※この作品はR-18です。

BanG Dream!~happy? or Un happy~   作:TRcrant

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三日目(夕)

「……いや、大丈夫だ」

 

俺は猛に相談するのを止めた。

 

「そうか……」

 

俺の言葉に、猛は少しばかり残念そうな表情を浮かべる。

 

「別に猛のことを信頼してないわけじゃねえんだ。ただ、他に当てがあるからだ」

「おいおい、別に断られたからって気を悪くするほど俺は心が狭くはないさ。ま、必要なら声を掛けてくれよ。そん時は思いきし役に立って見せっから」

 

俺の言葉を受けて、猛は苦笑するとウインクをしながら俺にサムズアップをしてきた。

 

「サンキュ、猛」

 

俺はそれにお礼を言うのであった。

 

 

 

 

 

「えっと、ここか……」

 

昼食を摂り終えた俺は、善は急げとばかりに羽沢さんに話を聞くべく生徒会室に来ていた。

羽沢さんは今日は生徒会室で作業があるらしく、昼食はそこで摂るとひまり伝手に聞いていたからだ。

俺はドアの前でノックをする。

 

「はーい」

 

中から返事が聞こえてくる。

 

「失礼します……」

 

俺はその言葉を聞いて、生徒会室へと足を踏み入れた。

生徒会室には羽沢さん以外に生徒会長でもあり、アイドルバンド『Pastel*Palettes』のメンバーでもある日菜先輩の姿もあった。

 

「あれ、斎藤君?」

 

俺を見た羽沢さんは不思議そうに首を傾げる。

 

「あ、しげ君じゃん! 珍しいねー!」

 

対照的に日菜先輩は笑みを浮かべながら、俺の名前を呼ぶ。

ちなみに、”しげ君”というのが俺のことである。

最初はしげ君呼びを辞めてもらおうとしたのだが、辞めてもらえるはずもなく、今もこうして呼ばれ続けているのだ。

日菜先輩と知り合って最初に言われたのが、「君、すっごくるんってするよっ」だったことから見ても、間違いなく直してもらえる望みはないので、もう諦めていたりする。

ちなみに日菜先輩と呼んでいるのは“おねーちゃんがいるから名前で良いよ”という日菜先輩の言葉からだったりする。

 

「で、どしたのー?」

「ちょっと羽沢さんに聞きたいことがあったんですが……生徒会のお仕事中ですよね?」

「私なら大丈夫だよ?」

 

俺の遠慮がちな言葉に、羽沢さんは柔らかく微笑みを返してくれた。

 

「うんうん、別にあたしも構わないよー」

「でも―――」

 

日菜先輩は笑みを浮かべながら頷くと、俺の言葉を遮るようにして言葉を続ける。

 

「ちょうど今やること終わったからね! それに、しげ君ならいつでも大歓迎だよー」

 

日菜先輩はそう言うと、俺に座るように促してくれた。

 

「そ、それじゃあ失礼します」

 

俺は羽沢さんの向かい側の席に腰を下ろす。

 

「それで、私に聞きたい事って?」

 

日菜先輩がにっこりと微笑む中、羽沢さんが聞いてきた。

 

「あ、えっと……話って言うのはひまりのことなんだ」

 

俺は緊張気味に口を開く。

 

「ひまりちゃん?」

「ああ、最近ひまりがなにか悩んでる感じがあってさ、羽沢さんは何か知らないかなって。ほら、この間屋上で何か言いかけただろ?」

「え?……うーん……何だったっけ」

 

羽沢さんは困ったように首を傾げた。

どうやら忘れてしまっているようだ。

まあ、数日も経っているのだから無理もないだろう。

 

「テニス部のことだったと思うんだが」

「んー、あ!」

 

俺の言葉に何か思い出したかのように声を上げたのは、日菜さんだった。

 

「あたしが話したやつじゃない?」

「あ……そう言えば」

 

日菜さんの言葉に羽沢さんも思い出したのか、ハッとした表情を浮かべる。

 

「日菜先輩、詳しく話してください」

「うん。この間あたしがテニス部に行った時のことなんだけど……」

 

俺の言葉に頷くと、日菜先輩は話を始めた。

 

「何だかるんってしなかったんだよねー」

「な、なるほど……」

 

俺は日菜先輩の言葉に、俺は苦笑して返すしかなかった。

これが他のやつの言葉だったら、俺は間違いなく適当に受け流していただろう。

だが、相手は日菜先輩だ。

日菜先輩の直感が外れたことはあまりないのだ。

ようするに、日菜先輩にそう思わせる何かがテニス部で起っていると見て間違いないと言うことだ。

 

「具体的にどういう所がるんってしなかったんですか?」

 

日菜先輩の口癖である『るんっ』を口にするのは恥ずかしいが、これもひまりのためだと思い尋ねる。

 

「うーん……ごめん、そこまではわからないかな」

 

日菜先輩は申し訳なさそうな表情を浮かべる。

 

「い、いえ。気にしないでください……」

 

俺は慌てて首を振ると、そうフォローした。

テニス部で何かが起っているという確証が持てただけでも十分すぎる収穫だ。

そう思って俺は生徒会室を後にしようと、席を立つ。

 

「……もしよければ、テニス部のこと調べてみようか?」

「え?」

 

そんな時にされた日菜先輩の提案に、俺は驚きの声を上げる。

 

「あたしもちょっと気になっちゃったからね! それにしげ君の頼みだからねっ」

「日菜先輩……」

 

満面の笑みを浮かべながら、日菜先輩はそう言ってくれた。

 

「ありがとうございます」

 

俺はそんな日菜先輩の言葉が嬉しくて、素直に礼を言った。

 

「……すみません、少しだけ考えさせてください」

「斉藤君……」

 

日菜先輩のそれは、有難い申し出ではあったが、さすがにそこまでは頼めないと思い、俺は保留にさせた。

 

「んー、そっか……残念っ。でも、いつでもその気になったら言ってね」

 

日菜先輩はそんな俺の言葉に不満そうにするでもなく、そう返してくれた。

羽沢さんは、心配そうな表情を浮かべて俺のことを見ているだけだった。

 

「それでは失礼します」

 

俺はそんな二人に頭を下げてから生徒会室を後にしたのだった。

これで一つのヒントは得られたことになるが、まだまだ情報不足であることには変わりはなかった。

 

(次はどうしよう……)

 

そんなことを考えつつ、教室に戻るのであった。

 

 

 

 

 

「よしっ」

 

放課後、俺は気合いを入れるために頬を叩くと、足早に教室を後にした。

今日は部活がないので一緒に帰る約束をしていたのだ。

 

「お、待たせたな。ひまり」

 

廊下に出ると、すでにひまりが待っていてくれたので声を掛ける。

 

「……あ、茂。お疲れ様」

 

ひまりは俺の呼びかけに少しだけ間があった後、にっこりと微笑みながら、労いの言葉をかけてくれる。

その笑顔はとても可愛らしくて、思わず見惚れてしまうほどだ。

 

「……茂?」

 

そんな俺にひまりは不思議そうな表情を浮かべながら首を傾げている。

 

(やべっ)

 

「ああ、何でもないんだ」

 

そんな可愛らしい仕草に見惚れていた俺は我に帰ると慌てて返事をする。

 

「……じゃ、じゃあ行くか」

 

俺はそう返してから、いつも通りの流れでひまりと手をつなぐと、歩き出す。

 

(……あれ?)

 

そして校門を出たあたりで、俺は違和感に気づいた。

それは、ひまりが無言だったことだ。

いつもだったら、『ねえ、茂! あの話聞いた!?』と嬉しそうに話しかけてきていたが、今日はそれがない。

 

「ねえ、茂」

 

そんな沈黙が続く中、突然足を止めたひまりが口を開いた。

 

「なんだ?」

 

俺は努めて平静を装いながら聞き返す。

 

「昼休み、茂生徒会室に行ってたでしょ?」

「……え?」

 

予想もしていなかった言葉に、俺は思考が追いつかなかった。

そんな俺をよそに、ひまりは言葉を続ける。

 

「今日って確か、生徒会室につぐと日菜先輩いたよね?」

 

ひまりは淡々とした口調で言葉を紡いでいく。

 

「あ、ああ……」

「二人に何の用があったの?」

 

ひまりはそう言うと、俺をじっと見つめてきた。

その瞳はどこか冷たく感じられて、一目で怒っているのがわかった。

 

「ち、ちょっと話があってな」

「へー。じゃあ、一体何の話だったわけ?」

 

俺の答えに、さらに冷たい口調で尋ねてくる。

 

「そ、それは……」

 

俺は言い淀んでしまう。

 

(な、何だか理不尽なような……)

 

ひまりは何も話してくれないのに……等と一瞬そんなことを考えるが、そんなことを考えている場合ではない。

別に、俺にはやましいことはない。

ただ羽沢さんと日菜先輩に、ひまりのことを聞いただけなのだから言っても問題はないはずだ。

それに、ひまりの表情が怒っている物から一転して悲しげな物へと変わっているのを見ると、なおさら。

 

「ひまりが最近様子が変だから、そのことを相談したんだ」

「え……?」

 

俺の言葉に、今度はひまりが驚きの表情を浮かべる。

 

「そ、そうなんだ……」

 

俺の言葉を聞いて、ひまりは表情を曇らせると俯いてしまった。

 

(やっぱり、何も話してくれないんだな)

 

悩んでいることを話す様子のないひまりの様子に、俺はどこかじれったい気持ちになる。

そのまま俺達は、再びお互いに無言で帰り道を歩きだす。

そして、公園前までたどり着いた頃だった。

 

「ひまり?」

再び足を止めたひまりに、俺は思わず声を掛ける。

 

「……」

 

ひまりは俺の方を振り向くと、そのまま俺のことをじっと見つめてきた。

その瞳からは何かを決意した時のような意思を感じられた。

 

「……ごめんっ」

 

そんな俺をよそに、ひまりは突然謝ってきた。

 

「え……?」

「私、茂のこと嫉妬して……変に疑っちゃって」

 

ひまりは申し訳なさそうにそう言うと、俯いてしまった。

 

「俺は別に―――だからね――」

 

俺の言葉を遮るように、ひまりは再び俺の目を見て口開く。

 

「お詫びにその……茂のお願い、何でも一つ聞いてあげる」

「えっ!?」

 

ひまりの言葉に俺は思わず声を上げてしまう。

 

(何でもって、事はあんな事やこんな事が)

「で、でも……あまり恥ずかしいのはダメ……だよ」

 

俺が考えていることが伝わったのか、ひまりは頬を赤く染めながら恥ずかしそうに口を開いた。

 

「……」

 

そんなひまりの様子に、俺は――――




いかがでしたでしょうか?

ここまではHELLモードという割には……な感じでしたが、果たしてここから先どうなるか……。
なにせ、一度でも間違えるとハッピーエンドが絶望的になるモードですので(汗)

それでは、早速ですがこれより高齢のアンケートに入らせていただきます。
主人公に取らせたい選択肢をお選びください。
得票数の多い選択肢の行動を主人公がとります。
期限は一週間後の23日までとさせていただきます。

皆様の貴重な一票をお待ちしております。
下記にヒロインのステータスを記載させていただきますので、よろしければご参照ください。

【欲情】:興味
【親密度】:信用↑
Bポイント:0

主人公の選択は――――

  • 羽目を外した内容を言ってみる
  • 節度をわきまえた内容を言ってみる
  • 紳士的な対応をする
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