転生宇宙世紀 ―ジオンの女性士官にTS転生したので、ザビ家は気に入らないけど連邦と戦います― 作:読人不識
でもどうやって堕とせばいいかまだ思いつかないのです…
*「R18ルーキー日間」で5位に入りました!
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「あなた方の都合に、私を巻き込まないでください!」
ブロンドでショートボブの女性があたしたちに激高する。
まぁ確かにそうだよな、自分の自由に生き方を決められない、篭の鳥のような不自由さを、あたし達はセイラさんに強いている訳だし…あたしだったら拒否するね。
だけどあたしは彼女に伝える
「ダイクンの思想云々を別にしても、あなたの協力が必要なのですよセイラ・マス」
「ピンクブロンドのツィンテール巨乳美女と、ブロンドボブのお嬢様の罵り合い……エモいでござるな」
アムロが鼻息荒く茶々を入れる。
いや、あれは彼なりに場を和ませようとしてる…ようだ?
気色ばんでいたセイラさんが、瞬時にして色を失い、怯えた瞳でアムロを見て一瞬で目をそらす。
「そんなに怯えないで下さいよセイラ氏、拙者ニョショウはサラたん一筋と決めているのでござる」
先ほどお互いに自己紹介してから、セイラさんはアムロに対して怯えを隠さない。
アムロより、よほど厳ついラル大尉や、ラル隊の隊員たちには怯まないのに、キモオタ化したアムロには恐怖を感じているのか? アムロが発言するたびに強張った表情で怯えを見せる。
今後の事を考えてセイラさんとの会談の場にアムロを連れてきたが、これは失敗だったか?
あたしはそう思案しながら
「兄君の暴走を止めるにはあなたの存在が重要なのです。それにコロニー協調路線がとられればダイクン派閥が立ち上がり、あなたの身の安全が保障できなくなります。そういう意味でも我々の保護下に入って頂きたいのです」
あたしはセイラさんを保護したい理由を並べる。
「そんな……勝手な…」
力なくうなだれるセイラさん。
「あなたの兄君、今はシャア・アズナブルと名乗っている男は、どうしてもザビ家への復讐を忘れられない様なのです。またそれを完遂する能力も持っています。しかし、この戦争が決着する前にそれをやられてはスペースノイドの自治独立は数十年単位で遅れることは明白です」
彼女に向かって言葉を重ねる。
「わたしに兄の手綱を握れと?」
セイラさんがあたしを睨んでそう問いかける。
「そこまではお願い致しません。ですがあなたから見てスペースノイドによるスペースノイドの自治は必要か? 不要か? 教えて頂けませんか?」
協力体制を築けるか? その基本的な部分を問いかける。
「それは…必要だと思います。ですがその手段が戦争である必要はないと私は思います」
セイラさんが決然としてそういう。
「戦が始まるのは誰にも止められません。戦を止める為には日常から全ての言動を抑制する必要がります、そんな日常に耐えうる人間はいますまい……」
あたしは自分の考えを率直にセイラさんに告げる。
戦争なんて誰も起こしたくはない、でも争いなんてちょっとしたコミュニケーションギャップや価値観の相違で容易に起きる。
それを起こさない為には自分達の言動を常に制御しなくてはならないが、そんな日常を平気で過ごせる人間なんているはずがない。
それを悟ったのかセイラさんは力なく顔をあげ
「ならばせめて自治獲得の為に戦いたいと思います。私に戦う術を教えてくださいますか?」
決意を込めた表情でそう言う。
「あなたには、生き残って戦後の統治に尽力して頂きたいというのが、あたしの本音です。その為に必要なことはできる範囲でお教えしましょう」
あたしが持てる技術と知識ならいくらでも協力しよう。
「アムロ君はランバ・ラル大尉に鍛えて貰ってね。あたしに認められる活躍が出来たらご褒美はきちんと上げますから-☆」
と言って顔の横、眼の高さでVサインを横にして、ウィンクする。
「ムッハー! 拙者サラたんの為に頑張るでござるよ! そしてペロペロのペロリストになるでござるよ!」
良く分からないけど何か頑張ってくれる気になったらしい。
ラル大尉とハモンさんはにこやかに微笑み合って頷き
「坊主、わしの元で一人前の男に鍛えてやる。覚悟せいよ」
と楽しげにアムロを迎え入れる旨を了承する。
「サラ姫様に認められる武勲をあげられるよう、頑張ってくださいね」
ハモンさんもアムロに対して好意的だ。
原作でもこの三人は良好な関係を築けていたが、戦場で戦わなければならず、悲しい別れ方をした。
だが今世の親に全く顧みられないアムロにとっては、良い養父母になるかもしれない。
「では皆さんは志願兵として、サイド6経由でグラナダのあたしの大隊に編入してもらいます。今日一日で旅立つ準備を整え。明日にはシャトルでノアを出ます。それでよろしい?」
全員の顔を見回し確認を取る。
アムロが挙手をする。
「拙者の父親が開発に携わった、新型モビルスーツのデータが入ったパソコンが、家にあるのでござるが、それは持ってきた方が良いでござるか?」
とんでもない爆弾発言をする。
というかテム・レイの重要データの管理の杜撰さは自衛隊員並みだな……
「アムロ君…そのデータはこれから閲覧できるかしら?」
あたしがアムロに問う。
「パソコンはうちにあるでござるし、パスワードは、拙者がロック解除できるので無意味でござる。サラたんがうちに来てくださるのであればお目にかけるのは簡単でござるよ」
ニチャアとした笑顔を浮かべ、アムロがこともなげにそういう。
「ラル大尉。部下の方を数名貸して頂きますね。アムロ君パソコンからデータは抜きとれる?」
ラル大尉にそうお願いしてからアムロに訊ねる。
「三名つけましょう。お前たち機器を準備して集合だ」
ラル大尉が動き出す。
「パソコンから連邦の回線に入って、そこからぶっこ抜くのも容易でござるよ?」
アムロが自信ありげにそういう。
連邦のセキュリティは何とも杜撰な……
おかげで新型に関する追加の情報が入手できるかもしれない。
「アムロ君、君にご褒美上げる機会がさっそくきたかもしれないわね…」
蕩けた瞳でアムロを見つめながら、あたしがそう口にする。
「拙者まずは足コキしてもらいたいでござる! その為ならいくらでも情報抜いてくるでござる!!」
いきり立つアムロの背中を、ラル大尉が叩きながら良かったなと励ます。
ちょっとっ!! 性的に狙われているのはあたしなので、たき付けるような真似はやめて欲しい…あたしの隣に座るサーシャが、さっきからずっとアムロを威嚇しているが、アムロはそれすらご褒美と言わんばかりにホクホク顔である。
よく見たらジーパンはストーンウォッシュだし、ジージャンの下はネルのシャツを着てる…そこまで徹底してオタクなのか? と思うとおかしくなってしまう。
恐らくアムロは勤勉なのだろう。
だからこそ古典的オタクファッションでわざわざ身を固めてるのではないかと思う。
「サーシャ抑えて、信賞必罰はあたしの信条って知ってるでしょ? 情報次第ではアムロに褒美を与えてあげなきゃいけないわ。あなたなら、分かるでしょ?」
そういっていきり立つサーシャを抑えようとすると
「仕方ないっスね……でもヒメさまの事を一番愛してるのは、あーしっスからね…」
サーシャのその言葉を聞いたあたしは彼女の頬に優しくキスをする。
アムロが傍らで百合美少女キターと騒いでいるが気にせず
「分かってる♡ 愛してるわサーシャ♡」
と耳元で囁いてあげる。
「ラル大尉出発を早めることは可能か?」
あたしは表情を改めてラル大尉に問う。
「クルーザー級のスペースグライダーが港にありましたな……あれを失敬しましょう」
大尉がそう提案する。
「ではセイラさんの用意が整い次第、ラル大尉たちはその船の確保へ。アムロ君はデータを抜き取り次第、船に移動しサイド7を脱出します」
あたしはこの後の予定を宣言する。
民間人の二人以外の各員が立ち上がり了解の意を示し、次々と行動する。
あたしはアムロを促し、彼の自宅へ戻りデータ収集を開始する。
こうしてあたし達は連邦軍のV作戦の詳細なデータを入手しサイド7から脱出したのであった。
まだMAが実戦配備されてない時期なので、アムロとセイラの専用機はちょっと考えモノですね。