百愧龍宮の住む里にあるお屋敷、その廊下を1人の女性が廊下を歩いているが女性と言っても、その身長は2メートル弱はあり、頭には長い白髪と2本の角を生やしている。
しかし、その女性の特徴ともいえる胸は豊満なモノであり、歩く度にタプンタプンッと揺れているが、その背には身の丈程の長さがありそうな大きな金棒が背負われていた。
「兄貴!いるか!」
百愧龍宮の頭である暁冥の部屋についた女性は遠慮なしに、襖を開けるとそこには書物を読みながら酒を飲んでいる暁冥がおり、暁冥は入ってきた人物を見て、やれやれとため息を吐く。
「なんだ真琴か。お前、ノックしろと言っただろうが。
仕事は片付いたのか?」
「あぁ!このボクに出来ない仕事は無い!兄貴からの仕事は全てこなすさ!」
彼女の名は
鬼徹暁冥の妹の一人であり、その実力は凄まじく、ノマドの幹部であるイングリッドや五車学園の教師陣と互角に戦える程である。
さらに言えば暁冥を兄貴と呼んで慕っており、種族も相まってか腕っぷしも強く、身の丈程もある金棒も軽々と振り回せる。
「それよりも!兄貴、この前の集会の時に来たっていう"彼"はどこに!?」
「彼?」
「烈堂と渡り合った男さ!彼に会いたいんだ!」
「……あぁ、春輝の事か?
会いたいって言っても薫に頼んでみないことには。」
「薫?薫は春輝と親しいのかい?」
同じ仲間であり、同性の友人の名を聞いた真琴は腕を組んで兄に話を聞く。
すると、兄である暁冥はなんの気無しに答えた。
「そうらしいな。同じクラス、同じ学年らしくてな?
それで仲も良いらしんだよ。」
「ふ〜ん、そうなんだ。それで、春輝ってどんな人物なんだい?
ボクは話しでしか聞いてないから分からないんだ。」
「どんな人物?そうだなぁ、一言で言えば面白い奴かな。あいつは恐らく伸びるぞ?
多分、お前とも良い勝負になると思うがな?」
「ボクと、良い勝負……!兄貴、春輝は次いつ来るか分かるかな!?」
「それは薫に聞いてみないと分からんが、まぁ近々会えるとは思うぞ。それに近々デカい行事もあるみたいだから、クローディアを向かわせる事にした。
ついでに、春輝の事も見るように伝えとくぞ。」
「本当!?やったーーー!!」
暁冥からそう聞いた真琴は心底嬉しそうに微笑むと、楽しそうにスキップしながら部屋を出ていき、自分の部屋へと帰っていった。
彼女が春輝に会いたがる理由。
それは、春輝が烈堂武頼との戦闘を行った際に見せた金色の姿、九尾の力を聞いた時にその姿と戦いを聞いた真琴は春輝に興味を持ち、さらにそれから春輝の事を知ろうと彼について独自に調べて行く中で、さらに興味を持ったのだ。
仲間の中には春輝に一目惚れして、彼の人形などを作っている人物もおり、たまに彼の話題で盛り上がるので仲間からは、やれやれと呆れられている。
しかし、真琴は春輝のまだ見えぬ底に興味を持っており、それが知りたくて彼に会える日を楽しみにしていた。
「(春輝、かぁ……。今度は直に会って話がしたい!
そしていつか、彼と手合わせをして……それで!)」
そんな事を考えながら真琴は自身の鍛錬する場所に向かうのであった……。