文章力が欲しい。
凜子Side
学園を飛び出した私は空遁を使い、兄者……村雲 源之助の部下だったくノ一、陽炎殿が運ばれた病院に向かって駆けていた。
多くの門下生を斬殺したあの男が、何故兄者の部下である陽炎と戦っていたのか、奴が何者なのかを知るために病院へと向かっていた私は、後ろから追ってくる春輝に構うことなく走っている。
そして病院に着くと、病院の入り口には陽炎殿が待っていた。
「お待ちしていました。秋山 凜子さん。」
「陽炎殿。ここにいるという事は、話を聞かせてくれるのですね?」
「はい。全てを話します貴女と、そこにいる方に。」
陽炎殿が植木の方を見てそう言うと、隠れていた春輝が出てきた。
「どうも。気付かれてましたか。」
「春輝、何故来た?」
「学園飛び出しといてよく言うわ。それよりこの際だから、詳しく聞かせて下さい。凜子に斬り掛かった奴のことを。」
「はい。では、ここでは話せないので私の病室に行きましょう。そこでお話しします……。」
私と春輝は陽炎殿に連れられて個室病棟に向かうと、そこで話を聞くことにし、誰もいないことを確認すると陽炎殿は話を始めた……。
兄者は五車の里を出た後、病に冒されていた事を知り、陽炎殿は兄者の為に側にいた。その時に兄者は、私と闘う、という望みだけを胸に病が進行する身体にムチを打って鍛錬を続けていたらしい。
兄者が何故私と闘うという望みを持っていたのかは分からなかったが、それでも兄者との闘いをすれば、どうなっていたかは分からなかった。
そんな中で兄者を訪ねてきた者がいた。その者の名は
何者かは分からないその男は、兄者を襲うも立ち会いになり、兄者が門下生として集めていた者達や陽炎殿を倒すと、兄者を斬殺し、その遺体を何処かに連れ去って消えた。
その3日後に陽炎殿は梶谷を見つけると、見慣れない刀を持った奴と闘うことになったが、その際に梶谷は……。
「お前で試し斬りをする。全ては
そう言っていたらしいのだ。
「なぁ陽炎さん、その村雲さんを斬殺した梶谷って奴の目的は分からないのか?」
「はい。あの男が何故源之助様を襲ったのか、その目的は分かりません。ただ“幼き日からの宿願”としか。」
「何か、凜子を襲った時もそんな事を言ってなかったか?」
「あぁ、確かにそう言っていた。いったい奴の狙いは……。」
その時、春輝の持っていた端末が振動し、春輝は病室を出ていき、しばらくして戻ってきたが、表情は明るくなかった。
「何かあったのか、春輝。」
「……陽炎さんを襲った梶谷って奴の正体が分かった。何でも職人の家の出らしいが、家族は行方不明になっているらしい。凜子、俺はゆきかぜ達に合流して梶谷の作った品が流れたブラックマーケットを探る。」
「分かった。私も後で合流する。」
春輝は病室を出ていき、私も陽炎殿に一礼すると病室を出て五車学園へ向かおうとした、その時だった。
私の目の前に梶谷が現れた。
「梶谷!?貴様なぜここに!?」
「決まってるだろ。お前の持つ石切兼光を奪うためだ。石切兼光はどこだ?」
「ここにはない。それよりも貴様、いったい何の目的があって石切兼光を狙う。」
「我が幼き頃よりの念願のため……小娘、石切兼光を持って来い。そして俺と戦え。」
「断る。何故「断るならば貴様の家族や愛する者達を狙っても良いのだぞ?」下衆が……!」
梶谷を睨む私を、まるで意に返していない梶谷。
この男は危険だ。やると言ったらやるだろう。そう感じている。
カタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタ
カタカタカタカタカタカタカタカタ
私が梶谷の危険性を理解した時、突如不気味な金属音がどこからか聞こえ思わず周りを見るが直ぐに音の発信源が分かった。
「おぉ、どうした?倒したい相手が目の前にいて震えているのか?村雲丸。」
音の発信源は梶谷が持っている村雲丸という銘の刀で独でに刀が震えていた。まるで刀に意志があるかのように激しく震え今にも鞘から飛び出て自分に斬りかかりそうなほどであった。
「村雲丸、だと?その刀はいったい何なのだ?」
「鈍い奴だなぁ。お前に“もっとも関係している者”だと言うのに……。」
「私に?……っ!!!貴様、まさか!?」
村雲丸という銘の刀、何故か分からないがあの刀は……もしかして!?
『梶谷なる者は私を始めとした門下生達を倒すと源之助様のご遺体を何処かに持ち去ったのです。』
五車病院での陽炎殿の会話が蘇る。もしそうだとするとあのヨミハラで死体が突然起き上がり春輝達に襲い掛かって来たことに説明ができる。
すると、梶谷は布に包まれている村雲丸を肩に背負いながら怪しげな笑みを浮かべて、歩き出す。
「知りたければ、明日1人で“ここ”に石切兼光を持って来い。良いか、1人でだ。余計な真似はするなよ。」
梶谷はそう言うと住所らしきものが記された紙を、私に渡して去っていったが、残された私は腹の底から噴き上がりそうな怒りが滾っていた。
間違いかもしれない、だが、恐らくあの村雲丸という刀、あれは……!
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