響鬼外伝の外伝!? かめんらいだぁふぶき ―僕っ娘師匠の裏の顔― 作:裕ーKI
――それから2週間後。
洋館の男の目論見通り、果たして新たな酒呑童子は現れた。
オオクビ退治の帰り道、山岳道路に車を走らせていた最中に、突如として謎の妖姫の襲撃を受けたフブキと小宮香 狐夏は、明らかに誘われていると感じつつも、迷わずその後を追いかけた。
そうして辿り着いたのは、数年前の土砂崩れによって、今は廃村と化してしまった小さな集落。
全くと言っていいほど人気のないそんな場所で、2人は待ち構えていた怪童子と、自分たちを廃村へと導いた妖姫と対峙した。
オオクビとの戦闘の直後で、正直疲労感は隠し切れなかったものの、それでもフブキと狐夏は発奮を込めて鬼へと姿を変えた。
どこからともなく竜巻のように舞い上がり、その身を覆い隠した吹雪を手刀で切り開き現れる、白銀に煌めく2つの形貌。
しかしその直後、妖姫は戦闘に応じて身構えるわけでもなく、すぐにまた、吹雪鬼と狐夏変身体の前から立ち去るように飛び退いていった。
「鬼さぁんこちらぁ~……! 手の鳴る方へぇ~……!」
挑発するように文字通り手を叩きながら、猿宛らの軽快さで集落を取り囲む山林の中へと消えていく。
女性的体躯でありながら、男声で奏でるわざとらしい煽動の響きが、傾き始めた日の下でしつこく尾を引く中、だがその一方で、片割れである怪童子は、不自然なほど微動だにしなかった。
「吹雪鬼さんッ! 姫は私に任せてくださいッ! 吹雪鬼さんは童子と……きっと近くに潜んでいる魔化魍の討伐をッ!」
妖姫の行動が、自分たちの分断を目的とした陽動であることは、吹雪鬼は勿論、弟子の狐夏変身体にもわかっていた。
けれども、だからといって逃げた妖姫をこのまま放置しておくわけにもいかないと考えた狐夏変身体は、吹雪鬼の指示を待たずに自ら妖姫の追跡を買って出た。
「わかった! くれぐれも気をつけて! 無理だけは絶対にしないでッ!」
狐夏変身体の意思を尊重した吹雪鬼は、妖姫が身を隠した茂みへと飛び込んでいく愛弟子の後姿をチラリと見届けつつ、正面に佇む怪童子の方へと改めて意識を集中させた。
するとその時、吹雪鬼と2人きりになったこの瞬間を待ちわびていたと言わんばかりに、突如として怪童子は、その姿を著しく変貌させた。
枯れ木の表皮の如く乾いた質感だった体表は、まるで深海魚の皮膚のようにブヨブヨとした柔軟性の高いものへと変わり、そこから止め処なく分泌される透明で重厚な粘液が、全身を隈なく覆っていった。
見る者に生理的嫌悪感を与えかねない醜悪な姿。それこそが、洋館の男が創作した“肉塊”を取り込んだことで獲得した、新たな酒呑童子としての姿だった。
「冗談でしょ……!? 酒呑童子……なんでまたこいつが……ッ!?」
否が応でも脳裏を過るのは、前回の酒呑童子との戦いの記憶。
その時に散々思い知らされた生々しい不快感や汚辱の念が、まるで昨日のことのように甦る。
濁流のように押し寄せる羞恥心と、最早“酒呑童子”という概念そのものに対する根深い苦手意識に心を掻き乱され、1人残った吹雪鬼は、らしからぬ苦戦を強いられた。
前回の酒呑童子との戦いで、偶然とはいえ狐夏が身を以って示してくれた対処法さえも通用せず、戸惑いは募るばかりだった。
全身が粘液で覆われている酒呑童子には、その粘液ごと肉体を凍結させるほどの冷気が有効だったはず。そのことを思い出し、即座に実行に移したものの、結果はあっけなく失敗に終わった。
どうやら今回の酒呑童子の粘液には、アルコール度数が途轍もなく高い酒の成分が混合しているらしく、口から放出した冷気の攻撃では、相手を凍らせることができなかった。
「凝固点降下か……! 面倒だなッ!」
おまけにそれが作用してか、先刻から廃村一帯には、あまりにも異様な酒の臭気が充満していた。
それは洋館の女をも狂わせた、悍ましき酩酊と肉欲を齎せし悪魔の瘴気。
肉体を限界以上に鍛え上げた鬼の1人として、常人よりも優れた五感を持つ吹雪鬼の鼻腔にも、既にその臭いは毒針のように突き刺さっていた。
気づけば体は鉛のように重く、体力が困憊したわけでもないのに息苦しさを覚え、心臓が早鐘を打っている。
「さっきからなんだッ……? この酷い臭い……?」
先の個体と同様、酒呑童子が口から酒の水流を勢いよく発射すると、吹雪鬼は鼻を突く強烈な臭いに不快感を示しつつも、体内の冷気を咄嗟に右足に集め、その足で地面を1度強く蹴立てた。
すると足元から一瞬にしてせり上がった氷の壁が盾となり、迫る水流を代わりに受け止め遮断した。
氷の表面にぶつかり、勢いを殺された透明な液体は、四方八方に飛沫となって飛び散るが、同時に噎せ返るほど甘ったるい酒精の香りまでもが、益々周囲に色濃く広がってしまう。
前回の教訓から、相手に不用意に近づくのは得策ではないと考え、遠距離戦に徹することを選んでいた吹雪鬼は、氷壁の陰から左へ横っ飛びに身を躍らせると同時に、両手に構えた二丁拳銃型の音撃武器――音撃管・雪波を、間髪容れず酒呑童子に向けて連射した。
轟く銃声。放たれた氷の弾幕が、酒呑童子のブヨブヨとした粘液塗れの体表に次々と吸い込まれていく。
だが、その胴体に開いた無数の銃創は瞬く間に塞がり、銃撃を受けた酒呑童子の顔は、まるで痛覚を感じていないかのように平然とし続けていた。
「くっ!」
地面を横転しながら着地した吹雪鬼は、すかさず身を起こして攻め手を切り替えようとした。
ところがその瞬間、唐突に足腰の力が抜けるような感覚に襲われ、不覚にも勢いを殺し損ねてしまい、バランスを崩して尻餅をついてしまった。
「なッ……!? 膝がッ……!?」
まるで自分のものではなくなったかのように、ガクガクと震えて言うことを聞かなくなってしまった自身の両脚に、吹雪鬼は反射的に視線を落とすが――。
「ギヒィ~!」
直後、その僅か1秒にも満たない油断を、酒呑童子は見逃さなかった。
下劣で不穏な女声と共に、ようやく口元を綻ばせて表情を変えたその刹那、開口した喉奥から、再び酒の水流を凄まじい勢いで噴射した。
「しまっ――グッ……!?」
我が身を思い通りに動かせず、完全に反応が遅れた吹雪鬼は、回避できなかった酒精の噴流を頭から諸に被ってしまった。
顔面を打ち付けた力強い水流に体を押され、為す術なく地面に張り付く白銀の背中。
4本ヅノが天を向く頭頂部から足の爪先まで、一瞬にしてずぶ濡れになってしまったその肉体は、果たして直後に、急激な変調に見舞われた。
「うッ……うぅ……また……これは……ほんとにッ……マズい……」
すぐさま立ち上がり、体勢を立て直そうとするものの、途端に視界がグニャリと歪み、忽ち平衡感覚をも手放してしまう。
ごくわずかとはいえ、口内に侵入した酒の飛沫が齎す効果は絶大だった。
その雫が胃の内部に到達するや否や、吹雪鬼は体中が熱くなっていくのを感じていた。
紫色の隈取模様に彩られた顔も。
鋼のような筋肉の鎧に包まれた胸や腹も。
手足の指先や、頭の中の脳みそでさえも。
まるで全身を駆け巡る血液が沸騰でもしているかのように、急激に体温が上がり続ける。
彼女にとって鬼の力の象徴とも言うべき、肉体に司りし冷気が、体内を逆巻く酒の熱に強引に温められ、融解するかの如く衰退の一途を辿っていく。
足元はフラフラと定まらず、持ち上げた銃口の照準すらも敵に定まらない。
吹雪鬼がそうこう手間取っているうちに、ゆっくりと歩み出していた酒呑童子は、いつの間にか彼女の眼前に肉薄していた。
発砲叶わぬ音撃管・雪波を、あっけなく吹雪鬼の手からはたき落すと、スッと素早く伸ばした大きな掌で、彼女の首を掴んで締め上げた。
「ガッ!? グッ……ア……ッ!」
突然の苦しみに、吹雪鬼の口から洩れる苦悶の吐息。
このままでは絞め殺されると、強い危機感が彼女の胸中に募る。
しかしそんな吹雪鬼の焦燥とは裏腹に、酒呑童子がヌッと顔を近づけながら告げたのは、そこにあって然るべき殺意さえ感じさせない、思いもよらぬ言葉だった。
「ギヒッ! “ヌシ”がおでに言ってタッ! 『鬼のムスメと契りを交わせ』っテ! それがおでの役目ッ! だからおで、オマエと結婚すル! 今からオマエ、おでの嫁ナ!」
「なッ……!? なにを……ふざけた……ことを……!? 貴様のッ……戯言に……付き合うつもりなど……ないッ……!」
酒呑童子の突拍子もない求婚宣言に、吹雪鬼の意識は驚愕と混乱の渦に引き摺り込まれていく。それでも彼女は、自らの戦意をどうにか保とうとせんばかりに、掠れた声を必死に絞り出し、拒絶の意思を口にした。
するとそんな様子を嘲笑うかのように、酒呑童子は出し抜けに、酒気を帯びた口臭を、「ハア~~!」と吹雪鬼の顔面に吹きかけた。
「うぐッ!? くさいッ……!? やめッ――……!?」
首を締め付けられ、顔を逸らすことも叶わぬ吹雪鬼は、強烈な酒の腐臭に呼吸器全てを冒されるような激しい不快感を覚えた。
口や鼻腔に当たる部分から捻じ込まれるように、澱んだ濃厚な呼気が容赦なく体内に侵食してくる。
ただでさえ混濁し始めていた意識が、呼吸困難のせいも相俟って益々遠のいていく。
「ギヒヒッ! 強がってもムダッ! オマエもう、おでに逆らえなイ!」
逆上せた頭の中がクラクラする。
霞みかかった思考回路が判断の提示を鈍らせる。
視界の遠近さえも狂い始め、眼前の酒呑童子の顔が二重三重にブレて見えてくる。
しかし尚、吹雪鬼は諦めなかった。
体内に残った冷気をなんとか右手に集めると、その手を頭上に持ち上げ、渾身の力を込める。そうして自分の首を掴んで離さない酒呑童子の片腕目掛けて、氷の刃を纏った手刀を一気に振り抜いた。
鬼闘術・
その名の通り、虚空に三日月を描くように、滑らかな曲線を走らせながら放った無手の斬撃が、酒呑童子の片側の前腕を瞬く間に斬り落とした。
「あ~……おでの腕ガぁ~……」
肘の切断面から勢いよく噴き出す真っ白な鮮血。だが酒呑童子は相も変わらず、焦りも緊張感も感じさせない間の抜けた声を漏らすだけだった。
その間にも、敵の拘束から解放された吹雪鬼は、四つん這いの姿勢で激しく咳き込みながらも、離断した酒呑童子の前腕を鬱陶しそうに投げ捨てた。
傍目の先で、地面に横たわった異形の切れ端が木屑となって崩れ去る様を見届けると、気だるげに顔を上げ、改めて酒呑童子の姿を視線に捉えた。
「な……なに……!?」
だがそこで、吹雪鬼は多重に滲んだ視界の中で、またしても異質な光景を目にした。
それは、前腕を失った酒呑童子の肘の切断面から、新たな前腕が一瞬にして生え変わる様だった。
瞬き1つの間に、蠕動を始めた切り口から沸き立った肉の塊が、急速に形状を整え、先刻と寸分違わぬ完璧な前腕が、何事もなかったかのように出現していたのだ。
その光景に、吹雪鬼は愕然とした。
「なんて凄まじい……再生能力……。この前の個体とは……明らかに何かが違う……」
音撃戦士としてこれまで対峙してきた数々の童子は勿論、前回の酒呑童子からでさえ感じたことのない底知れぬ不気味さを前に、吹雪鬼は未だかつてないほどの戦慄に包まれた。
弱々しくもその手を伸ばし、地面に転がっていた2挺の音撃管を急いで拾い上げようとするが――。
「がッ!? な……に……!?」
ところが、真鍮の光沢を宿した管体に指先が微かに触れたかと思った次の瞬間、突如として、吹雪鬼は肺から空気が弾け飛ぶような衝撃と共に、内臓を圧し潰されるような重圧に一瞬襲われた。
背面に嫌でも伝わる、冷たさと生暖かさが混ざり合ったヌルヌルとした不快感。それに対し、吹雪鬼が反射的に視線を向けると、その目に映ったのは、粘液塗れの肌を擦りつけるように覆い被さってきた、酒呑童子の下卑た笑みだった。
「いやッ退けッ……! 離れろぉ……! あ……ああ……気持ち、悪い……ッ!」
その重さに耐え切れず、吹雪鬼の両肘がガクンと力無く折れる。
背中に密着した酒呑童子の体表から、際限なくドロリと滴り落ちてくる熱っぽい粘液。それが彼女の顔や首筋にさえも纏わりつき、その麗しき鬼の容貌を容赦なく汚泥の印に塗れさせていった。
「ふあッ!? やめ――……あああッ! あ゛ッあ゛あ゛ぁぁ……!」
酒呑童子が下から上へと、頻りに自身の身体を擦り上げるたびに、重なり合った背中を起点にゾワゾワとした強烈な悪寒が全身へと駆け巡る。
吹雪鬼は思わず身を震わせ、甲高い悲鳴を上げた。
「ンッ! ン゛ン゛ン゛ッ! はあンッ……! なん、だ……これ……!? この感覚……なにか……ナニかぁ……変だ……ぁ……アアッ!」
実際、その触覚は明らかに正常ではなかった。
超人たる鬼化に伴い、吹雪鬼の強靭且つ強固な肉体の皮膚は、生半可な刺激に対して相応の耐性を備えているはずだった。
にも拘らず、酒呑童子との摩擦が齎す感度を、今の吹雪鬼はあまりにも強く、そして敏感に感じ取り過ぎていた。
それは宛ら、既に性的愛撫を執拗に済ませた後であるかのように。
「フヒッ……イイ気分? オマエ今、凄くイイ気分? 遠慮しなくていい、いっぱい感じロ? 妻を慰めるの、夫であるおでの役目……」
酒呑童子は身動きの取れない吹雪鬼の耳元にそっと唇を近づけると、生暖かい吐息に女声を乗せて、ネットリと呟いた。
その言葉を断固として否定するように、吹雪鬼は僅かに自由な首をもたげ、酒呑童子のにやけた顔を、憎々し気に睥睨するが――。
「だ、誰がッアァ……誰が妻だ……誰が夫だ……! こんなの……こんなのォオ゛オ゛……気分良い訳ないィン……! 最低だッ……アッ……あ゛あ゛あ゛ア゛ァ!」
しかしそんな強気の抵抗を妨げるかの如く、津波のように雪崩れ込んできた猛烈なる甘美の刺激により、吹雪鬼の“音撃戦士”としての誇り高き矜持は、いとも容易く押し流されていった。
抑えきれぬ快感に舌足らずな吹雪鬼の脇下に、左右の手をヌルリと滑り込ませると、酒呑童子は彼女の胸部を鷲掴みにしながら、その上半身を強制的に抱き起す。
ニチャニチャと艶めかしい湿音を響かせながら、女性的な起伏を残しつつも、今は硬質化している吹雪鬼の双丘をゆっくりと撫で回していく。
その手つきは卑猥ながら意外にも繊細で、表層に絡みついた粘液を丹念に塗りたくり、馴染ませるように優しく円を描いていた。
「いやッ……そこはッ――……ア゛ア゛ア゛ッ!?」
不意を突いて押し寄せる更なる性感に、吹雪鬼は堪らず、背筋をビクンと跳ねるように大きく仰け反らせた。
すると、その弾みで柔らかな曲線を描いた臀部が、さらに丸みを強調するように上向き、偶然にも背後の酒呑童子の股間に押し当ってしまう。
それをこれ幸いと捉えた酒呑童子は、まるでマネキンのようにツルリと平板な局部を、グリグリと吹雪鬼の尻に擦りつけていく。
「んあッ! んッ……ンお゛……アッ……あぁ……あッあッ……!」
その感触と仄かな熱を確かに感じ取っていた吹雪鬼もまた、いつの間にか無意識に腰をくねらせていた。
両脚の付け根を隠す、茶色いレザーのクロッチが割れ目に食い込むほどに突っ張った堂々たる桃尻を、自らの意思に反して、積極的に擦り合わせるように押し返してしまう。
酒呑童子は自身の局部に猛烈な熱気が漲っていく感覚を覚えつつも、その手を片時も休ませることなく、一心不乱に吹雪鬼の身体を責め続けた。
時折か細い首筋に長い舌を這わせながら、左手で両方の乳房を交互に揉みほぐしていく。そして下腹部へと降下した右手は、脇に逸らしたクロッチに代わって割れ目の内部に侵入し、その先にある蜜壷の中を、2本の指でチュプチュプと激しく掻き回していった。
「ア゛ア゛ッ……アッ!? ンああああああ゛あ゛あ゛!! だ、だめッ!! 止めてッ!! こ、これじゃッ……この前と同じッ……ア゛ア゛ア゛ア゛ァ!!!」
加速度的に増大していく恍惚な昂ぶりが、不本意な絶頂を予感させている。
だがその一方で、吹雪鬼は今のこの状況に、別個体である前回の酒呑童子との絡みの記憶を重ね合わせていた。
背後からピッタリと密着された体勢。
胸部と秘部の激しい同時責め。
奇しくも同じ名の怪物から、同じような辱めを再び受けることになろうとは、夢にも思わなかった。
問答無用で肉体に刻み込まれていく、性感と酩酊の嵐。
その荒々しさに翻弄され、徐々に朦朧としていく意識の中で、しかし吹雪鬼は屈辱の気持ちとは別に、もっとシンプルな――最早“渇望”とも言うべき原始的な感情を抱き始めていた。
あの時味わった、今と同じ凌辱……。
あの時味わった、今と同じ快楽……。
だけどあの時、1つだけ――1つだけ味わい損ねた、極致の感覚。
言うなればそれは、愛弟子に阻まれ満たし損ねた、本能的欲求。
おかげで当時は、酷く不完全燃焼だった。
正直、生殺しだった。
けれども――。
けれども今なら、あの時と同じ――……。
いや、寧ろあの時以上に、もっともっと……凄いことが――……。
「んッンンッ……ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!! だ、だめだ……だめなのにッ来るッ! 凄いの……来るぅッ! がッ……ぁ……ダメッ……ダメダメッ……ダメなのにィッヒッ……イィイイ!!」
いつの間にか吹雪鬼の“不本意”は、本人の気づかないところで強い“期待”へと変わりだしていた。
それを自覚できぬまま、“音撃戦士”としての理性と、雌としての動物的本能とのせめぎ合いの中で、吹雪鬼は衝動的に呻きながら、“その時”を恐れ、同時に心の底から待ち望んでいた。
そしてそれは、ほどなくして訪れる。
双丘を弄る手が、相変わらずニチャニチャと糸を引いて絡みつくような嬌音を奏で続ける一方で、女陰を蹂躙していた酒呑童子の指は、力強さを増していく吹雪鬼の腰使いの積極さに全力で応えた。
ブヂュブヂュ、グチュグチュ――と、まるで耳元で水が跳ねているのかと錯覚しかねないほどに、一切の躊躇なく、狂おしいまでの速度で、蜜壷の中を縦横無尽に掻き回し続けた。
「アッア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!! ンァアあああ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!!!」
ウネウネと収縮と弛緩を繰り返し、指をキュッと締め付けてくる膣壁のリズムに反発するように、尚も暴力的な刺激を集中的に刻み込んでいった。
やがて、全身の血液が逆流するかのような、理性が焼き切れるほどの爆発的な衝撃が、吹雪鬼の脊椎の芯を稲妻の如く駆け抜けた。
「イッッ――……ぐッッうああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!!♡♡♡」
その反動で、背筋も首もビクンと大きく反り返し、陶酔の相を映さぬ鬼面の顔が、否応なしに天を仰いだ。
同時に両膝を立てて浮かせた膣口からは、大量の熱い飛沫がプシャァアアアと失禁の如き勢いで噴き出し、粘液で既に濡れていた地面の上に、ビチャビチャと水音を立てながら降り注いだ。
「ハッ……ハッ……――」
ビクビクと激しい痙攣を繰り返しつつも、顔貌が空を向いた姿勢のまま数秒ほど硬直した吹雪鬼は、直後に粘液と、自らが放出した白濁液が混ざり合ってできた水溜まりの上に、顔を押し付けるようにぐったりとうつ伏せに崩れ落ちた。
それは彼女が鬼の姿でいるために必要な“闘志の炎”が、完全に掻き消えた瞬間でもあった。
先のオオクビとの戦いで、体力と気力を消耗し切っていた吹雪鬼の肉体は、既に風前の灯火も同然だった。
そこへ追い打ちをかけるように仕掛けられた酩酊と情欲の連鎖により、“音撃戦士”としての誇りと、己を支えていた精神力は見る見る擦り減らされていき、今や蝋燭の火宛らの呆気なさで、音もなく消失した。
「だ、だめだ……このままじゃ……後戻りできなく、なるぅ……。逃げなきゃ……ここから……ぁ……。せめてッ……せめて……このことを……狐夏、にィ……」
吹雪鬼は最後の気力を振り絞り、1枚の赤いディスクを、緋色に染まり始めた空に向かって弱々しくも放り投げた。
空中で円盤形態から鳥型の動物形態へと瞬時に変形したそれは、茜鷹と呼ばれる音式神――ディスクアニマルの一種だった。
満身創痍の吹雪鬼の意思を汲んだ茜鷹は、彼女の愛弟子である狐夏の許を目指し、山林の中へと飛び込んでいった。
その様子を見届ける間もなく、ついに吹雪鬼の身体は、力尽きるように変身が解けた。
これまで凛とした威厳を保っていた、白銀の体躯を形作っていた堅牢な筋肉の鎧は、瞬く間にしなやかに融け、豊かさを湛えた曲線へと見る見る変容していった。
気づけばそこには、一糸纏わぬ豊艶なる女体が、ぬめりに穢れて艶めかしい光沢を放ちながら、粘液に濡れた地面の上に無防備に横たわっていた。
その恥辱に塗れた生々しい美しさは、酒呑童子の底知れぬ歓喜と欲望を、堰を切ったように溢れさせた。
「ギヒッ! イイ感じに満たされたな、オマエ! おかげでおでもヤル気出てきタ! 子作りに相応しくなったそのカラダ、おでの子種で存分に孕ませてやル!」
獲物を前にした獣の本能が、静かに膨張を始めた股間の中心でグツグツと煮え滾っていく。
一方、そんな酒呑童子のギラついた視線の先では、絶頂を迎えたばかりのフブキが、休む間もなく再び悩ましげに見悶えだしていた。
「ひぁッ!? アッ……ああ……あぁんッ!」
自我を蝕む衝動に駆られるままに、乳房と秘部に伸ばした両の手を忙しなく震わせる。
感情を表す相貌や、生身の脆弱さを覆い隠していた先刻までの鬼の姿から一変。晒された柔肌の上には、快楽の波に耐え切れず、思わず流れる恍惚の涙も、異常なほど過敏であることを主張する、興奮し切った性感帯のいやらしい突起も、紛れもない事実として、確かに色濃く浮かび上がっていた。
人の姿に戻り、耐性を失った今のフブキの身体は、ただでさえ敏感だった鬼の姿の時と比較しても、その感度はまさに桁違いに増大していた。
それは性的感受性が極限まで高まっていることを意味し、ふと集落を吹き抜けた些細な山風でさえも、彼女を絶頂の淵へと追い込む強烈な起爆剤と化していた。
「やッ、やだッ……なにこれ……止めてッ! からだ……僕のからだ……全部感じすぎるゥッ! はアッ……アアアッ! 助け――……ぼ、僕……ぼく今ッ……風に……風に犯されてるぅぅぅッ……!」
宛ら全身女性器。そんな屈辱的揶揄が疑いようのない現実であるかの如く、フブキの肉体の感度は、最早どこを触れられても、意識が飛ぶレベルの快感の衝撃が脳髄を貫くほどだった。
悪意無きただの風が、その瑞々しい肌の上をそっと撫でるたびに、フブキは激しすぎる痙攣に襲われた。
特に酒と粘液と体液で張り詰めた胸の先端や脇の下、濡れそぼった太腿の内側といった本来の性感帯は、既に刺激を受け付ける限界点を超越していた。
意思無き風の愛撫に、どうにか耐えようにもどうにもならず。
疼き拡がる衝動を、死に物狂いで抑え込もうにも抑えきれず。
結果、か弱き性の触点に重ねた手は、抑圧の使命を忘れて更なる強烈な快楽を齎すだけの、ただの性玩具に成り下がっていた。
それは彼女の意思に反してか、或いは心の命ずるままなのか。
どちらにしろ、フブキは溢れんばかりの欲求に突き動かされた。
羞恥や抵抗の気配を今さら見せる余裕なんてあるはずもなく、仰向けの姿勢で両脚を左右に大きく開きながら、敏感な下半身の中でも、ひと際敏感な蕾の部分を集中的に捏ね繰り回した。
「ん゛あ゛ァ! あッ! あ゛あ゛あ゛ッ!! いやだァ……こんなの……嫌なのに……これ以上ダメなのにッ! アァンすごいッ……これすごいィィ!!」
歯止めを失った指先の暴力に操られるように、無意識に浮き上がった重厚感溢れる腰が、まるで動物の求愛行動のようにクネクネと宙で乱舞する。
その動きに共鳴せんばかりに、胸を揉みしだいていたもう片方の手つきも、乳肉が波打つほどに激しさを増す。
集落に吹き続ける風は、フブキの全身を満遍なく、そして間断なく意図せず愛撫を続けている。
途切れることのない、のたうつほどの甘美な痺れに便乗するように、自ら発する責めの嵐が、昂ぶりを急激に蓄積させ、快楽の爆発へと確実に促していった。
こうして僅か数十秒後、不意に陰核を爪で引っ掻いてしまった刹那の瞬間――。
「あ゛ッだめイクッッ!! ア゛ッ……あ゛あ゛あ゛ッッ――……ッ!!!」
フブキはいともあっさりと、次の絶頂を迎えた。
緩みきった膣穴から、止めようもなく迸る熱い飛沫。同時に押し寄せる凄まじい開放感と多幸感に為す術なく、フブキの顔はだらりと空を見上げるように傾きながら、蕩けんばかりの恍惚な表情を浮かべた。
「あ……ああ……♡」
ピンと張るように宙に浮いていた腰がゆっくりと着地すると同時に、思わず口から洩れる、歓喜の吐息。
それは“魔を祓い、人々の命を護る音撃戦士”という自らの立場や使命を、一瞬忘却してしまうほど充実した余韻を意味していた。
「はぁ~……はぁ~……――」
急激な疲労感に身を任せて、フブキは瞼を閉じて深く熱い呼吸を繰り返す。
しかし、そうして興奮が鎮静しかけたのも、文字通り束の間だった。
「ひぃン!? あ……また……またすぐッ……次がッ……あッああんッ……もう嫌だァ……! もう苦しッ……もう感じたくないのにッ……アァだめ気持ちいいッ♡」
呼吸を整え終える猶予すら与えられず、すぐに訪れた新たな昂ぶりにより、フブキは反射的に眉根を寄せ、再び地面の上をのたうち回り始めた。
音無く吹く風が、フェザータッチ宛らの軽妙な触感で身体中を撫で回してくる。
耳裏を。首筋を。脇下を。乳房を。内腿を。陰核を――。
全ての性感帯を同時に責められ、ずっとヒクついている蜜壷からどうしようもないほど愛液が流れ出る。
「随分と満喫してるナ? ヒヒッ……悦んでもらえてるようで何よりダ!」
「あッあぁん♡ はぁ……あぁ……冗談、じゃない……ンッ♡ 悦んでいるわけ……ないだろ……オ゛ッ……ォォ……♡ こんなのぉ……こんなのッ……ただの……地獄ぅ……最低最悪の……屈辱だッ……あぁスゴイこれぇぇ!♡」
「ふぅむ、そ~か~? おでにはそんな風には見えないけどナ~? だが……満喫するのは良いが、夫であるおでを蔑ろにして、すっかり独りだけで愉しんじゃってるのは、正直見過ごせないナ~……」
「何言ってェ……」
「これは地獄じゃなイ、寧ろ天国ダ……。そしてこれから……本当の天国を味わわせてやル……!」
「てん……ごく……?」
顔面に張り付いた粘液に加えて、さっきから垂れ流しっぱなしの涙と涎で尚のことグチャグチャになりながらも、辛うじて疑問の意思を浮かべるフブキの表情を他所に、酒呑童子はニヤリと口角を吊り上げた。
すると、いつの間にかはち切れんばかりに膨れ上がっていた酒呑童子の股間の表皮が、ボコボコとより一層激しく蠢き、その形状を急速に変化させた。
それは宛ら、切断したはずの前腕を、瞬く間に再生して見せた時の様子を想起させる生々しさと悍ましさだった。
その光景にフブキは慄然とし、嬌声混じりの呼吸を思わず一瞬詰まらせる。
「それって男性の……。なんで……なんで怪物に……人間のそれが……!?」
酒呑童子の股の間に現れた、頭部大ほどの大きさに腫脹した肉塊は、常人の目を疑うほど人並み外れた、巨大な“肉の柱と肉袋”へと変貌を遂げた。
フブキの瞠目した視線の先で重々しく垂れ下がり、そしてこれでもかと言わんばかりに猛々しくそそり立つ、禍々しい輪郭。
その圧倒的存在感を放つ剛体は、巨象から狩り取りし骨で生成した、分厚く頑丈な棍棒を彷彿とさせるほどだった。
パンパンに張り詰めた陰茎と睾丸。ぷっくりと膨らんだ先端の亀頭は、磨き抜かれた鉱石のように深く鈍い黒光りを放っている。
それは、これまで対峙してきた数多の怪童子は勿論、一貫して猥褻行為ばかりだった前回の酒呑童子にすら付いていなかった、雄特有の生殖器官。
絶大な威容で佇み、反り返った醜き欲望の権化を前に、フブキは“音撃戦士”としての威厳を忘れて、か弱きただの女性も同然の態度で、「ひっ!?」と怯えるように顔を引き攣らせた。
酒呑童子はそんなフブキを再び仰向けに組み敷くと、彼女の股を強引に開脚し、ぬらついた陰所を無防備に晒しだす。
「やめろッ!? よせェ……触るなッ――……あッ……ああぁぁああッ♡」
緩んだ蜜穴にゆっくりと迫る、如何にも女の尊厳破壊のためだけに特化したような、肉の狂気ならぬ凶器。
抑えきれぬほど溢れる、情欲そのものとも言うべき先走り汁がボタボタと滴る卑猥な棍棒の打突部を、フブキの割れ目に沿ってねっとりと擦り付けて往還する。
同時に空いた両の手は、フブキの脇下にある胸の付け根へと伸びていき、左右の乳腺尾を指先で掠めるようにそっと撫で回す。
「ふわぁぁあああ♡ あぁぁン♡ ア゛ア゛ッ……だめッそこは……ンぁぁああッ♡」
途端にもどかしくもあるゾワゾワとした強烈な痺れが、胸の側面を起点にフブキの全身を突き抜けた。
否定の声を、駆け巡る快感によってあっさりと裏切られ、フブキは酒呑童子の指の動きに合わせて、踊り狂うようにその身を激しくくねらせた。
「ギヒヒッ……気持ちイイカ? 気持ちイイだロ? だけどまだまだ、こんなもんじゃないゾ? もっともっと感じさせて、余計なことなんて何1つ考えられないようにしてやるからナ」
酒呑童子はそう言うと、不意に大きく開けた口から、体内で生成した透明な酒をダバダバとフブキの身体目掛けて吐きかけた。
女陰から腹、そして乳房から顔面へと、その淫靡な光沢を放つ女の肢体を、改めて魔液の水気で湿らせていった。
先の粘液に加えて、度重なる絶頂によりフブキ自ら分泌した涙や涎、そして汗が、柔和な雪肌の上で酒の流体と複雑に絡み合っていく。
その効果が通用するのは女性のみとはいえ、“音撃戦士”の矜持を易々と破壊するそれは、まさに“鬼ごろし”の名に相応しい呪わしき原酒。
そんな酒液が皮膚の毛穴から浸透していくと、フブキは自身の体内に張り巡らされた血管が急速に拡張し、内部の血液が勢いよく逆流するような感覚に襲われた。
「ひあッ!? ア゛ア゛ッ……あ、熱いッ! 燃える……身体が燃えるように熱いッ……! くっあぁぁ……かん……かくが……感覚がッ……研ぎ澄まされてくッ!? いやッ……敏感になるッ……もう敏感すぎるのにィ……まだ敏感になるゥ……! 嫌……もう嫌だぁ!! お願いだッ……頼むからもう僕をッ……僕をこれ以上……壊さないでくれェ!!」
既に持ち前の冷気の力が完全に消失してしまうほど高まっていた体温が、益々煮え滾るように上昇し、歪んでいた視界さえも赤色に染め抜いてしまう。
清らかな音色を奏でるべき彼女の鼓動は、今や魔液に急かされ、狂おしく早鐘を打つばかり。
それは単なる体温の上昇ではない。まるで神経そのものが過敏に灼熱するかのような、あまりにも異常な熱の潮流に他ならない。
皮膚の全ての細胞が、まさに“裸の神経終末”とも言うべき状態へと成り果て、酒呑童子の荒々しい吐息が肌に触れるだけでも、千本もの針で同時に刺されるような強烈な痺れとなって全身を伝播する。
フブキの乳腺尾をしつこく責め続けていた酒呑童子の指先は、微細な触圧をそのままに、卑俗に張り詰めた柔肉の丘を内側に向かって駆け上る。
そして、左右の乳輪を2周3周となぞるように包囲した挙句、逃げ場を失ったその突起を、ピンと優しく弾いた。
「ふわァ!? あッあアアッ!!? 乳首だめッ! イクッ! またイクッ!! イッちゃ――……ア゛ア゛!! イグあ゛あ゛あ゛あ゛ぁァァア゛ア゛――……ッ!!!」
その瞬間、彼女の喉奥から絞り出されたのは、清純なる音律とはあまりにも程遠い、不体裁な絶叫だけだった。
「あ……ぁぁン……♡ おっぱい……おっぱいイイ……♡」
地面に密着していた背筋はビクンと弓なりに浮き、膣口からジョロジョロと溢れ出た潮が、女陰の上に重なっていた肉棒を雫が滴るほど濡らし、不本意ながらも温かく迎え入れてしまう。
愛液の温もりを快く受け止めた酒呑童子は、ついにその先端を割れ目の入り口へと宛がう。
黒々とした巨大な亀頭が、だらしなく半開きの二枚肉をさらに強引に押し分け始めると、フブキの腰は快楽とも恐怖ともつかぬ戦慄に、激しく見悶えた。
「いやッ……嫌だァ……。やめろ……やめてくれ……。そんなモノ……お願いだから僕の中に入れないでくれ……。そんな悍ましいモノ……そんな……大きくて、硬くて、逞しいモノ……入るわけが……」
獲物に忍び寄る大蛇の如く、ゆっくりと雌穴を掘り進めようとする規格外の剛茎を前に、フブキは力無き声で弱々しくも懇願する。
しかし酒呑童子は、その言葉の裏に秘められし渇望を、既に見抜いていた。
「ヒヒッ……上っ面な台詞なんて無駄無駄! オマエの真意、手に取るようにおでにもわかル! どれだけ拒絶の意思を取り繕うとも、さっきからオマエの言葉、全然気持ちが籠ってなイ! 本当は一刻も早く、おでと1つになりたいんだロ? おでの子種が欲しくて欲しくて堪らないんだロォ? 安心しロ? おでのチンポ、どれだけ怒張しても、必ずオマエの中にピッタリ嵌るようにできてル! そーなるように、おでの“ヌシ”が前の“酒呑童子”の記録を基に調整してくれたからナ! だから安心しロ? 最初からおでとオマエ、相性は最高ってやつだからナ!」
酒呑童子の応酬に図星を衝かれ、返す言葉が見つからないフブキは、パクパクと開いた口を金魚のように虚しく震わせるだけだった。
そんなフブキに――。
さらなる追い打ちを掛けるように――。
酒呑童子は彼女の膣口を塞ぎかけていた自身の腰の肉柱を、より一層深く、情け容赦なく、ついに最深部まで一気に捻じ込み、そして沈み込ませた。
「あ゛ッッ――!!? が、はァッッ――……!!!?」
それは彼女の胎内から、ミチミチと肉が裂けるような軋み音が聞こえてくるほど、凄絶且つ無遠慮な一撃だった。
膣内に蠢く肉壁の抵抗をものともせず搔き分け、僅かな減速さえも許さぬ迷いなき一直動の刺突。
一息で子宮口まで到達した亀頭の弾丸宛らの推進力は、果たしてそこで立ち止まることを知らず、あろうことかそのままの勢いで、その柔らかき“聖域の門”すらも貫いた。
「あ゛あ゛――……!!!? あ゛ッ――……あ゛ぁ……ア゛ッ――……!!!」
その瞬間、そこに痛みという痛みは一切無かった。
フブキにとって、これまでの人生史上かつてなく凄まじい甘美なる衝撃――常人ならば、その一突きで間違いなく廃人になるレベルの快楽に全身を貫かれた刹那の瞬間、声にならない絶叫を残して、その意識は間違いなく一瞬、真っ白な閃光に奪われた。
魔的な調整を施された剛茎は、彼女の最奥を隙間なく埋め尽くしたまま、勝ち誇ったようにドクドクと脈動を繰り返すのだった。