次回から修行が始まります。
「“強化合宿”?」
『そうだ、宗一郎様から教えてもらった物でな。何でも今回は、獅子堂本家が管理している旅館に泊まり込みであるらしい。春輝、良かったら来ないか?』
ソウマの所での修行終わりの夜、自宅にて寛いでいた春輝に翔馬が電話を掛けてきた。
その電話の内容は、強化合宿への誘いであった。
「俺は行けるけど、他のみんなも呼ぶのか?」
『まぁな。あとゆきかぜと秋山弟とかも誘う予定なんだ。宗一郎様からも許しは貰ってるから大丈夫だ。』
「そうか。分かった、ゆきかぜには俺から話してみるよ。」
『おう、んじゃ明日学園前に集合な。五泊六日の予定だから荷物多くなっても大丈夫だぞ。』
「分かった。おやすみ。」
「春輝、明日合宿なの?」
春輝が電話を終えて受話器を戻すと、不知火が話しかけてきた。
「うん、翔馬が招待してくれたんだ。五泊六日の予定だって。」
「あらそうなの。獅子堂さんに迷惑掛けないようにね。」
「分かってるよ母さん。ゆきかぜ、明日合宿行くぞ〜。」
「本当に!?どこで!?」
「獅子堂家のお宿だって。五泊六日だから準備しておけよ。」
「うん!うふふ、楽しみ〜♪」
「もうゆきかぜったら。あんなに
「じゃあ母さん、明日の準備して寝るから。おやすみ。」チュッ。
「おやすみなさい春輝。」チュッ。
おやすみ前のキスをして春輝は部屋に戻ると、不知火も微笑みながら部屋に戻るのであった……。
♢♤♡
翌日、晴天の太陽の下で春輝とゆきかぜは学園の校門前に荷物を持って向かっており、校門の前には翔馬以外にも凜子やきらら、達郎に真にかなめ、藤孝、斗漸が来ていた。
「みんな、おはよう。」
「よう、よく来たな。春輝、ゆきかぜ。」
「あれ?源太や藤志郎は?」
「犬塚は何か火遁衆の面子と稽古らしく、藤志郎は実家で修行らしい。賢丞は魔族を始末しながら鍛錬をするらしい。」
「源太と藤志郎は兎も角、賢丞は凄いな……。」
「それが賢丞である。」
「篠宮は家で姉の治療とリハビリが忙しいらしいんだ。真庭にも声は一応掛けたが、“興味ない”って言われてな。」
「そうだったのか。」
「まぁ取り敢えず気分を変えて、宿に行こうぜ。ここから車で向かうんだ。宿まで1時間だぜ。」
翔馬がそう言うと丁度大人数が乗れるバスが来て、全員がバスに乗ると宿に向けてバスは向かい、そこから1時間バスに揺られる。
そして宿に着くと、そこには獅子堂 宗一郎と上原 朱乃と小柄ながら目元がキツめな美人な女性がいた。
「翔馬、あの人誰だ?宗一郎さんとか上原さんは知ってるけど。」
「あぁ先に紹介しとかないとな。……みんな、この人は山羊宮 弥生さん。対魔忍の幹部の十二宗家が1つ“山羊宮家”の当主だ。」
「……初めましてお若い対魔忍の皆さん、
「「「「「「「「「(態度キツっ。)」」」」」」」」」
「この様に申してますが、弥生さんは良い方ですよ。皆さん仲良くしてあげて下さいね。」
「誰が良い方です?不愉快極まりないのでやめてくれません?朱乃さん。」
「な、なぁ翔馬。この人きつくないか?」
「大丈夫。俺もそこは触れないようにしてるから。」
「あ、なるほど……」察し
「「「「「「「(前途多難だ。)」」」」」」」
語尾を強めて言っている辺り、朱乃を本気で嫌っている弥生の様子で大体のことを掴んだ春輝達。そんな中、弥生は春輝と真を頭の天辺から爪先まで見ると、首を傾げる。
「あ、あの……?」
「何か?」
「なるほど……あなた達が噂の。その件は十二宗家の議題にも載ってましたので知ってますわ。特に金髪の貴方。」
「え?お、俺?」
「貴方、面白いですね?深い所にどんよりとした“何か”がある。……じっくり知りたいですわ。」
「っ!?」
「ちょっと!!春輝に近づきすぎよ!!」
「あんまり近づかないで!」
春輝に近づいていた弥生に、きららとゆきかぜが噛みつくように間に入ると、彼女らを一瞥しながらも弥生は春輝に対して優しげに微笑む。
「まぁ良いですわ。今回の合宿で貴方の事は念入りに鍛えてあげます。ごきげんよう♪」
先に宿に入っていった弥生を見ながらも、狙いを付けられた事に対して、春輝は首を傾げながら背筋にゾワッとした物を感じていた。
そんな春輝に藤孝が歩み寄る。
「大丈夫か?春輝。」
「藤孝、俺あの人苦手かも。」
「大丈夫、俺も苦手だから。」
「「「「「うんうん。」」」」」
藤孝の言葉に全員が頷きながらも、前途多難な強化合宿が幕を開けたのであった……。
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