転生宇宙世紀 ―ジオンの女性士官にTS転生したので、ザビ家は気に入らないけど連邦と戦います― 作:読人不識
「それは、どういう意味で言っているのだね?」
シャア先輩が固い声音で、精一杯感情を抑制させながら問いかけてくる。
あたしは敵意も害意もないことを明らかにするために、穴あきパンツを脱ぎ捨ててシャア先輩に向けて漂わせると、両足を大きくM字に開きおまんこをくぱぁと広げて嫣然と微笑みながら
「完全にあきらめろという話ではありません、あたし自身ザビ家独裁は気に入らないことは事実ですし……姉が嫁いでいるドズル中将はザビ家の方にしては死なせるに惜しい、また地上の戦線を支えるガルマ大佐も然りです。この二人はダイクン暗殺にも関わっておらず、またザビ家の独善的な体質からも比較的色薄い割には連邦との戦争で重要度の高い人物です。そういう人物を殺すのを諦めて頂く、もしくは連邦との戦争が決着してから排除し、共和国制ジオンでのスペースノイドの自治を確立したいのです」
お尻の穴も広げて、暗器を仕込んでいない事を見せつけながら無防備な肢体をシャア先輩に晒しながら真摯にそう説得する。
先輩は数瞬沈思黙考した後。
「要は私のザビ家への復讐よりもスペースノイドの自治確立を優先せよということだな?」
こちらの意図するところに、ズバリと切り込んでくる。
「
蘇った男の知識にあったどこぞの吸血鬼の手下のゲーマーの真似をして対応する。
あれは単語で返してたけど。
「それを飲めと?」
憤りを押し殺した声で先輩があたしに詰問する。
この頃のキャスバルは仮面の下の素顔の更に下に復讐心を押し殺し、親友だったガルマを死に至らしめるほどザビ家への憎悪を持っていたのだ、あたしの言葉だけで止まるとも思えない。
なのであたしは
「妹君……アルテイシア様の行方をお伝えすることもできますが……」
切り札を切る。
「っ!?」
シャア先輩が動揺する。
可能性は低いとはいえあたしの言動がキシリアの罠という可能性すら疑っているであろうキャスバルにとって、妹であるアルテイシアは間違いなく弱点だ、その情報を持っていながら人質に取らず、情報を渡すというのだからこちらに対する心象も改善されると思う。
「その甦ったという記憶にアルテイシアの事も?」
感情を務めて押し殺した声で先輩が問いかけてくる。
「ご明察ですね。先輩の部隊がサイド7に潜入していたら、避難のどさくさで軍人にされてましたよ……今の彼女は先輩が御存じの弱々しいご令嬢ではなく、強かな面を持つ女性に成長されてるはずですけど……」
隠すつもりのない情報なので詳細を含めて先輩に伝える。
「了解した。君は本心からダイクン派への害意はなく。ザビ家でも使えるものは使ってスペースノイドの自治独立を勝ち取ることが最優先と……そういうことだな?」
シャア先輩がようやくこちらに対する警戒を解いてあたしの主張を確認する。
「大筋はその通りですね。サイド7にフラナガン機関に渡すのはもったいない逸材がアルテイシア様を含めて複数人いるようなので、我々の味方に引き込みたい所ですが……」
あたしは次々と情報を開示する。
「アルテイシアに戦争をさせるだと!?」
シャア先輩が反発するが、
「彼女は先輩と一緒だった頃の幼いアルテイシアお嬢ちゃんではなくもう立派な女性ですよ。それにサイド7の逸材の首に鈴をつける意味でも彼女の存在は重要ですし、何より彼女には政治的な手腕が期待できます。保護しない理由はないでしょう?」
具体的なメリットを並べて先輩を説得にかかる。
「しかし私の復讐にアルテイシアを巻き込むのは……」
シャア先輩がグダった物言いを始める。
「先輩、女も十代になれば、意志を持った立派な一人の大人ですよ? 彼女が共に復讐の道をと望むのならともに行けば良いし、復讐すべきではないと思うなら時間をかけてでも話し合うべきでは? そこから逃げることはそれこそ先輩の独善ですよ……」
優しげな声で、しかし自分の思う所をゆっくりと聞かせるように先輩に語る。
「しかし……」
言い淀む先輩にあたしは
「先輩、彼女はもう
覚悟を決めろと強く詰め寄る。
しばらくの沈黙の後、シャア先輩は
「スペースノイドの自治独立……か……優先すべきはそちらなのだろうな……」
力なくそうつぶやく。
その姿を見て子宮がキュンと疼いたあたしは
「せんぱい……」
と声をかけるも言葉が見つからない。
「恐らく……君の言うことをするのが正しいのだろう……だが私は、私が死なせた者の為にも復讐を遂げねばならん……」
この復讐心こそセイラが『兄は鬼子です』とまで言うに至った理由なのであろう、彼を止める術は今はないのかもしれない。
「復讐は何もうまないとか、虚しいだけなんて綺麗ごとを言うつもりはありません、ですがあたしにある何も理想を成し遂げられず苦しんだ記憶の為に、何よりあなたがザビ家への復讐を遂げた先にある未来の為に、復讐の対象を絞って頂きたい……ただそれだけです……」
先輩の方に漂って行き寄り添うように体を預けながら諭すように囁く。
シャア先輩はあたしを強く抱きしめると
「忠言……痛み入る」
ふり絞るようにそう返す。
「恐怖と不安に苛まされ続けたこの人の人生に、少しでも安息が訪れますように……」
小さくそう呟きながら、先輩の頭をあたしの胸に抱え込み、背中をポンポンと優しく撫でる。
しばらくそうやって睦み合っていると、シャア先輩はあたしの胸から顔を離し、
「そろそろ自分の
と言ってあたしから身を離し、漂っていたノーマルスーツをあたしによこす。
「
蠱惑的な微笑みを浮かべシャア先輩に問いかけるも、
「そういう気分ではなくなった。ソロモンで乗員を補充した後、君たちを月に送り届けてからサイド7の様子をうかがうつもりだ」
そう言って軍服を身につけ始めるシャア先輩。
あたしはエロ下着を身につけてからノーマルスーツを装着する。
「あたしの理想に賛同して下さるので?」
一応確認してみる。
「サイド7にアルテイシアがいるのなら、兄妹揃ってザビ家を打倒した先の未来を考えるべきなのだろう……まずはそれからだな」
自らに言い聞かせるようにシャア先輩がそう呟く。
「あたしの中によみがえった記憶によれば、先輩は木馬型の撃沈をジオン十字勲章ものだと評価していたはずです。そうするとあたしも佐官に昇進するので、ラル大尉を呼び寄せて地上の援軍に向かおうかと……サイド7の逸材を登用してからになりますが」
あたしがこれからの方針を先輩に相談すると
「やはり、地上の拠点確保がジオンの命脈を繋ぐ道か?」
と、問い返す。
「レビルが連邦に帰還したことにより、我が軍が当初目指していた短期決戦という目標は敗れました。今後は戦争の長期化に備えるべきでしょう。幸い連中の反抗作戦の切り札の一つは押さえました、今後は戦術思想も大きく変化するでしょうし、それに伴ってザビ家内部の暗闘も激化するかと……」
暗に先輩が手を下すまでもなくザビ家崩壊の可能性を示唆する。
「ザビ家の共食いか……可能性は大いにあるだろうな。だが私の手で成さねばならんのだ」
そういう先輩の瞳からは復讐の炎に翳りが見て取れた。
ザビ家への復讐だけではなく、ジオンの理想……スペースノイドの自治独立を思い出せたせいか? それとも妹可愛さか?
どちらにせよシャア先輩が復讐だけに全力で突っ走り連邦の前にジオンが崩壊する未来は避けねばならない。
その為にもサイド7でアムロとセイラを保護する必要はあるだろう。
この頃のシャアは復讐に全てを賭けていて他に目標ないイメージですが、皆さんは如何ですか?
サラちゃんはシャアにさらに先の未来の可能性を示唆しましたが、彼はそれをどう自分の中で消化するのか?
今後もお楽しみください。