※この作品はR-18です。

BanG Dream!~happy? or Un happy~   作:TRcrant

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三日目(夕)

「それじゃあ、備品チェックのほうをやります」

 

俺が選んだのは、備品チェックだった。

やはり沙綾を待たせている以上、早く終わらせるに越したことはないだろう。

 

「……そうか」

 

俺の答えを聞いた木村先輩はそう相槌を打つと、俺から視線を外して手にしていたバインダーを俺に渡してきた。

 

「そのリストにある備品の数をカウントして前に確認した数と伊佐がないかを確認しろ。終わったら、俺に渡すよに」

「はいッ」

 

俺は木村先輩からの説明に、バインダーを受け取りながら返事をすると速足で体育館倉庫へとかけて行くのであった。

 

 

 

 

(よし……)

 

体育館倉庫に着いた俺は、早速リストを確認することにした。

 

「えーっと……」

 

リストを確認した俺はボールカゴやマット等の用具を次々と確認していく。

そして、リストに記載されている用具の数を数える。

数え終えた俺は、再びリストに目を通して個数と確認済みであることを示す印を書き込んでいく。

リストに書き込む作業を終えた俺は、次に用具の確認を始める。

一つ一つ丁寧に確認し、リストに記載された数が合っていることを確かめる。

 

「……ふぅ」

 

全ての用具の確認を終えた俺は、一息つくように軽くため息をつく。

 

「よしっ!」

 

全て数え終えた俺は、小さくガッツポーズをする。

リストに書かれた用具の数は、すべて一致しており、ちゃんと全部揃っていることを確認した。

 

「さてと……」

 

俺はリストを持って、木村先輩のもとへと向かうべく体育館倉庫を後にすると体育館へと向かっていく。

その途中、渡り廊下を通りかかったとき、俺はふと校舎のほうに目を向けた。

夕陽に照らされた校舎はオレンジ色に染まっており、とても綺麗だと思った。

 

「……?」

 

校舎から視線を外そうとした時、視界の端に見覚えのある後姿が映ったような気がした。

なんとなく気になった俺は、少しだけ立ち止まってそちらの方へ目を向けてみるとそこには―――

 

「あれ? 沙綾だよな……」

 

思わずそんな言葉を口にする。

俺が見た窓辺にいたのは、後ろ姿ではあったが、間違いなく沙綾だった。

 

(なんであんなところに)

 

俺たちの教室とは違う場所にいることに疑問を覚えた俺は首を傾げる。

 

「ん?」

 

沙綾がいる部屋にはもう一人いたのか、男の教師らしき人物がいた。

 

(誰なんだ?)

 

そう思いつつ、俺は目を凝らしたが、なんだか嫌な雰囲気を感じた時だった。

 

「!?」

 

次の瞬間、目の前の光景を見た俺は驚きのあまり硬直してしまった。

それは、突然の出来事であり、まるでスローモーションのようにゆっくりと見えていた。

男性教師が、彼女の肩を掴み、そのまま抱き寄せたのだ。

そして、二人の顔の距離が徐々に近づいていき……

 

「ッ!!」

 

気づいた時には俺は走り出していた。

 

「お疲れ様ですッ」

 

体育館倉庫についた俺は、中にいる木村先輩に声をかける。

 

「お、おう、どうだった?」

 

俺の声に反応した、木村先輩がこちらに顔を向ける。

 

「リストに記載されている数はすべて確認しましたッ」

 

俺は早口でそう言うと、持っていたリストを手渡す。

 

「……」

 

俺からリストを受け取った木村先輩は真剣な面持ちで、手渡されたリストに目を通す。

そして、しばらくするとリストから顔を離して俺に話しかけてきた。

 

「……よし、確認完了だ。ご苦労だったな」

「はいッ」

 

俺は木村先輩に頭を下げると、急いで体育館を後にした。

 

(クソッ!)

 

心の中で悪態をつきながら、俺は走る。

先ほどの出来事が頭をよぎると、俺はいても立ってもいられなかったのだ。

目指すのは沙綾が待っているであろう教室。

とにかく今は早く彼女に会いたかったのだ。

 

(……見えた!)

 

目的地である沙綾が待っているであろう教室にたどり着くと、勢いよくドアを開ける。

 

「沙綾!」

「きゃっ」

 

俺が大きな音を立てて扉を開いたことで驚いたのか、中にいた沙綾が小さな悲鳴を上げる。

 

「ど、どうかしたの?」

 

沙綾は少し戸惑った様子で俺の顔を見つめてくる。

 

「いや、なんでもないんだ」

 

俺は慌てて沙綾に言葉を返す。

沙綾の様子におかしなところもなく、教室内にも沙綾以外に誰もいない。

 

「……ところで、さっきどこかに行ってたんか?」

 

俺は、念のためにと沙綾に問いかける。

すると、彼女は一瞬だけ何かを躊躇うような素振りを見せたが、すぐにいつも通りの表情に戻り、答えてくれた。

 

「え? ずっとここにいたけど」

「本当か?」

 

沙綾の言葉を聞いた俺は、思わず聞き返してしまう。

しかし、その反応を見て沙綾は苦笑を浮かべながら話を続ける。

 

「そんなに私が嘘ついてるようにみえる?」

「い、いや……そういうわけじゃないんだけど……」

 

よくよく考えてみれば、あれが沙綾なのかも分からなければ、顔が近づいたのも、そういう風に見えただけとも言える。

 

(まだまだだな、俺)

 

冷静さを欠いていた自分に俺は思わず心の中で苦笑してしまう。

 

「ふふっ、変な茂」

 

そんな俺の様子に、沙綾は小さく笑うと、椅子から立ち上がる。

 

「ねぇ、茂……ちょっとこっちに来てくれるかな?」

「ん、ああ……」

 

俺は促されるまま、沙綾のもとへと歩み寄る。

すると、不意に沙綾が腕を伸ばしてきて、俺の体を抱きしめてきた。

 

「さ、沙綾……?」

 

突然のことに驚いてしまった俺は、戸惑いながらも声をかける。

 

「……」

 

沙綾は何も言わず、ただ黙って俺のことを見上げている。

その瞳は潤んでおり、頬は赤く染まっていた。

そして――

 

「んっ……」

 

――沙綾は俺にキスをしてきた。

 

「ッ!?」

 

沙綾の柔らかい唇の感触が伝わってきた。

それと同時に甘い香りが鼻腔を満たしていく。

 

「ん……ちゅ……」

 

沙綾は啄むように何度も唇を重ねてきた。

最初は驚きのあまり硬直していた俺だったが、次第に体の力が抜けていき、自然とその行為を受け入れていた。

 

「はぁ……茂、好き」

「俺も好きだよ、沙綾」

 

沙綾の告白を聞いて、俺は迷わずそう返した。

 

「嬉しい」

 

沙綾は嬉しそうに微笑む。

それを見た俺は、たまらず沙綾の唇を奪った。

 

「んっ!? ちょ、待っ……んぅ……ッ」

 

突然の行動に驚いた沙綾は目を見開かせるが、抵抗することはなく受け入れてくれる。

俺はそのまま舌で唇を突くと、沙綾はゆっくりと口を開いてくれた。

俺はそこに自分の舌をそのまま彼女の口内へと侵入させた。

 

「あ……ん……はっ……じゅるるっ」

 

沙綾は時折、息継ぎを挟みながら懸命に応えようとしてくれる。

その姿がとても可愛らしくて、俺は夢中になって彼女を貪った。

 

「ッ!」

 

すると、今度は沙綾の方から積極的に舌を動かしてくる。

 

「れろ……はぁ……茂……大好き……もっとぉ……ん……ちゅう」

 

俺は応えるようにして、さらに激しく責め立てる。

互いの唾液を交換し合い、混ざり合ったそれを喉を鳴らしながら飲み込む。

飲み込んでいくたびに、沙綾への想いが溢れ出していくようだった。

そして、それは彼女も同じようで、いつの間にか俺の首に手を回しており、自分からも求めてくるようになっていて沙綾の舌先が俺の下唇に触れてゆっくりと口内に侵入してくる。

 

「れろぉ……じゅぷ、ぢゅぱ」

 

そして、そのまま歯茎の裏側まで舐め回された。

 

「んぅ、ぁ……」

 

俺はその行動に応えるべく、より一層深く舌を絡ませていった。

互いに呼吸を忘れるほどに激しいキスを交わす。

 

「はぁ……ん、ちゅるっ」

「はっ……んん」

 

沙綾は首に回した手に力を込め、俺は沙綾の背中に腕を回し、強く抱き寄せた。

 

「んっ、茂……茂……好きぃ、しゅきい」

 

沙綾は甘えるような声で、俺の名前を呼び続ける。

 

「俺もだ……ん、ちゅる……」

「はぁ……ん、ちゅる、れる」

 

沙綾は俺とのキスに夢中になっているのか、先ほどよりも更に激しく舌を動かし、俺の口の中を犯してくる。

 

「はぁ……ん、ちゅっ、ちゅ」

「ん、ちゅ……はぁ」

 

その動きに、俺も負けじと応戦する。

 

「はぁ……んっ、はぁ」

「はぁ、はぁ」

 

俺達はしばらくの間ずっとお互いを求め合っていた。

 

「はっ……あっ……ん……」

 

しばらくすると、沙綾の体から完全に力が抜けたのか、俺にもたれかかってくる。

 

「はぁ……はぁ……」

 

俺はそんな沙綾を優しく抱きしめながら、頭を撫でた。

 

「ん……」

 

沙綾は気持ち良さそうに目を細める。

 

「はぁ……はぁ……」

 

少しの間そうしていると、沙綾はゆっくりと顔を上げた。

 

「なんだか、力抜けちゃった……」

 

そう言って沙綾は照れたように笑う。

 

「キスって凄いんだね……」

「ああ……そうだな」

 

俺は沙綾の言葉に深く同意する。

 

「キスだけでこんなになったの初めて……」

 

沙綾は恥ずかしそうな表情を浮かべながら、そう言った。

 

「それは、俺もだよ」

 

俺もまた、沙綾と同じ感想を抱いていた。

しかし、不思議とその言葉に嘘偽りはなかった。

キスだけでここまで心が満たされるとは思わなかったのだ。

 

「早く帰らないとね」

「そうだな」

 

下校時間を知らせるチャイムに、俺達はすぐに帰り支度を始めた。

 

「おっとと」

「大丈夫か?」

 

まだ力が戻っていないのか、沙綾はよろめいてしまった。

 

「うん、平気」

 

俺は沙綾に腕を差し出すと、沙綾は俺の腕に掴まった。

 

「ありがとう」

「どういたしまして」

 

沙綾を支えつつ、俺たちは学校を後にすると、帰路に就くのであった。




いかがでしょうか?
キスだけだとどうしても短くなってしまうのはある意味宿命みたいなものですね(汗)

H:1(+1)
B:1
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