次回は……分かりません。
翌日、五車学園の校門では“獅子堂 時松”が立って生徒達に挨拶をしていた。彼は見た目から怖がれたりする事もあるが、本当はとても優しい人間で人当たりもいい。その為に彼を慕っている生徒も多い。
「時松先生だ。」
「どうしたんだろ?何か、すごく怖いんだけど。」
「何かあったのだろうか?」
「ん?あぁ、お前らか。おはよう。」
「おはようございます、時松先生。何かあったんですか?」
「ん?あぁ~、いや、それについては全校集会で話す。お前たちも荷物を置いたら、体育館に集合するように。」
「「「「「?」」」」」
春輝の問い掛けに時松が気まずそうに言うと、春輝、ゆきかぜ、凜子、達郎、きららは首を傾げながらもクラスに行き、仲間達と合流してから体育館へと向かったのであった。
体育館に着くと、クラス順に座りそこで待っていた。すると、アサギや時松、時貞、秀彬といった最上位上忍が現れて、その面々に生徒達は戦々恐々となるが時松の眼力だけで生徒達はざわつくのを止めて一瞬で静かになり、アサギが話始めた。
「みんな集まってくれて、ありがとう。早速なんだけど……ウチの卒業生の忍が無惨な死体となって発見されたわ。あまりに無惨な殺され方に警察が警戒しているけど、中忍試験の時にも現れた者達の可能性も捨てられない。」
生徒達は中忍試験の時に現れた荼毘とサギーの存在を思いだし、戦々恐々としたが時松の咳払いにまた静かになる。
「そこで、今回のような事件を避けるために任務に出る際は
『はい!』
「ありがとう、では次に……今回の中忍試験は残念ながら断念となりました。そこで、来月、5月の急遽“特別演習”を行います。」
特別演習……それは言うなれば課外授業であり、生徒達にとって最も楽しみにしている行事の1つである。その知らせを聞いた生徒達はワクワクした面持ちでいた。
「今回の特別演習は……“京都”にて行います。期間は4泊5日、資料については教室にて配ります。分からないことがあれば教師から聞くように。解散。」
『はい!』
春輝達はクラスに戻る中で今回のアサギの京都への特別演習について、考え込んでいた。中忍試験が無しになったとは言え、その埋め合わせなのかは分からないが、京都への特別演習を行うという話に若干疑問を抱いていた。
「(京都、もっとも妖魔からの侵攻に対して守りが強い聖地……そんな所でいったいなにを?)」
「春輝。どうかしたか?」
「え?いや、別に。京都に行くのって初めてだから。」
春輝の言葉に凜子がそうかと軽く返すと、教官が資料を配ってきた。
◆◆◆
闇夜に妖しく三日月が光る日の夜、魔都東京のある“悪趣味”な富豪の男を討つために派遣された対魔忍がいた。その対魔忍は初めは男を追い詰めたが、そんな彼の前に“2体”の機械のような体をした怪物と相対した。
しかし、その忍は呆気なく敗北してしまった……。2体の悪魔のごとき力を持った悪魔の存在……“クエスター”によって。
「ひゃあはははは!!弱ぇ弱ぇ!こんなに弱くて、よく掛かってこいとか言えたな?」
「“ガイ”、依頼主からだ……その“屑”を細切れにしろ、後悔させながら殺せ。とな。」
「へいへい、わ~ったよ、“レイ”。ったく。屑はテメェもだろう、が。」
“ガイ”と呼ばれた黒い体に緑色の模様を宿し、頭部の形状はライオンに近いフォルムの怪人が手に持っていた短銃で忍に何度も弾丸を放ち、愉しげに嗤いながら射殺する。
その様を見ていた“レイ”と呼ばれた同じ黒い体に黄色の模様を宿し、頭部の形状はより虎に近いフォルムの怪人は、特に気にした様子もなくつまらなさそうに端末の電源を切る。
彼らは元々は普通の肉体を持っていた魔界の住人であったが、強さを求めるあまり、闇の魔科医に改造を依頼、魔界の最高の技術と横流しされたオリハルコンのボディを得たガイとレイだったが、頭にマイクロチップを埋め込まれている事に気づいた。
それに怒りを覚えたガイは、その魔科医に謝礼といって魔科医を殺し、マイクロチップを術で破壊し、レイのもの同じように破壊し、自由を得た2人は自分達の気に入らない魔族を殺して廻り、破壊の限りを尽くした。
ガイは粗暴で破壊を好む、好戦的な“怒りの鬼神”。
レイは冷静で理知的だが、様々な特殊能力も持っている“大いなる獣”。
その2人の共通点は……人間を見下し憎悪しているという所である。
彼らの種族は元々、人間を下等生物と呼んで見下しており、ただ殺すための生き物としか見ていない。そこに男女の垣根はなく、男だろうが女だろうが、子供だろうが年寄りだろうが、彼らはただ殺すだけであった。
その頃、富豪はクエスターからの知らせを聞いた男はふぅ~と葉巻を吸って煙を吐き出す。その近くには“闇のヤイバ”が控えていた。
「闇のヤイバぁ、どんな依頼でもこなすって聞いたけど……ほんとに?」
「はっ、如何様な依頼でしょうか?」
「うん、ボクね長~~~~~~~い髪が大好きなの。それでキミには長~~~~~~い髪の女の子からその髪を根本から切って持ってきてほしいんだ~~。それを抱き枕にして、それで楽しむの。」
富豪の男は大の髪フェチでコレクターでもあった。彼はかつて付き合っていた長い髪をした女を犯し殺した際に、その髪を根元から切り裂いて抱き枕のようにしては夜な夜な己の楽しみに使用している。その為に部屋には今まで集めたコレクションが並んでいた。
「……承知いたしました。では、私はこれで。」
ヤイバは部屋を出ると、窓から屋敷を出て誰もいない空に向かって呟いた。
「ふんっ。悪趣味な奴……だが、髪の長い女などゴロゴロいる。さてどうするか……ん?そういえば対魔忍には“毛遁”使いの小娘がいたな。そいつにするか……。」
闇のヤイバは以前集めた情報の中からヒットした人物……櫛延 澄香に狙いを定めて、夜の闇に消えたのであった……。
ご意見、感想、リクエストやご指摘等々お待ちしてます。