各地で戦闘が起こる少し前、春輝と戦っていた鐘鬼は薄ら笑いを浮かべながら春輝を挑発していた。
春輝はそんな鐘鬼の挑発に、乗らずまいと拳から血を滴らせながら堪えている。
「どういう意味だ?お前らの頭によって父さんが死んだってのは……!?挑発のつもりか?!」
「ふふふっ。おやおや、そんなに血を滴らせて……とても乗せやすい方ですね。ですが、挑発ではなく事実を述べているのです。あなたの父は我ら ふうまの血に穢されたのです。まぁしかし、弱い父君を持つと苦労しますね。」
「っっっっっっっっ!!!!」ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!
【春輝!奴の言葉を聞くな!挑発だ!】
「分かって、、、る!!」
「(もう少しですか。)しかし、不憫な方ですね。弱い父君とそんな男を愛した女の間に生まれたあなたと妹は、さぞ苦労したでしょうね。同情しますよ、ふふふっ。」
「っっっっっっっっ!!!殺す!!!電光石火!」
【春輝待て!!】
我慢が出来なくなった春輝は、電光石火を発動して即座に一撃を放つ。
「双遁、
「ガハッ!」
ドスンッ!!
雷遁の貫通力と火遁の爆発力を合わせた雷切の派生技、紅千鳥が鐘鬼の胸を貫き、その威力のまま鐘鬼を吹き飛ばす。
「はぁ、はぁ……っ!」
【馬鹿野郎!何故挑発と分かってて手を出した!?罠とか疑わなかったのか!】
「(ごめん……。父さん達を馬鹿にされて冷静になれなかった。)」ズブッ!
【ったく。しかしまぁ、堪らえようとしたのはよくやった。】
「(ありが)「痛いじゃないですか。」……っ!!?」
春輝は背後から聞こえてきた声と吐息に驚き、咄嗟に背後に回し蹴りを放って避ける。
するとそこには、胸を貫かれたのにケロッとした様子で立っている鐘鬼がおり、春輝は混乱した。
「お前、なんで生きてるんだ!?確かに心臓を!?」
「ふむ、そんなに驚きですか?五車にもいるでしょ、頭と心臓を潰さないと死なない忍が。」
「っ!?仮にそうだとしても、俺は確かに心臓を貫いた。それに間違いはない!」
「おやおや、それではまるで私が不死の化物とでも?それは些か傷付きますねぇ。」
「(こいつも紫先生と同じように不死なのか!?いや、それにしたって心臓を確かに貫いた感触があったのに、なんで生きてるんだ!?)」
状況が分からずに混乱する春輝を他所に、鐘鬼はニヤリと笑みを浮かべると、鐘鬼は手刀に蒼雷を纏わせて春輝に斬りかかる。
「っ!土流壁!」ドドドッ!
「甘いですね。」ズガンッ!!
「なっ!?くっ!?」
「驚きましたか?確かにあなたの術は多様性に優れており、種類や状況においては強力ですが、質で言うのであれば私の方が威力と突破力がある。」
「くっ!?こ、のぉぉぉ!!」
春輝は足で鐘鬼を蹴り飛ばして距離を取る。
チャクラ式と対魔粒子式とでは、術の威力に格差が生まれる。
チャクラ式忍法、修行や本人の才覚次第で異なる属性を習得、作成することができ、戦闘に柔軟に対応ができる。
一方の対魔粒子式忍法、生まれた時から使用できる忍法が決まっており、基本的に修行しても新しい忍法に目覚めることはないが、チャクラ式忍法では再現不可能な規格外な忍法が目覚めることがあり、またチャクラ式に比べて術の威力が高く突破力がある。
春輝が圧されたのは、純粋な威力の差と経験値によるものであった。
そんな中、一匹のクワガタムシが鐘鬼の肩に止まる。
「……彼女はまだ手こずっているのですか。それならばもう良いですかね。」
「彼女?もう良いって何の話だ?」
「これから“始末”しにいくんですよ。そこをあなたに邪魔されるのは面倒なので、こうします。
「くっ!?なんだこれ!?クワガタムシの顎!?」
巨大なクワガタムシの顎に挟まれる春輝を他所に、鐘鬼は春輝から離れる。
「そこで大人しくしてて下さいね。では。」シュッ!
「待てコラ!!うおおおおおおっ!!」バキイイイイインッ!!
少し遅れて鐘鬼の後を春輝は、電光石火で加速して追跡していた。そして追い付いた中で見えたのは、相州 蛇子を背後から貫手で貫き、致命傷を与える鐘鬼の姿であった。
「てめぇ!!」
春輝が蛇子を助け、凜子、ゆきかぜ、達郎の近くに止まる。
「春輝!」
「お兄ちゃん!」
「春輝さん!」
「遅れてすまなかった!?…相州さん!?相州さん!?(傷が深い……俺じゃどこまで出来るか。)」
「おやおや、邪魔するなと言いましたのに。しつこい方ですね。」
「てめぇ、どうして仲間を……!」
九喇嘛のチャクラで止血と回復をしていく春輝だが、蛇子の傷が深すぎて回復が追いつかない。
「仲間?あぁ、彼女は仲間ではなく、使いっぱしりですよ。使えないので手を掛けたまでです。」
「んだと……!?てめぇ!」
【春輝、奴の言葉を聞くな!】
「っ!?(分かってる!!)」
「馬鹿みたいに突っ込んでくれば良いのに、よく止まる方だ。まぁここで、5人まとめて片付けますがね。……ん?」
春輝達に一撃を放とうとした鐘鬼は、背後から飛んでくる何かを察知し、弾くとそこには医者が使うメスが3本地面に突き刺さる。
「おやおやこれは、まさかあなたに出会うとは。……十二宗家が1人、乙女崎殿。」
「乙女崎先生!それに藤孝にきらら!」
春輝達の援軍に来たのは、乙女崎と藤孝ときららであった……。
コメント待ってます