転生宇宙世紀 ―ジオンの女性士官にTS転生したので、ザビ家は気に入らないけど連邦と戦います― 作:読人不識
でも大体こんな感じの流れが今後も続くかと思います。
見せたいものと、読みたいものが一致した時物語は始まる…なんか〇条さんぽい事言っちゃいましたけど、どれだけの方が御拝読くださるか、毎日不安で10時間くらいしか眠れませんw
「どうせガルマを死なせた直後に、あなたの正体はキシリアにばれますよ」
忌々しげにあたしを睨みつけるシャア少佐に対して、本来なるはずだった未来を告げる。
「どういうことですかな?」
ハモンさんと顔を見合わせてから、ラル大尉が問いかけてくる。
「その女は、私がザビ家への復讐を成し遂げた先の未来には、連邦による腐敗しかないと言い張るのだよ」
吐き捨てるようにシャア少佐がそういう。
そこまで嫌う必要あるか?
「セイラ・マスいえ、アルテイシア・ソム・ダイクンは今サイド7にいます。少佐の部隊がV作戦の成果を奪取しようとしていたら、被災してホワイトベースに難民として収容され、機密に触れた結果、軍人として徴集されていたでしょうね…そうさせなかっただけでも感謝してほしい所ですが……」
あたしに対するシャア少佐の嫌悪感の発露に対して、へこみながらそう返す。
「だから君の望み通りランバ・ラルに、身の証を立てただろう?」
イラつきを隠そうともせずシャア少佐があたしに向かってそういう。
「サラ大尉はニュータイプなので?」
窺う様にハモンさんがあたしに問いかける。
「それは分かりません。あたしは、それがそうなるということを知っているだけで、ニュータイプかどうかなんて、分かりません。以前は、少しお勉強が出来て、ちょっとだけカンの良いだけの女だった訳ですし……」
肩をすくめてハモンさんに返す。
「『自分は特別だ』と思っていなくても、おかしなことをするのが君という女だよ。君の普通は
シャア先輩があたしの異常性をラル大尉たちに説明する。
そこまでおかしなことはしてないだろう? 少なくとも学生の身分で蜂起なんてしなかったし…
「あたしが異常者だと仰りたいのは分かりましたから、話を元に戻します。現状のジオン勢力圏の人材のみでの地球支配は現実的ではありません。戦力的にはオデッサあたりに一極集中させたい所ですね。北米は資源的においしい訳ではありませんから。ですがそれをすればジリ貧になる。理想を言えば、北中米を拠点として押さえ、ジャブローへと睨みを利かせることで、地上での支配権確立へと貢献してほしい。それにガルマ大佐は神輿として担ぐには都合が良い……ですが現実的にジオンによる支配権の確立のためには人材が足りない…」
あたしが現状を冷静に説く。
人があまりにも足りていないのだ。
レビルが発言した
『ジオンに兵なし』
とは言い得て妙で、ジオンには兵どころか内政官すら足りていないから軍事政権にせざるを得ないだけなのだ。
そこを巧妙に突いて勢力を増しているのがザビ家であり、その独裁体制なのである。
だが国民の母数を増やしてやれば彼らは有力ではあっても絶対にはなりえない。
その点をシャア少佐とランバ・ラル大尉とハモンさんに説明する。
現状のジオン公国による勝利の為の戦略は破綻している、だがギレンはソーラレイによって連邦に一撃浴びせる可能性があり、それ次第では逆転の可能性はある。
しかしそれは新たな差別の温床となるだけで、ダイクンの主張した人類の変革への道ではない。
焦土戦略により多くを切り捨て、数多の命を犠牲にして、手に入れた楽園は地獄だったという話では笑うに笑えない。
ギレン主導の現状では連邦の腐敗した統治か? ギレン信奉者という圧倒的少数しか幸せになれない未来しかないのだ。
あたしはそこにガルマを担ぎ出すことで、デギン、キシリア、ドズルを巻き込み、ジオンの母体を肥大化させ、ザビ家を少数派に追いやるという構想を滔々と論じる。
立ち上げてしばらくはガルマを旗頭にして、長期戦に耐えうる体制を整え、ザビ家の内乱がどうせ起きるであろうから、そうしたらキャスバルが立てばいい。
拡大路線を取ろうがどうしようが、ザビ家は共食いで果てるというのがあたしの見込みだ。
「君の言いたいことは分かったが、ザビ家内で争いが起きなかった場合はどうするのかね?」
まだ少々キツイ口調でシャア先輩があたしに問う。
「長期戦に耐えられる体制を築いた後ならガルマ辺りを暗殺すれば、ドミノ倒しになるかと…」
あたしは冷然と言い放つ。
「君にそれが出来るのかね?」
シャア先輩が問いかける。
「何も謀略がキシリア機関独自の物である訳ではありません。国民の母数が多くなれば、そういう手段を警戒してやりにくくはなるでしょうが、使い捨てられる駒はいつの時代、どんな国でも一定以上いるものですよ」
敢えて感情的な部分は語らず手段はいくらでもあると話をする。
一時期は肉体関係であったが、それも過去の事である。
あたしは過去に囚われて、なすべきことをなせない女になった訳では無いのだ。
「ならば君が自らの主張によりギレンを翻意させられるという根拠は?」
シャア先輩が詰問する。
「連邦の新型ですよ」
あたしは平然として応える。
「どういう意味かね?」
訝しげにシャア先輩が問い返す。
「恐らく連邦はあれと同系統の機体を他にも開発しているはずです。ルナ・ツー勢力範囲内とはいえ、宇宙で開発する
あたしは今世で得た経験と前世の知識を合わせて回答する。
「確かに敵の勢力圏の目の前だけで、最新鋭機の開発を行うのでは危険すぎますな」
ラル大尉があたしの言を支持してくれる。
「君の言うことはもっともだが、それでギレンが動くと思うかね?」
シャア少佐が懸念事項を口にする。
「今ザビ家で最も危険な前線で戦い、最も懸念されているのは末子であるガルマの安否です。そこをつつけばギレンが否と言っても、他のザビ家の連中が納得しますまい?」
ジオンの凋落はガンダムの開発成功ではなく、ガルマの戦死から始まる。
少なくともあたしはそう思う。
「良かろう、君の口車に乗ってやろうではないか。私を失望させるなよサラ大尉……ランバ・ラルは私たちに就くということで良いな?」
シャア少佐が念を押すようにそう尋ねる。
「ダイクンの遺児たるキャスバル様にお仕え出来ることこそ、我が本懐。サラ大尉、アルテイシア様の保護に動いても?」
シャア少佐にそう答えて、ランバ・ラルがあたしに問いかける。
「サイド7には、ズムシティでの公用が済んでから、あたしが向かいます。ラル大尉とハモンさん達には、その際、御同行お願いいたします。サイド7にはニュータイプの素質を持った少年もいるようなので、彼を是非とも我が方で保護したいかと……ラル大尉には彼の教育と訓練をお願いいたします」
頭を下げてアムロの育成をお願いする。
「サラ大尉がそこまでなさるほどの逸材ならば否はない」
受け入れてくれるラル大尉。
「サラ大尉サイド7へ行くのなら、サイド6のバルダコロニーに寄るといい。面白い人物がいるので、君もそのニュータイプの少年を連れてあってみるといい」
シャア先輩が揶揄う様にそう告げる。
「……承知しました」
あたしは訝しげに返答すると、記憶をめぐらし、前世の記憶を漁る。
サイド6? バルダ? もしかしてララァ・スンか?
自分の中で納得するが、少佐はあたしをニュータイプだとでも思っているのだろうか?
まさかそこまで都合よくはいくまい…あたしは前世の記憶という、訳の分からないものを持っていると勘違いしてるだけの怪しい女でしかないのだろうし……
「では当面の方針は、『ズムシティでギレンを翻意させ、長期戦に耐えられる下地を作り、ガルマを旗印に融和派を結成する』そしてザビ家の暗闘を助長させ、奴等を共倒れさせる。で、良いな?」
シャア少佐が場を仕切り、そう結論を出す。
「「「承知しました」」」
あたし、ラル大尉、ハモンさんが声を揃えてそう返答する。
これで賽は投げられた。
もう後には引けない……
せめて、姉さんとミネバが少しでも幸せになれるように、ドズル中将には渡り切ってもらいたい。
見たいシチュとかリクエストあったら教えて頂けると幸いです。
自分のやりたいことだけでやっちゃうと、ドマイナーにしかならなさそうなのでw