BanG Dream!~happy? or Un happy~ 作:TRcrant
「いえ、俺が行きます」
さすがに彼女に押し付けるのは気が引けた俺は、自分が行くと口にした。
「いや、私が行くから茂はここで作業でもしてろって」
「いやいや、そう言う有咲こそ――――」
お互いに一歩も譲らずに言い合っていると、氷川先輩が咳ばらいをする。
「それでしたら、お二人で行ってきてください」
「「え……」」
氷川先輩の提案に、俺たちはほぼ同時に氷川先輩のほうに顔を向ける。
「このままだときりがないので、二人でその書類を届けてきてください」
「「……はい」」
チクリチクリと棘のこもったような言葉に、俺たちはいたたまれない雰囲気の中書類を手にすると、逃げるように生徒会室を後にするのであった。
「ここか……いいか、渡すのは私だから、茂は隣にいろよな」
「ああ、それでいいよ」
生徒指導室を前に、俺は有咲からの要求に、半ば投げやりに頷いた。
こうなると有咲は意地でも意見は変えないのは、これまでの付き合いで嫌というほどわかっていた。
「生徒会の者です」
『入りなさい』
そんな俺をしり目に、ドアをノックする有咲に、中から宮田先生の声が返ってくる。
「失礼します」
「……失礼します」
有咲に続いて俺も生徒指導室に足を踏み入れる。
中には先生だけしかおらず、机の上には書類が置かれていた。
「市ヶ谷と……齊藤か。何の用だ?」
(ん?)
一瞬なんだか違和感を感じた俺だったが、それを頭の片隅に追いやった。
「えっと、生徒会の書類を提出しに来ました。こちらです」
そう言いながら書類を先生いて渡した有咲を前に、宮田先生は書類を確認していく。
「おい。ここ間違ってるじゃないか」
「え?」
顔をしかめながらの指摘に、有咲は驚いた様子だった。
「ここだ、ここ。私はここはこういう風に書くようにと伝えておいたはずだ」
「あの、その個所は―――「生徒会が言い訳をするなッ」――す、すみません」
(おいおい、いくらなんでもそれはねえだろ)
どういうことかはよくわからないが、頭ごなしに怒鳴り散らしている宮田先生の様子に、俺は不快な気分を抱いた俺は、有咲を守ろうと口を開いた。
「先生、いくら何でもそう言ういい方は――「なんだ齊藤。お前教師に楯突く気か?」――い、いえ。そんなことは」
有咲を守ることはできたが、代わりにその矛先がこちらに変わる。
先生の高圧的な視線が俺に向けられる。
「大体、お前は生徒会の役員ではないはずだ。お前は生徒会の名を騙ってるのかッ」
「ち、違いますッ。彼は生徒会長と風紀委員長からの要請で臨時の役員として手伝ってもらっているんですっ」
声を荒げて激昂する俺をかばうように、有咲が声を上げる。
「……まあいい、斎藤は出て行きなさい。市ヶ谷、お前はここに残って事情を聴かせてもらおうか」
「なッ!? どうし――「いいから、生徒会室で待ってて」――だ、だけど……」
有咲に部屋に残るように指示を出した先生に反論しようとする俺を、有咲が手で制する。
その目は、あまり逆らうなと言っているようなものだった。
「………失礼しました」
結局、俺は半ば追い出される形で生徒指導室を後にするのであった。
「あ、斎藤君」
「ずいぶん遅かったですね……あれ、市ヶ谷さんは」
生徒会室に戻ってきた俺を出迎えた氷川先輩と白金先輩が俺だけしかいないことに首を傾げる。
「実は……」
俺は二人につい先ほどあったことを説明した。
「そんなことが……」
「………」
申し訳なさそうな表情を浮かべる白金先輩とは裏肌に、氷川先輩は何やら引っ掛かっているような表情を浮かべていた。
「氷川先輩、どうしましたか?」
「いえ……あの書類は……何でもありません。忘れてください」
氷川先輩の煮え切らない言葉に、俺の疑問はますます増していくばかりだった。
「とりあえず、作業のほうを進めま……しょう」
白金先輩のその提案に、俺は頷くしかなかった。
夕方になり、生徒会室は夕陽に照らされていた。
そんな中、俺は一人で有咲が戻ってくるのを待っていた。
(遅い。やっぱり有咲の身に何かがあったんじゃ……)
そんな不安を抱き始めた時、生徒会室の扉が開かれた。
そこに立っていたのは有咲だった。
その姿は、どこか少し疲れている様子に見えた。
「何があったんだよ」
「それは……」
言いよどむ有咲に、俺は心配になって有咲をさらに問い詰める。
「何か、あったのか?」
「別に、なにもねえし」
有咲は顔をうつ向かせながら答える。
だが、その態度は明らかに嘘をついているようにしか見えない。
「「……」」
とはいえ、有咲は頑なに話そうとしないため、生徒会室は重苦しい雰囲気に包まれる。
その時だった。
「んッ!」
有咲は唐突に身を乗り出すようにして、唇を重ねてきたのだ。
(え? え?)
あまりに急な出来事に、俺は頭が混乱してしまう。
「んんッ」
さらに、有咲はさらに強く俺に抱き着いてきて、体を密着させてくる。
「あ、ありさ……?」
戸惑いを隠せない俺は有咲を引き剥がそうとするが、有咲はそれを許してくれない。
それどころか、有咲は俺の背中に回していた手で頭を両手で掴んでくる。
そして有咲の柔らかい舌が俺の口の中に入ってくる。
「んッ!?」
突然の出来事に戸惑うばかりの俺だったが、やがて有咲の甘い唾液が俺の脳を痺れさせる。
そして、そのまま俺の口の中に自分の舌を入れ、絡めるように動かし始める。
「ふぁ……れろぉ……ちゅぱ……はぅ……じゅぷ」
有咲の口から漏れる艶めかしい声に、俺の理性はどんどん溶かされていく。
(このまま、されっぱなしじゃいられねえッ)
俺は、そう思って反撃に出る。
有咲の腰を引き寄せて、こちらからも舌を絡ませる。
「ん!? ひゃう!?」
有咲が驚きの声を上げるが、それでも俺は止まらない。
有咲の歯茎をなぞったり、有咲の舌を吸い上げたりする。
それはまるで何かの戦いのような感じだった。
「はむ……あむ……じゅる……はむ……」
俺の攻めに耐えられなくなったのか、有咲も負けじと動き始め、お互いに主導権を渡さないと言わんばかりに舌を絡ませ合わせていく。
「「ぷはぁッ!!」」
どちらからというわけもなく、自然と俺達が離れると俺たちの間に銀色の橋がかかる。
濃厚とも言えるようなキスに夢中になっていた俺たちには、ほんの数秒程度のことが、長く感じられた。
「はっ……はあっ……はああ」
「はー……はー……はー……」
荒い息遣いをしながら、俺達は呼吸を整える。
(やばい、すげえ気持ちよかった)
俺は、キスだけなのに今まで感じたことのない快感に酔っていた。
それは、普通に唇を触れ合わせるだけのキスでは得られないものだった。
有咲のほうを見ると、彼女はまだ余韻に浸っているようで、どこかボーっとしていた。
そんな有咲の姿に、俺は思わずドキッとする。
「いきなりどうしたんだよ」
「……」
俺はそれを振り払うように頭を軽く振って有咲に尋ねるが、有咲は何も答えない。
その顔には、どこか寂しげな表情が浮かんでいた。
「何かあったんだろう?話してくれないか」
「……ごめん」
俺が再度問いかけても、有咲は謝るだけだった。
そして、そのまま有咲は俺から逃げるように生徒会室を出て行ってしまった。
「何だって言うんだよ……一体」
俺は、有咲の行動の意味がわからず困惑するしかなかった。
まだ始まって間もないので、あっさりめです。
そして、ここで大事なお知らせです。
簡単に申し上げますと難易度のバランス調整につきまして、読者の皆様のお力をお借りしたいと思います。
有咲編が始まって、『HARDモード』追加などを行いました結果、難易度のバランスがややおかしくなっているのではと思うようになりました。
簡単すぎても駄目ですが、難しすぎるのも問題のためそれを是正するべく新案を考えた次第です。
下記にて、簡単に新しい案を記載いたしますので、そちらが良いか、それとも現状でいいかのお声を聴かせていただきたいと思います。
期間は、有咲編終了までとさせていただきます。
読者の皆様には大変ご迷惑をおかけしますが、ご容赦いただけますと幸いです。
なお、詳細な内容は活動報告(『BanG Dream!~happy? or Un happy~』の進行の仕様変更について)でも記載しておりますので、お時間がありましたら是非そちらもご一読ください。
他にも、提案やアドバイスがありましたら教えていただけると幸いです。
新案
・難易度システム『HARDモード』を廃止。
・選択肢を3個に固定。
・エンディング数を3つまで削減。
・エンディングの判定は各選択肢に割り振られたポイントを使用。
⇒七日目の時点でポイントがマイナスになっている場合は、バッドエンド。0の時はノーマルエンド。プラスの時はハッピーエンド。
・夕方パートの廃止
⇒これに伴いまして、サービスシーンは基本的に無くなります。
*上記仕様はあくまでも考案中の物になりますので、変更になる場合がございます。
H:1(+1)
B:0