BanG Dream!~happy? or Un happy~ 作:TRcrant
(いよいよ、明日か……)
あっという間で長かった一週間も、そろそろ終わりを迎えようとしていた。
明日から学校は休み。
そして明後日も祝日なので休みというまさに天国のような日だ。
いろいろなことがあった六日間だが、それも今日で終わりだ。
「よし。頑張ろう」
俺は自分にガッツを入れるようにつぶやくと、自室を後にする。
「兄貴」
「明。なんだ?」
部屋を出てすぐ、弟の明に呼び止められる。
格好を見るに、朝練に行くようだ。
「俺、今日は練習で帰るの遅くなるから」
「そうか。分かった」
俺の返事を聞いた明はそのままスタスタと玄関のほうに歩いていくと、そのまま家を後にした。
(あいつも荒れてるな)
彼女と別れてどれほど経ったのか、明はあれから部活に精を出しているところを見ると、まだ吹っ切れてないのではないかと思ってしまう。
「っと、俺も早くご飯食べちまうか」
俺は明のことを頭の片隅に追いやり、朝食を摂るべくリビングに向かうのであった。
「あ、茂君。おはよう」
「おはよう、香澄」
通学路のいつもの場所で、俺は香澄と合流する。この瞬間が一番幸せだったりするのだ。
「じゃあ行こうぜ」
「うん!」
俺たちは自然な動作で手をつなぐと、学校に向かって歩き出す。
「ねえ、茂君」
「ん?どうしたんだ?」
不意に声をかけてくる香澄。
「あのね……。今度の日曜日のことだけど……」
彼女は少し恥ずかしそうな表情を浮かべながら、そう話を切り出す。
「ああ。そのことなら心配しなくていいよ。ちゃんと考えてあるからさ」
「えへへ。ありがとう」
香澄は嬉しそうだ。
そんな彼女の笑顔を見てるとこっちまで幸せな気分になる。
「でも、本当に大丈夫かなぁ……?」
不安げな顔を見せる香澄。
「何がだ?」
「もし茂君のお母さんの予定が変わっちゃったら……」
「それはないと思うぞ」
母さん……というよりは父さんの仕事柄、急な仕事が入ることはよくあることだ。
しかし、今回の件に関してはその可能性がないことは確認済みだ。
なので、懸念することはないと言っても過言ではない。
「それにしても楽しみだよねー」
「おう。そうだな」
俺と香澄はお互いに見つめ合いながら笑い合う。
そして、俺は自然な動作で香澄の手を握る。
「えへへ」
香澄は照れくさそうにはにかみながらも、しっかりと握り返してくれるのがとても嬉しい。
このまま時間が止まればいいのにと思ってしまうくらいに幸せな時間が流れる。
そんな幸せを噛みしめながら、俺たちは学校に向かって歩いていくのであった。
学校に到着した俺と香澄は教室に入る。
そこには既に多くの生徒がいた。
「おはよ、茂」
先に登校していたクラスメイトたちが挨拶してくる。
俺は香澄と分かれて、軽く手を挙げてそれに応えながら自分の席に向かう。
「ふぅ」
俺は席に着くと同時にため息をつく。
(今日も一日が始まるか)
明日から二日間休みとはいえ、授業はあるわけだし、気を抜いてはいられない。
(さて、今日も頑張りますかね)
俺は頬杖を突きつつ、窓の外を見やる。
しばらくするとHRを告げるチャイムが鳴り響く。
それと同時に担任の教師が入ってくる。
「はい、みんな座って」
クラス委員長である女子生徒が号令をかける。
全員が着席したのを確認して、先生が話し始める。
「えっと、まずは連絡事項からね。……明日から二日間学校はお休みになるけど、くれぐれも羽目を外さないように。これからプリントを配ります」
そう言ってプリントを配り始める。
「うぇ~」
「マジか」
「せっかくの休みなのにぃ……」
プリントを受け取った生徒たちから不満の声が続々と上がっていく。
(なんだか嫌な予感がするな)
そんな俺の予感をよそに、俺のもとにそのプリントが渡される。
「ああ、ありがと」
俺はそれを受け取って内容を確認する。
「……」
案の定というべきか、それは大量の課題であった。
ホッチキス止めされていたそれは優に5枚くらいある。
「嘘だろ……」
俺は思わずつぶやいた。
「はい静かに。期限は週明けのHRまで。やらなかったら補修だから、ちゃんとやるように」
そう言うなり、教師は教室から出ていく。
「はぁ……」
「まじかよぉ」といった声を耳にしながら、俺は思わず深い溜息をついてしまうのであった。
放課後、俺の席に香澄がやってくる。
「茂君、これどうしよう」
香澄の手にあるのは、朝に渡された課題だ。
「とりあえず、家でやってくしかないな」
「うん、そうだね」
俺の言葉に、香澄は困ったような表情を浮かべる。
(まさかこんなところに落とし穴があるとは)
連休ではあるが、教師からすればそう言うところにこそ何かをさせたいと思ってもおかしくはない。
(さて、どうするか……)
先生から渡された課題は、量的にはこの連休中にちゃんと終わらせられるほどだ。
だが、俺の場合は明日一日は香澄と一緒に過ごす日に決めている。
果たして、二日でこの課題を片付けることができるのだろうか……。
「あ、あのね。茂君」
不意に声をかけてくる香澄。
「ん?どうかしたのか?」
「えっと……。その……」
香澄は少し恥ずかしそうな様子を見せる。
「えっとね……。その、もしよかったら……なんだけど……一緒にしない?」
「えっ!?」
それは、俺にとって予想外の言葉だった。
「ダメ……かな……?」
「いや、かまわないぜ」
不安げな表情を浮かべる香澄に俺はすぐに返事をした。
「じゃあ、どこでやる?」
「そうだなぁ……。図書館とか?」
香澄の問いかけに、俺は場所の候補を口にする。
こういう勉強ごとならば、図書館は定番中の定番と言っても過言ではない。
「えっと……図書館、今日は開いてないみたい」
「マジか」
スマホで調べたのか、画面を見せながら香澄はそう言ってくる。
確かに、スマホには今日は図書館は休館だと書かれていた。
(まいったな)
今日に限って休館なんてついてないとしか言いようがない。
教室でするのも手だが、下校時間を気にする必要もあるのが難点だ。
(さて、どうしたものか……)
俺は腕を組みつつ思案を始める。
「ね、ねえ」
その時、香澄がどこか控えめな様子で声を上げる。
「なんだ?」
俺は顔を上げて香澄を見る。
「そ、それならさ。私の家に来れば、いいんじゃないかなって思って……」
「えっ……」
香澄の申し出に、思わず固まってしまう。
「い、嫌だったら大丈夫だよ」
俺の反応を見て、香澄は慌ててそんなことを言う。「えっと……。嫌ってわけじゃないんだが……」
「ただ、ちょっと驚いただけだ」と俺は続ける。
「そう、なんだ……」
「でも、本当に俺が行ってもいいのか?」
俺がそう尋ねると、香澄は「うん」と答える。
「そ、それに、今日は家には一人しかいないし……」
香澄はそこまで言うと、顔を赤くして口ごもる。
(つまり、香澄と二人っきり……ゴク)
二人っきりで勉強をするというある意味理想的なシチュエーションに、俺は思わず喉を鳴らす。
(そういえば、俺の家も今日は母さん達がいなかったっけ)
ふと、そこで俺も家に誰もいないことを思い出す。
母さんはともかくとして、明の場合は遅くなるときは決まって遅くなるので、帰ってくる心配はない。
問題があるとすれば母さんくらいだが。
だが、香澄の部屋がどんな場所なのか気にならないと言えば嘘になる。
とはいえ、香澄の両親や妹が帰ってこないとも限らない。
俺の家で課題をやるか、それとも香澄の家でやるか。
俺はどうしたものかを考える。
そして、俺は結論を出した。
俺たちが課題をやる場所は―――
今回が最後のアンケートになります。
今回も今までと同様、主人公に取らせたい行動を選択してください。
得票数の多い選択肢の行動を主人公が実際に取ります。
回答期限は、7日後の5月6日までとさせていただきます。
皆様の投票をお待ちしております。
主人公の選択は
-
―――香澄の家でする
-
―――茂の家でする