「私も共に行く!」
「だから、これは俺が受けた任務だ。凜子が来ることはない。」
ゆきかぜに任務の事を話した翌日、春輝は凜子から呼び出されて自身も不知火の救出任務に同行するという話を聞かされた。
春輝はゆきかぜが話したのかと聞いたが、凜子は自分が聞き出したのだと答え、内心頭を抱える。
「凜子、お前にはアサギさんから汚職政治家への誅伐任務が出ているだろ?その任務はどうするんだ?」
「それも大切だが、私も不知火おば様を助けにいきたい。頼む!お前からアサギ様に嘆願してくれないか?」
凜子の言葉に春輝が腕を組んで、ため息を吐く。
「……分かった。けど、一応ゆきかぜにも伝えたが今回の任務は危険だから覚悟してくれよ?」
「分かっている。お前こそ足を引っ張るなよ。」
そう言うと凜子は去っていき、春輝も次の授業に備えて用意をしに教室に向かおうとした。その時、ある人物に声を掛けられた。
「あ、水城くん!」
「ん?あぁ、
春輝に声を掛けてきたのは、春輝のクラスメートであり、彼に片思いをしている緑の長いポニーテールをした凛とした顔立ちをしている女生徒、
凜子やきらら達とも仲が良く、クラス委員をしている。
水遁を得意としているが、剣術も凜子には及ばないが負けず劣らずの実力を持っており、クラスメート達から一目置かれていて、教師からの信頼も厚い人物だ。
「どうかしたの?」
「うん。今回はその、大変だったね。お父さんや不知火さんの事。」
「うん。けど、母さんは生きてる……助けられる所にいるなら助けたい。」
「……そう、だね。あ、これ。」
薫がそう言って春輝に手渡してきた。それは小さな包であった。
「これは?」
「今回の任務が上手く行きますようにっていう御守り。持っててね。」
「ありがとう、芳廼さん。」
春輝はそう言うと教室に戻っていき、御守りを渡した薫はケータイを取り出すと、ある所に掛けた。
「もしもし、薫です。はい、“頭”かクローディアさんに繋いでください。」
◆◆◆
その翌日、凜子とゆきかぜの2人が汚職政治家である矢崎の誅伐を終えた後、春輝とゆきかぜ、凜子の3人は地下都市ヨミハラの入り口に近づくために、協力者である魔族のゾクトに道案内を頼んだが、それは春輝によって止められた。
「ぐえっ!?」
「春輝!?いったいなにを?!」
「こいつがなにかしたの?」
「あぁ、どうやら少しお仕置きがいるみたいなんでな。」
壁に叩きつけられたゾクトは春輝に、媚びを売るように笑みを浮かべながら話しかける。
「が、がはっ!だ、旦那!?お、俺が何を知ったっていうんですかい?何も「俺には別の道を教えて、2人だけ違う道を教えようとしてたな?」ギクッ!?な、なんでそんな事を?!」
「大方、この先の街のボスから言われてんだろ?"女の対魔忍だけ連れてこい。だが、男の方は適当に案内しろ。"とか?」
「ギクッ!?」
「ほう…?」
「そんな事するんだぁ?」
凜子が冷たい目で見下ろし、ゆきかぜがライトニングシューターを抜くと、ゾクトは顔を青ざめさせた。
「ひぃぃっ!?た、助けてくれ!!あんたらを騙す気なんか無かったんだ!?頼む!頼むから命だけは!?」
「あんたねぇ、私達を騙そうとしたくせに「待てゆきかぜ。」お兄ちゃん?」
「殺すな。情報を抜くのが先だ。」
春輝はそう言うとゾクトの頭に手を乗せると、そこから彼の脳に潜入してそこから情報を抜いていく。
「ほう?お前に金を渡したのはリーアルっていうのか。裏では矢崎ってやつとも繋がってるみたいだな?」
「なっ!?」
「他には……母さんにこんな事までしたのか。そうかそうか……。これはヨミハラまでの道のりか?」
「や、止めてくれ!俺の頭を覗か」ぐりんっ!!
春輝の腕を払おうとした時、春輝は怒りのあまりゾクトの首をへし折ったのである。
「……春輝、殺しては不味いのではなかったか?」
「取りたい情報は獲った。母さんは間違いなくヨミハラにいる……行くぞ2人とも。」
「うん!」
「あぁ。」
春輝は首の折れたゾクトを雷遁で燃やすと、土遁で埋めてから2人と共にヨミハラへと向かった。
しかし、すでにヨミハラの頭は変わっていたのであった。