今回からは実戦形式の模擬戦です。
春輝Side
母さん、俺達は今合宿3日目を迎えており、実戦形式の模擬戦をしている所です。
いや、宗一郎さんから実戦形式とは聞いていたし、それ相応に厳しいとは思っていたよ?
思っていたけど……。
「「「「「「ぜぇ……ぜぇ……!」」」」」」
「ほらほら、まだ5分しかやってませんよ。すぐに立ちなさい。」
「「「「「「「ちょっ!少しは手加減して!!?」」」」」」」
こんなにどぎついとは思いもしなかったよ……!
宗一郎さんは自らの身体で、上原さんと山羊宮さんは式神を使って応戦してきたんだが、宗一郎さんはともかく上原さんと山羊宮さんは後方支援とばかり思っていた。
けど蓋を開けてみたら、上原さんも山羊宮さんも宗一郎さんが優しく思えるようなエグい攻撃を仕掛けてくるんだ。
しかも使ってる式神は2体(朱乃さんが土蜘蛛で、山羊宮さんが茨木童子と式神を出している)だけなのに、その2体にボロボロに負けている。
「(鬼だ……上原さんはともかく、山羊宮さんのあの笑顔は楽しんでやってる。あの人は黒魔術に出てくる黒山羊だ!)」
「まったくだらしないですね。ほらほら早く立つ。でないと黄泉比良坂に送りますよ。」
「「「「「洒落にならない!!」」」」」
「何を言ってますの?たかだか1人の男と2体の式神に負けてるようでは意味がありませんわ。さぁ茨木童子、やってしまいなさい。」
「くっくっくっ!吾の好きに遊んでいいとは、出てきて良かったのう!のう土蜘蛛や。」
「俺ァはそれより酒が飲みてぇ。旨い酒をたらふく呑んで、そんで喧嘩が出来りゃあそれで良い。」
「カッカッカッ!ヌシはなかなか面白いのう!終わったら酒を酌み交わそう!」
「「「「「(式神同士は仲良いんだ。)」」」」」
「くっ!負けてたまるか!真、砂で相手を固めてくれ!(怒濤水天発動!)水遁、水刀!」
「分かった!」
「私もやるわ!」
春輝の言葉通りに真は砂で5人を固め、さらにその上からきららが氷で固める。
春輝は水を圧縮して固めた刃を振り上げ、そのまま宗一郎達に向かって振り下ろそうとしていた。
「カッカッカッ!良いぞ良いぞ!活きのいい小僧は大好きじゃ!」
「喰らえ!梶木一閃!」
「カカカッ!甘いわ!!」
茨木童子はそう言うと、砂と氷の拘束を力で外し、牙で水の刃を止めたのだ。
「なっ!?」
「ふんっ!!」ダァァァァァァァァンッ!!
「がはっ!!?」
「「「「春輝!!?」」」」
土蜘蛛の張り手を受けた地面に叩きつけられ、地面に沈む春輝。何とか立ち上がろうとした時、それを宗一郎の拳から放たれた一撃を鳩尾に受け地面に沈み、怒濤水天も解除されてしまう。
それでも春輝は宗一郎の拳に爪が食い込むほどに強く握りしめており、それを見た宗一郎は春輝の中に強い執念を感じたのであった。
その後、終了のタイマーが鳴り、その日の修行は終わったが、その時には全員がボロボロに痛めつけられていた……。
◆◆◆
「痛たたたっ!?めちゃくちゃ染みるうぅぅっ!」
「染みるのは当たり前だ。ただでさえ骨折までしてて、擦り傷も多いんだ。回復には時間が掛かるぞ。」
「ここの温泉は傷の回復に効能がある。しばらくは浸かってた方が良い。何せ土蜘蛛の張り手をモロに受けたんだからな。」
修行が終わり、回復を兼ねてお湯に浸かっていた春輝達だが朱乃と弥生、宗一郎からの修行でのダメージが大きく、回復には時間が掛かっていた。
それは女子も同じであり、彼女達も回復には時間が掛かっていて、全員が完治するのにはどれだけ時間が掛かるのか分からなかった。
しかし宗一郎の用意した宿の温泉は、回復に特化した効能が強く、技術に特化した乙女崎からの認証も受けている。
そこに不完全ながらも医術に特化している藤堂の医術が重なれば、治療と再生は効率良く伸びていく。
「ふぅ……よしっ!みんな、風呂からあがったら夕飯だ!明日に備えて早めに休めよ!」
「「「「「はい!!」」」」」
その後、夕飯を早めに済ませた春輝達は体を休ませるためにも夜の20時に眠りについたのであった……。
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