俺は、鏡野 光(かがみの ひかり)。アニメ、漫画大好きなオタクだ。
そこそこの偏差値の大学に受かって、親戚たちに合格祝いをしてもらい、
受験勉強から解放されたと同時に、自分が社会の歯車になっていくことを考えるとやるせなさを覚えている。
「別に不満はないけど、満足もしてないんだよなあ。転生して俺TUEEEE状態になりたいなあ。」
そんなことを言いながら、録画したアニメを見るために、テレビを付け仰向けで倒れこんだ。
録画リストから、鬼滅の刃を選択し再生ボタンを押すと同時に砂嵐状態になった。
「この前テレビの位置ずらしたから受信できてないのかなあ。」
そうぼやきながらテレビの近くまで近づいてみると、テレビの砂嵐が中心部から渦を巻きどんどん大きくなっていき、ひどい頭痛がしてきた。
ー????ー
「悪人ではない人で、人生に未練のない人をランダムで転生。あまり良いシステムとは思えませんけど、人間の創作物の分だけ世界が増えるから、魂の均衡を保とうと思うと、こうなっちゃうんですよね。せめて転生先では幸せに暮らしてほしいものです。」
気が付くと、知らない天井が眼前に広がっていた。部屋を見回すと、風情ある日本家屋の一室であることが分かった。
「気が付いたのね。写(うつし)。なんてかわいいのかしら。」
「俺に似て凛々しい顔つきだ。きっと俺をも超える【青の守護者】になるに違いない。」
声のする方へ顔を向けると、艶のある黒い長い髪に切れ長のたれ目で優しさのこもった、青い目に高い鼻の美人と、
太筆で描いたかのような眉毛に彫刻刀で掘ったかのように彫りの深い顔の男がいた。
「確かにあなたは凛々しいけれど、この子はまだかわいいわよ。見てこの小さな手、握ったらつぶしてしまいそうだわ。」
自分の手を見ると、俺の痔くらいのサイズの小さなサイズだった。
「確かにお前は可憐で握ったらつぶしてしまいそうだが、写は闘志にあふれ猛々しい気を放っておる。」
男が持っている鏡に映る自分は、完全に赤ん坊で、首も座っていない状態だ。
「私が可憐だなんて嬉しいわ。」
「事実を言ったまでだ。」
「あなた。」
「鞘」
目の前の男女は熱い抱擁を交わし、接吻を交わし、お互いの衣服に手をかけようとしたところで、俺を抱きかかえている右半分の目が金髪に隠れた女性が、咳ばらいをしながら、
「旦那様、奥様は出産で体が疲弊しております。お控えなさいますよう…。」
すると、男は少し頬を赤らめながら女のそばを離れ、
「すまんすまん。鞘。今日は体をゆっくり休めてくれ。」
女は少し残念そうにしながら、
「おやすみなさい。あなた。写。露(つゆ)。」
すると俺は急な眠気に襲われ目を閉じた。目を閉じながらも意識はあったため冷静に現在の情報を分析・判断してみることにした。家から見知らぬ場所に自分がいる不思議な現象に対して、これらの情報を総合的に考えた結果、俺がたどり着いた答えはあまりに欣幸の至りなことで信じがたいがきっとこれは、
異世界転生だ!!