※この作品はR-18です。

転生宇宙世紀 ―ジオンの女性士官にTS転生したので、ザビ家は気に入らないけど連邦と戦います―   作:読人不識

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次回はアムロの御褒美回にしようかなと…
オタマッチョのアムロを上手く描けるか自信がありませんが……やるしかないんだよなw


ルナ・ツー攻略作戦

 連邦軍のソロモン侵攻を退けたあたし達は、補給もそこそこに、手早く部隊を再編し、ルナ・ツーへ向けて追撃をかける態勢を整える。

 ジオンはソロモン近海に集結していた第二連合艦隊―ティアンム艦隊―と、第三連合艦隊―ワッケイン艦隊―を文字通り殲滅した。

 

 残るはルナ・ツー宙域に集結しつつある第一連合艦隊―レビル艦隊―が、連邦宇宙軍の残存兵力と言う所か。

 正確には他に第七艦隊が予備としてあるようだが、こちらはレビル艦隊にくらぶるべくもない小さな規模の艦隊でしかない。

 

 だが残るレビル艦隊こそ、連邦宇宙軍の主力艦隊ともいえる編成で、レビル艦隊に対してこちらは1.5倍ほどの規模を誇る物の、ルナ・ツーを拠点とした攻防と考えるといささか兵力的には心もとない。

 更に言えば今回はソーラ・レイによる援護が難しい。

 あまりにも早くソロモン沖決戦に決着がついて追撃戦に移行した為、ソーラ・レイという大きな仕掛けを移動させても有効な射程を確保できないのだ。

 

 ソロモン司令部の命令により掃討と追撃を切り上げた我々は、次の指令が届くまで補給と休息をして時間を潰している訳だ。

 

 ソロモンの司令部には主将としてドズル中将が、副将としてエギーユ・デラーズが参謀としてコンスコンが詰めている。

 攻撃宇宙軍のシャア先輩は前線に出て、今回も安定のエース獲得だったそうだ。

 乗機は真紅に塗装されたカスタムゲルググ、ゲルググを更に高機動、高出力化したMS-14 SⅡ、シャア専用ゲルググを改修した機体だが、この世界ではこの機体こそがシャア専用ゲルググとして認識されていた。

 ララァもとんがり帽子で出撃し、初陣でエースになったそうだ。

 前衛にリックドム2機を置いた後方から、ビットを使って援護と撃破に専念し、機体操作の技術的未熟を補っていたらしい。

 

 ニュータイプとしての適性は高いが、パイロットとしての技術は未熟。それ故熟練のベテランパイロットを相手にすると不覚を取る可能性がある。

 それがシャア先輩の持つララァに対する感想だそうだ。

 

 だからベテランを護衛として部下につけ、近接戦を挑まれぬよう注意を払っているのだとか。

 パイロットとしての育成期間はララァより短いはずだが、アムロとセイラはエース並みの操縦技量を持っている。

 それはガンダムの学習型コンピューターの機動データのバックアップによる補正ありきのものなので、モビルアーマーを何のサポートもなく操縦するララァと単純に比較はできない。

 

 だが、ララァはニュータイプの覚醒を促すことには長けていても、それを戦闘に向けることには向いていない。いや躊躇いがあるのか? 

 

 あたしはその懸念をシャア先輩に伝えたが、ジオンの人的資源の不足は連邦に比してまだ深刻ではあるので、ララァをまだ前線に出さねばならないだろう。

 だがエルメスを地上で運用するのには無理があるので、シャア先輩達は宇宙に居残ることになるらしい。

 

 地上にいるガルマはイセリナとの恋を成就させるため、融和派の代表として立ち、今やデギン、ドズルを引き込み、キシリアと蜜月を築きつつあり、ギレンと表立って対立している。

 ギレンは軍事的に頼りにしていたドズルに離反され、手持ちの駒はデラーズの艦隊ほどの軍事的影響力しかない。

 だが融和派と親密になってはいても、キシリア自身はジオンの頭領となる野心を諦めてはおらず、ギレンもソーラ・レイという切り札を持っている。

 

「内憂外患とはこのことだな」

 あたしは自嘲気味にそう独り言ちるのだった。

 

 

 ………

 ……

 …

 

 ソロモンの参謀本部からの指令が下り、ルナ・ツーへはソーラ・レイの援護なしで攻撃を行うことになった。

 ジオン本国との交信では、ソーラ・レイの有効射角を得る軌道に乗せられる前に、連邦の増援が見込まれ、それはまずいという結論に至ったらしい。

 

 我が軍の諜報部の調査によれば、連邦軍にはソーラ・レイの出来損ないのようなものはあるが、それはソロモン攻撃に用意したはずであり、デプリとしてこの周辺の宙域に漂っているはずであるが、万が一の可能性を考え、ルナ・ツー攻撃部隊を四つに分けて進軍する。

 

 ソロモンから地球を挟んで反対側にあるルナ・ツーへの侵攻ルートは、右回り、左回り、上回り、下回りの四つに分けて進軍することになった。

 

 どれかの艦隊に敵が食いつくなら撤退しソロモンに集合して叩く、そうでなければ四方からルナ・ツーに攻撃をかける。

 我が隊はL4にあるサイド6 リーア近くを経由してルナ・ツーを目指す右回り艦隊に配属された。

 

 進軍する友軍へ、敵の大規模破壊兵器での攻撃はなく無事全艦隊がルナ・ツーに集結する。

 

 ルナ・ツー総攻撃前に影響力を増したいギレンから全軍へ演説が始まる。

 

『我々は今日、ようやく決戦の日を迎えた。初期の戦略が破綻させられ、連邦軍が早期の敗戦を認めなかった責任により、我々宇宙移民は塗炭の苦しみを味遭わねばならなかった』

 

「国民生活の水準低下は政治の無能の結果だよ」

 あたしが部隊内向けの放送でそうぼやく、

「総帥様は政治的手腕は兎も角、お口での御奉仕はお得意そうで」

 サーシャが嫌そうに皮肉を言う。

 

『だがその苦しみも今日までだ! 宇宙を連邦軍支配の軛を解き放ち、我々宇宙移民の自由を勝ち取る礎とするのだ、立てよ国民! ジークジオン!』

 ジークジオンの叫びがモニターの向こうから連呼される。

 

「連邦と手打ちになっても、ジオン内部での暗闘が待っていそうね……ここで死ぬ訳にはいかないわ」

 あたしが暗い未来を示唆し、気を引き締めるよう各自に注意する。

「お偉い方々は諦めも悪いようですからな」

 ランバ・ラルがモニターに映ってそう冷やかす。

「ダイクンを暗殺してまで手に入れた玉座だ、さぞ惜しいのだろう。それだけ権力の椅子に座るのは甘い体験なのだろうな」

 大尉に向かってあたしは嫌味っぽく言い捨てる。

 

 ルナ・ツー宙域には、第七艦隊を含む連邦宇宙軍の残存兵力が展開していた。

 

 敵を包囲する味方の輪が徐々に狭まり、ルナ・ツー駐留部隊に圧力をかける。

 

 その圧力に耐えかねた連邦軍から砲撃があり、それが開戦のきっかけとなった。

 

「サラ、ガーベラ、出る。ヴァルキュリア中隊はあたしに、ガルム中隊はランバ・ラルに、アシュラ中隊はサーシャに続け!」

 そういってあたしは出撃する。

 あたしの両脇を、セイラとヒルデが固め、その後ろにシャル小隊とナタリア小隊が続く。

 

 ラグナロクから出撃したラル大尉のガルム中隊からアムロのノックアウトが突出する、

「危ない!」

 あたしはそ(・)れ(・)を感じて反射的に叫ぶ。

 だがアムロはあたしが感じた危険を回避すると逆に射撃し撃破する。

 

「はろぉ~まっそぉ~! 姫たま感謝でござるぅ~」

 アムロからそんな思念が飛んでくる。

 彼はもうニュータイプに覚醒したというのか? 

 

 サーシャのアシュラ中隊がパイドバイパーから出撃し、あたしに追随する。

 あたしたちはひと塊になり、周りに跋扈する連邦軍のモビルスーツを撃破してゆく。

 

 脆い? 

 

「各自散開! 敵は思ったよりも練度が低いし、性能も高くない。一対一なら負けることはない。複数を相手にするな! 味方と連携して一対一の状況を作り続けろ! 補給は早めに戻れ、敵は数だけは多い、弾切れになる前に補給に戻れ!!」

 あたし達は敢えて前に出ず、出てくる連邦軍に対してもぐら叩きの様に突出する敵を叩く戦術に切り替える。

 連邦軍は史実通り量産性を重視してGMとボール主体だ。

 それもガンダムのフィードバックのない粗悪品。

 

 これなら一対一を続ける限り負けはない。

 だが相手は物量が多く、国力も高い。

 

 今回はこちらが兵力的に優位に立っているから何とかなるかもしれないが、やはりレビルを排除せねばジオンの勝利は難しい。

 

「姫様! 我が隊のエネルギー残量切れそうです」

 シャルが助けを求めるように叫ぶ。

「ガルム中隊! アシュラ中隊! あたしたちが下がった穴を防げるか?」

 あたしはラル大尉とサーシャに問いかける。

「防いでみせますとも」

 ラル大尉が力強く、

「だいじょーぶっス」

 サーシャが頼もし気に返事を返す。

「ヴァルキュリア中隊各員! シャル小隊、ナタリア小隊の順に補給に戻れ! ラグナロクとパイドバイパーに分けて補給に戻りなさい! サラ小隊はここでもうしばらく支援の後入れ替わる。次にガルム中隊とアシュラ中隊から一個小隊ずつ補給に戻しなさい!」

 あたしが指示を飛ばすと大隊各員が

「「「了解!!」」」

 返事を返す。

 

 兵力で勝ってはいるが、補給のタイミング次第では損害を出す可能性が高い。

 ラグナロクは後部デッキを使えば三機の補給が一気にできる。

 

 ペガサス級は大戦の時ほど仕様の利便性が高い。

 

 あたし達は交代で補給をしながら戦線を維持し、連邦のモビルスーツと艦船は次々撃沈され、戦線が決定的に崩壊する前にいくつかのシャトルが地上に脱出する。

 あたし達はそれを確認しながらも、戦線維持で手いっぱいで追撃することが出来ず見逃すしかなかった。

 

 恐らくあのシャトルの中の一つにレビルがいたはず…

 

 あたしは歯噛みする思いをこらえ戦い続ける。

 

 そして数時間後、ルナ・ツーから降伏勧告の受け入れの通信が入るのであった。




地球連邦軍の宇宙における拠点はこれで亡くなりましたが、地上は攻勢限界にあるので、どうやって和平に引きずり出すか? が問題ですね。
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