闇の始まり
???Side
この世は理不尽と不平等に満ち溢れている。
才ある者が才無き者によって排斥され、穢され、利用され、捨てられる上にそれがまるで当然のように罷り通っている。
才ある者……能力者こそが世界の中心にあるべきではないのか?逆に才無き者……非異能者こそが我らの足元に這いつくばるべき存在の筈だ。
我々異能者は排斥される理由も利用される理由も無い。我々こそが貴様ら“
「我々“異能者”こそが至上、それを猿共に解らせる為、我はこの地上を、日本を異能持ちだけの国にすべく日本を再創造する“天地再創造計画”を行う。」
我、
皆、我の大切な同志たちであり、非異能者達によって傷を付けられた者達である。皆、我の考えに賛同して、着いてきてくれる頼もしい同志たちだ。
我は天沼矛の手にしながら、この計画について話した。
「皆、“
「ならば道元様、政府が管理している核エネルギーなどを使うのがよろしいかと。都市のあちこちに安置してありますし、僕は良いと思いますよ」
「確かにな。だが、核とやらはエネルギーとしては不便ではないか?自分は賛成できないな。」
「確かに。それに些かエネルギーとしては不安定ですし、そんな穢れた力を使うのは
同志の1人、
2人の言葉に賛同し、頷く。
核や原子力といった非異能者達が造ったエネルギーでは、天沼矛を満たすどころか逆に穢してしまう。何より、力としては不安定すぎる。
何より今の地上には、“一部を除いて”まともに天沼矛を満たす力は存在しない。
だが、我はある者達からその“一部”の天沼矛を満たす純度の高いエネルギーの存在を。
「皆、聞いてほしい。我はある男達から
「極めて純度の高いエネルギー、道元様。そのエネルギーとは一体何なのですか?」
「この天沼矛には、すでにそのエネルギーが一つ蓄えられている。さらに言えば、そのエネルギーは九体の巨大な獣に分かれている。」
「巨大な獣、それが力の源なのですか?」
「あぁ、それはかつて地上を蹂躙した大妖共に匹敵する力を持ち、一体で世界を獲れると言わしめた存在。そのエネルギーの名は“尾獣”。」
「尾獣、ですか。」
「あぁ、“継ぎ接ぎの男”が言うには尾獣は狸、猫、亀、猿、鹿、蛞蝓、甲虫、牛、狐に姿を変えて、宿主の中に隠れている。そして天沼矛には二尾の猫のエネルギーが入っている。」
継ぎ接ぎの男、荼毘という男の素性は怪しいと思ったが、奴が見せた2つの尾を持つ化け猫の姿には笑みが浮かんだのを覚えている。
まだこの世には、我ですら知らない未知なる存在がいるのだという事が分かったからだ。なにより尾獣のエネルギーは凄まじく、一口口に含めば活力が漲り、いつまでも暴れられる程であった。
若者言葉にすれば、強力エナジードリンクを桶で飲んだのと同じであり、心の臓に負担が掛かるが命を惜しむだけの価値があるのだ。
「しかし、道元様。鉱脈があるのが忍びの里とはどういう事ですかな?」
「継ぎ接ぎの男が言うには、尾獣を宿しているのは、五車という忍びの隠れ里に住む者という事だ。抑えておくべき存在はこいつらだ。」
我は明らかになっている尾獣を宿している“6人(真、藤志郎、源太、咲弥、晃、春輝)”の写真を、同志たちに見せる。
「こいつらは五行との関わりもあるが、それ以上に戦いに関しては上手であるという事を忘れるな。五車にて匿われているのが、“一尾”、“四尾”、“五尾”、“七尾”、“八尾”、“九尾”、継ぎ接ぎの男とその仲間の女で“二尾”と“三尾”、行方が分かっていないのが“六尾”だ。」
「では、六尾から探しますか?」
「いや、素顔を隠しているかも知れんからな。今回はこの6人を狙う。」
此度の狙いは、この6人の中で隙の無さそうな隈のある男(真)に決まると、一番若い
「このイケメンの相手すればいいの?なら、あーしにやらせて♪軽〜く骨抜きにしてやるんだから♪」
「曜子、遊びではないんですよ。とても危険なんです。」
「わ〜ってるし。けど、あーしだって出来るもんねぇ。ねぇ良いでしょ?雫姉。」
曜子の視線に片腕であり、信の熱い
「良いですか、今回はあくまで様子見。無理だと思ったら戻る事を優先してください。使えるのならば、その呪符でエネルギーを奪うこと。良いですね。」
「はーい!任せてよね。あーし、上手くやってみせるんだから!」
曜子はそう言うと、夜の街へと駆けていくのであったが、何故か不安しか無かった。
「雫、念のため監視につけ。敵は忍びだ油断は出来ん。」
「畏まりました、道元様。」
雫に私兵を付かせて、曜子の監視を任せ、我々は来たる時まで力を蓄えることにしたのであった……。
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