響鬼外伝の外伝!? かめんらいだぁふぶき ―僕っ娘師匠の裏の顔― 作:裕ーKI
「死なれちゃ元も子もねえからな! 一時的な麻痺で済むよう手加減してやったんだ! 感謝しろよ?」
勝利を確信したようにゆっくりとフブキの傍へと歩み寄ったオオテングは、その大きな掌で彼女の頭を鷲掴みにすると、自らの顔の前へと持ち上げた。
頭部だけを強引に引き上げられ、完全に弛緩し切ったフブキの身体は、糸が切れた人形のようにダラリと真下に垂れ下がっていた。
全身の痺れが消えぬ今、自らの意思では爪先ひとつ動かすこともできない。
オオテングの人並み外れた巨体の前には、フブキの肢体はあまりにも小さく、垂直に伸び切った内腿からは、先刻の屈辱の痕跡が未だにピチャピチャと滴り落ちていた。
「くッ……は……はな……せ……」
忌まわしき長鼻の真っ赤な奇面を映す視界からも、徐々に意識の光が消えていく。
しかし、それでも尚、フブキは出せる限りの闘志と反抗心を瞳に宿し、噛みつかんばかりの鋭さで、オオテングの目を睨みつける。
それはフブキにとっての――誇り高き鬼としての、最後の意地だった。
「そぉの反抗的な目……。無駄にたけぇ鬼の精神力を圧し折るにゃ、やっぱこの程度じゃ足りねえかぁ。今のまま魂を縛っても、どうせなんやかんやで撥ね退けられるのがオチだろうしなぁ。……ま、それが自我の希薄な野良魔化魍との決定的な違いってヤツなんだが……」
「き……きさ……ま……一体……何者……なんだ……?」
途切れかけの意識を必死に繋ぎ留めるように、フブキは震える声で力無く問いを紡ぐ。
すると、オオテングは象徴的な鼻先を僅かに上向かせながら、その疑問に対する答えを微笑混じりに口にした。
「俺たちは“
「森……羅……? それが……お前たちの……組織の……名前……?」
「組織……って言うほど、大それたもんじゃなくなってるけどな、今となっては……。お前ら猛士が人から変わった鬼の集まりってんなら、俺たち森羅は人から変わった天狗の集まりだ。知ってっか? 鍛え方次第で、人間は自力で天狗にもなれるんだぜ?」
「人間がテングに……? 猛士と……同じように……? まさか、そんな話……」
「そんな話――聞いたことないってか? まあそうだろうな。俺たちは所詮、100年も前に歴史の闇へと葬られた負け犬に過ぎないからな。それにお前ら鬼どもにとっても、俺たち森羅との因縁は、できれば公にはしたくない汚点だろうし、下層部の連中が認識していないのも、当然と言えば当然かもな」
「汚点……? 猛士と森羅には……繋がりが……あるのか……?」
「カビ臭ぇ昔話だよ。当時は生まれてもいねぇ俺やお前にとっては、本当ならクソほども関係のねぇクソみたいな話だ。だがな、だからこそ、俺は俺の代で森羅を立て直す! これまででかい顔をしてきた鬼どもに取って代わり、今度は天狗の時代をこの世に知らしめる! そうすりゃあ現頭領としての俺の実力が、大々的にこの界隈に誇示できるからなぁ!」
「そんなことのために……僕らを……ッ」
「そんなことのため……なんだってやるって決めたのさ、俺ぁ! そんぐらいの気構えがねえと、今まで敵対していた洋館の奴らと手を組んでまで、こうして人間やめて魔化魍になるとか、普通は考えもしねえだろ?」
「洋館の奴ら、だと……。つまり……貴様のその姿は……」
「ああ。俺は俺の野望のために自ら望んで堕落した! 森羅を背負う天狗の名誉を取り戻すため、敢えてその名を捨てた。そして代わりに魔化魍オオテングの力を身につけたってわけだ! どうだ? なかなかイカした帰属意識だろッ?」
「イカした……? イカれてるの……間違いだろッ……。たとえ……動機が組織を想ってのことだとしても……そのためだけに魔化魍に魂を売るなんて……自分からバケモノになるなんて……そんなの……馬鹿げてる……。そんなの……ただ狂ってるだけだ……ッ」
得意げに語るオオテングの言葉に、フブキの瞳は激しい戦慄に揺れていた。その揺らめきに制動を掛けるように、彼女は眼差しに込めた反論の意志を強くしていくが――。
「ハッ。どこの世界線でも、結局誰より醜く狂ったバケモノに成り果ててるお前が、一体どの口で言ってんだか」
「またそれか……。僕がバケモノって……なんのことを言ってるんだ……?」
「いずれわかる! ……いや、すぐにでもその片鱗を思い知らせてやるよ。俺自らの手で、直々にな!」
そう言って口角をいやらしく吊り上げると、オオテングは空いた方の手を持ち上げ、不意に5本の指先をフブキの片乳の上に重ね合わせた。そして、包み込むようにゆっくりと五指を肌朶に沈み込ませながら、その柔らかな果肉の質感を確かめるように、ねっとりと捏ね繰り回し始めた。
「あ、ぅ……っ、や……め……っ!」
「まずはその凝り固まった強気な部分をほぐしてやるよ! 俺の言葉が、より深く染み込むようにな!」
「きさ、ま……なにを――ん゛ッ!? んん゛ッ!!?」
背筋を駆け上るゾッとした不快感に抗うように、嫌悪の声を上げかけたフブキの唇は、しかし直後に、問答無用で押し当てられたオオテングの不浄な口孔によって塞がれた。
それは彼女の認識を完全に置き去りにした、あまりにも唐突で一方的な、力任せの接吻だった。
「ん、ぅ――! ん゛んぅううッ!」
オオテングの口内に潜んでいた長く悍ましい赤舌は、容赦なくフブキの歯列をこじ開ける。そして、その奥で逃げ場を失い怯えるだけの彼女の舌先を、蛇の如きしなやかさで容易く捕獲した。
強引に絡め取られる舌を伝い、ドロリとした雫がフブキの喉奥へと次々と流れ込んでいく。
オオテングの口腔から分泌される熱い唾液には、魔化魍化に伴い後天的に獲得した、特効性の高い催淫毒――“淫毒”がこれでもかと含まれていた。
(奴、の……流れ……込んで、くる……ッ、喉が……勝手に……ッ!)
首を振って抵抗することも叶わなければ、脳がどれだけ拒絶を訴えようとも意味をなさない。
嚥下反射という生理現象には逆らえず、フブキは自らの意思に反して、「コクッ、コクッ」と喉を鳴らし、その情欲を齎せし毒液を健気に飲み干してしまっていた。
食道を滑り落ち、胃壁に吸収された淫毒が、忽ち血液に乗って脳髄へと駆け巡っていく。
途端に頭の奥が――全身がカッと燃えるように熱くなる。
同時に両乳房の頂が、陰部の蕾が、ムクムクと膨らみ、硬く強張っていく。
やがて、息苦しさが限界に達するのと同時に、一糸纏わぬフブキの肢体は急激な異変に襲われた。
「んっん゛ん゛ッッ――!? ふっ、う、ぅうううむぅぅッ――!!」
先刻まで死に体のように冷たく垂れ下がっていた裸体が、唐突にビクンと大きく跳ね上がり、背骨が軋まんばかりの勢いで弓なりに反り返った。
同時に制御を失っていた股間からは、屈辱的な小水に代わり、濁熱たる淫靡な露が止め処なく溢れ出していた。
予期せぬ肉体の裏切りに為す術なく翻弄され、オオテングの手の下でよがり狂うばかりのフブキ。しかし、彼女の精神と身体の乖離は、まさにこれからが本番だった。
オオテングの無骨な5本指に捕らえられ、無遠慮に揉みしだかれていた乳房の感覚が、毒の回るスピードに合わせて急速に変質していく。
不快だったはずの肌の摩擦が――。
痛ましかったはずの爪の食い込みが――。
瞬く間に脳を痺れさせる甘美なる快感へと、強引に書き換えられていった。
「んぶッ、ぷはッ……――。あ、あぐ……ぅ、あ……ッ」
一筋の銀糸で余韻に繋がりつつも、ようやくオオテングの赤舌から解放されたフブキの口からは、先刻までの凛とした声とはまるで違う、熱い吐息を孕んだ淫らな嬌声が、ノイズ塗れのスピーカーのように無意識に漏れ出てしまっていた。
「はぁ……はぁ……あ、ああ……なに、を……」
オオテングの嘲笑に負けぬよう、必死に鬼の矜持を湛えていたはずの双眸は、徐々に闘志の光を霧散させ、代わりに今にも溺れんばかりの、猛烈なる性への飢餓感を宿し始めていた。
本人は最早無自覚なのだろう。切なさに潤んだフブキの瞳が、トロンと濁った艶を纏って物欲しそうにオオテングを見つめてしまう。
彼女の雌の貌に確かな手応えを感じたオオテングは、口元をにやけさせながら、フブキのダラリとした肢体を一旦氷床へと無造作に、けれどこれからの凌辱を愉しむように優しく横たえた。
今度は両手でフブキの双丘を同時に包み込み、円を描くように微細な圧を滑らせながら、同時に彼女の無防備な首筋へと、その長い舌を這わせる。
「ひあッッ――! はぁッ……あん、んんッ……! や、ぁ……ッ!」
火薬が爆ぜるように、胸元から脊髄へと瞬間的に突き抜ける甘い衝撃。
首筋を濡らし、粘つく熱感と鋭い悪寒を交互に繰り返す生々しい舌の感触。
淫毒によって感覚を限界まで鋭敏にされたフブキの肉体は、並行的にその身に刻まれていく愛撫の連携に耐え切れず、背中が思わず氷床から大きく浮き上がるほどに、全身を右へ左へとビクビクと仰け反らせ、暴れるようによがり狂った。
「は、あッ――、あッ……ハッ……ハッ……あッ――あ゛あ゛あ゛ッ!!」
呼吸を乱し、何度も押し寄せる快楽の激流に、フブキはどうしようもなく、ただただ身を震わせることしかできなかった。
そんな彼女の姿に対し、この上ない下卑た愉悦に浸るオオテングは、思わず喉奥を鳴らし、「ヒヒッ」と低く嗤う。そうしながら、紅潮したフブキの首元を幾度となくなぞっていた舌先を、今度は下の方へと、じわりじわりと滑らせていった。
「あっ! あぅんッ! ああっ! あっ……あは、はぁあああ――……!」
首筋から鎖骨の稜線、そこから胸の谷間を経由して腹部へと降りていく。へその穴をチロチロと焦らすようにほじった末に、本丸たる秘処に到達した舌端は、挨拶代わりに縦筋をねっとりとひと舐めしてから、充血して膨らみきった陰核を、不意に前歯でカリッと甘噛みした。
同時に強固におっ立った左右の乳冠を、指先でキュッと捩じり、強くつねったその瞬間――。
「ぅあ゛ッ――!!?」
刹那に有無を言わさぬほどの快虐の劇震が、フブキの理性を――その防壁の大半を一瞬にして消し飛ばし、彼女に最初の絶頂を齎した。
「ひゃ、あ゛あ゛あ゛ッッ――!? んんんぅうううッ、あ゛ッ、あ゛ぁッ!!」
ガクガクと全身の神経を激しく痙攣させ、天を突かんばかりに浮き上がった股座から、大量の潮を白濁した噴泉のように迸らせる。
「いいねぇ、大したイキっぷりだ! だが――」
オオテングはその飛沫が自身にかかることも顧みず、暴れ続けるフブキの下半身を抑え込むように、その引き締まった両脚を掴み、力任せに左右へと開脚させた。
「やめっ……や、んッ…………やめろぉ……!」
高潮のショックで、パクパクと生めかしく開閉を繰り返す秘裂をこれでもかと霧天の下に晒すと、すかさずそこに口を寄せ、絶えず溢れ伝う熱い蜜を啜りながら、濡れそぼった赤舌をフブキの膣内へと侵入させる。
「ひぎっ、んううっ、ん゛、んっ――! あ、あ゛あ゛、あぐ、ふ、ぅあ……!」
先刻までの外側の愛撫とはまるで違う、内側の聖域を円を描くように撫で回しながら、奥へ奥へと肉壁を割り拡げ、抉るようにして淫口の中を蹂躙していく。
「あ、あぐっ! あ゛、あぅうう、ん゛……む、ふぅ、ふ、あ、あ、ああっあああああっ!!」
肉厚な舌の蠢きに急加速させられた快楽の津波が、フブキの心の防波堤を再び呑み込まんと轟々と打ち寄せる。
2度目の絶頂は、あまりにも呆気なく、そしてすぐに訪れた。
「あ゛あ゛あ゛っ!! あっ、 あ゛あ゛、ん、ん゛ぅうう、ん゛あああっ!!!」
既に半切している落壁が、いとも容易く総呑みにされ水没するかの如く、フブキの意識は、快楽の底へと引き摺り込まれるように沈降した。
淫毒に浸食され、全身の神経網が過剰な性感帯と化している今、ただでさえ敏感な箇所である膣壁を責め立てる行為は、彼女の脳に“狂乱”を強制するも等しい致命的な暴挙だった。
実際、ジュルジュルとわざとらしい
「あ、あ゛あ゛っ、ぁ、ん、は、ぅあ、あっ、ああっ、あああ……」
自身の制御を離れた全身の筋肉が、ビクンビクンと、まるで駄々を捏ねるように震えて止まらない。その振動に絞り出されるように、短い呻きを途切れ途切れの呼吸と共に吐き散らかしていた。
すると、オオテングは間髪を容れず追い打ちを掛けるように、今度は1本の分厚い人差し指を――1本で十分すぎるほど太ましい人差し指を、ヒクついているフブキの淫口にズブズブと捻じ込み、根元まで一気に沈み込ませていった。
「イぎっっ――!? ぎゃっ……ガ……や、あ、ぁあぐっ、あ゛ぁああッ!!」
最奥を破裂せんばかりに押し拡げられ、まるで極太のディルドに隙間なく栓をされたような、苦しいほどの圧迫感にフブキは襲われる。
既に度重なる絶頂を迎えている事実に、未だまともに向き合うこともできていないというのに――。
自分を保つための抵抗の意思を、どうにかして持ち直そうとすることも碌にできていないというのに――。
それどころか、呼吸を整える猶予すら与えられぬまま、次の瞬間、まるでフブキの腔内全域を直接撹拌するかのように、オオテングは自らの人差し指を、バイブレーション宛らの凶悪な勢いで小刻みに振動させ始めた。
「あ゛ッ!!? ひあ゛ぁッ!!?」
途端に自己を無視して、フブキの腰がグンと不随意に跳ね上がる。
それを逃すまいと、オオテングは浮き上がったフブキの下半身を、すかさず氷床の上へと組み伏せた。
空いた方の前腕を下腹部の上に横たえ、完璧に身動きを封じるだけの体重を乗せてホールドすると、改めて女陰に潜り込ませた人差し指を容赦なく執拗に、狂おしいほどの微振で震わせ続けた。
「やっ、やめっ……ぁ……、やだっ……あ゛っ! あ゛あ゛ぁっ!! 止めっ――あああっ!! あがっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! おっ! おかしくっ! おかしくナッ……んあああああァ!!!」
指の加速に連動するように、グチュグチュビチャビチャ――と、フブキの羞恥を極限まで増幅させる卑猥な水音が、どこまでも苛烈に鳴り響く。
「あっ、あ゛あ゛あ゛っ!! あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! ンッ、んぁぁあああ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!! あ゛あ゛あ゛あ゛ァっっ!!!!」
その激しさに比例するように、喉奥の自制を突き破って湧出していた絶叫もまた、荒れ狂う快楽にひたすら貪り尽くされんばかりに激越を繰り返していた。
ただの1本の指が齎すのは、逃げ場なき内側から徹底的に責め立てる、どこまでも一方的な容赦なき高速駆動。
どれだけ露が飛び散ろうとも――。
どれだけ腕に雫が伝おうとも――。
フブキの臨界点が振り切れるその瞬間まで、オオテングは彼女自身を楽器に奏でる肉欲の旋律を、決して途絶しようとはしなかった。
その手を止めてほしいと、胸の内でいくら叫ぼうとも願いが通じるはずもなく……。
「あ゛あ゛っイクッ!! イグイグイグぅッ!! イッグぅうう゛う゛!!!」
拘束され、身動きが取れない下半身に代わり、爆ぜるような衝撃に貫かれたフブキの背中が、文字通り弓なりに大きく仰け反った。
先刻の落雷による感電ともまた違う痺れの狂奔。肢体は強直と痙攣でガチガチに強張り、天を仰いだ喉元からは、ヒィヒィと壊れた笛のような呼気が情けなく漏れ出ていた。
「あ、ああ、ア……、あああ……、き……きもち、ぃぃ……♡」
混濁した意識が、熱を帯びた悦楽の喘鳴を無自覚に吐き捨てる。
凭れるように地に着いた上半身はビクビクと震え、至誠を見失った瞳は絶頂の波に耐えかね、半ば強制的に瞼の裏へと追いやられてしまっていた。
フブキの中で、張り詰めていた幾つもの“線”が、力尽きるように次々と断ち切れていく。
プツン、プツンと、驚くほど呆気なく。
彼女の中で、これまで清純なる調を鳴り響かせていた“理性”という名の心の弦が、1本、また1本と、劣情を煽る不協和音を軋ませながら、二度と戻れぬ暗闇の底へと融けるように堕ちていった。
不快も嫌悪も恥じらいも、為す術なく、為されるがままに、ただの昏い恍惚感へと改竄されていく。
「どうだ? 脳ミソまで掻き回されたみてえで堪んねえだろ?」
オオテングはそう言いながら、これ見よがしにフブキの肉壷から引き抜いた人差し指に、ねっとりと舌先を走らせる。
糸を引く艶やかな蜜を、じゅるりと下品な音を立てて舐め取りながら、支配欲に満ちた歪な笑みをより一層深くした。
「つっても本番はここからだぜ? これからもっとすげえ快楽で、
漆黒の体毛に覆われたオオテングの下半身の中心からは、既に茂みの底からせり出した大樹の如く、極限まで張り詰め怒張した強固な肉の太幹が、天蓋を穿たんばかりの角度と勢いで堂々と反り立っていた。
パクパクとヒクつき、ぬらついた秘部の割れ目に狙いを定めたオオテングは、しかし敢えてすぐには突き入れず、焦らすようにその先端を割り込みへと擦り始めた。
上下にゆっくりと、何度も往復して念入りに輪郭をなぞり、フブキと自身の情欲を益々掻き立てていく。
「っんあぁ……だ、だめだ……やめろぉ……そんなもの……そんな、ものぉ……」
「ハッ、何が『やめろ』だよ? 無意味に強がりやがってよ! ほら言えよ? 本当は
「はぅんっ♡ だ、だれが……誰が言うかぁ……そんな、ことっ……おっォオッ♡ ぼくが……ンンッ……この僕が……屈するわけ、ない、だろぉ……。おまっ……おまえぇ、アアッ……お前、なんかに、ィ……」
虚空を彷徨っていた視線を辛うじてオオテングへと巡らせたフブキは、崩落する断崖に指先ひとつで縋り付くような執念で、必死に拒絶の意思を繋ぎ止めようとする。
「あっ……ああ……あ……♡」
しかし、そんな足掻きとは裏腹に、本人の意思を離れつつあるフブキの股座は、今にもオオテングの誘引を受け入れんと、吸い付くように自らその太幹へと擦り寄り、膨潤した先端を割れ目の奥へと招き入れようとしていた。
下腹部の内側を這い回るウズウズとしたじれったい感覚に操られるように、無意識に腰をくねらせ淫惑してしまうその様は、宛ら獣の求愛行動のようだった。
「ハッ。口では生意気ぶっても、身体の方はとっくに素直じゃねえか!」
フブキの意図せぬ卑猥な腰使いに、興奮のボルテージが最高潮へと一気に跳ね上がったオオテングは、聳え立っていた太幹の先端を――欲望の象徴とも言うべき楔を、衝動的に躊躇なく、ミチミチと肉ひだの狭間へとめり込ませていった。
「あ゛あ゛ぁあっっ――!!!」
痛みを一切感じることもなく、膣への侵入を許してしまったその瞬間、思考も意思も信念も、それら全てを容易に遮断してしまうほどの突発的な威圧感と衝撃に襲われ、フブキは不甲斐なくも再び白目を剥いた。
緩んだ尿道口からブシュッと熱い飛沫が弾ける脱力感に、彼女の心身が確実に疲弊してきていることを実感したオオテングは、その確信に気を良くしながら、ゆっくりと腰を落としていった。
「あっ……ぎっ、ィ、ぎぎ、ガッ、あああぁぁ!!!」
すっかりほぐされていた陰門が、太ましい剛直の輪郭に沿って裂かれんばかりに拡開し、歪な形状へと湾曲していく。
その圧倒的質量に、肉洞は一切の隙間さえ残さず深々と埋め尽くされ、フブキは体内から迫る強烈な圧迫感と、互いの粘膜面同士が絡み合う密着感が齎す、あまりにも過敏な甘い痺れに同時に苛まれた。
M字に開いたフブキの両脚を頭上へと持ち上げ、限界まで露わになった股座を無防備な状態で固定すると、オオテングは霧光を遮るように彼女の上へと覆い被さった。
別の生き物のようにグニグニと波打つ膣壁の収縮を、強引に搔き分け突き進んだ末に辿り着く最深部。
初速を殺さず、勢威を保ったままの剛茎が、その先端で目先に佇む子宮口を、ゴツンと挨拶代わりに軽くノックした。
「はぐっぅうンンッッ――!!!?♡♡」
まるで崩壊のスイッチを押されたかのように、途端にフブキの喉から声にならない悲鳴が弾け飛ぶ。
オオテングは即座に腰を浮かせ、フブキの肉壷に押し込んだ剛茎を、一旦結合の境界線ギリギリのところまで後退させる。
「お゛っ……ぉぉおおおっ……♡」
ズルリと――膣内を埋め尽くしていた質量が唐突に抜け出ると、フブキの体内には、強烈な喪失感と熱い乾きだけが残され、本来拒絶するはずの内部の粘膜が、悲しくも次の衝撃を待ち望むように蠢いていた。
さっきから頭の中で声がする。
本能が駄々を捏ねるように泣き喚いている。
早く欲しい――。
早く子宮を突いてほしい――。
気持ちよくなりたい――。
もっとイキたい、イキ狂いたい――。
それは精神を蝕まんばかりに反響する渇望の声。
下腹部から全身へと伝播する快楽の大電流に悶絶しながらも、フブキは残り僅かな理性だけを頼りに抗い、その声をどうにか振り払おうとしていた。
だが、そんなフブキの抵抗を嘲笑うかのように、オオテングは溜め込んだ反動の全てを乗せて、容赦なくその重腰を叩きつけた。
――バチュンッ!!
「ンあ゛っっ――!!!?♡♡ あ゛、あぁぁあああっっ――!!!!♡♡」
硬直した肉の突端が再び聖域の扉に衝突したその瞬間、脳天へと競り上がってきた猛烈な絶頂の波に、フブキの意識は確かに一瞬、真白き闇の世界へと葬り去られた。
「なんだよ、たった一突きでイッちまったのかよ。力尽きるにゃまだ早いだろ」
痙攣の激しい動きに合わせて、膣壁がギュウギュウと剛茎を締め付ける。
まるでもう2度と手放したくないと訴えかけるように、熱い粘膜で貪欲に抱き込み、どこまでも深く、隙間なく吸い付いていた。
粘つくような肉の蠢動が、オオテングにかつてない歓喜とサディスティックな悦楽を漲らせ、思わず鼻息が荒くなるほどに、その血気を逸らせる。
数か月前まで良好な関係を築いてきた、かつての
孕ませるつもりで子宮を圧し潰すように、容赦なき重厚な打撃を、何度も何度も最奥へと打ちつけていった。
「おぐっ♡ おっ♡ ほ♡ んおォ♡ ほお♡ あっ♡ はあァ♡ ああぁん♡」
ドスドスと子宮口を無遠慮に刺突されるそのたびに、身体の芯から響き渡る重々しい衝撃に押し出されるように、普段の清純な印象からあまりにもかけ離れた下品な尖声が、フブキの口から虚空に向かって拡散する。
突き出た舌は天を刺し、凛厳な貌は泥のように見る見る溶けていく。
そんな彼女の朱乱の頬を、オオテングは一見慈しまんばかりに擘指でそっと撫でながら、心底楽しそうにその口角を吊り上げる。
「どうやらノッてきたみてえだな? すっかり俺様のイチモツに魅了されてんじゃねえか! やっぱ
「ち、ちがっ――……おほぉ♡ ぉおおん♡ おっ♡ ほぉおお♡ オッ♡ ……くゥ♡ く、くっ……くっしてないっ……屈してないィイッ♡ お前なんかにっ……お前なんかに僕はァっ……あっあ゛あ゛あ゛っ♡ あっ♡ あっ♡ あ゛ァ♡ だめっ♡ あ゛あ゛だめぇ♡」
鬼の誇りを護らんとする意志と、全身に吹き荒れる過剰な快楽の嵐に翻弄されし甘い悲鳴が、艶唇の上で激しく振幅する中、オオテングは咆哮するフブキの耳元へと、徐に口先を寄せてそっと呟いた。
「いいから……――素直になっちまえよ。全部知ってんだぜ? お前が本当は、相当無理してんだってことはよ……。弟子の手本であろうと、常に自分を殺して生きてきたんだろ? ふん、健気なことじゃねえか……。だけどよ、だからこそ自由になってみてえだろ? たまには肩の荷を下ろして、後先考えず欲望に忠実になってみてえだろ? なあ、心を開けよ。本当はなりたくもなかった鬼の信念なんて忘れちまえよ。本当のお前を曝け出せ。俺ならお前を解き放ってやれるんだぜ? お前の淫らな本性を、この俺に見せてみろよ……」
その言葉の数々は、フブキの意識の奥へとするりと入り込んできた。
張り詰めた神経を絶えず逆撫でる、悦楽の穿打の後押しも相俟ってか、一切の引っ掛かりもないほどに、あまりにも滑らかに、容易に彼女の精神の深層へと染み渡り、内側からその自尊心のタガをふやけさせていった。
聞きたくないはずなのに――。
押し退けたいはずなのに――。
身体に力が入らず、感情に気力も湧いてこず、どうしても遮ることができなかった。
「やァ、やめろぉ~……♡ み、耳元で囁くなぁ~……♡ そんなこと言うなァア~♡ あんっ♡ あぁああん♡ あっいいィ~♡ いいぃ~♡ ち、ちがう……ちがァうぅ♡」
怪物のものとは思えぬほど、若々しく艶のある男の微声が――濡れた吐息を孕んだしっとりとした声音が、ゾクゾクと背筋に悪寒を走らせ、鼓膜を擽るように震わせる。
その感覚の全てが、甘美な刺激となってフブキの思考回路を激しく揺さぶり、彼女がこれまで頑なに閉じ込めてきた“秘めたる欲望”を、力ずくで外へと引きずり出そうとしていた。
「にしてもっ……さすがに鍛えているだけあって、鬼なのが勿体ないくらい上質な名器だなっ……! こんだけグロくなっちまった俺様のデカマラを、いくら力任せに捻じ込もうが微塵も裂けやしねえっ……! それどころか、油断すればこっちまで余裕を失くしちまいそうだっ……! このままじゃっ……勢い余ってお前の身体を圧し潰しちまうかもなっ……!」
仰向けのフブキの上に覆い被さり、彼女と結合した腰を、一定の速度とテンポを保ちつつも力強く振り続けていたオオテングだったが、しかし実際、その勢いは無意識のうちに少しずつ増し続けていた。このままでは本当に、一回りも二回りも大きなその巨体でフブキの華奢な肢体を圧し潰してしまいかねないほどに。
野望の礎とも言うべき大事な存在であるフブキを、万が一にでも圧死させてしまっては本末転倒。そう思ったオオテングは、咄嗟にフブキの両腋の下に左右の手を滑らせると同時に、背中の翼を大きく羽ばたかせた。
次の瞬間、氷床に密着していたフブキの背面は、釣り糸でグンと引っ張り上げられるように、急速に地面を離れ、冷たい大気の中へと強引に連れ去られていった。
一瞬のうちに脚の着地点を完全に奪われ、自身の全体重が、オオテングの腕と下腹部の結合部だけに容赦なくのしかかる。
「ん゛ぉおおおおっ!!?♡♡」
その悲鳴は、降り注ぐ突風に肌を叩かれる恐怖からくるものなのか、それとも踏ん張りをきかせられない無力感故なのか、或いは“ユダのゆりかご”による拷問のように、下腹部から突き上がってくる衝撃と快感の混濁によるものなのか――。
最早判別すら困難になってきたフブキの意識は、襲い来る凄まじい“浮遊感”にただただ呑まれていくだけだった。
視界が目まぐるしく回転し、眼下の氷床が見る見る遠ざかっていく。
フブキを抱き抱えたオオテングは、彼女と下半身で繋がった状態のまま上昇し、樹頂を超えた空の上でピタリと停空した。
四方を閉ざす乳白の霧靄に、フブキは自身の輪郭や方向感覚を曖昧に溶かされ、上下の区別すらもつかなくなるほどの深き目眩に襲われる。
加えて、白濁した虚空に漂う冷たい外気が、彼女の剥き出しの肌を隅々まで撫で回し、淫毒で異常なまでに過敏となり、火照り切ったその神経網の1つ1つを針で突き刺すように刺激した。
「ひゃっ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ァァ……!!♡」
本来なら冷気に対して強い耐性を持っているはずのフブキの肉体は、今やその機能を完全に封じられ、“吹雪鬼”の名に反するほど熱く煮え滾っていた。
「あ゛っ、あ゛あ゛っ♡ あ゛……ぐ、ぐるじっ……抜けっ……ぢんぼ……頼むから……抜いてくれっ……♡」
焦点の定まらぬ瞳を霧の中に彷徨わせながらも、フブキは半ば譫言のように――けれども必死に拒絶の意を懇願する。
オオテングはそんな彼女の抗議に対し、揶揄うように言葉を返した。
「ハッ、いいのかぁ? こんなところで放せば、翼の無いお前はあっつう間に地面に真っ逆さまだってぇのに。まあ、俺様は優しいからよ、そんなにやめてほしいなら従うまでだが。ほらよ――」
そう言いつつも、しかしオオテングが最初に手放したのは、結合した下半身――ではなく、フブキの重心を支え続けていた両腋の手だった。
フブキの両腋を持ち上げていた双手を、スッと躊躇なく引き戻したその瞬間――。
「やっ……落ちっ――」
フブキの全身が、ガクンと深く沈み込んだ。
足元のない空間へと放り出されたような、底知れぬ恐怖が鳥肌となって彼女の表皮を駆け巡る。
咄嗟に思いついたわけではない。
間違っても助けを求めたわけでもない。
ただ、誰もが持って当然の生存本能に突き動かされるように、フブキは反射的に伸ばした両腕を、情けなくも眼前のオオテングの首筋へと回し、死に物狂いでその巨体にしがみついた。
だがそれでも、空中に放り出された身体のずり落ちを、すぐに止めることなどできはしなかった。
結局、逃げ場を失った彼女の全体重の全てが、極太の肉楔一本へと集中し、奥の奥へと勢いよく底突いた突端に、子宮を直接、無慈悲なまでに打ち据えられてしまった。
「イ゛ぎぁっっ――!!?♡♡♡ ぎゃ、がっ……ア゛ア゛ッ……ア゛ッッ――♡♡♡」
ズドンと重い――あまりにも重く凶悪な一穿に貫かれたフブキは、その衝撃に思わず息を詰まらせ、声にならない悲鳴を喉が枯れるまで吐き続けた。
もう何度目かもわからない。
意識と眼球は緩んだネジのようにあっさりと真白き彼方へとひっくり返り、その激震に跳ね返されるように、背骨も首も、今にも折れそうなほど弓なりに大きく反り返った。
「残念だったなぁ! 悪ぃがこうなった以上、お前に残された道は2つに1つ! ここから落ちるか、俺に堕ちるか、だ!」
最早その宣告が、フブキの耳に届いていようがいまいがどうでもよかった。
とにかく今は、自らの手で彼女を徹底的に追い詰め、その誇り高き精神の髄まで泥に塗れさせているという圧倒的手応えに、オオテングはサディスティックな愉悦を最高潮にまで掻き立てるばかりだった。
そしてその昂ぶりのままに、獣毛に覆われし黒き腰は、再び蹂躙を再開した。
フブキの丸く突っ張った臀肉を、両手でガッチリと鷲掴み、その腰を上下に揺さぶると同時に、自らも腰を小気味よく突き上げる。
そうして互いの股座を、一方的に力強く打ちつけ合った。
まるで鋼鉄の杭を深々と打ち込まんとするように。
どこまでも無遠慮に。一心不乱に。
パンパンパンパン――と、肉と肉が爆ぜる淫らな衝突音を、密着した2人だけの耳元に響かせて。
「ンほぉおおおっ♡ ほォオ♡ オ゛ッ♡ お゛♡ だ、だめっ♡ もォ、だめっ♡ へ、へへェ……ッ♡ あ゛♡ ア゛ア゛……♡ あ゛あ゛ぁ~♡ も゛ぉムリぃイイ♡」
必死に抑えつけてきたフブキの性的感情は、既に爆発寸前だった。
宛ら破滅へのカウントダウンのように、腹の底で肉矛の突端が子宮を叩くたびに、その強烈且つ甘い振動によって、フブキを“フブキ”せしめていた要素の1つ1つが、次々と削ぎ落とされていった。
まるで川の濁流が容赦なく土砂の塊を浚うように。
鬼の矜持も使命感も。
師匠としての気高さや威厳も。
狐夏が好いてくれていた清浄な部分が、悉く快楽に塗り潰され消えていく。
手放したくない……。
手放すわけにはいかない……。
このままではいけないと、頭の中ではわかっているはずなのに……。
なのに子宮を激しく突かれるそのたびに、思考は真っ白に弾け飛び、更なる快感を乞うように淫靡な叫声ばかりを吐き散らかしてしまう。
これ以上は限界だった。
本能はとっくに敗北を認め、屈服を望み、オオテングが齎す悦楽の極致を一刻も早く受け入れんとしている。
唯一残りし断裂寸前の緒のように、散り滓も同然の理性が盾では、押し寄せる欲望の渦に、そもそも太刀打ちできるはずなどなかったのだ。
寧ろその荒波を前に、今にも精神が引き裂かれそうだった。
餌を前に生殺しを強制されている、餓死寸前の獣の如き苦しみ。
抗えば抗うだけ続く、地獄のような渇き。
耐え難い飢えともどかしさ、そして切なさが、快楽に心を委ねろと訴えかけてくる。
抗いきれなかった……。
抑えきれなかった……。
我慢できなかった……。
故にフブキはその瞬間――心を見捨てた。
本能から心を護ることを――彼女は放棄した。
健闘虚しく、既に雌雄は決したのだ。
だからその果てに、今――。
彼女は、もう――。
「あ゛あ゛ぁあ!!♡ あ゛っ!!♡ あ゛あ゛あ゛っ!!♡ いいぃ!♡ いいのぉおお!♡ 気持ちいいィ!♡ 気持ちイ゛イ゛ぃ!♡ もっとォ!♡ もっどォオオオ!!♡ おっっほぉおおぉおお゛お゛お゛!!!♡」
淫毒に増幅されし肉欲の本能に従順となることを選んでしまったフブキの口からは、先刻まで確かにそこにあった葛藤の意志が、終ぞ影もなく消え失せた。
オオテングの手を借りる必要もないほどに、積極的に自ら腰を振り始めたその態様には、鬼としての高潔さや誇りは、最早微塵も宿ってはいなかった。
今、オオテングの腕の中にいるのは、何もかも放り出し、ただひたすらに快楽を貪り痴態を晒すだけの、無様な淫婦の姿だった。
「ハッ、ついに堕ちたなっ! これで本懐を遂げるためのピースの1つが、あと少しで揃うってわけだっ! ……だが、それはそれとしてせっかくだ、お前に術を施す、その前に――」
オオテングにとって、フブキの精神力――延いては彼女の心の抵抗力を弱らせることが当面の目的だった。
全ては怨敵たる猛士に雪辱を果たすため。
その最終目標を達成するために必須であるフブキを、確実に手中に収めるため。
そして今、その計画は寸分違わず、目論見通りに遂行されつつある。
到来した理想の展開に益々気を良くしたオオテングは、淫らに豹変したフブキの密着の積極さに嬉々としながら、腰を打ち付けるスピードを不意に極限まで跳ね上げた。
一気に畳み掛けるように、あるいはこの極上の狂宴を隅々まで味わい尽くさんとするように、フブキの聖域の扉を徹底的且つ執拗に、怒涛の連撃で打ち据えた。
「オ゛オ゛ッ!?♡ ほぁアァ!♡ あ゛っ!♡ だめっ!♡ いきなりっ……はげ、しっ!♡ んあっ!♡ あん゛!♡ す、すごっ!♡ すごいこれぇ!♡ お゛っ!♡ ぉおおン!♡」
爆発的に加速するピストン運動。
急騰した快楽の矛に脳髄をめった刺しにされるたびに、フブキの視界の端では白い火花がバチバチと爆ぜる。
迸るような衝撃。
同時に頭の中を満たしていく甘い毒の蜜に、ドロドロに融かされた思考が底無しの多幸感へと沈んでいく。
使命も矜持も、もう何もかもがどうでもいい――。
残されたのは、狂おしいまでの飽くなき絶頂までの飢渇のみだった。
制御不能の衝動のままに、フブキもまた、自らその腰を叩きつけんばかりの重厚な勢いで、上下に躍動を繰り返した。
割り開いた臀部の谷間で、ずっとヒクついて止まらぬ尻穴をいくら宙空に晒してしまおうとも、今となっては羞恥の欠片もない。
フブキはオオテングの背中に立てた爪を力任せに食い込ませ、その首筋に必死にしがみ付きながら、最果てに待つ極限の歓楽をただひたすらに求めて、分厚い腰を激しく振り乱す。
「あ゛あ゛あ゛ンッ!!♡ ふ、深ッ!!♡ チンポ深ァいイ!!♡ あ゛っ!!♡ すごっ……ンッ!♡ ああぁ!♡ 凄い硬ッ!!♡ オ゛ッ!!♡ ふ、ンッ♡ ひびくッ……チンポ響くぅ!!♡ 極太チンポ良すぎてッ……
文字通り獣のように――否、本能に狂ったケダモノのように、一片の自制無き陶酔に浸りし咆哮を、思う存分天空に震わせる。
最初は一方的だったはずの腰の打ちつけ合いは、いつの間にか互いの同意の上での衝突へと変わり果てていた。
貪欲なまでの情炎に満ちた、あまりにも野性的な求め合い。
オオテングが「もっともっと」と煽り立てれば立てるほど、それに応えるように、フブキもまた「もっともっと」と媚び縋る。
相手は倒すべき敵。
今ならその首を搔き切ることも容易い距離のはずのに。
そんな発想など、快感に
「ああぁチンポッ♡ チンポぉ♡ 口にもチンポぉ~……♡」
止まらぬ欲求、増すばかりの衝動だけが、フブキの身体を生きた屍のように突き動かす。
「あっ……は、あぶ、ンッ――♡」
白濁した視界の中で、自分に向けて真っ直ぐと伸びるオオテングの長い鼻に目を付けた彼女は、口内に渦巻く切なさを静めたい一心で、あろうことかその鼻尖を男根に見立てて口一杯に頬張り、貪婪にしゃぶり始めた。
「んぶぅ♡ ん゛、う゛っ、む、ふ、んんぅ♡ ぶじゅ♡ ちゅ♡ ンッ♡」
欲深くも腰の動きはそのままに、自ら頭を前後に振り動かし、ジュプジュプと美味しそうに鼻先を扱く。
燃え盛る淫欲に呑まれしフブキの目には、最早オオテング以外の存在は何1つ映ってはいなかった。
周囲を漂う霧靄や外気の流れが、何時しか下から上へと変わり出していることにすら気づかない。
「おいおい、いくらなんでもがっつきすぎだろぉ!
誇り高き音撃戦士としての面影を完全に欠いた、品性無き大胆過ぎる痴態に、オオテングは呆れつつも、どこか同情めいた微笑を、フブキの舌が絡んだ鼻の下で浮かべていた。
「いいぜ? 俺様は優しいからよ、とことんまでお前の心を解放させてやるよ! 全部受け止めてやっから、思う存分イキ狂っちまえよぉ!!」
そう告げるや否や、自らの全神経を腰元へと集中させ、フブキの子宮口を壊さんばかりの勢いで、ジュボジュボジュボジュボ――と、苛烈極めし最終連撃を叩き込み始めた。
「―――ン゛ぼァああッッ!?!?♡♡♡」
途端に極点まで跳ね上がった快楽の猛威に、一気に脳髄を灼かれたフブキは、その衝撃のあまりの強さに耐え切れず、思わずオオテングの鼻尖から口を離してしまう。
塞がれていた口腔が解き放たれたその瞬間、遮るものを失った喉奥から爆ぜるように噴き出したのは、天をも震わせる狂乱の大絶叫だった。
「ひぐっっぁあ゛あ゛ぁあッ――!!!!♡♡♡ ア゛っ!!♡ あ゛あ゛あ゛ッ!!♡ だ、だめぇええッ!♡ ア゛ッガァアアア!!♡♡ 壊れ゛る゛ッッ!!!♡♡ 壊れちゃうのぉおおおッ!!!!♡♡♡ オ゛ッッ、ォオオオオオオオ!!!!♡♡♡」
意識が砕けて弾け飛ぶ。
脳みそが沸騰して溶けていく。
全身を巡る神経網が、皮膚の下で暴れ狂っている。
身体中が散り散りに霧散していくような強烈な浮遊感に、剥き出しの魂はこの上ない歓喜に震えていた。
「あ゛あ゛あ゛イグッッ!!♡♡ イ゛っでじま゛う゛ぅう!!♡♡ あ゛ぁん!♡ イっちゃう゛!♡ イ゛グぅうう!♡ もうイグぅううう!!♡♡」
絶頂目前の瀬戸際の中、過熱に挿抜する太幹を、ただでさえギュウギュウと貪欲に締め付けていた膣壁が、一刻も早い種汁の流入を乞うように、尚もその絞窄力を強めていく。
「ぐっ……やべえ……なんだこの締まりっ……! 俺様としたことがっ……耐え切れねぇ……! ったく……どんだけ淫乱女なんだよ、お前はっ……!」
大きく張ったカリ裏の隙間さえ埋め尽くすほどにピッタリと吸着し、肉洞に入り込んだ極太の輪郭全てを、執拗に絡め取るように激しくうねる。
醜悪なほど人間離れした剛健で禍々しい男根すら、ギチギチと今にも引き千切らんばかりの肉圧。
鬼の力を備えし超人とはいえ、疲弊し切った生身の女体から与えられているとは思えぬその凄まじい刺激に、オオテングの睾丸は自分でも驚くほど激しく滾り、急激に込み上げてくる射精感を最早抑え込むことができなかった。
「いいぜぇっ……! 望み通りぶち込んでやるっ……!」
刹那の瞬間、血が沸き立つような欲動のままに、オオテングはより硬く――より大きく膨らんだ肉の幹を力任せに突き上げ、最深部で待ち構える子宮口にその剛直した突端を深々と圧しつけた。
疾うに解れて半開きの口を、さらに強引にこじ開けるように、膨満した亀頭をミチミチとその肉縁にめり込ませたのだ。
「ひぎッッ――!?!?♡♡♡」
途端に弾けるように上擦る、理性無き女声。
息が詰まったように甲高い、言葉にならぬ悲鳴。
そして――。
「ガッ……――あ゛、ア゛ア゛ア゛ッッ!!!♡♡♡ イ゛グッ!!!♡♡♡ イ゛グぎッ、あ゛、あ、あ゛あ゛イ゛っちゃぁあああああ!!!!♡♡♡♡ イグイグイグぅううう!!!!♡♡♡♡ オ゛、あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!♡♡♡♡」
一瞬の硬直を挟んだ後に訪れる、歓喜の大絶叫。
既に何度身を捩り、何度白目を剥いて意識を飛ばしたのかわからない。
にも拘らず、未踏の領域を直接穿たれた凄まじい衝撃の前では、結局同じ轍を踏むように、またしてもフブキは壮大に背筋を仰け反らせ、無様に白目を剥いて狂乱の絶頂痙攣を繰り返すことしかできなかった。
「ぐっ……うぅ……ッ!!」
そんな彼女にとどめを刺さんばかりに、ドックン――と大きく脈打った男根の先から、遂に堰を切った熱い濁流が爆発的に解き放たれた。
隙間なく塞いだ子宮口の奥――逃げ場なき小部屋の底を直接叩くようにドバドバと勢いよく放出される濃厚な種汁。
オオテング自身の欲望の大きさや、野心の色濃さを象徴するかのような、人間の規格を凌駕した圧倒的質量と熱量。
胎内の空洞を瞬く間に満たし尽くしていく重密な液塊の圧力に、フブキの子宮は内側からパンパンに押し拡げられていった。
「あ゛ッ、熱ッ……ン゛ン゛ッッ!!♡♡ あ゛ぁ!♡ ア゛ッまたイクッ!!♡♡ イ゛ッでる゛ゥ!!♡♡ ずっどイ゛ッでる゛ぅ!!♡♡ イ゛グの止まらなッ……あ゛あ゛ん゛ッ!!♡♡ アッ……あああああ゛あ゛あ゛――!!!♡♡♡」
同時に浸潤するように押し寄せる、熱流の猛威。
絶頂の上に絶頂が折り重なる、快楽の重畳。
いつまで経っても頂から降りられず、フブキは息継ぎすら忘れて頭を左右に激しく振り乱す。
三日月の如く背骨ごと首を大きく反り返し、オオテングのうなじに力一杯しがみ付きながら、ガクガクと悶絶を繰り返した。
やがて、オオテングの射精の終息に伴い、張り詰めていた絶頂の波にも緩やかさが見え始めると、フブキは力尽きるようにオオテングの肩へとぐったりと倒れ込んだ。
「あ゛、ああぁ……♡ はっ、あ゛あ゛……ァ……♡ ふ、オ゛、お゛お゛ッ……♡」
解けた両腕を巨躯の背面にダラリと垂らし、尚も全身をビクビクと震わせる余韻に浮かされるように、分厚い肩の上に顎を乗せた半開の唇から、吐息混じりの喘ぎ声を途切れ途切れに虚空へと吐き漏らしていた。
結合部分に滴る愛液の雫が、
オオテングはこの時を待っていた。
完全に思考を失ったフブキの魂が、無防備な裸同然で晒し出されたこの瞬間を。
「なあ、どぉだおい? 最高の気分だろ? 俺様の女になりゃあ、今みたいな雌の幸せを毎日好きなだけ味わわせてやるぜ? それでガキを何人もこさえてくれりゃあ、後継ぎが増えてこっちも大助かりだからなぁ! お前だって、もっともっと気持ちよくなりてえだろ?」
オオテングの最後の一押しとも言うべき問いかけは、フブキの剥き出しの魂を容易に包み込み、その内側の隅々まで染み渡っていった。
「あ……ァ……♡ なり、たい……♡ もっと……もっとぉ……♡」
疑念も、抵抗も、そして――鬼としての誇りさえも。
それらは正気を真っ白に灼き尽くす熱気に諸共に溶かされ、最早微塵も湧いてはこなかった。
混濁した意識の中、依然として全身に燻ぶり続ける淫らな欲求に突き動かされるままに、フブキのだらしなく弛んだ口先から無意識的に零れ出たのは、ただひたすら眼前の魔物に縋りつき、更なる過熱を求めるだけの空虚な阿りの言葉だけだった。
「だろうなぁ。なら……後は簡単な話だろ? 今ここで、俺様と契りを交わすと宣言しな? そーすりゃ望み通りの快楽を約束してやるからよ! 全てが上手くいった暁には、“妻”として一生可愛がってやるぜ?」
「あ、あぁ~……アッ……なるぅ~……♡ 妻でもなんでもなるからぁ……早くっ……早くもっともっと気持ちよくしてぇ……♡ もっといっぱい……オマンコ突いてくれぇ……♡」
持ち前の気高さもプライドも――全てをかなぐり捨てて媚びるだけの、聞くも憐れな節操無き懇願の声。
艶気を纏いしその発語は、周りの感情を大いに揺さぶりかけていた。
高潔なる鬼の自尊心を、完膚なきまでに打ち砕いた達成感と愉悦に浸るオオテング。
そして、そのオオテングが下卑た笑みを浮かべながら、不意に注いだ
「――だ、そうだぜ? お前のビッチなお師匠さんは、堅苦しい鬼なんかを続けるより、俺様と夫婦になりたくて仕方ねえんだとよ? どう思うよ、なあ……“弟子の女”」
「ふぇ――……でし……?」
明らかに自分に向けられたものではないオオテングの予期せぬ言葉に、度重なる絶頂の余韻に微睡んでいたフブキの意識が、辛うじて現実へと引き戻された。
完全に体重を預けてオオテングの肩に置いていた頭を僅かに逸らし、彼が見つめる視線の先を自らもおずおずと瞳で追いかけた。
「――ッ!?」
その瞬間、果たして彼女の目に飛び込んできたのは、よりによって最も見られたくなかった、痴態の極みとも言うべき最悪のこの状況を呆然と見つめ返す、愛弟子の青ざめた顔だった。
「こな、つ……!? なんで……狐夏が……目の前に……!?」
数体のテングたちを従え、泰然と佇む赤紫色の天狗――鷹天狗の足元でぐったりと横たわっている、一糸纏わぬ狐夏の姿。
涙で滲んだ視界に映るその姿をはっきりと認識した途端、直前まで脳髄を灼いていた熱狂が、一瞬でどこかへ吹き飛んでいった。
全身の血の気が引いていくような感覚に襲われたフブキは、そこでようやく気がついた。
オオテングに抱きかかえられ、先刻まで遥か上空で凌辱を受けていたはずなのに、そのオオテングの両足が、いつの間にか地面の上にしっかりと据えられているということを。
空で自身を包み込んでいた濃厚な霧靄に代わり、周囲を取り囲むように鬱蒼と生い茂る草木の光景が、ここが既に地上であるという動かぬ事実を、より一層冷酷にフブキの網膜へと突きつけていた。
あろうことか、正しき道を歩むよう導いてきた愛弟子の目の前で、倒すべき敵に自ら身を委ね、どこまでも淫らに、節操なく快楽を乞うてしまっていた。
天空での享楽の最中、ずっとどこかで感じていた“狐夏に見られていない”という開放的な安心感が、掌返しのように重苦しい罪悪感となって、胸の奥をズキズキと締め付ける。
「あ……あぁ……」
弁明の言葉も見つからず、フブキは魚のように下顎をパクパクと震わせながら、ただただ絶望に凍り付くことしかできなかった。
するとそんな沈黙を破るように、狐夏が恐る恐る口を開く。
「フブキ、さん……。そんな奴と……どうして……その……セックスなんてしてるんですか……? そいつ……敵ですよ……? そんな怪物と……まるで……恋人みたいに抱き合って……」
「違っ……そんなつもりじゃないっ……! これはっ……毒のせいでっ――……」
狐夏の疑念を否定したい一心で、オオテングに体重を預けていた上半身を反射的に跳ね起こしたフブキは、師匠とは思えぬ縋りつくような目を慌てて狐夏へと投じる。
しかし――。
「――ああ、確かに“恋人”とは違うわなぁ! さっきも言ったように、正しくは“夫婦”って奴だ! だが……“雪の女”が自らそれを望んだこと自体は紛れもない事実! こいつは雌の快楽を求めすぎる余り、鬼のプライドを捨てたんだよ!」
同時に放たれたフブキの必死の声を、オオテングが面白がるような嘲弄の言葉で呆気なく遮った。
「なっ……何言って――……!? 違うッ……それは違うッ……。僕はずっと鬼だ……、今だって……これからだって……。そもそもこんなこと……こんな淫らなこと……僕は初めから……望んでなんて――……ン゛オォッ!!?♡♡」
散らばった否定の意思を死に物狂いで掻き集めるように、冷や汗を滲ませながら弁疏の気息を吐き続けるフブキ。ところがその声を、今度は一切の助走無き唐突なる腰の突き上げが、有無も言わさず掻き消した。
彼女の意思を根底から粉砕するように、腹の奥を容赦なく打ち据えたオオテングの刺突が、再びフブキの心を、底知れぬ快楽の沼へとズブズブと引き摺り込んでいった。
「ア゛ッ!?♡ あ゛あ゛ァ!♡ だ、だめッ!♡ そんな急にっ!♡ やぁっ!♡ や、やめろォ!♡ 狐夏の前で、こんな……こんな辱めッ……!♡ あ、あぁん!♡」
「ハッ。股で人のチンポを咥えたまま、いつまで経っても離れようともしねえ奴が、今更何言ったって説得力もクソもあるわけねえだろうが! オラァ、もっと欲しいんだろぉ? もっと突いてほしいんだろぉ? お前の正直な気持ち、“弟子の女”にもわからせてやれよっ!」
両手で持ち上げたままのフブキの臀部を、上下に荒々しくシェイクをしつつ、オオテングは自らも腰を前後に振りまくる。
バヂュッバヂュッバヂュッバヂュッ――と、激しく打ちつけ合う下腹部同士が奏でる、いやらしい水音と衝突音を山林に響かせながら、左右の指で割り開いた臀裂の谷間を、これ見よがしに狐夏の視界へと晒し上げた。
眼前でヒクヒクと弛緩と収縮を繰り返し、間抜けに開閉を繰り返す菊門の窄み。
それが師匠の恥辱の的であるにも拘らず、しかしあろうことか狐夏の目には、その様子が何時にも増して魅力的に映っていた。
太幹が蜜壷の内外を激しく往復する度に、先の射精でフブキの膣内に貯留していた大量の子種汁が、グチャグチャと泡立ち、ピストンの勢いに掻き出されて周囲に次々と飛沫する。
“想い人”を穢せし白きマグマの雫が、“想い人”の身を案じる狐夏の顔さえも醜く濡らし、白く汚していく。
頬を伝う生暖かい粘つきが、肌を焼かんばかりの熱を顔面に帯びさせる。
鼻梁に纏わりついた腥い雄のにおいが、心の内に秘めし蜜色の感情を密かに掻き立て、呼吸を深く荒くする。
「あ゛あ゛ぁあぁあ!!♡♡ ぎも゛ぢいいィ!!♡♡ やっぱりぎも゛ぢいいィイ!!♡♡ あ゛あ゛あ゛イクぅッ!!♡♡ イグッ!!♡♡ またイグッ!!♡♡ イッぢゃうう゛う゛!!!♡♡♡ ア゛ッッ――イ゛グッッ……イグイグイグッ!!!♡♡♡ ア゛ッ、あ゛ぁあ゛あ゛あ゛イッッぐぅぅうう゛う゛う゛ぁあ゛あ゛あ゛!!!!♡♡♡♡」
やがて、さして間を置かずに、フブキは呆然と見つめる狐夏の前で盛大に絶頂を迎えた。
無意識のうちにオオテングの首にしがみ付いていた両腕がピンと伸びるや否や、張り詰めた硬直の末に訪れた、抜け殻のような虚脱感のままに上半身を思いっきり背後に垂れ下げた。
ひっくり返ったフブキの蕩けきった相貌が、狐夏の視界を埋め尽くすようにドンと間近に現れる。
陶酔に醜く歪んだその貌に、普段の凛々しい面影など微塵も残っているはずもなく。
「フブキ、さん……? フブキさんッ……!」
瞼の裏に隠れ、完全に焦点を見失った視線にその名を呼び掛けても、力強い返事など返ってはこない。
逆に狐夏の耳に聞こえてきたのは、快楽の余韻に任せた荒い呼吸音と、痙攣の震えに裂けた情けない敗北宣言だけだった。
「あ゛、あ゛ぁあ゛あ゛ッ……♡ あ゛、オ゛オ゛ッ……♡ は、ぁ……しゅ、しゅごい……♡ しゅごしゅぎる、ぅ……♡ とまらないっ、しあわせ……あふれてとまらないィ……お、ぉお……♡ こ、こんなのっ……こんなの……かてるはず、ない……♡ アッ……ア゛ア゛ア゛……♡ でもいいんだァ……もぉどぉでもいいんだぁ……さいこぉだからァ……♡」
混濁した意識の中で、歓喜の涙と涎を逆さに垂れ流し、譫言のように言の葉を紡ぎながら、陶然と笑み崩れる師匠の目も当てられぬ惨めな姿に、しかし狐夏は、不思議と視線を逸らすことができなかった。
見てはいけない。
見てる場合ではない。
頭の中ではそうわかっているはずなのに、その意思に反するように釘付けになっていた。
「あっ……はぁ……ぁ……♡」
気づけば狐夏の口からは、恐怖とも歓喜ともつかない湿った吐息が漏れ出していた。
顔面に付着した白濁液の濃厚な雄のにおいと、眼前に広がる淫靡に穢れし師匠の醜態が、彼女の下半身さえも熱く滾らせ、その股奥から大量の蜜をぐっしょりと溢れさせていた。
「…………」
傍に佇む鷹天狗が、寡黙ながらも憐れみを込めた眼差しを、2人の女鬼にそっと静かに添えている。
鷹の嘴に酷似した半面の上で、柔らかな光を確かに宿したその瞳は、誰にも知られることのない陰影の片隅で、物思いに揺らめいていた。
そんな鷹天狗の足元で突っ伏したままの狐夏は、フブキのあられもない姿にすっかり魅了され、耐え兼ねた股間の疼きに見悶えるように、閉じた両腿をモジモジと擦り合わせていた。
(あのフブキさんが……私以外の――男とのエッチであんなに乱れて……あんなにいやらしく……気持ちよさそうに……。なんだか……なんだか私までっ……おかしくっ――……)
地に密着した身体の下に滑り込ませた片腕が、無意識に下半身へと伸びていく。
すっかり硬く膨らみきった、最も敏感な真珠の頂に、その指先が今にも触れようとしていた。
ところがその瞬間、不敵な笑みを浮かべていたオオテングが、徐にフブキの膣内から自身の巨根を引き抜いた。
途端に栓の開いたワインボトルのように、ドロリとした大量の精液が、フブキの紅く腫れ上がった割れ目から、ドプンと重力に従い零れ落ちてくる。
「あぁんっ……♡ いやっ……もっとっ……もっとぉ……♡」
「ああ。後で幾らでもしてやるよ! だが、少しばかり余興が過ぎた。続きをする前に、いい加減目的を果たしておかねえとな!」
疲弊しながらも、まだまだ物足りないと言わんばかりに、まるで別人のような甘い声で縋るフブキを、オオテングは適当にあしらいながら、その肢体を地面の上へと無造作に横たえた。
「お前らに見せてやるよ! 後から授かった“オオテング”の力とは違う、天狗としての――俺様自身の本来の力……! お前ら鬼が“清めの音”を奏でし者なら、俺たち天狗は、言うなれば“
満足に焦点の合わないフブキの瞳を見下ろしながら、片手で素早く
「――そして、頭領である俺様の天妖術は、他者の魂に“呪名”を刻み、その魂を支配下に置く力!」
「魂を……支配……? お前……フブキさんを自分のものにするつもりか……!?」
オオテングの突然の不可解な所作に、底知れぬ不気味さと漠然とした危機感を感じ取った狐夏は、衝動的に秘部に伸ばしていた腕の動きさえもピタリと止め、固唾を吞みながら問いかけた。
「ああそうだ! お前らがさっきまで戦っていたテング共と同じようにな! あいつらは元々、5年前のオロチで大量発生した有象無象を、戦力増強のために捕獲して忠誠心を植え付けた奴らでな! 土塊から生まれた魔化魍なら、そもそも魂なんて持ち合わせてねえから簡単に操ることができるが、お前ら鬼共のように、魂を強靭な精神力で護っているような奴を支配するには、ぶっちゃけ正攻法だと骨が折れんだよ! だからその精神力を、こうして削らせてもらったってわけだ! 女のメンタルを潰すには、やっぱオーガズムで追い詰めるのが一番手っ取り早いからな! その甲斐あって今ならこうして――お前の師匠の魂にも容易に手が届く……!」
オオテングはそう言うと、これまでの粗野な振る舞いとは打って変わり、筆書きのように驚くほど繊細で滑らかな動きで指先を走らせ、その軌跡でフブキの肌の上に文字を書いた。
「
それは一見すると、墨痕無きただの手振り。
されど実際は、魂の深部を直接なぞりし、不可視の揮毫だった。
筆者当人たるオオテングの目には、その描線がはっきりと映っていた。
“絆”という、絶対的従順へと導く、隷属の烙印が――。
「だめッ……やめて……!」
「もう遅いッ!」
狐夏の制止を振り切り、オオテングは最後の一筆を力強く押し込んだ。
「あっっぐぅうううッッ――!!♡♡」
その瞬間、頭のてっぺんから爪先までを電流に貫かれたように、フブキは背筋を弓なりに大きく反らせ、ガクガクと細かい痙攣を幾重にも繰り返した。
名前を書き替えられ、魂を呪いの鎖できつく縛り上げられたその衝撃に、とうとうフブキの瞳から光が完全に消え失せる。
だらしなく開いた口から、無気力に垂れ流れる熱い吐息と涎。
無防備に投げ出された肢体の所々には、まるで蛇のように這う梵字のような黒い紋様の痣が、悍ましくも艶やかに浮かび上がり始めていた――。
Pickup
【森羅】
室町時代後期より存在している、かつては猛士と双璧を為して魔化魍から人類を護ってきた天狗の組織。
音撃戦士=鬼と、鬼を支える人間たちによって構成されている猛士と同じく、森羅は天狗への変身能力を持つ人間と、彼らの存在を認知する者たちの手によって支えられ、成り立ってきた。
しかし、現在より100年ほど前に猛士との競争に敗れ没落。組織に属していた者たちのほとんどは俗世に下り、当世の構成員も残り僅かとなっている。
東北地方のとある地域に聳える、一年中濃霧に覆われた山――狗賓長根を総本山とし、全盛期時代には関東と九州にも分家が存在していた。
因みに東北地方の天狗を
森羅に所属する天狗は、別名“天妖術師”とも呼ばれており、それぞれが独自の天妖術(陰陽術の発展形)を編み出し、戦闘に取り入れている。
現在――少なくとも
鴉座=鴉天狗。
鷹影=鷹天狗。
そして……――。