BanG Dream!~happy? or Un happy~ 作:TRcrant
「俺でよければ、できる限り協力します」
俺は、生徒会の手伝いをすることにした。
「ありがとうございますっ。よろしく、お願いします。斎藤君」
「私も、歓迎しますよ」
俺の答えに、喜びをあらわにする白金先輩と氷川先輩。
よほど人手が足らなくて困っていたのかもしれない。
「………」
一方の有咲のほうはというと、口には出していないがその表情は嬉しそうだった。
ふと目が合うと顔を赤くしてそっぽを向く辺り、いつもの彼女らしいともいえる。
「では、明日の放課後からよろしくお願いします」
「はい。こちらこそよろしくお願いします」
話をまとめるように口にした氷川先輩に、俺もそう返したことで話は終わりとなり、俺生徒会室を後にした。
「……」
「……」
帰り道、手をつないで歩く俺と有咲だったが、会話は全くなかった。
「よかったのか?」
「え?」
唐突に足を止めて俺のほうに視線を向けて口を開いた有咲に、俺は思わず聞き返す。
「生徒会の手伝い。引き受けちまってよかったのかよ。クラスの方だってあるのに」
「それは……まあ、事情を離せば理解してくれるから大丈夫だ」
亮に一週間何か奢らされるのは確定だろうけど。
「サンキューな。心配してくれて」
「べ、別に心配なんてしてねーしッ」
お礼を言われた有咲が顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
それが照れ隠しだということを知るのに、時間はかからなかった。
「それに有咲と一緒に何かをできるの、俺はうれしいからな」
実はそれが一番の動機だったりするのだが、これは言わないほうがいいだろう。
「は、恥ずかしいこと言うなッ」
現に、俺の言葉で顔を真っ赤にした有咲が怒った様子で声を荒げてくるのだから。
「有咲はどうだ? 嬉しくないか」
「わ、私も……嬉しい」
俺の問いかけに、有咲は真っ赤な顔のままぼそっと囁くように答える。
そんな彼女の反応に、俺はつい笑みを浮かべてしまう。
「もうっ。笑うなっての!」
そのせいでさらに有咲は恥ずかしくなったらしく、怒られてしまった。
だけど俺は、彼女がかわいくて仕方がなかった。
「悪い。でもかわいいんだよ。お前の反応」
「うぅ~」
俺の言葉に、彼女は不満そうな目つきで睨んでくるけれど、それもまたかわいく見えて仕方がない。
そのまま俺たちはまるで吸い込まれるように唇を重ねた。
「んっ……」
唇を重ねると、有咲がぴくんと震える。
緊張しているのか、あるいは興奮しているのか……。
いずれにしても、今の俺にとってそれはとても心地よく感じられた。
「っ……」
そして俺と有咲はそのまましばらくキスを続ける。
「ぷはぁ……」
やがてお互いに息苦しさを覚え始めた頃になって、俺たちはようやくお互いの口を離す。
「茂……」
俺の名前を呼んだ有咲の顔は、どこか熱っぽくなっていた。
「じ、じゃあなッ」
「あ、ああ」
少し名残惜しそうにしている彼女だが、すぐにハッとした表情になり慌てて俺に背を向けると駆け出して行った。
俺も彼女に軽く手を振ると、自分の家へと帰ることにした。
こうして、俺の長い一週間は始まるのであった。
翌日、教室に入って早々に俺は亮に先日の放課後のことを説明した。
「へぇ、生徒会の手伝いねぇ」
話を聞いた亮は、特に驚いた様子を見せなかった。
「あれ? 驚かないんだな」
「まあ、茂は人望もあるし、生徒会の手伝いをお願いされたとしても、不思議じゃないからな」
「そうか?」
自分ではよくわからないけど、亮が言うなら間違いはないのだろう。
「それで、クラスのほうは手伝えないってことか?」
「ああ」
俺はクラスの出し物の手伝いがあまりできないことを亮に伝える。
「なるほどね。わかったよ」
亮は特に嫌な顔をすることなく、俺の頼みを聞いてくれた。
「助かるよ」
「気にするなって。そのかわし昼飯驕れよな」
「……」
相変わらずちゃっかりしてやがる。
(まあ、昼飯くらい奢るか)
そんなことを思いつつ、俺は何とか生徒会の仕事を手伝えるようになるのであった。
放課後、俺は生徒会室を訪れた。
「斎藤君。よろしく、お願いしますね」
「はい。それで、俺は何をすれば」
「えっと、この書類の金額を計算して合っているかを確認してください」
白金先輩から渡されたのは、各クラスや部活から提出された文化祭の予算申請書のようなものだった。
(せ、責任重大だ)
「はい。わかりました」
俺は緊張した面持ちで書類を受け取ると、早速仕事に取り掛かることにした。
すると、そんな俺の様子に気づいた有咲が話しかけてきた。
「茂。あんまり無理すんじゃねえぞ」
「あ、ああ。ありがとう」
有咲の気遣いに感謝しつつ、俺は仕事に取り掛かることにした。
計算自体は電卓などを使っているので、間違えることはそうそうない。
どうやら最終確認のようなものだったようで、そう言う意味ではヘルプで呼ばれた俺でも落ち着いてやれば滞りなくできなくもないものだった。
(それにしても)
俺は、部屋の中を見て、初めて生徒会の忙しさを知ったような気がした。
目を回しながら走り回る……ということはないけれど、白金先輩や氷川先輩に有咲はせわしなく手を動かし続けていた。
(俺も頑張らないとな)
俺は自分に気合を入れ直して目の前の作業に取り掛かる。
それから少し経った時だった。
「斎藤君。ちょっといいですか?」
「はい、なんですか?」
突然氷川先輩から話しかけられた俺は手を止めて彼女の方を見る。
「この書類を宮田先生に届けておいてほしいんです。本当は私が行くべきなんですけど、ほかにしなければいけないことがありまして……」
申し訳なさそうな顔で言う氷川先輩。
生徒会の仕事が忙しいのは、しっかりと目の当たりにしているのでよくわかるし、俺も快く引き受けたい。
(しかし、宮田かぁ)
ただ、相手が宮田でなければだが。
宮田先生というのは、生活指導の主任教師で、厳しいことで有名だった。
ひとたび目をつけられれば内申点にも響き、この教師が気にくわない生徒の志望校推薦を取り消させたという噂まで存在するよな人物なのだ。
俺自身は特に何かをされたというわけではないが、ぱったり廊下で合った時などに蔑むような目で見られたことがあり、苦手な先生なのだ。
(とはいえ、氷川先輩の頼みを断るのもなぁ)
そう悩んでいた時だった。
「あの、それなら私が持っていきます」
突然名乗りを上げたのは有咲だった。
「市ヶ谷さんが、ですか?」
「はい。私は生徒会の書記ですし、手伝ってくれている彼にそこまでお願いするのは申し訳ないですから」
そう言ってこっちのほうを見る有咲に、俺は彼女の意図がわかったような気がした。
(有咲、もしかして俺のために)
おそらく、有咲は俺が宮田のことが苦手なことを知っている。
それで自分が代わりに行こうとしているのかもしれない。
(このまま甘えてもいいのか?)
有咲の気遣いは、俺の中でさらなる葛藤を生んでしまった。
「確かにそれもそうですね……。わかりました。では―――」
有咲の提案を受けて、氷川先輩が口を開く中、俺は――――
アンケートの回答ありがとうございます。
アンケートの結果、難易度は『HARDモード』となります。
*『HARDモード』=バッドエンド確定ということにはなりません。
そして、次のアンケートになります。
主人公に取らせたい行動をお選びください。
得票数の多い選択肢の行動を主人公が取ります。
なお、本アンケートよりパラメーターの値が変動しますのでご注意ください。
期限は一週間後の6月16日までとなります
主人公の選択は
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―――届けに行く
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―――有咲にお願いする