春輝side
新しく友達になった凜子達と過ごしながら修行をして、家族と一緒に騒々しくも楽しい日々を過ごしていた。
俺も後から知ったが、水城家に宗家と分家があり、俺とゆきかぜは宗家に当たるらしい。分家で親しい姉代わりの人がいたが、その人達とは仲が良い……。会えるならまた会いたいなぁ、と思っている。
そんな中、ある休みの日の事。
いつもの忍術の修行を終えて、家に帰っていた時にどこからか人の泣く声が聞こえてきて、その声の方に歩いていくと、そこには数人の男の子が1人の赤毛の男の子を虐めているのが見えた。
「あんな事する奴がいるんだな……風遁、突破!」
ビュオォォォォォッ!!
俺の放った旋風によって3人は吹き飛び、男の子は何事かとポカンとしている。
「おいおい、お前ら多対一なんてイジメして楽しい?」
「な、なんだよお前!?」
「ただの通りすがりですが、何か?」
「通りすがりなら通り過ぎろよ!!お前には関係「突破。」がはっ!?」
「「!?」」
リーダー格の子供が強く吹き飛び、それを見た取り巻きたちは言葉を無くして驚いている。
「喧しい。あまりしつこいと……潰すよ?」
右手に竜巻を作ってみせて脅かすと、3人は泣きべそをかいて逃げていった。俺は後ろにいる男の子に振り返る。よく見ると、その子は何処かNARUTに出てくる我愛羅に似ており、内心驚いた。
「(我愛羅!?いや、違う……よな。)……大丈夫?立てる?」
「あ、う、うん。ありがとう……助けてくれて。」
「あぁいうことするのが嫌いなだけだよ。あ、僕は水城 春輝!キミは?」
「僕は、真……。
「真か、いい名前だね!そうだ、一緒に遊ばない?」
「え……!う、うん!!」
俺は我愛羅に似ていた赤毛の男の子……真を水遁で怪我を治すと、しばらく公園で鬼ごっこやブランコなどで遊び、楽しい時間を過ごしたが、こんなに楽しいのは久しぶりだったし、何より何だか真とは気が合った。
何というか、こう、何か惹かれる物が感じられて、それでいて何かを感じる。それが何かはまだ分からなかった……。そして時間あっという間に終わり、夕暮れになると真の事を呼びに来た人が来たので帰る時間に気付く。
「そろそろ帰る時間か。」
「そうみたいだね……あ、春輝!また明日も遊ばない?」
「良いよ。また遊ぼう。」
「うん!じゃあね!」
真はこちらに手を振って帰ると、俺も家に帰ることにしたのだった……。
◆◆◆
修行帰りに真と出会った翌日、春輝と凛子は近所にある公園で遊んでいた。そこで真と再会し、他にも仲のいい友達みんなで遊んでいると、公園の隅っこで遊んでいる女の子いたので、声をかけた事にした。
「何してるの?」
「……1人遊び、誰も仲間に入れてくれないから。」
「そうなんだ。あ、俺は春輝!良かったら一緒に遊ぼ!」
春輝の提案に女の子は顔を上げる。その表情は驚いていたが、春輝は女の子に手を伸ばす。
「名前は?」
「わたしは、きらら。鬼崎 きらら……。」
「きららか。んじゃ、行こう!きらら!」
「うん……!」
きららという女の子の手を引いて、春輝は凜子や真達の所に行って、一緒に遊ぶ事に。
その後、たまにみんなで集まってピクニックに行って一緒にお弁当を食べたり、散歩やお絵描きをしたりしてとても楽しかったが、その中できららはゆきかぜは何故か俺の隣を取り合うようになった。何故だろう?
ある日の夜、ゆきかぜと達郎くんの迎えを終えて帰ったのだが、母は家にいなかったがテーブルにはメモが書いてあった。そこには母さんの字で書かれていた。
春輝へ
ご飯は冷蔵庫に作ってあるから、ゆきかぜと一緒に食べてね。
それとお母さんとお父さんは今日、仕事で遅くなるので先に寝てて下さい。
ゆきかぜをお願いね、お兄ちゃん。
母さんが残してくれたメモの通りにして、ゆきかぜと夕食を食べた後2人で風呂に入り、ゆきかぜを寝かせる事にした。けれど、俺は何故か胸の中に嫌な予感がしている。
父と母は時々真剣な顔で電話をしている事があり、それで夜遅くに出掛けたりして、朝には気付けばいる。しかし、2人から時々感じる変な臭いがするのが気になったが、詳しくは聞かなかった……いや、
「(何だろう、この嫌な感じ……何だか嫌な予感がする。)」
俺は影分身を1体出して、指示をした。
「ゆきかぜを頼んだぞ。」
「任せとけ。」
俺は分身に家とゆきかぜを任せると、真っ暗な夜の道を走っている。
途中から普通の道とは違う場所に入ったみたいで、若干混乱していると、紫色に光る路地のような場所にて怪物と戦う母と父の姿が見えて、駆け寄った。
「母さん!父さん!」
「春輝!?あなた、どうしてここに?!」
「母さん達こそ、その格好はなんなの?こんな時間に何してるの?!」
「それは……っ?!危ない!」
母さんは俺を庇うように抱きしめると、右に飛び退く。
元いた場所を見ると、そこには透明な針のような物がアスファルトに何本か刺さっており、その針のような物が飛んできた方向を見ると、その先には背中に触手を生やした母さんと同じような格好をした狸の耳をした女の子が立っていた。
「ふふっ、さすがは不知火とその旦那、咄嗟に気付いたんだ。けど、その子供を庇った瞬間に針が足に刺さったみたいね。」
「くっ!?」
ふらついてその場に膝をつく母さん。よく見ると、その右足には透明な針のような物が刺さっていた。どうやらそれに何かの液体が入っていたらしい。
すると、狸の耳の少女の後ろからくすんだ緑色の肌をした怪物が10体ほど現れた。
「ふふっ。その子供は私が遊ぶとして……不知火はオーク達にお仕置きしてもらうとしようか。旦那は、魔物に改造するか。」
「「「「「ゲヘヘッ!」」」」」
お仕置き、それは確実に母さんがこいつ等にナニかをされるという事……その光景を想像して、怪物の群れも下卑た笑みを浮かべる。しかも、父を魔物に改造すると言った事で、俺の中で何かがキレた。
俺は母さん達の前に立つと化物達を睨み付け、それを見たタヌキ耳の人が笑みを浮かべる。
「あれれ?ぼく~、どうしたのかな?そんな事して?」
「黙れ……!2人になにかしたら、許さない!!」
「許さない、か。それで君に何ができる?ここで私に甚振られて、母親はオーク共に嬲られるのに!」
そう言って母さんと俺に向かってくる怪物の群れ……その集団を見ながら、俺はこの場合に最適な忍術を使う。
ぶっつけ本番だけど、やるしかない!!
「風遁、
ビュオオオオオオオッ!!!
ズバババババッ!!
「「「「「ぎゃあああぁああああっ!!?」」」」」
辺りに渦巻きが集まっていき、鋭い風の鎌がいくつも現れると、その鎌にオーク達に向かっていき、醜い体が切り裂かれていく。
「な、何だこれは!?風遁か!?」
「こ、これは……春輝、あなた!?いつの間に!?」
「まだまだ!風遁、削ぎ嵐!」
さらにトンネルを削り飛ばす台風がで化物達を風で削ぎ落としていき、狸耳にも風を放つ。しかし、その風は避けられたが、即座に攻撃を行う。
「風遁、斬空裂波!!」
「っ!?んぎゃあぁぁぁぁぁぁっ!!?」
巨大な風の刃によって重傷を負った様だが、トドメを差そうとした瞬間、狸耳の人は俺に向かって針を投げてきたが、それは父さんによって阻まれて斬られ、絶命していた。
そんな中、2人が俺に駆け寄る。
「春輝、大丈夫!?あなたいつ忍術が…」
「春輝、お前……。」
母さんと父さんがなにか言ってきているが、初めて術を使った反動からなのか凄まじい疲労感に襲われ、ふらつく俺に母さんが駆け寄ってきて倒れそうになった俺を抱き止める。
「っ!?春輝!」
「だ、大丈夫だよ。少し疲れただけだから。それより早く帰………。」どさ
「春輝!?」
「春輝しっかりしろ!春輝!」
いきなり術を使った事でチャクラ切れを起こしたのか、いきなり術を乱発したからか凄まじい疲労感に襲われた俺は気絶した……。
◆◆◆
「あれが、春輝の……。」
遠くから春輝の戦いを見ていた青年、黒瀬 大雅は戦闘を見終えると闇の中へと消えていったが、彼は自身の目的の為に動くのであった……。