春輝は影分身を使い、自分を襲撃してきた者達と交戦を始めた。
春輝を襲ってきた者達の正体は、かつて起きた人柱力捕縛事件の際に、風間 鬼蔵が発した指令を鵜呑みにして春輝達を捕縛しようとして出撃した元五車学園の生徒達であった。
処罰を恐れ学園に帰還せず、そのまま抜け忍となり持ち前の忍法などで、裏社会で用心棒などをして日銭を稼ぎ懲罰部隊から追われる日々を送っていた。当初は50名ほどいたが雇われた組織の抗争に巻き込まれたり、内輪揉めで15名ほどに減ってしまった。
心身とも疲弊していたところに変装した、ある人物から“怨鬼の面”という鬼の面を渡され、今まで何不自由ない生活を送っていたのに、こんな惨めな日々を送る切欠を作った春輝達を恨み、怨鬼の面を付け妖魔を討伐中の春輝を襲撃するのであった。
「死ねぇ!」
「死ぬかよ!」ズガンッ!
「ガハッ!?」
「(数はそれほどではないが、あの面の効果なのか力が強い。あまり時間は掛けられないな…!!)こうなれば、一気に蹴散らすか!“怒濤水天”、発動!」
春輝は使いやすい怒濤水天を発動させると、青い水のオーラを纏って、襲い来る者達を徒手空拳で相手する。
「多重水分身!水遁、激流槍雨!」ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
「「「「「「うわああああああああああああああああああっ!!?」」」」」」
春輝の放った水の槍の雨が襲い、襲ってきた者達はあっという間に片付けられ、春輝は辺りを警戒しながら、まだ息のある人物に近付く。
「さて、と。色々と聞きたいこともあるからよ。お前はこのまま連れて帰るぜ。」
「ふざ、けるな……!誰が……お前なんかに……!」
春輝がまだ息のある男に尋問する為に、傷をチャクラで治そうとした瞬間、遠くから苦無が男の頭と胸に刺さり、男は絶命した。
春輝は男の死体から離れると、辺りを警戒するように見渡す。
「誰だ!?出てこい!」
『見事なもんだな、その分身術と青い力は。それだけの数をコントロール出来る力は、あのアサギを超えてるな。』
「コソコソしてないで出てきたらどうだ?俺とやり合うのが怖いのか!?」
『勘違いするな。お前と
それだけ言うと、謎の声は聞こえなくなり、春輝は怒濤水天を維持したまま、仲間達と合流する為に森を進んで行くのであった……。
◆◆◆
真庭Side
あれが水城の力、か。
なるほど、水遁系の力か。戦闘能力としては強いな。
それに奴の眼、能力はコピーか。厄介ではあるが、コピーだけなら大して脅威にはならねぇな。
それに奴自身も邪眼を使いこなせてはいないようだし、攻略法は幾らでもありそうだ。
「(御館様や天音様に報告しておくか。警戒すべき対象であると伝えておこう。)」
俺は天音様に報告をする為に森を離れた……。
◆☆◆
春輝Side
「(みんなの気配は、この先か。間に合ってくれよ……!)」
俺は翔馬達の気配を感知して、その方向に向かって走っていた。
さっきの声の正体も気になるが、今は仲間達の方の安全を優先しようと思ったからだ。
すると、遠くから沢山の気配が向かってくるのが、感じ取れた。妖魔ではない、人の気配だった。
「アサギさん達が来てくれたか。よしっ、俺も急ぐか!」
翔馬達と合流する為に向かっていると、遠くの方で戦闘の音が聞こえ、目を凝らして見ると、そこでは翔馬達が妖魔を相手に戦闘をしていた。
「良かった!みんな一応無事か!水遁、水竜弾!」
「っ!春輝か!」
「春輝、無事だったんだ!良かった……。」
「みんな、遅れてごめん!無事みたいでよかったよ。」
「何とか生き延びてたよ。そっちどうしたの?何か雰囲気違うけど?」
「戦闘してたんだ。後で詳細は話す。それよりも、あのデカい妖魔の発生源……厄介だな。」
「三鬼さんから、妖魔樹って名付けられたけど、名前とか良いから対処法を見つけないとね。」
俺達の前に立つ巨大な妖魔の巣、“妖魔樹”を見上げる。
天を突かんばかりに巨大な妖魔樹をどうやって倒すべきか悩んでいると、如輝が指をパチンッと鳴らした……。
◆◆◆
如輝が指を鳴らすと、彼の周りに
鬼火のような紫色の焔を吐き、頑丈な鎧兜のような甲殻を持ち、妖魔樹を睨みつける伝説級の大妖怪の一体、鵺の突然変異種の式神“
威風堂々とした和風の鎧を着た武者龍の式神“
戦艦大和の残骸を見つけ、面白半分で式神契約を行い、生み出された世界初の戦艦の付喪神。特異級の相手と互角以上に戦える戦艦の名を冠した女性の式神“
大和は如輝の方を向くと、膝を付いて尋ねる。
『如輝様、あの肉の樹を破壊すればよろしいのですね?』
「そ。大和は理解が早くて助かるよ。刃沙羅、大和やみんなと協力して空から妖魔達を討ってくれ。紫焔は僕を乗せて移動な?」
『分かった。』
『良かろう。』
「援軍ももうすぐ到着する。……勝つぞ!」
「あぁ!」
「もちろんよっ!」
「無論だ。」
「当然♪」
春輝の言葉にそれぞれ返答する如輝達……。
そんな様子を遠くから眺めていた真庭と、ふうま 天音は愉しげに笑みを浮かべながら、観察をするのであった……。
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