合宿4日目の午後、春輝達は今日も宗一郎、朱乃、弥生の3人を相手に苦戦を強いられながらも、3人に立ち向かっていた。
午前中は無ずすべなくボコボコに痛めつけられて、倒れさせられたが、午後は気力で持ちこたえていたのである。
「「「「「はぁ……はぁ……!」」」」」
「「「「ぜぇ……ぜぇ……!」」」」
春輝達は地面に横たわったり、膝をついて俯いたりしている中、彼らと相対している宗一郎達はまだまだやれるようで、後輩達にキツイ視線を向ける。
「どうしました?もう限界ですか?まだまだ休憩には早いですよ?」
「宗一郎様、そろそろ休憩に入り「ま、まだ!」?」
「まだ、やれます……!」
春輝がそう言って立ち上がると、春輝達も膝を笑わせながら立ち上がり、闘志を剥き出しにして笑う。
その笑みを見た宗一郎は優しく微笑むと、覇気を最大にする。
「気合は分かった。それなら、力を見せてみろ!!!」
宗一郎のその言葉と覇気を受け、全員が気合で立ち上がる。
「さぁて。立ち上がったは良いが、どうやって一撃入れるかどうか……3人のうち1人だけ狙っても駄目だし、かと言って何もしなければ、朱乃さんたちの式神に潰される。それに宗一郎様には並大抵の技は通じない……普通に考えたら詰んでるな。」
「それなら翔馬、みんなで息を合わせて連携で行くぞ。臨機応変に行くぜ!!」
「「「「バラすな春輝。」」」」
「ふふっ、面白い人ですね。」
「相手の前で普通バラしますか?作戦。」
「あれも春輝の良さでもあるな。……さぁ、見せてみろ!」
宗一郎の言葉に春輝達は即座に動いた。
まずはゆきかぜ、達郎、凜子、斗慚が3人を撹乱するように動きながら、攻撃を仕掛けるも土蜘蛛の張り手で全て防がれる。
しかしその瞬間に春輝、真、かなめが晶遁と砂遁の壁で視界を封じ、その壁によって“5秒のタイムラグ”が生まれ、そのラグの間に、きららが土蜘蛛と茨木童子の動きを封じるために氷漬けにし、宗一郎、朱乃、弥生の足を凍らせる。
そして、藤孝のルームで宗一郎の懐寸前に転移した九尾モードの春輝が螺旋丸を宗一郎に向けてぶつける。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「良い一撃だ。だが、押しが足りないぞ!!」
宗一郎は拳で螺旋丸を弾き飛ばそうとしており、春輝も必死に気張ろうとするが徐々に押され始めていた。
「くっ!?」
「諦めるな!!!春輝!!」
「翔馬!うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
その言葉とともに黄金聖闘気を纏った翔馬が、春輝の手に自身の手を重ねて宗一郎を押していく。すると、螺旋丸の色が青から
「(新しい“芽”は育ち始めている、か……。)見事だ!!」
「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」」
「ふんっ!!!」
宗一郎は全力で拳を振り抜き、春輝と翔馬の2人を吹き飛ばす。2人は真の砂で助けられたので、怪我はしなかったが、息も絶え絶えで疲れ切った様子であった。
「悪い翔馬、決めきれなかった。後少しだったのに……。」
「気にするな。お前はよくやったよ、俺も決めきれなかったからな。」
「なぁに落ち込んでるんだよ。」
「宗一郎さん、俺らの全力届かなかったから。」
「何言ってんだ?お前ら全員合格だぜ。」
「「「「「え?ご、合格?」」」」」
「あぁ、合格だ。春輝と翔馬が俺に一撃入れたからな。それに呪力コントロールに関しても合格ライン超えてるし、問題ないだろう。」
宗一郎からのまさかの宣告に驚き、言葉を失う春輝達。そんな中でゆきかぜが宗一郎に質問した。
「あ、あの!けど、私達しっかり扱えてるのかも分からないのに合格で良いんですか?」
「その点は調整を行うから大丈夫だし、あとは座学と練習で身に着ければ良い。練習あるのみだな。あと、春輝。」
「は、はい!」
「お前は筋は良いが、何かと緊張したり力み過ぎたりするからそこは直せよ。力み過ぎたりするのは良くないからな、適度に力抜け。」
「は、はい!ありがとうございます!」
「っし、んじゃあ晩飯にするぞ。そうしたら明日は座学やって、その後は遊ぶぞ!」
宗一郎はそう言って宿へと戻っていき、春輝達もゆっくりと覚束ない足取りながらも宿へと向かった。
しかし、宗一郎の右拳は骨がバラバラになり、筋繊維もズタズタになっており、回復するのには時間が掛かったのであった……。
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