転生宇宙世紀 ―ジオンの女性士官にTS転生したので、ザビ家は気に入らないけど連邦と戦います― 作:読人不識
宇宙歴 0081年 6月 中旬
「敵機動戦艦多数大気圏上に出現セリ!」
報告を受けたギレンは、
「地上で集めた残存兵力であろう、気にする必要はない」
と受け流していたが、
「なおも増援が増えております」
との報告に、焦りを見せる。
「馬鹿な…シャアめジオンを連邦に売ったか?」
とこぼす。
「ソーラ・レイを敵主力と思しき艦隊が射程に入り次第照射せよ」
落ち付きを取り戻して新公王陛下はそう命じる。
「奴等の増援にも限りはある、ソーラ・レイで主力を落とされては、ア・バオア・クーに満足にたどり着けもすまい」
余裕の笑みを浮かべるギレンに対し、通信機の向こうで命令を受けた技術顧問のアサクラ大佐は
「改良型とはいえ短期間に二度もソーラ・レイを照射すれば、整備や調整で再度照射に数ヶ月はかかるかと…」
苦言を呈する。
「敵主力を落としさえすれば、ア・バオア・クーでの防衛線は勝ったも同じである。再度敵が体勢を整えるまで数ヶ月の時は稼げよう」
不気味な笑みを浮かべてそう断言する。
「はっ! 御命令の通りに!」
アサクラ大佐はモニタの向こうにそういって敬礼すると通信を閉じるのであった。
………
……
…
あたしのラグナロクは二隻のザンジバルを率いて、月を迂回しア・バオア・クー付近へ移送されているソーラ・レイを破壊する為、かのコロニーレーザーを目指して航行している。
移送に際しては月やソロモンから進発した部隊により足止めが行われ、ギレンが予定していたようなスケジュールで動けてはいない。
そう、ソーラ・レイはまだ囮部隊に対し有効な射角を取れていないのだ。
だが、囮がア・バオア・クー近海に着く頃には照射体制を取れているだろう。
ギレン配下でソーラ・レイを運用しているアサクラ大佐は、戦後自分が大量虐殺の実行者という戦犯として裁かれることを恐れ、こちらに寝返っている。
彼からの情報では、本来一撃しか撃てなかったソーラ・レイを、何とか整備して再度撃てるようにしたが、それを続けて二度打てば、再使用には整備や調整が数ヶ月単位で必要になるとのことで、ならばと用意させていた推進力とガワだけの囮艦隊に照射するよう命じてある。
それが一番有効に見えるし、他の侵攻部隊は薄く広く展開し、ア・バオア・クーへと進軍している為戦果を期待できない。
それにガワだけの部隊は、連邦の艦船を大気圏外に打ち上げて停泊させている。
ジオンと協力しているように見えるのは連邦軍の艦隊なのだ。
これでは一見我々と連邦は打倒ギレンで協力してはいるが、必ずしも指揮系統が統一されている訳では無い様に見える。
それをギレンが見逃すとは思えない。
だからこそ数で勝る囮艦隊に必ず一撃入れてくると踏んでいた。
なので時間と距離を置いて、二つの囮集団を用意することにしたのだった。
当初あたしたちだけで、ソーラ・レイに特攻をかけることを考えていたが、それは危険過ぎて割に合わないと言う幾人かの進言により、こういう作戦に落ち着いた。
マ・クベは副官のウラガンを地上に戻し、艦船製造に注力させ、終戦前連邦側の有力者だったあたしの獣姦ショーのファン達に働き掛け、一月でガワだけとはいえ40隻以上の艦船を建造して見せた。
ジャブローだけでなく、地上にあるほぼ全ての施設を使った大動員であったことは間違いない。
地上の動きをギレン側の諜報員に、必要な情報だけを流し、不要な情報を与えないための工作の方が苦労したが、キシリアの復讐に燃えるキシリア機関の全面協力があったおかげで『連邦軍が打倒ギレンという路線でジオン共和国と協力している』という情報が伝わるのみで済んでいる。
実際には連邦は囮艦隊の建造以外では動いてないんだけどね……
協力を得ようと思えば得られる。
だがアルテイシアとキャスバルはそれを嫌った。
連邦政府による内政干渉の口実を嫌ったのだ。
連邦の施設を借りて艦船を建造したのは対価を払っての行動なので、まだセーフ。
だが戦力を借りたら本格的に介入される。
それに突撃機動軍も、攻撃宇宙軍の大半も既にジオン共和国側に寝返っている。
残る問題は、ソーラ・レイの封じ込めであったが、月とソロモンからの足止めが上手くいき、破壊部隊のあたしたちはもう目と鼻の先まで来ている。
有効な射角が取れ次第打つだろうなと思っていたが、早漏ギレンは早速囮部隊に一撃かましたようだ。
ソーラ・レイの破壊力を感じ取り取り乱すアムロだが、向かう先は無人で推進力しか持たないガワだけの艦隊である。
「あんなものがある限り、宇宙移民は安心して暮らせないでござる」
と彼は憤慨しているが、それにはあたしも同感である。
そして数日経って、サラミスやマゼランの外側だけを薄い合金で模った推進力のっけただけの艦隊へ、二撃目のソーラ・レイが照射される。
囮艦隊は消滅するもアサクラ大佐の報告通りなら、これで打ち止めである。
マ・クベを含めたあたしたちの増強大隊は、そこをソーラ・レイ移送部隊に襲い掛かりこれを制圧。ソーラ・レイの発射権限を持つ司令艦を拿捕し、護衛部隊を殲滅。
コロニーレーザー各所に爆薬を仕掛け、
流用されると困るので、パネル部分を含めて細かく粉砕。
これでようやくア・バオア・クーへ向けて本格的な進軍が出来る。
これも全て、あたしに種付け射精したアムロのおかげである。
あたしが思いついていながら形に出来なかった作戦案を彼が察してまとめ上げ、上申してくれたおかげで作戦の成功率が跳ね上がった。
あたし自身はコロニーレーザーの恐ろしさを最初にソロモン沖海戦で見た時から強く印象付けられ、対抗手段をぼんやりと浮かんではいても恐ろしさから形に出来なかった。
でもアムロはあたしの為にその恐怖を振り払って作戦を成立させてくれた。
あの時サイド7で彼と初対面で会った時ドン引きしたが、彼を連れてきて正解だった。
少なくとも彼のおかげであたしの増強大隊は大した被害を出すこともなくソーラ・レイを無力化できたのだ。
怖くて、震えて、泣いたまま特攻していたかもしれないあたしにとって今のアムロはヒーローだ。
それにあたしの
この子の為にもアムロと共にこの戦争を生き抜くのだ!
あたしこの戦争が終わったらアムロと結婚するんだ……
というと縁起でもないと恋人たちが怒るが、彼女等彼等との関係との関係を断ち切るつもりはなく、あたしが産んであげるのはアムロの子供だけだけど、セックスはこれまで通り誰とでもしていい、という条件を彼から勝ち取った。
お尻でさせてあげないと言ったらイチコロだった……
なのであたしとの関係を続けられるため、アムロはあたしの恋人達にフクロにされなくて済んでいる。
あたしに感謝してほしいものだ…原因があたしなのでそれを口にすることはないが……
アサクラ大佐はあたしの艦にクルーとして乗っているが、実際には捕虜である。
彼にはソーラ・レイの問題点と改善点をレポートとして提出してもらい、それをもって免罪するとすることで話がついている。
忙しなく資料を漁ってレポートをまとめる彼の部屋に忍び込み、サキュバス尻尾のアナルプラグを刺し、下腹部に淫紋シールを張り付けたスーパーマイクロビキニの姿で
長くてもあと2~3話で3章は終わると思います。