政府による人柱力捕縛作戦失敗から3日後の土曜日、対魔忍の里である五車町。
そこにある甘味処である稲毛屋の前で金髪に大きく豊満な乳房が目立つ美女、鬼崎 きららがラフな格好で誰かを待っていた。
すると、1人の人物が声を掛けてきた……。
「鬼崎さん。お待たせしました。」
「いいえ、来てくれて嬉しいわ……薫。」
きららに近づき声を掛けたのは、春輝のクラスメートであり、百愧龍宮の幹部、“八愧将”の1人である芳廼 薫である。
「鬼崎さんからお願いがあるって言われて驚いたけど、どうやら相当大切なお願いのようだったから。
それで、お願いって何?」
「あなたのボスに会わせて欲しいの。」
「ボスって、暁冥様に?」
きららは頷くと、薫はその真剣な眼差しを見て一度暁冥の下へ連絡を入れ、そして、承諾を得た薫はきららに向かって頷く。
2人は百愧龍宮の本拠がある村にバスで向かうと、きららは薫と共に百愧龍宮の長であり、最強の一角である鬼龍の鬼徹 暁冥と面会していた。
「よぉ、お前さんの事は薫から聞いてる。
鬼族と人間のハーフらしいな……。
前に来た時から何となく分かってたぜ。」
「はい。鬼徹 暁冥さん、突然ながらお願いがあります。」
「なんだ?」
きららは暁冥に向かって頭を下げ、自分の目的を告げた。
「私に修行をつけてください。」
「……そいつはまた、どうしてだ?お前さんの力はそこらの奴らなんて軽く倒せるほどだと思うがな。」
「それじゃ足らないの。
少なくとも……あんたの秘書さんくらいの実力が欲しいの。」
「クローディアに並ぶ力が?
そいつは随分と欲しがりだな……理由は何故だ?」
「
今回、少し大変なことがあった上にその時に起きた騒動で力とか考える力とか足りないのを痛感したわ。
だから、五車で学びながらここで力をつけたいの。
勝手なお願いなのは分かってるけどお願い!!
私を、強くして!!」
「……。」
暁冥は自分を真剣な眼差し見詰めるきららに、腕を組んで考え込むが、その目から伝わる意志の強さに暁冥は腕を組んで悩む。
すると、襖の外から誰かがいるのが見えた。
「誰だ?」
「暁冥様。楓です。宜しいでしょうか?」
暁冥達のいる部屋に訪ねてきたのは、青い着物を着た女性であり、その顔立ちは凛とした面持ちでどこか凜子にも似ている雰囲気の人物であった。
「初めまして。私は
「っ!良いん、ですか?」
「強くなりたいというのは人間ならば当然だ。
それに誰かを想うのなら、それも人間として当たり前だ。私が鍛えるの手伝おう。」
「!ありがとうございます!」
「それじゃあ、無理のないようにするんだぞ。
楓、お前も無理のないようにな。」
「承知いたしました。」
きららは楓の指導の下、鍛える事になった……。