新年からは書けてない小説を書く事が目標です。
凜子と紅葉の試合が終わり、荒れたフィールドの修繕が終わると、続いてきららと巴の2人が対戦フィールドへと姿を見せる。
「第三試合!鬼崎選手と藤堂院選手の登場です!」
「「「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!巴!巴!巴!」」」」」」」」」
巴が登場すると、五行学園生徒達から巴コールが鳴り響き、歓声に五車学園生徒達は圧倒されてしまう中、その様子を見ていたアサギは渋い顔をし、三鬼は楽しげに笑う。
「すごい歓声ですね、彼女はそれだけの逸材だと?」
「巴さんは生徒の皆さんから慕われています。実力もありますから、この歓声は当然です。」
隠すこと無く笑みを浮かべる三鬼に、アサギは目を細めて見据える。
一方で巴コールの鳴り響く中、きららは対戦選手として巴を見据えていながら、肩を回していた。
「あんた、かなり人気なのね?」
「人気、かどうかは分かりませんが、皆さんには慕われていますかね。」
「あっそ、けど私だって負けないんだから!」
きららは構えると、巴は自前の得物である破魔の薙刀を正眼に構え、互いに臨戦態勢を整えている事を示す。
「両者準備はよろしいですか?構えて……始めぇぇぇぇ!!」
「はああああああああっ!!」
先に動いたのはきららであった。
きららは拳を氷で覆い、相手を凍結させる冷気を纏わせた一撃をぶつけようとするが、巴はその一撃を容易く避けて、ひらりと舞う。
それを追撃しようと、きららは氷の槍を10発程創り出して放つと、巴は薙刀の一振りで10発全てを破壊し、破邪の力を纏った一撃をきららに向けて振るう。
きららの出生を交流戦での資料で見た巴は、破邪の術で彼女の力を封じようとしながら戦っていた。
しかし、巴の戦略は外れた。
「はああああああああっ!!」
「っ!!くっ!?(破邪の力が効かない!?どうして……)」
「あいにくと修行したおかげで簡単には負けないわよ!私にだって負けたくない理由があるんだから!」
「(この子の目、本気ですね……それにこの気迫。)分かりました。手加減していた事は謝罪します。そしてここからは私も全力で戦います!」
「そうこなくっちゃ!氷遁、破龍猛虎!」
「開っ!はああああああああっ!!」
きららが氷の猛虎を放つと、巴は“クンダリーニ法”を発動し、身体能力を活性化させ薙刀術で猛虎を粉砕する。
猛虎が破壊されると、きららは後ろに吹き飛ばされるが、何とか堪えて体勢を整えていきながら相手の出方を伺う。
しかし、巴はきららが行おうとしていた次の動きを読み、水行の術で彼女を縛りあげる。
「このっ!?なに、この水は!?」
「その水の縄は、あなたの動きを封じる為の物。容易くは破れませんよ。」
「そんなの、やってみなきゃ……分からないでしょうが!!はああああああああっ!!」
きららは自身を縛り上げている水の縄を凍らせて砕き、体勢を立て直して巴に向かっていくが、巴はきららからの攻撃を全て舞う様に躱しており、きららもなかなか攻めきれずにいた。
「あなたの力、その心意気も認めましょう。だからこそ、全力で迎え撃ちます!」
「くっ!?」
巴は神楽舞を舞い、舞いに合わせてきららを苦戦させる様に氷を弾き飛ばし、きららを叩き伏せる。
そこには一切の手加減はなく、全力できららを相手しているものであり、それだけきららに対して本気で当たっているということだ。
「はぁ!!」
「がはっ!!?……くっ、まだ……まだ……!」
「終わりです……はああああああっ!!」
「ああああああああっ!?」
きららをリングアウトさせると、きららが動けそうにないと見た審判が手を挙げる。
「鬼崎選手リングアウト!勝者、藤堂院選手!」
「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおっ!!巴!巴!巴!」」」」」」」
巴コールが鳴り響く中、巴はきららに歩み寄り、治癒術であるヒーリングをきららに掛けて傷を癒した。
「ありがとう。」
「戦った相手への敬意です。そして、謝罪です。」
「謝罪?なんで?」
「あなたを鬼族と知り、その力を封じれば勝てると思い僅かながらでも侮っていた事、申し訳ありません。」
「謝ってくれたんなら別にいいわ。それに本気で相手してくれたんならそれで良いし。けど、次やるとしたら負けないから!」
「はい。その時も勝ちますね。」
巴の天然発言にガクッとなるきららであった……。
◆◆◆
その頃、会場から離れた霊脈の流れる地に、1人の男がいた。
男は元々中華連邦の名門霊媒師家系出身だったが、家は既に没落していて本人の実力は対魔忍で評価すると下忍クラスの実力しかない。
家伝の一つであった特殊な亀壺で妖魔を閉じ込め操る"妖魔操術"という術を使い、権力者相手に詐欺紛いなことをしていたが最終的にバレてしまい、手持ちの妖魔の大半を犠牲にし日本へ落ち延びる。
日本で再起を図り、取りあえず消費した妖魔の補充をし育成のため日本最大の霊地の霊脈を使い育成していた。
「もうすぐだ。もうすぐ……ん?」
その時、男の頭上に影が差す。
男が最後に視界に捉えていたのは、大きく膨れ上がり、自分に食らいつこうとする妖魔であった……。
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