ある日の事、芳陰 真と許嫁であり、対魔忍十二宗家の1人天秤座を冠する少女、
その任務は汚職政治家の誅伐任務であり、3人からすればすぐに終わる任務であった。
「真様、あそこです。」
「その様だな。智優、かなめ。少し下がっていろ。」
「「うん/はい。」」
バンッ!
「た、対魔忍か!?」
「ちぃっ!撃て撃て!」
ダダダダダダダダダダダダダッ!!
ゴオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
真が扉を開けた瞬間、中にいた政治家と取引をしていた魔族達が一斉に襲い掛かるが、全て真の砂に絡め取られ、即座に水分を抜かれていき、骨と皮だけのミイラにされ、枯れさせる。
「あ、ああああああああ……!!?」
「かはあああああ……!!?」
真の砂は鍛錬の中で成長していき、攻防一体の強力な武器となり、絡め取られれば抜け出せず、砂により水分の一滴まで搾り取られるのだ。
真はミイラとなり倒した魔族達を床に置くと、政治家に向かって真っ直ぐ進む。
政治家はだらだらと冷や汗を流しながら、スーツの胸元に手を入れてそこから銃を取り出して、震えながら真に向ける。
「く、来るな!!この化物!!近付けば撃ち抜くぞ!?!」
「それで脅しているつもりなのか?やれるものならやってみろ。」
「銃を向けただけで足を止めると思っているのなら、それは大きな間違いだわ。」
「まぁ、銃くらいじゃあ、流石にね。」
「だ、黙れ!!死ねぇ!!」バンッ!
政治家は馬鹿にされた事に怒ったのか、智優に向かって銃を放つが、その弾丸は真の動かした砂によって止められ、コロンっと床に落ち、それを見た政治家は間抜けな顔になる。
「は?」
「砂漠柩。」
「ん!?」
「お前は智優に手を出した。許すわけにはいかん。」
「んんっ!!!!?んんんんんんんんんんんんっ!!!!!?」
「潰れて死ね。」グッ!
バキバキッ!グジュッ!!
政治家は真の操る砂の圧力に包まれながら、声を上げることなく絶命した。
「任務完了ですね。……この書類、資料として持ち帰りましょう。」
「智優、ありがとう。かなめ、周囲に敵は?」
「いないみたい。このまま上の階まで行って迎えを待とうよ。」
「そうだな。それなら連絡を【真、逃げろ!!!!!】っ!!?」
バアアアアアアアアンッ!!
外から襲ってきた龍の様な液体に、真は咄嗟に2人を庇い砂を分厚く張るが、3人は夜の港へと吹き飛ばされてしまうのであった。
「あ~あ、吹き飛んじゃった。でも〜、たぶん死んでないよね〜。」
その光景を隣のビルから眺めていた少女、宗像 曜子は足下から水を発生させると、真達が落ちた方に向かって歩いていく。
「さぁてあのイケメン生きてるかなぁ?」
ゴオオオオオ!
「およっ?」
「はぁ、はぁ……。」
「なぁんだ生きてたんだ。良かった〜!死んでないで。」
生きていた真を見ながらそんな事を言う曜子に対し、真はいつでも曜子の脚を潰せるように、砂を配置して掴んでいる。
「さっきの、水遁の龍は、お前が出したのか?」
「そだよ、びっくりした?まぁ濃度は薄めておいたから死なないようにはしたけど、まぁでもよく生きてたね?もしかして、イケメンくんの中にいる尾獣が助けてくれたのかな?」
「(守鶴を知っているのか……この女何者だ?)お前は何者だ?」
「あ~し?あ~しは曜子。名前だけは覚えておいてよ、ね!!」
「っ!!!?」
真は足払いをしてくる曜子の脚を躱すと、即座に敵として認識し、砂で包み込もうとするが、曜子はその砂を水で溶かしたのだ。
「っ!?」
「砂使うんだ?能力もセンスも良いんだろうけど、相性最悪じゃん。勝ち目ゼロくね?」
「ナメるな!砂漠柩!!」
「うわッキッツ。で〜も♪」じゅうぅぅぅっ!
「っ!?」
砂漠柩はドロドロに溶かされ、曜子は楽しげに笑う。
「残念、あ~しには効きませ〜ん。あ~しの酸に掛かれば、鉄や鋼だってドロッドロッ!イケメンくんも溶かしちゃうぞ♪」
「連弾・砂時雨!」ドドドドドドドドドドドドッ!!
「酸龍弾!!」グオオオオオオオオオオオオオオッ!!
「守鶴の盾!!」
「無駄だっつうの!」
「ガハッ!?」
砂時雨を溶かされ、動けなくなった真は守鶴の盾を発動し、堪えるが、超濃度の酸に守鶴の盾は溶かされて行き、真は吹き飛ばされてしまう。
【真、俺を出せ!!こんなガキ、俺が!!】
「(駄目だ……。守鶴が暴れたら騒ぎになる。それに、この女と俺とでは、相性が悪すぎる!)」
「さぁて。サクッとお仕事しますか!」
曜子は真に覆い被さると、その腹に呪符を貼り付ける。その瞬間、真と守鶴は自身のチャクラが抜き取られていくのを感じた。
「ぐっ!?あ、ああああああああああっ!!?」
【なんだ、こりゃぁ!?力が、入らねぇ!?】
呪符が力を吸い終えたのを、文字の色が赤くなったので確認した曜子は、真から離れると彼にトドメを刺そうと近くにあったバールを振り上げる。
「じゃあ、ね!」
「拳岩の術!!!」ダァァァァァァァァァンッ!!
バールを振り下ろし、命中する寸前で真は智優に救われた。智優の岩を纏った拳が曜子を吹き飛ばしたのだ。
体勢を整えた曜子は、軽く服を叩いて埃を落とす。
「なぁんだ生きてたんだ。寝たフリ、してれば良かったのに。」
「真くんには近付かせない!!これ以上やらせない!!」
「私もいるよ!!」
「あ~しは仕事終わったから帰るだけで良いんだけど、やるなら相手するよ?」
「「っ!!?」」
曜子から放たれた濃密な殺気、その殺気に震える2人を庇うかのように立ち上がる真。微かに砂を操るも僅かであった。
「「真くん/真様!!」」
「2人、には……手を、出すな……!」
「へぇ~、絞って奪ったはずなんだけど、タフだねぇ?このままやっちゃうのは簡単だけど、仕事終わったし、あ~しはこのまま帰ろうっと♪バイバ〜イ♪」
「帰った……。「真くん!!!?」っ!?」
曜子が去ると真はその場に倒れ伏し、動かなくなった。智優はデバイスで即座に芳陰のルートで救援を呼ぶと、報せを受けた救援隊によって真は病院に運び込まれたのであった……。
◆◆◆
一方で真を軽く倒した曜子はというと、仲間達の下へ戻っていた。
「道元様〜!」
「曜子か。無事戻った様だな。」
「は~い!あ~し、無事帰還で〜す♪あ、これ一尾のエネルギーが取り込まれた呪符で〜す。」
「おぉ、よくやった。」
道元は早速、曜子から受け取った呪符を、天沼矛に貼り付ける。すると、天沼矛は強く煌めき、ドクンッと脈打った。
「素晴らしい。これが尾獣の力か……!素晴らし過ぎる!!」
「道元様、我らも動きましょうか?」
「うむ!皆、我に力を貸してくれ!!」
「「「「「応!!」」」」」
道元は煌めきを放つ天沼矛を手に、同志たちの士気を高めるのであった……。
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