悔いはない。
一部お祭りになってしまったが、交流戦はあと2戦残っている。
『えぇ、続きまして第六試合!偲神 顎屠 VS 獅子堂 翔馬!対戦選手はフィールドへお越し下さい!』
「「「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおっ!!
巴の時と同じく、歓声が鳴り響き、五行学園生徒達からは血気盛んなコールが轟く。すると。
「「獅子堂!獅子堂!獅子堂!」」
五行の牙コールに対して、五車学園も翔馬コールを行う。思い行っているのは、翔馬の嫁の2人だが、他の生徒達も連れられて翔馬コールをし始める。
その光景を見ていた三鬼はほっほっほっと笑いながら、アサギを見る。
「なかなか良い状況ですな。先程は互いに戦績には入りませんでしたが、今回も我が五行学園が勝ちますよ。」
「翔馬は強いわ。甘く見ないことね。」
◆◆◆
「翔馬の番だな。相手、かなり強いみたいだぜ?」
「大丈夫だ負けねぇよ。よぉし!!俄然やる気出てきたぁ!!行ってくる!」
翔馬はそう言うとフィールドへ向かい、その時対戦選手である黒光りする全身タイツに身を包んだ偲神 顎屠と鉢合わせ、その覇気を感じ取っていた。
「貴様が獅子堂の若武者か。名を聞いた時から心待ちにしていた。」
「そうか。そう思ってくれて嬉しいよ。だけど俺が勝つぜ。」
「意気軒昂な事だ。だが私も御前の名を汚すつもりは無い。」
互いに視線をぶつけ合う顎屠と翔馬の2人、その言葉尻には闘志を燃やしているというのが感じ取れるのであった。
「2人とも準備は宜しいですね。では……始め!!」
審判の開始の合図と共に翔馬がファイティングポーズにを取ると、顎屠は同じ様にファイティングポーズを取る。その姿は鏡写しのようである。
その様に観覧席の生徒達は、ざわつきながらその様子を見ている。
「どういうつもりだ?それは?」
「私はそなたに敬意を払っているのだ。故に私の全力でお相手しようと思ったまでだ。」
「そうかい。それなら遠慮なしでいいな!」
顎屠に対し好戦的に拳を振り抜く翔馬。
しかしその拳は容易く躱される。翔馬のスピードを活かしたラッシュに顎屠は、素早く適応し全てを見切り、躱していく。
対して顎屠の放つ拳のラッシュを翔馬は同じく見切り、躱しながら距離を取る。2人の攻防は鏡写しのようであり、会場は騒然となった。
拮抗した状況の中で先に崩れたのは翔馬の方であった。
「っ!?」
「待ちわびたぞ、この瞬間を!」
翔馬に顎屠の拳が迫り、その一撃を受けたら不味いと察した翔馬は腕を交差させて防ぐ。
その一撃を受けた翔馬は、フィールドギリギリまで吹き飛ばされてしまう。
「ぐっ!?(重いパンチだ、骨が軋みやがる……!!)」
「ふんっ!!」
「ちぃっ!?」
「くっ!!」
顎屠から放たれた蹴りを受け止めた翔馬は、顎屠を反射で回転させ渾身の力で蹴り飛ばす。その威力に顎屠も防ぎながら吹き飛ばされる。
翔馬は顎屠の腹に滅式を放ち、追撃しようとした。しかし、顎屠はそれを察して翔馬を掴むと上から殴り始めていく。
「「「「牙!牙!牙!牙!」」」」
「「「「獅子堂!獅子堂!獅子堂!獅子堂!」」」」
必死に両名へ歓声が響く中、顎屠の攻撃を防ぐ翔馬は手刀打ちで顎屠を弾き飛ばして退かす。
「このっ……滅茶苦茶やり辛いな。」
「そうか?私は楽しいがな。このように油断出来ない闘いは胸が高鳴る。」
「それは嬉しいな。それじゃあ……?」
「この気配は……?」
翔馬、顎屠の両名が異様な気配を感じて空を見上げ、他の生徒達も空を見る。
「よ、妖魔の群れだーーーーー!!!!?」
すると、空には多くの妖魔が飛んでおり、それを見た生徒達は混乱して叫びだしている者もいた。
「なんだあの妖魔の数!?」
「うげっ、嫌になるね。何なのこれ?」
春輝達も控え室から飛び出し、その様を見て警戒していたが、その妖魔達は融合しており、融合した妖魔は龍種、鬼種、蟲種、鳥種と多種様々であった。
「三鬼!」
「分かってますよ。“壁”。」
アサギが三鬼に言葉を交わす前に察していた三鬼は、結界の壁を張り街に妖魔が行かないように防いだ。
それを見て安堵したアサギは放送を流す。
「緊急事態宣言を発令するわ!対応できる教職員、生徒は全力で妖魔の群れを討伐する事!!」
「アサギさんから指令だ!みんなやるぞ!」
「五車には負けてられないね。」
交流祭は中止となり、妖魔を討つ共闘が始まるのであった……。
コメントなど待ってます