そして、読んでくださりありがとうございます。
P.s.遅くなってしまい、申し訳ないです!
獅子堂 緑郎との騒動から数日後、春輝はいつも通りの日常を過ごしていた。その中で、体育館にて中忍試験についての説明がアサギから行われており、クラスの中では緊張感に包まれていたが、春輝達は説明を一言一句漏らさずに聞いていた。
「試験は1週間後、前半は筆記試験。後半は一対一の試合。組み合わせは前半の試験終了後に発表するわ。各人、己の持つ実力を出し切るように!
1週間は自習期間とし、学園への登校は自由!以上!」
「「「「はいっ!」」」」
生徒達は返事をすると集会は解散となり、生徒達は帰宅することとなったが、春輝は自分を睨んでいる翔馬の視線に気付き、春輝は1人で鍛練している森に来ると後ろから翔馬が現れたが、彼は鋭い目付きで春輝を睨み付けていた。
「……何の用だよ?」
「お前、緑郎さんにどんな手を使って勝ちやがった?緑郎さんはふざけた性格してるが、獅子堂の中でも実力者だ。そんなあの人が負けるなんて考えられねぇ。
毒でも使ったのか?」
「そんな事を聞きに来たのか?……お前が何で俺を嫌ってんのか知らないけど、俺はお前に構ってる暇なんて無いんだ。帰って勉強しなきゃならないんだ。」
春輝がそう言いながら翔馬の隣を通り過ぎようとした、しかし、翔馬は回し蹴りを放ち、春輝はそれを避けると、翔馬の方を警戒しながら後ろに飛び退く。
翔馬のその目には怒りが見て取れた。
「何すんだ!?」
「何で嫌ってんのか知らない、だと……?構ってる暇なんて無いだと……!!?ふざけんな!!!
てめぇは、そこまで俺を馬鹿にすんのか!?その程度の認識なのか!?
こんな奴に、俺は……俺は!!」
「お前、何言ってんだ?何を怒って」
「黙れ!!決めた……てめぇはここで殺す。2度と対魔忍を続けられないように、その手足、へし折ってやる!!」
翔馬は殺気だった状態となり、春輝に襲い掛かる。殺気を乗せた攻撃が迫り、春輝も応戦するが翔馬の攻撃の重さに春輝は攻撃を避ける、防ぐの防戦一方となり春輝は圧されつつあった。
「ちっ!?」
「どうしたぁ!?力使ってこいよ!!それとも、腑抜けてんのか!?あぁ?!」
「こっちは!お前と!やり合う!理由が無いんだ!?何で怒ってんのか!知らないけど!
うおっと!?本当に何なんだよ!!?嫌いなら突っ掛かってくんな!!?」
「このドンガラ野郎が……調子に乗ってんじゃねぇぞ。てめぇは、ここで……!!」
「は~い、そこまで。」
翔馬が春輝に襲い掛かろうとしたその時、翔馬と春輝の間に砂の壁と一振りの剣が突き刺さり、翔馬は剣が飛んできた方向を見ると、そこには木の枝の幹に肘をついている
しかし、翔馬は構わずに2人に殺気を向ける。
「何のつもりだ?宗河、芳陰。邪魔すんならぶっ殺すぞ。」
「獅子堂、お前これから試験があるって時に問題起こす気か?そんな事をすればどうなるか分かるだろ。」
「うるせぇよ宗河、余所者のお前には関係ないだろ。芳陰、てめぇも何様のつもりだ?
邪魔するなら容赦しねぇぞ。」
「お前が何故春輝を恨むかは知らない。だが、友達を傷付けんなら俺だって黙ってないぞ。
それに、そんな事をすれば獅子堂の家の名に傷が付くことくらい分かる筈だが?」
「てめぇら……!!あんまり喚くと殺すぞ?これは、俺のプライドの問題だ!
そして!こいつは俺のプライドを傷付けた!!邪魔するなら……!!」
「おい、獅子堂。あんまり我が儘を言うなよ?それに春輝とは手合わせの約束があるんだ。
もし、そいつに手をあげたら……俺が相手になるぜ?」
「ほう?やってみろよ……!」
賢丞の言葉に翔馬は殺気を彼に向ける。そして、翔馬が拳を握り、賢丞が笑みを浮かべながら得意忍術を放とうとしたが、翔馬は何故かため息を吐くと来た道を戻り始めた。
「おいおい、どこに行くんだよ?」
「てめぇらを殺すなんざ簡単だ。だが、てめぇらは試験の中で殺す。
特に……水城 春輝。てめぇは確実に俺が殺る、“昔みたいなふざけた真似”なんて出来ないように確実にな。……首洗って待ってろ。」
翔馬はそれだけ言うと3人から離れていき、残された3人はため息を吐くと真と賢丞が春輝に歩み寄る。
「春輝、大丈夫か?」
「真、ありがとう。賢丞も。けどなんでここに?」
「お前と獅子堂が森に入っていったのが見えたから、後を追ったんだが……あいつ、おっかねぇな?あれは獅子つうか狂犬だぜ?」
「春輝、獅子堂に何かしたのか?何か心当たりとかはあるか?」
「いやまったく無い。あいつに何で恨まれてんのかもよく分からないんだ。
俺、あいつに会ったのなんて“一回”しかないんだけどなぁ。」
春輝は獅子堂翔馬には“一度しか会っておらず”、なぜ恨まれるのかも分からずに腕を組んで考え込んだが、理由が分からなかった。
春輝が真と話す中、九喇嘛と守鶴が話をしていた。
【おい馬鹿キツネ、春輝の奴 けっこう恨まれてんなぁ!こいつはお笑い草だぜ!】
【喧しいぞ。それより感じたか?】
【あぁ、感じたぜ。あの獅子堂ってガキ、何か臭ったなぁ?なんだあの臭いは?】
【こいつぁ、荒れそうだな……。
(それにあの獅子堂ってガキ、何か妙な感じがしやがった。気に掛けておくか。)】
春輝達が話す中で、九喇嘛と守鶴がそんな事を話すのであった……。
その後、家に帰った春輝は1人試験の範囲を勉強していた。
しかし、春輝は昼間に翔馬から言われた事が頭から離れず、悶々として中々勉強が手に付かずにいた。
「……。」
『“こんな奴に俺は、俺は……!!”』
「(あいつ、何であんなことを言ったんだ?あいつは俺を知ってた?いや、でもいつ会ったんだ?会った記憶なんて……。)」
「ねぇ、春輝。春輝ってば!」
「ん?あぁ、リリム。なに?てか、近い。」
春輝が深く考え込んでいると、目の前にはリリムの顔があり春輝は弱冠驚くがリリムは構わずに続けた。
「さっきから呼び掛けてたのに、気付いてなかったのは春輝でしょ?
それに、ぼうっとしちゃって……何か悩みごと?」
「いや悩みって訳じゃないんだが……ん?あ、ごめん。」
春輝はスマホが鳴っているのに気付き、スマホを手に取るとその画面には非通知の文字が出ており、首を傾げながらもスマホの画面をタップした。
「はい、もしもし?」
『春輝、久しぶりだな。』
電話を掛けてきたのは、春輝の昔の友人である大雅であった。
「っ!?大雅、お前なんで番号知ってるんだ?教えてはいない筈だけど。」
『あぁ、それなら管理者の白嶺が教えてくれたぞ。』
プライバシーが死んでる……。春輝はそんな顔をしながら苦笑いをすると、小さくため息を吐いて咳払いで、気持ちを切り替える。
「それで?何で電話なんてしてきたんだ?」
『あぁ、実はな?その試験に向けて、お前に特別な訓練をしようって話してたんだよ。
それで明日、今から言う場所に来れるか?』
「え……?あ、あぁ。分かった。それじゃあ明日な、あぁ。分かった。」
春輝がスマホを切るとリリムが春輝に抱き着く。
「誰から~?」
「昔の友達だよ。昔はけっこう遊んでたんだが、今は離れてるけど……。
さてと、風呂に入ってくるかな。」
「あ!なら私も一緒に「それはダメ。」何でよ~~!?」
和やかにリリムとじゃれる春輝、すると騒ぎを聞き付けたゆきかぜも混ざり、さらに騒がしくなったのだった。