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直します。
春輝が真の家に、芳陰邸に行った翌日。
春輝はアサギに渡すための文書を作って、アサギと時貞に渡していた。
その書類には春輝が真から聞いた内容と、昨晩の任務で知った事が書かれていた。
「これは本当なの春輝?」
「はい、真から直接聞きました。……アサギさんこそ何で言ってくれなかったんですか?」
「混乱を防ぐためよ。将忠翁からもあまり広めるなと言われていたわ。」
アサギの言葉に春輝は、俯いてしまうが、アサギの真剣な目に頷く。
「そう、ですか。けど、一歩遅れていたら真は死んでたかもしれません。友達を失うのは嫌です。」
「分かったわ。以後話すかどうかはこちらで判断します。下りなさい。」
「失礼します。」
部屋を出ていった春輝を見送ったアサギは、椅子に深く座り、時貞の方を見る。
「時貞さん、私は冷たいかしら。」
「長としては間違っていない。1人1人平等に接しなければならない事を忘れるな。」
「分かりましたわ、時貞さん。」
「さて、体育祭に向けて準備するぞ。水城の言っていた不審者対策を欠かさずにしていこう。」
「えぇ。」
アサギと時貞は体育祭に向けて準備を始め、五行学園との交流体育祭を行い、真に起きたことの情報を共有するために仲間達の下へと向かうのであった……。
その頃、春輝は藤志郎達とも集まって話を行っていた。
「つまり、芳陰は謎の女に襲われて力を奪われたが、今は持ち直したという事か?」
【アサギって女も知ってるのか春輝。】
「あぁ、アサギさんにも伝えてある。冥とは違う敵が動いてるかもしれない。」
【冥の連中の様に儂らが狙いなのか、それとも別に何か目的があるのかは分からんがな。】
「だったら真正面から潰すだけだぜ!!!」
「だが、敵の正体が分からないぜ?どうするよ?」
【私達から動くのは危険ではないでしょうか。】
【敵の正体が分からない内は攻めらんねぇぞ。】
「……相手の目的も分からない内は、警戒するだけにしておくのが良いのではないでしょうか。下手にこちらが動いては狙い撃ちにされかねません。」
【咲弥の言うとおりだな。】
「そうしてみるか。」
咲弥の言葉に春輝が頷くと藤志郎達も頷き、話を終えるとクラスへと戻っていった……。
◆◆◆
某月某日、五車町に京都から五行学園がやってきた。
五行学園の生徒や教員以外にも、観衆として大勢の観客が集まり、五車学園は賑わいを見せている。
校庭では支度を終えた生徒達が、競技の用意を始めており、お祭り気分の五車学園、その中で三鬼はアサギと会っていた。
「井河さん、この度は体育祭に賛同していただき、ありがとうございます。今回も楽しませていただきますよ。」
「こちらこそ。参加してくださり、ありがとうございます、三鬼さん。以前は”
にこやかに挨拶を交わす三鬼とアサギ、2人は主賓席に移り、他の教師達に挨拶を交わすと話を始める。
「それにしても今回の体育祭、何や警備が厳重ですなぁ?何かあったんどすか?」
「不審者が入りこまないようにする為の警備です。以前に大きな騒動がありまして。」
「なるほど、そういう事でしたか。ならば納得ですわぁ。」
アサギの言葉から何かを察した三鬼は、薄く微笑むとそれ以上は何も言わなかった。
アサギは春輝から真を襲った者が、学園を襲うという可能性があると報告を受け、その上で警備を強化したのである。
さらに芳陰将忠からも警備を強化するための人員を得ているため、念のため警備を強化していた。
「(何か嫌な胸騒ぎする……何も起きなければ良いのだけど。)」
「アサギ、そろそろ。」
「そうね。」
時貞に促され、開催の鈴を鳴らすアサギ。
体育祭の開催である……。
◆◆◆
道元Side
五車町にある、忍びの学園に雫と共に潜入したが、これが今の忍びか。
しかしこれは……何というか。
「温いですね、道元様。危機感というものを感じてないのでしょうか?」
「ハハハッ。そう言うな雫、良いじゃないか。こういった“何も知らないで騒いでいる姿”を見るのは。」
確かに、この忍び達の姿は温いと取れるだろうな。仲間がやられたというのに、その事を知ってか知らずか、愉快そうに騒ぐ姿が滑稽に映る。
それにしても。
「(天沼矛が強く反応しているのは、あの金髪の少年か。だとしたら、奴が九尾という尾獣の。)」
背中に背負っている天沼矛が強く胎動し、反応している者がいる。
年下の妹と思われる女子と話している金髪の少年、奴が恐らく九尾の使い手か。
他にも数人居る気配を感じる。
「(ここは良い。贄となる存在が山のようにいる。それに九尾の使い手の力も見ておきたい。)少し荒らすか。」
天沼矛を天に向けて翳すと、青空には雷雲が掛かり始め、ゴロゴロと天が唸り始め、天沼矛を九尾の使い手に向ける。
ゴロゴロ……バリバリバリバリッ!!
けたたましい雷鳴と共に、九尾の使い手に轟雷が落ちた……。
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