筆記の試験を終えた五車学園の理事長室、そこでは井河 アサギ、獅子堂 源一、芳陰 将忠、そして、内務省公共安全庁、調査第三部の部長である山本 信繁が会談をしていた。
その中で信繁は興味深く、生徒達の答案を見ていた。
「ほう?今回の筆記試験を終えた者達は頭が切れる者が多いらしい。その中でも、やはり獅子堂の若いのと芳陰殿のお孫さんは群を抜いていらっしゃる。」
「ほっほっほ。まぁ若い者は頭が柔らかいからの~。
情報収集能力を見ているというのは、気付く者は気付くだろうて。」
「そうですね、芳陰翁、源一殿。」
「確かに、そうですなぁ将さん……しかし、目立つと言えば“この子達”もそうですな。
霆遁の礼導 晃と真陰の副隊長である黒鉄 恭弥。そして、今なにかと話題になっている水城 春輝くん。」
源一が晃と恭弥、そして春輝の答案を見ながらそう言う。
彼らのテストでは数ヵ所ほど間違いが見られたが、それが“わざと”であるということが読み取れた。
「“素性が知れない”……うちの若い衆はそう言っているが、確かに実力は未知数。
まぁ甘いところがあるが、それが無くなれば化けるかもしれんな。」
「春輝くんは真とも交流がある。まぁ少々垢抜けない面があるが、忍として仲間を大切に思う事は良いことじゃよ。」
「政府でも噂になっていますよ。若いながらに興味深い存在だとね。
多種多様な忍術を使用する技巧派だと聞いております。」
「忍術だけではありませんけど、それでも忍術の数には驚きを禁じ得ません。
もはや10や20では足りませんからね。
それよりも皆さん、組合せをどうするか決めないと。」
アサギの言葉に3人が笑いながら頭を撫でると、信繁が答えた。
「ではこうしようではないか。
“テストの点数が高かった順”かつ“多角的な試合”をさせてみようでないか。」
「と、言いますと?」
「忍として、仲間の能力を知っておくのは刺激になる。
だからここは、様々な戦場を想定した戦闘をしてもらうんですよ。」
「まぁそれはよいかもしれんが、あまり己の忍術をひけらかすのは「源一殿、気持ちは分かります。ですが、逆もまた然りでは?」ううむ。」
信繁の言葉に源一が腕を組んで唸りながら、顎を撫でる。
「分かったわ。では、舞台については信繁さんに任せても?」
「あぁ、一般人の立ち入らない場所を幾つか見繕っておく。
そういう場所は、このご時世幾らでもあるからな。」
「では組合せについてだが……こうではどうだろうか?」
将忠の発表した組合せ、それを見たアサギ達はその組合せを承諾し、教師達にも配布されたのであった。
その組合せ、第一試合は……。
水城 春輝対芳陰 真。
今世紀始まって以来の“人柱力”同士の試合であった。
親友対決です!