「ふふふっ…粘るではないか。あの小僧も」
鬼蔵と春輝との戦闘は激化する様子を楽し気に見ている政府役員達。
「そろそろお互い疲労困憊だ。我々の部隊を送ると…ん?」
「うぅ…うぅぅ…」ブルブル
「どうした?何を震えている」
役員の一人が体を縮こませ、震えているのを近くの者が気づく。
さらに異変はそれだけではなく…。
「うん?…おい、この部屋少し寒くは無いか?」
「変ですね。空調は効いている筈ですが」
気温が下がり始め、寒気を感じ始める役員達。
何かが可笑しいと思い始めた頃には……
「へっ…」
「っ!貴様どういうつもりだ!?」
この場で地位の高い役員の一人が鏡助が部屋を凍らせ始めているのを気づき、それに他の役員達も気づく。
周りの観葉植物や機材などを凍結する中、鏡助は動く。
「そろそろあっちも片が付きそうなんでね。こっちも片を付けようと思ってね」
「なっ!」
既に役員達が居る場所以外が完全に凍結していく。
「馬鹿な!鬼蔵が消えれば、お前を同じ地位にすると!」
「そして少しでも気に入らない事をすれば即座に切り捨てる。どうせ俺の後釜も用意してるんだろ?」
「くっ…!」
鏡助に自分達の目論見が既に見抜かれている事に歯ぎしりする。
一人の役員が鏡助に向かって言い放つ。
「お前は定期的にメンテナンスをしなければ生きていけない体なんだぞ!?」
「心配ない。解決策も見つかった」
「なんだと!?」
「実はよぉ…結構前にヘッドハンティングされてたんだよ」
鏡助はそう語りながら、地位の高い役員の所まで歩き始める。
「そこは実力が物を言うの場所でな。時が来れば好きに暴れられるし、メンテを受けることなく生きれる体も手に入る。しかも以前より強化されてなぁ…つまり」
鏡助は地位の高い役員の前で止まる。
「もうあんた等用済みだ」
「「「「うっ…うぁぁぁあああああああああああ!!」」」」
鏡助の言葉を皮切りに他の役員達が一目散に逃げ始める。
すると近くに居た役員が怒鳴り散らす。
「貴様っ!鬼蔵から邪眼を抜かれ、瀕死の重傷だった貴様を助けたのは我々、政府役員なのだぞ!?」
「そう。“肉体改造”を施し、“能力を植え付けた”……。」
ガシィッ!
「ぐぉお!…ああぁぁ…ぁぁ…」パキンッ……
「AAプロジェクトの最初の被験体として利用する為にな」
役員の顔を掴み、全身を凍らせていく鏡助。
「おい、さっさと開けろ!」
「ダメです!全く開きません!!」
一目散に逃げた他の役員達は出入り口の扉で開けようとするが、全てが金属、電子機器で作られた頑丈な扉である為、パネル操作でしか開かない。
だが全ての機械は鏡助が凍結したことで、機械は全て使えなくなっている。
役員達は無理やり、扉を開けようとするが開く気配がない。そうこうしている内に
「う、うぁああああ!……ああぁぁ…ぁ…」
「足がぁぁぁ………」
「い、嫌だ!まだ死にたく……なぁ……」
次々と凍らされていく役員達。
そんな惨状を見た地位の高い役員は腰を抜かし、漏らしていく者も出てくる。
「ま、待て!欲しいものをやろう!金か!?女か?!権力か!?」
「いらねぇよ。それに欲しいものは手に入れてるしな」
「え?」
後退りしながら命乞いをする役員に興味なく答える鏡助は、懐に仕舞っている物を取り出す。
それを見た役員は驚愕する。
「そ、それは!?」
「苦労したぜ。なんせこいつは一定の権利を持つ役員しか見る事が出来ない最高機密レベルの代物だ。容易に持ち運び出せるのは不可能……この状況以外はな」
「ま、まさか初めから…」
そう、鏡助は初めてか政府や役員達を信用していない
簡単に裏切る者達を信用するなど、ありえないのだ
鏡助は役員に向けて掌を向ける。
「こいつは退職金代わりに貰っておくぜ、それに他の物もな」
「た、頼む…い、い、命だけは…!」
「もう聞き飽きたぜ。そのセリフ。」
掌から高温を発し、さらにプロテクターから大量の煙を発せさせる
「じゃあな。“前”上司の皆さん達。」
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!
とある場所の地下で巨大な爆発音が鳴り響く
それと同時にカモフラージュで建てた巨大なビルも所々が爆発する。
ビルは崩壊し、天高く炎が燃え上がる。
そんな炎の中から鏡助は無傷で出てくる。その手には巨大なアタッシュケースを持っている。
すると、ある一人のローブを着た人物が現れる。
「これはこれは…心配して態々迎えに来てくれたのか?」
「そんな訳ないだろ。お前なら問題ない筈だ……
「こいつだろ?」
そう言って手に持っていた巨大なアタッシュケース投げ渡す。
受け取って中身を確認していると鏡助が語る。
「AAプロジェクトに関するデータとふうま一族の邪眼のサンプル。まだそれは一部程度、まだまだあるぜ」
「上々だ、これだけあれば俺の術で兵を量産できる。兵力はこれで確保出来たな。」
「そっちの用事は?」
「あぁ……
そう言ってローブの下から液体の入った瓶を取り出す……その中には二つの目玉が入っていた。
「手に入った」
「鬼蔵の最期もあっけないものだな。まぁこれも因果応報って事か」
「元々AAプロジェクトは、ある実験の後に生まれた物だ。
「まぁ組織という物は大きくなれば綻びが生じるものですよ。」
鏡助達が話している時、新たに一人が姿を現す。
「よぉ、お前も終わったのか
その人物は礼導 晃と交戦した獣狩 雨夜だった
雨夜は此処へ来る前に政府役員が抱えていた忍と監視していたふうま一派の忍を皆殺しにしていた
「恐ろしいね、外部と言ってもふうまの協力者だろ?」
「以前からふうまのやり方に疑問がありましてね」
以前からふうま一族のやり方に疑問を抱き、離反する事を心に決めた雨夜。
そのタイミングで捕縛作戦が始まると同時に雨夜は命令を聞くフリをして、暗躍をしていたのだ。
「さて、もう此処には用は無い。いくぞ」
そう言ってローブを着た人物が印を結ぶ。
すると三人の足元から影が溢れだし飲み込み始める。
「俺達
「分かったよ。」
「えぇ。」
その言葉を最後に三人は影に飲まれ、その場から消える。
新たなる巨大な悪が動き始めた……。