P.S.加筆案を使わせて頂きました。
穏やかな日常
荼毘とサギーによる五車学園襲撃から数日後、五車学園の教師陣、芳陰 将忠と獅子堂 源一は朝から集まって会議をしていた。怪我をしたスウ・ジンレイ、桃知 凪、そして、重傷を負った獅子堂 翔馬の事はしばらく療養させることになったが、彼等の議題に挙がったのは“荼毘”と“サギー”であった。
「荼毘とサギー、ふざけた真似をしてくれた物だ……。見付け次第相応の報いをくれてやる。だが、やつらの狙いが水城 春輝というのが気になる。」
「不知火、息子が狙われる理由について何か知らんのか?」
「分からないわ。何故春輝が狙われるのか……。」
時貞と獅子崎 万太郎から尋ねられた不知火は本心から分からないと答えた。獅子崎 万太郎は春輝に対して優秀だが問題児であると思っていた。完成しているため下手に指導したら戦闘スタイルが崩れると感じていてどう指導すべきか他の教員たちと頭を悩ましていた。
しかし、翔馬に対して必死に止血を行った姿を見て、蓮魔零子に師事を仰いでいる事から自身も僅かではあるが、彼に興味を抱いていた。
「それにしても、荼毘か。あんな青白い炎の使い手、忍の歴史では見たこともないわい……あのような者が居ようとはな。」
将忠が五車を襲撃した青年、荼毘について話すと壁に荼毘の映像が写し出された。
「気味の悪い奴だ。しかし魔族という訳でもないが、人間でもない……まさか、何処かの家の出か?」
「青白い炎の使い手など、聞いたこともないのう。」
「どこの者であれ関係無い……若い芽を摘むような真似は2度とさせん。」
源一の怒りに満ちた鋭い目が荼毘を睨み付けるのであった……。
◆◆◆
???side
五車学園の教師陣たちが荼毘たちのことで会議をしている同日同時刻、五車町の外れにある廃屋である一人の青年が特殊なスマホを使いある人物へと連絡をしていた。
「はい、中忍試験はあの謎の二人組の所為で中止となりました。」
「被害ですか?・・・・はっきり言って期待外れもいい所でした。」
「人的被害はたったの三名、獅子堂の若手一人が重傷、その番二人も負傷しただけです。」
「ええ、そうですね。おそらく新興組織が名を広めるためのパフォーマンスでしょう・・・・・もし私でしたら獅子堂や芳陰に多大な被害を出せましたがね、お粗末なものですよ。」
「典善と連絡は取れたか、ですか。・・・・・おそらく奴らに捕まり殺された模様です。はい、五車に回っている情報によるとあいつの忍法 "不協和音の囁き"はあの二人組に奪われたようです。本戦が始まる前に近隣の公園で身元不明の老人の変死体が発見されたので十中八九、典膳なのでしょう・・・・・報復か奪還しますか?」
「報復、奪還は不要……奴らと接触をしますか?・・・不要、わかりました。それよりも五車の情報収集に力を入れろ、ですか、アサギが特に目を掛けている水城不知火の息子の情報を最優先に?・・・・政治屋共や役人たちが所有している機密データに記されているので手に入れる価値は無いと愚考しますが。」
「・・・・・紙切れや電子データには記されていない力を秘匿している可能性がある、ですか。なるほど、確かにアサギが目にかけている者があの程度の実力のわけがありませんからな、時間は掛かりますが探ってみます。」
「それでは、定期連絡を終わります。はい、また何かしらあれば連絡等をしますので。ええ、あの愚か者に思い知らして見せましょう、本当の対魔忍を統べる者は誰なのかを、では通信を終了しますお祖母様、いいえ、葉取星舟様。」
連絡を終え廃屋から出てきた青年は五車学園の制服を着ていて年齢も春輝と同世代の様であるが目が鮮血の如く赤くどことなく狂気染みている。この青年こそかつて井河一族を支配していた井河長老衆長である葉取星舟が潜り込ませたスパイで孫の一人であり井河姉妹の遠縁に当たる者で名を“
星舟がアサギに対するクーデターの失敗と悟りその際、再起のため自身の一門衆であった幼い天舟に降伏し投降したと見せかけ五車に潜り込ませアサギ一派の情報収集をせよと命じている。彼はその命令を忠実に守り収集した情報を葉取星舟の下に流しているのだ。
「あのお方は
少しその場で考えこむ天舟だが、しかしすぐに思考する。
「・・・よくよく考えれば繋がりを持つ、持たないは奴らが五車の報復から生き残れたらの話だな。ただでさえ俺は出自故、五車上層部から怪しまれているのだ。奴らと関わりを持ってそっち方面で俺がスパイであると露見してしまうのは本末転倒だ。」
最後にあれだけ準備したのに結果があれではなっと荼毘たちを嘲笑する。
「それよりもあのお方の言う通り瀕死状態だった、あの忌々しい獅子堂一族の若手の命を繋いだ水城不知火の息子の力を探る方が重要だな。だがそれと、どう関係しているかどうか知らんが水城嫡子と芳陰次男坊の試合データが無いんだよな~。あの二人が戦った試合の映像もどこに保管されているのかも分からないし、これは調べるのに骨が折れるぞ。」
与えられた任務の困難さにそうぼやきながら歩き始める天舟だが、一息吐いた。
「手っ取り早く、上手く接触して近くで観察した方が早いか?あのボンボン、変なところ世間知らずのお人よし過ぎる部分があるからその方が良いか。あのボンボンを上手く利用できれば獅子堂と芳陰を対立させることができるかも・・・・うん、そうするか。」
そう自己完結し、どう春輝と接触するのか考えながら廃屋を後に五車町へ赴く。そう自身の主の怨敵が治める場所へ。
◆◆◆
〈五車学園、山〉
その頃、春輝は従姉の刀華に呼ばれて彼女と胴着に着替えて木刀を持つと剣術の稽古をしていた。凜子と違い、真陰の隊長を務める刀華の技はどれも鋭く、春輝も必死に食らい付いていたが、刀華は対魔忍の刀法である“陰陽陰流”と“逸刀流”、この2つの型を持っている。
さらに、彼女はエリート部隊である九字衆から真陰に移籍した神童であり、鬼壱あずさに匹敵する実力を誇り、春輝よりも剣の使い方は上を行っている。
「どうしたの?春くん、本気で来なさい!!」
刀華は春輝に怒っていた。獅子堂 翔馬にした行いもそうだが、何故実力を隠しているのかについても。だからこそ、春輝を知るために彼と稽古をすることにしたのだ。
「分かってるよ!(刀華姉さんは強い……初めから全力で行く!!)」
春輝は呼吸を整えて、全集中の呼吸に切り換えると木刀を振るう。
「(壱ノ型!水面斬り!)」
交差させた両腕から勢い良く水平に刀を振るい斬撃を放ち、刀華はその全てを避けていくと、即座に追い討ちを掛ける。
「(弐ノ型!水車!)」
「!?」
垂直方向に身体ごと一回転しながら両断する技を放つ。刀華はそれを逸刀流の技、”旋風”で打ち消す。春輝は刀華の僅かに出来た隙に駆け寄る。
「(拾ノ型!生生流転!)」
「(逸刀流 一ノ秘技”鳳仙花”!)」
うねる龍の如く刀を回転させながら何度も斬撃を叩き込んだが、刀華も鳳仙花という技で生生流転を打ち消す。2人の稽古は激しく互いの木刀が折れてしまった。すると、刀華と春輝は深く呼吸をする。
「春くん、すごく強いのね…驚いたわ。」
「強くなりたかったから……大切なものを護るために。」
「そうなの。なら信じるわ……過ちを二度と冒しては駄目よ。あなたは、前に進める人間だって信じてるから。」
刀華の言葉に春輝は深く頷くと、刀華は春輝を優しく抱き締めて一緒に山を出て家に向かったのであった。その後、春輝はゆきかぜと不知火と共に夕食を食べた後に風呂に入って休むことにした。
その時、扉がノックされてドアを開けるとゆきかぜがいた。
「ゆきかぜ……?」
「お兄ちゃん、一緒に寝てもいい、かな?」
「あぁ、たまには良いかな。」
春輝は軽く笑ってそう言うと、ゆきかぜと一緒に寝ることにした。ゆきかぜの体から香るシャンプーやら石鹸の匂いが鼻をくすぐる。そんな中でゆきかぜは春輝に笑い掛けると、彼のズボンの上から股間をまさぐる。
「ゆ、ゆきかぜ……?」
「お兄ちゃん、あたし、シたいよぉ……良いでしょ?お兄ちゃんだって、ギンギンだし。」
目を潤ませながらそういうゆきかぜに春輝は、ベッドから出ると机からその中からコンドームを出してきた。
「今更だけど、するならこれ着けてからな?」
「う、うん。分かった、それでも良いからシよ?」
ご意見、感想待ってます。
次回はエロ回です。