慎夜side
俺は真庭 慎夜。とある事情で五車学園に潜入している者で、今は御館様からの命令で“ある男”を監視していた。初めは少し観察して、つまらなければ殺せ、と言われていたが俺はその男……“水城 春輝”を観察していたが、この男は何者なんだ?
初めは御館様からは大した情報は与えられなかった……それほどまでにつまらない者なのかとも思ったが、この男は何かが違う……あの井河 アサギに勝ち、豪魔バルトともやり合えたというだけでも驚きだったが、中等部入学から成績をあげている。
使う術の数と種類……肉体の成長速度……それらの他にも気になる点は幾つかあるが、それよりも、あいつはいったい何者なんだ?
「(少し探ってみるか……。)」
俺は稽古の休憩で仲間達から離れた時に水城 春輝に近づくことにしたが、あの宗河という奴が中々修行を終わらせようとしない……。
「体に力入れすぎるな!」
「あぁ!」
筋は良い……熱心な上に教え方も的確だ。だが、俺達の使う“真庭流”に比べたら、まだまだ浅いものだな。そんな時、通信機が鳴った……はぁ、このタイミングで。
「はい……天音様。」
〈慎夜、春坊っちゃまの様子は?〉
「現在クラスメートらしき男子と体術の修行をしております。
かなり熱が入っているようで、かれこれ3日と4時間はやってます。
それと、春輝とその相手以外に3人の女がいます。」
〈そうですか……。数日前にはかなり成長したと思っていましたが、まさかここまでだなんて……!坊っちゃま!!!最高です!!!あぁ、抱き締めてぶち犯したい!!❤フガッ!?鼻血出ちゃった!!〉
バカでかい声をダイレクトに聞いてしまい、耳がキィーーーンッとなってしまう。
天音様、普段はクールなのにあの男が絡むとこうなるんだよなぁ。少しはそこを直して欲しいって切実に思っている。というか直せ、頼むから。
〈ゴホン……では、引き続き監視を。くれぐれもバレないように。〉
「は、はい。(急に真面目になるなよ!)」ピッ……
通信機を切ると、俺は仲間達から離れた春輝の後を追うことにし、後を追うとそこには何かの小屋があり、そこで服を脱ぐと中から水が流れる音がしたため、中でシャワーを浴びているようだ。
足音を経てないように小屋から少し離れた所で観察していたが、彼の体は傷跡だらけであり、激しい鍛練をしたからなのか、それとも単に防ぐのが下手なのか……先程の鍛練を見ていたが後者は無いと思えた。
その後、春輝は着替えを終えると春輝は妹と家に帰っていき、俺も探られないように、その場から姿を消した……。
◆◆◆
そして、対魔忍“中忍試験”本選……。
五車学園に造られた天井の無い巨大ドーム、そこは対魔忍の生徒達や保護者、観客なども入っており、一種のお祭り騒ぎになっており、初等部、中等部、高等部、そして各隊の隊長達が試合を身に来ていた。
その中で春輝達は個人に用意されたロッカールームで準備をしながら、それぞれの試合を見ていた。
第一試合、“神村 舞華”対“水城 刀華”。
春輝の義姉である刀華は舞華のバズーカの砲撃をものともせずにすべて避けていき、時には砲弾すら両断して見せ、舞華はその動きに驚いて後ろに下がってしまうが、それでも刀華に勝とうとする。
しかし、刀華はそんな彼女に“隼の術”で接近し、柄で彼女の鳩尾を打つと刀華は舞華を気絶させた。その手際の良さと早さ、そして血筋から彼女を見て、優勝候補の一人と断定していた。
第二試合、“篠宮 咲弥”対“芳廼 薫”。
序盤は持ち前の速度で薫を圧していた咲弥、しかし、八愧将に選ばれた実力と持ち前の水遁と剣技によって咲弥を押し返す。水遁と剣術の合わせ技に魅了される者達もいたが、突然薫が膝を着いて、動けなくなったのだ。
それは咲弥が張った罠であり、薫が咲弥に接近して呼吸する度に毒が体に入るようにしていたのだ。しかも気付かれないように、微量かつ無臭の毒を……その効果で薫は動けなくなり、降参したが相手を死に至らしめていない為、咲弥の勝利となった。
「みんなすごい試合だったなぁ……っし!俺もやりますか!」
春輝はそう言って対魔スーツに身を包み、試合に向かった……。
遅くなってすみません!
次回、翔馬対春輝!
ご意見、感想あれば下さい!
「お前は、俺の心を踏みにじった!!!」