※この作品はR-18です。

転生宇宙世紀 ―ジオンの女性士官にTS転生したので、ザビ家は気に入らないけど連邦と戦います―   作:読人不識

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なんか色々盛ってる感がある展開になってきましたw


リーア

 ザビ家のトップ会談が行われ、そこでキシリアに進言したあたしの長期戦計画は大過なく採用されたらしい。

 代わりにギレンが、ソーラレイを開発することを認めさせたようだが、これは停戦期間開けに来る連邦の反攻作戦を考えれば、止む無しといったところだろう。

 それらはズムシティから、グラナダに戻り新しい大隊の編成をしているあたしに、サイド3から戻ってきたキシリアから伝えられた。

 

『それで、あんたのとーちゃんごと連邦の艦隊壊滅させるつもりだろうから、止めた方が良いよ』

 とは言えない。

 

 精々あたしには

『ソロモンか、ア・バオア・クーに集結してくる連邦艦隊に一撃浴びせることが有効なのでは?』

 くらいしか言えない。

 実際今はジリ貧だが、停戦期間が空けたら一大攻勢を打ってくるのは明白だろうし…

 

 というか停戦は…せざるを得んだろうな……

 アムロたちが状況搔き回して、地上におけるジオンの支配体制を崩壊させる働きは出来ていないんだから、ジオンは動員できる兵がおらず手詰まり。

 逆に連邦は反攻作戦の切っ掛けを失って立ち上がる機会を逸した感じか。

 

 停戦は両者にとって益があるが、停戦開けは激戦になるだろうな……

 

 アムロとアルテイシアの保護を急がねば。

 

 ということであたしは大隊の編成案を上に提出し、自分の仕事を片付けるとレーヴ少佐に後を任せサーシャとラル大尉とハモンさん、そして選抜された護衛を連れてサイド6経由でサイド7へと向かうのだった。主人公……

 

 軍の広報活動? やりましたよ……

 何かグラビアアイドルみたいな水着姿をリゾートコロニーで撮影するという謎の仕事……

 あとひらひらのかわいい服着て何曲か歌った。

 歌のクォリティは低すぎたけど、何回か同じ曲を歌ったので、それを編集するらしい。

 あと食レポみたいなのも撮影した。

 あれにどんな広報能力があるのか分からないし、果たして需要があるのかも分からないけど、依頼された仕事は十二分に果たしたはずなので、文句は言われまい。

 

 そしてあたし達はシャトルで、サイド6のバルダコロニーへと向かう。

 

 サイド6『リーア』は人口こそ、サイド3やサイド5より少ない物の、その工業力や政治的影響力は軽く見てよいものではなく、現にコロニー協調路線が採択されてすぐに、外交官が派遣されるほどには重要な存在ではある。

 

「一つのバンチの人口はムンゾの方が上だけど、生活水準はリーアの方が良さそうね……」

 定期シャトルが行き来する1バンチに到着し、コロニー内の宿泊施設にチェックインするために1バンチ内を散策しながらあたしはそんな感想を漏らす。

「彼らが工業力を持ってジオンに協力してくれたら、多少は戦線維持も楽になるでしょうに」

 重ねて不満を漏らす。

 宇宙移民の自治独立を彼等は望んでいないのだろうか? 

 いや、そういう事ではないのだろう…

 

「彼等にとっては首が連邦からザビ家にすげ代わるだけでは意味はないのでしょうな」

 ラル大尉があたしの意を察してそう助言してくれる。

「恐らく、そういう事なのでしょうね。ザビ家独裁の弊害が宇宙移民には理解されてる。連邦の腐敗がザビ家の苛烈な支配に代わるだけでは意味がないもの…」

 あたしがそう結論を出す。

「あーしにゃ、難しい事はわかんねっスけど、頑張った分返ってくるものがねぇなら、わざわざ戦争なんかやんねぇっスね」

 サーシャが彼女らしい物言いであたしに同意する。

 パイドバイパーはキシリア閣下の座乗艦ではあったが、指揮官のあたしの影響からかクルーにはザビ家独裁に対する不満は強い。

 

 そも、キシリア自身が現在のジオンの主流派であるギレンに対する対抗派閥なのだ。

 本来一丸となって連邦と戦うべきジオンが、内部で暗闘を繰り広げているのは、皮肉な現実と言わざるを得ないだろう。

 そんなことを話し合いながら市内のホテルに宿泊し、その日は旅の疲れを癒す。

 バルダコロニーを訪れるアポイントを入れて。

 

 バルダコロニーにあるフラナガン機関からは、翌々日から2~3日かけて検査を受けてほしいとのことだった。

 

 ニュータイプ実験の対象か? と牽制したら、泡を喰ったように滅相もないと言い、ただの検査だと説明してくれた。

 

 キシリア閣下はあたしをニュータイプだとでも思われているのだろうか? 

 

 あたしには前世の記憶があるだけで、ニュータイプなどという御大層なものだという実感はない。少なくとも主観的にはそういう感覚はない。

 

 そしてあたしは指定された日時に、サーシャを伴いラル隊に護衛されながらバルダコロニーのフラナガン機関を訪れる。

 

 エレカに分乗し目的地に移動する途中、湖と水上を泳ぐ白鳥を眺める、エキゾチックな雰囲気の少女がこちらを振り向き、あたしと視線が重なる。

 その途端彼女とあたしの距離がなくなり、エキゾチックな雰囲気を感じず、何かが通じて意識が溶け合うような不思議な感覚を味わう。

 

 彼女の表情が分かる。彼女が何を思っているか分かる。

 あたしのことを分かってもらえる。あたしの考えを分かってもらえる。

 

 お互いがお互いを補い合うような甘美な時間はあたしの体を揺さぶる者によって打ち切られた。

 

「ヒメさまぁ~どうしたんっスかぁ~? あのインド女に夢中なんスかぁ? フラナガン機関に着いたっスよぉ」

 意識を体に戻したあたしの耳元でサーシャが体をゆすりながら、そう喚く。

 あたしは頭を振りながら

「もう着いたの?」

 と問い返す。

「とっくについてるっスよぉ。ヒメさま湖にいたインド女の方を向いたまま、ずっとぼ~っとして動かないんスから、何か起きたのかと思って心配したっスよぉ」

 心配そうに半泣きになってそういうサーシャを宥め、あたし達はフラナガン機関に入り入館の手続きをする。

 

 その後3日ほどかけて、あたし、サーシャ、ラル大尉、ハモンさんで様々な検査を受けた。

 あたしは実はサーシャがニュータイプではないか? と思っていたのだが、どうも適正は

 あたし>>>>>>>サーシャ>>>>>ハモンさん 

 という感じがして、女性陣の方がニュータイプ適性が高そうな印象であった。

 異世界転生したせいか? あたしの検査結果はおかしな影響が出ているような気がした。

 

 湖のほとりにいた少女は恐らくララァ・スンだ。

 シャア先輩をめぐる恋敵にはなるのだろうが、あたしは不思議と彼女に反感を持たなかった。

 むしろ彼女とは仲良くできるような、何故かは分からないけど仲良くしたいと思えるのが不思議ではあった。

 

 滞在期間中ララァと会うことはできなかったが、サイド7から戻ってくる途中又寄ることをフラナガン氏に予告しておき、その際こちらの用意する人材と、そちらでニュータイプ適性の高い少女―ララァ・スンを暗に指定し―を会合させることを約束させ、あたし達はサイド6からサイド7へと出発するのであった。




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