「は?またフラれた?」
「うん……」
「ったく、何回目だよ……。懲りないねあんたも」
頬杖をついて呆れたように呟くマチさん。
彼女とは、いつの間にか仲良くなっていた。
彼女のことは実はよく知らない。僕が町でぼったくりにあいそうになったとき、たまたま通りかかった彼女が追い払ってくれた。
それ以降偶然町で会うことが多く、そのうちに僕の家でくつろぐことも多くなった。
実際、今も僕の愚痴を聞いてもらっている。
「……気にするなって、そのうちあんたを好きな物好きも出てくるわ」
「……はあ」
「……たく、くだらないことで悩んでんじゃないよ。もう帰ってもいい?」
そういうけど、毎回何だかんだでいてくれるマチさんは、きっととても優しい。今も、僕の取って置きのお茶請けを遠慮なく頬張りながら、まっすぐに僕を見つめてくれる。
「今回は特に酷くて……」
「酷いって何が?」
「フラレかたが……」
「……一応聞いとくよ」
「あんたと付き合うくらいなら、死んだほうがましよ……って」
「……ふふっ」
「……」
「……はは、ふふ、ふふふっ」
つぼにはまったのか、お腹を押さえて笑ってる。僕がその反応で落ち込んでも、そんなの知ったこっちゃないと言わんばかりに笑っていた。そういう無神経な所もマチさんの特徴だ。
ひとしきり笑った後、少しだけ優しい顔をして慰めてきた。
「ま、立ち直って次の恋を探すしかないわね。それでまた面白いネタを提供してよ」
「ま、マチさん、ひどいよ……」
「ふん、なに?私に慰めてほしいとか思ってるの?」
「そ、そうじゃ、ないけど……ぐす」
「……ちっ」
しばらく無言の時間が続く。
僕のため息と、マチさんのガシガシと頭をかく音のみが時折響いた。
そして、バン!と机を叩いたマチさんが立ちあがり、口を開いた。
「あー!もう!男の癖にナヨナヨと面倒くさいねあんたは!」
「で、でも……」
「でも、じゃない!ちょっとこっち来い!」
「ま、マチさん!い、痛いよ!」
マチさんに引きずられ、どこか、といっても僕のリビングから別の部屋に移動した。
マチさんに連れられて来た先は僕の寝室だった。
寝室に入ると、僕をベッドの上に荒々しく投げた。
「ふん!」
「い、った……」
「ねえ、あんた童貞?まあ、童貞よね」
「ど、童貞……!だ、けどさ……別に、そう言うことは重視してないっていうか……その」
「あー、そういうのいいから。早く服脱いで」
「え……マチさん!?」
僕を放り投げたマチさんが、唐突に服を脱ぎ出した。着物のようなものを脱ぎ、下着姿になったら、それもさっさと脱いで全裸になった。
異性を目の前にしているとは思えないほどの、情緒もない堂々たる早脱ぎ。
「……」
「ちょっと、あんたも早く脱ぎなよ」
初めて見る異性の裸。しかもマチさんのような美少女の身体。それは僕には刺激が強すぎる光景だった。
普段ゆったりした着物を着ているので分かりづらかったが、マチさんは結構すごいスタイルをしている。
それを見ていると、僕の股間も熱くなってきた。
「お、勃起してきたじゃん」
「ちょっと待って!じ、自分で脱ぐから……!ズボンに手をかけないで……!」
「いやもう下ろしちゃったけど。……へえ、結構……」
無理やりパンツごとズボンをずり下ろされ、硬くなった肉棒が勢いよく飛び出した。亀頭はすでに我慢汁によってテラテラと光沢を放ち、その瞬間を待ちわびていた。
そんな肉棒を見て、マチさんは感心したように頷いた。
「良いものもってるじゃん」
「う、ああ……!」
「たくっ、気持ち悪い声出すんじゃないよ」
あっさりと肉棒をつかむと、マチさんのほっそりした指で上下に擦られる。手首のスナップを効かせて器用に擦りあげていくと、それだけで射精しそうなほど気持ちいい。
「ほら、あんたもしてよ」
「……!こ、これは……」
「私のだよ。童貞には刺激が強かった?」
マチさんの気持ちよすぎる手コキに浸っていると、手をとられ、彼女の股間部に誘導された。指先には生暖かい感触と、動かすとわずかな水音がした。
「いきなりいれたら痛いっしょ?だからこうしてお互い濡らすのよ。ほら、早く」
「どうやったら……」
「いいから早く。童貞にテクニックとか期待してないよ」
指先には柔らかい感触。いれてみると、生暖かい菜にかがキュッと指先を包み込んできた。よくわからないので、スリスリと指を擦り付けていくと、奥からドロッとした粘液が滲み出た。
「あ、んん……」
マチさんの口から、甘い声が漏れた。その艶かしい声に、僕の肉棒が反応して、ピクッと跳ねた。
「はは、すごいね、ちんこが我慢汁でドロドロじゃん」
「……マチさんの、ここも、すごいよ……」
「うるさいね……」
シュッシュ――
くちゅくちゅ――
ただ無言でお互いの性器をいじりあう。
部屋には淫らな水音と、時折可愛らしいが響いた。
いつの間にか僕達は見つめあっていた。
お互いの距離は、息がかかるほど近い。マチさんの生暖かい吐息が僕の唇に触れると、さらに肉棒が震えた。
「……」
マチさんの顔は赤く、蕩けた顔をしていた。普段の無愛想な彼女からは想像もつかないほど艶かしく、全身から雌のフェロモンを漂わせていた。
口は半開きで、中に見えるのはピンク色の舌。思わず目で追っていると、彼女のぽってりとした唇が動いた。
「……あんた、キスしたことは?」
「……ないよ」
「まあ、そうよね。じゃあ今しよっか。あっついやつ」
唇が触れあう。鼻から抜ける彼女の吐息が顔にあたりくすぐったくて身をよじると、逃がさないと言わんばかりに唇の隙間から舌を絡めとられた。
「ん、ちゅ……ちゅう、れろ」
マチさんの舌は厚く、唾液でぬるぬるとしている。彼女の舌が僕の舌、頬肉、歯茎など、あらゆる所を蹂躙していく。一通りそれが終わると、今度は僕が彼女の口内をなめ尽くす。そうして、お互いの口元が唾液まみれになった時には、僕達の性器はドロドロになっていた。
「……する?」
はあ、はあ……と、息を荒げながら聞いてきた。最初の強引な態度は鳴りを潜め、艶かしい雰囲気を纏いながら僕を誘う。
僕が頷くと、彼女は仰向けに倒れた。
「ほら、ここに挿入するんだよ……♡」
「……ごく」
仰向けになったマチさんが見やすいよう足を広げ、露になった秘部を指で広げた。
秘裂の奥には、卑猥なピンク色の膣がヒクヒクと震え、奥から濁った液がトロッと垂れてきた。
我慢できずに、彼女の秘部に先端を擦り付けた。
「マチさん……!」
「うん……」
肉棒を挿入していくと、トロトロの膣肉が吸い付いてきた。中は熱く、溶けそうなほど気持ちいい。膣肉を掻き分けると、じわっと愛液が滲み出て、肉棒を優しく包み込んだ。
我慢できずに腰を振ると、カリが引っかかって腰が抜けるほど気持ちいい。
「ん、…あんっ、はあ♡そこ、いい……」
僕の下で甘い声で喘ぐマチさんが、すごく可愛い。肉棒を突き入れる度に豊かな乳肉がたぷんと揺れ、興奮が増してくる。たまらず魅力的なおっぱいを鷲掴みにして、極上の柔らかさを堪能した。
「はあ、はあ……乳首も、弱いから……んんっ、そう、あん♡」
先端の乳首を摘まむと、ピクッと身体が跳ね、締まりがよくなった。乳首を口に含み、舌でツンとつついたり、舌の上で転がすと、激しく喘いだ。乳首だけではなく、豊満な乳房を舐めて柔らかさを堪能する。乳房の麓から舌先で頂まで舐めあげる。
ひとしきり舐めて彼女の乳房を唾液まみれにする頃には、彼女はもう限界といった様子だった。口からは唾液を垂らし、目を蕩けさせ、快感に喘いでいる。
「マチさんの気持ちいい……!」
「んんっ!はあっ、やあんっ!」
僕達の限界は近く、今度は至近距離で見つめあいながら激しく腰を振り、絶頂に向かっていく。
僕の下で喘ぐマチさん。僕の腰の動きに合わせてイヤらしい声をあげる。あのマチさんが。ぶっきらぼうで、きついけど優しくて、美人なマチさんが、僕とセックスしている。僕にすべてをさらけ出している。
「あ、僕も、もう……!」
「……んぅ♡あ、あん♡んんっ♡」
射精する間際、僕が腰を打ち付けると、彼女の足が僕の腰に巻き付き、逃さないと言わんばかりにギュッと抱きつかれた。
彼女の不意の行動に、僕の我慢は限界を超え、大量の精液を吐き出した。
「あ……んん……!!」
膣内に吐き出された精液が、彼女の子宮を満たしていく。射精は止まることを知らず、何度も肉棒が跳ね、その度に精液を吐き出した。
射精する途中、彼女の膣内がキツく締まり、愛液が大量に流れ込んだ。彼女も絶頂したんだ。マチさんは腰を痙攣させた後、力が抜けたかのように倒れ込んだ。
僕も長い射精が終わると、彼女の隣に仰向けになった。
「はあ、はあ……どう?セックスするとすっきりするでしょ?」
「うん。マチさんのすごい気持ち良かった」
「そう。相変わらず気持ち悪い言い方するねあんたは。」
お互い横になって、見つめあう。
ふふ、と口角をあげるマチさんの表情は晴れやかだった。まるで手慣れた作業のように語る彼女に、少しモヤモヤした気持ちになった。
「マチさんは、結構慣れてるんだね……」
「まあ、あんたとは違って相手には困らないからね」
「そう、そうなんだ……」
「ふふ、嫉妬かい?」
複雑な表情をしている僕を、とても楽しそうに眺めてくる。何がそんなに面白いのか。
「じゃあ帰るわ」
ベッドから起き上がったマチさんが素早く服を着て、身支度を始めた。
「え、帰るの……?」
「なに?もっとセックスしたかった?でも、私もスッキリしたし帰るわ」
そう言うと、あっさりと帰ってしまった。
モヤモヤした気持ちが収まらない。
―――
こういうときのために、必死で立ち振舞いを覚え、結果無事成功したものの、肝心の気持ちを通じ合わせることが出来なかった。
とはいえ、ノルマは達成できたので良しとしよう。
「まあ、しばらくは私と同じ気持ちを味わってもらおうかな」