久々に学園へと登校した日の夜、春輝、ゆきかぜ、凜子、達郎の4人は政府関連の施設が何者かによって破壊されたという知らせをアサギから聞き、調べるように命じられた。
現場には不知火、アサギ、紫も同行し、7人での調査が行われたが、施設は完全に破壊されており、巨大なクレーターが出来ていた。
「すっごい抉れ方。」
「何があったらこんな風になるんだよ。」
「アサギ様、政府からは何と?」
「それが、突然の事に驚いて支離滅裂だったわ。空から雷が降ってきたみたいな事を言っていたし。」
「雷でこうはならないわ。何処かの国が爆弾でも落としたのかしら?」
紫、アサギ、不知火が話す中、春輝は辺りを見渡してクレーターに触れてみると、僅か、本当にごく僅かに守鶴のチャクラを感じたのである。
「これは……(これは、守鶴のチャクラか?でも何で守鶴のチャクラがこんな所で感じるんだ?しかも何でこんなに微量なんだ?)」
「春輝、どうかしたのか?」
「ん?いや、何でもない。(明日辺り真に聞いてみるか。)」
結局その日は何も収穫は無く、全員無事に帰還したのであった……。
◆◆◆
翌日、春輝達が学園に登校するも真は、学園を休んでいた。
そんな中、春輝達人柱力は休んでる真の事を話す為に、一度集まっていた。
「芳陰の奴、2日も休んでるなんて。どうかしたのか?」
「真面目な芳陰さんが2日も休むなんて……何かあったんですかね?」
「風邪でもひいたんじゃねぇか?あいつ頭良いからな。知恵熱でも出たんだろ。」
「知恵熱って……子供じゃねぇんだぞ。なぁ春輝。春輝?」
「え?あぁ、悪い。」
何やら考え込んでいた春輝は、晃に肩を触られるまで気付かずにおり、気付くと全員が春輝を見ており、藤志郎が話しかける。
「どうした春輝。何か気になる事でもあるのか?」
「気になる事っていうか、何ていうか。なぁんか引っ掛かるんだよなぁ。」
「だから何がだよ。」
「春輝さん、何でも構いませんから言ってみて下さい。」
「あぁ……実は昨日な任務である場所を調べたら、守鶴の力を感じたんだ。」
「「「「守鶴の力?」」」」
現場で守鶴が暴れたのか、それとも何か有って守鶴が力を使ったのか、それによって施設が大きく抉られていたという事を伝えると人柱力達怪訝そうに首を傾げる。
すると、尾獣達も話し合いに出始めた。
【守鶴の野郎が、勝手に暴れるかよ。真が人柱力なんだぜ?抑えるに決まってるだろ。】
【確かに妙ですね。守鶴が目的も無く暴れるなど。】
【何かあったのなら、俺達に伝える筈だ。】
【だとしたら、真に何かあったんじゃねぇか?それ以外考えられねぇ。】
「(九喇嘛はどう思う?)」
【アホ狸に何があったかは知らねぇが、ちとキナ臭え感じがするな。春輝、今から芳陰の家に行け。】
「(分かった!)ごめんみんな!俺、早退するから何かあったら、上手く伝えといて!」
「あ!春輝!?」
春輝は学園から真っ直ぐに芳陰邸へと向かい、真の様子を見に向かっていた。
「こんにちわ〜!すみませ〜ん!」
「ホッホッホッ。これはこれは春輝くん、学園を休んだのかね?」
「あ!将忠さん!あの、真はいますか?」
「真か。真は今、眠っている……。」
表情が暗くなり、俯く将忠に春輝は不安が現実になったのを感じ、真の事を尋ねた。
「真に、何があったんですか……。」
「会いに来てくれたんじゃ。会っていってくれ。」
家に招かれた春輝は芳陰邸に挙がると、そのまま真の部屋へと通される。
するとそこには、まるで死んだように眠る真がいた。
「真……?」
「とある任務の中、謎の刺客に襲われたらしくてな。かなめちゃん達が言うには、何やら呪符を貼り付けられたから、守鶴にも何かされたのではと思っている。」
「お、乙女崎さんには?」
「外傷は治った。じゃが、身体から何かを抜かれたせいで、真は目を覚まさんのじゃ。」
真が目を覚まさないのは、尾獣チャクラを限界まで搾り取られたからであり、現代医療ではどれだけ発達していても、チャクラというエネルギーまでは乙女崎でも出せず点滴をするのが精一杯であった。
春輝は涙を流しながら、真の手を握る。
この世界での初めての親友に対して、自分は何も出来ないという思いに、悔しさが溢れていた。
「(なぁ九喇嘛!俺のチャクラ、真に渡せないか!?そうすれば!)」
【理論上は可能だが、下手したら死ぬぞ。】
「(友達助けるのに、命張らねぇでどうする!!!!)」
【……ならやってみろ。ただしチャクラコントロールはわしがやる。良いな?】
「(おう!!!)」
「っ、春輝くん何を?!」
尾獣モードになると、春輝と九喇嘛はゆっくりと真の手から守鶴と真に、九尾チャクラを流し込む。
水道の蛇口を捻りながらも、決して強くせず、少しずつ少しずつ出していく。時間は掛かるが、的確に満タンになっていく。
「っ……ここ、は……。」
「っ!?真!!」
「おお!!真、目が覚めたか!!?」
「お祖父様、春輝……ここは、俺の部屋か。春輝、俺は生きてるのか?」
「あぁ、あぁ!生きてるぜ!真!」
【真〜!!】
ポンッ!
「守鶴!?ちっさ!」
真の枕元に現れたのは、小さな人形サイズの守鶴であった。守鶴も外に出られるようになったらしい。
「守鶴……元気で良かった……。」
【ズズッ!俺、オメェが死んじまったかと思っちまって!なんも出来ねぇで!】
「泣かないでくれ。守鶴、春輝もありがとう。」
【春輝!ありがとうな!馬鹿狐!今回ばかりは礼を言うぜ!!】
【けっ!ならさっさと治れくそ狸。】
「守鶴も無事で良かった。……それで、何があったんだ?」
春輝、将忠は真から何があったのか、それを聞くと、将忠は顎髭を撫でる。
「敵の狙いは尾獣、か。冥とは違う敵ということか。」
「はい、その可能性は高いです。春輝達も狙われる可能性があるかもしれない。気を付けてくれ。」
「分かった。明日みんなに話しておくよ。じゃあ俺は帰ります。」
「1人では危ない。家まで送らせよう。真の恩人なんだ、これくらいは当然じゃよ。」
春輝は将忠に見送られて家へと車で送られたが、勝手に学園を早退したので不知火には怒られたのであった……。
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