリッジタイプの拳銃から春輝に向かって、弾丸を心臓を狙って放つ。
しかし、春輝はコンクリートで壁を作りながらも石壁を足台にしつつ、速度を活かして鬼蔵に迫る。
「はぁっ!!」
「っ!!?」
接近すると拳技や膝蹴りなどの肉弾戦となり、春輝の速さに鬼蔵は押され始めていく。ガードして距離を取るも春輝はそれを逃さない。
「晶遁、
ザバザバァッ!!と、鋭利な赤い水晶の尻尾、その切っ先が鬼蔵に襲い掛かる。
しかし、鬼蔵は素早い身のこなしで躱すと、再び拳銃による射撃を行うが、その弾丸は水晶の尻尾に防がれて届かない。
春輝はそんな鬼蔵に油断せずに間合いを計りながら、水晶の手裏剣と尻尾による波状攻撃で攻めていきながら途中で徒手による肉弾戦を行うと、鬼蔵は予想とは違う攻め方をしてくる春輝に苛立ちを募らせる。
政府が手にしていた情報よりも、攻め方が術による突破型から技巧型に変わっており、情報が古いことに憤りを感じていた。
「(この小僧、この攻め方は術のみに特化したものでは無い。一見すれば術のみに見えるが、一度隙を見せれば喉元を掻っ切られる。……末恐ろしい餓鬼だ。)些か早いが……こうなれば。」
鬼蔵は懐に手を忍ばせ、そこから“何か”を取り出す。それと同時に春輝も雷遁を纏った春輝も、鬼蔵を討つために迫る。その時に鬼蔵が何かを放り投げると、突然春輝の前に炎が迫ってくる。
「!!?水遁、水陣壁!」
春輝は咄嗟に水遁の壁で炎を防いで距離を取ると、ジュウウウウッ!!という音と共に白い水蒸気が巻き起こる。
「(火遁の使い手なのか?いや、今のは何もない所から炎が上がったように見えた。)」
「どうした?」
「っ……それだったら!」
春輝は風遁チャクラを纏って“速さ”で迫る。
鬼蔵はそれを見て懐からまた“何か”を取り出すと、それを春輝の前に投げ出す。その投げられた物を春輝は確認していた。
「(4枚の……コイン?)」
「にぃ……“
ボオオオオオォォォォッ!!
ビュオオオオォォォォッ!!
バリバリバリバリッ!!
ドドドドドドドッ!!
「!!?ぐっ!?」
炎、風、雷、岩の高威力の自然系忍術を見た春輝は、風遁モードから流す力の“怒濤水天”と体術で受け流していく。
「ぐっ!!?」
怒涛の4属性の攻撃を流す中で、風と雷の攻撃を受けてしまった春輝は、結晶斬尾で鬼蔵に果敢に迫っていく。
それを容易く避けると春輝に近付く鬼蔵に、春輝は風遁の速度を乗せた打撃を放つが、その打撃の威力は鬼蔵の掌に当たった瞬間に“ポンッ”と消えた。
「っ?(なんだ今の感覚……一気に力が、消えた?)」
「フッ……ふんっ!!」
だぁんっ!!
「がはっ!!?」
戸惑っていた春輝に、軽く掌底を放つ鬼蔵。しかしその威力は掌底よりも重く、春輝は吹き飛ばされてしまう。
「げほっ!げほっ!(何、だ……!?あいつの能力なのか!?というかさっきのコインはどこから出した……まさか、あのコイン自体が何かで生み出された力なのか?)」
「どうした?戸惑っているのか?わしの力が解らずに困惑しているようだな。……まぁそうだな。お前さんなら何となくは分かっているんじゃないか?」
「……まさか、あんた忍術以外の力を持ってるのか?例えば、そのコインを生み出したような力とか。」
「……ふむ。で?まさかそれだけか?」
「いや、あとは……昔ある一族が使ってた眼の力、邪眼とかかな?なんかそんな感じがする。」
春輝が勘で鬼蔵の奇異な力について話すと、鬼蔵は腕を組んで春輝を見ながら笑みを浮かべて拍手をした。
「素晴らしい。まさか少ない材料でわしの力を当てるとはな?まぁそれでも4割と言った所だが。……わしは邪眼を“
「!!2つ!?」
「そうだ。右目と左目で効果は違うがな。“
「?最初、だと?」
「あぁ……昔はわしも忍で、左目の邪眼はその時に奪ったのだ。だが五車の忍なら知っているだろう?目で闘う忍の一族……『ふうま』の一族の事を。」
「……っ!?まさか、お前は?!」
「そうだ、風間 鬼蔵という名は偽名!風間は読み方を変えると『ふうま』になる。つまりわしの本当の名は『ふうま 鬼蔵』!
ふうま 弾正よりも長く生き、わしの存在は極々限られた者しか知らない。」
風間 鬼蔵……ふうま 鬼蔵から語られる言葉に驚く春輝。
ふうま 弾正の事は授業の中で聞いていたが、それ以上に長く生きている『ふうま』の忍の存在に驚かされる。
「あんたの正体は分かった。だが、その目的は何なんだ!?何故俺達を狙う!?」
「この世の忍の質と出来の悪さは酷いものだ。特にアサギや忍の上位共の戦績の酷さは見るに耐えん!だが、そこでお前達、尾獣を宿す獣憑き共を利用し、国を守ると同時に今の忍を抹消、あるいは下僕ことにした事のだ。」
「〜〜っ!!ふざけんな!!九喇嘛達にだって命だ!!物扱いするんじゃねぇ!!!」
鬼蔵の言葉に怒りを覚えながらも、怒りに囚われず冷静に戦おうと構える春輝。
その時……。
「全く、その通りだぜ春輝。」
「!!」
春輝が声のした方を向くと、荼毘とミサキ、蒼都は姿を消していたが、真、晃、源太、藤志郎、篠宮の5人は起き上がっていた。
「……貴様ら。」
「ふうま 鬼蔵。俺達はお前には負けねぇ。」
「俺達には大切な者達がいる。」
「オレ達、ダチが待ち、家族が待ってる!!」
「下らねぇ妄想には負けねぇぞ!!!!!」
「私達、強いんですから。」
「ふうま 鬼蔵……仲間がいる奴は強いんだぜ!!」
「よく言った!!!」
春輝達は背後から聞こえてきた声に振り向くと、そこには獅子堂 宗一郎率いる救出組が来ており、ゆきかぜは春輝に飛びついた。
「お兄ちゃん!!!!」
「ゆきかぜ!!」
「よがった……!よがったよぉ……!!」
「心配かけてごめんな。……宗一郎さん。」
「話はあとだ。……風間……いいや、ふうま 鬼蔵!お前をここで討つ!!」
結集した五車の面々を前に、鬼蔵は拳を強く握るのであった……。
次回、この章もラストです!