※この作品はR-18です。

BanG Dream!~happy? or Un happy~   作:TRcrant

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今回より、蘭編が開始となります。

*注意*

・本作は読者の皆様のアンケートの結果によって展開が変わる読者参加型作品です。
展開によっては、人によって胸糞及び鬱展開と感じられる場合がございます。
・本作品内には陵辱系や寝取られ系の描写が入る場合があります。
・本作のアンケートの選択肢、及びその選択肢の結果で理不尽(想像としていた物と違う)に感じられる物がある場合がございます。
・本作品は他のヒロインと別の世界線の話になります。
よって、主人公の設定が他のヒロインとは異なる場合があります。

また、物語の展開が他のヒロインと同じ場合がありますが、選択肢の結果が同じ(あるヒロインの時は悪役だったのが、違うヒロインの話では味方になっていたりなど)であるとは限りません。


蘭編
一日目(昼)


「ん……」

 

ふと、目を覚ました俺は枕元に置いたスマホを手にすると、時間を確認する。

 

「ゲッ!?」

 

寝坊とは言えないものの、かなりギリギリな時間に、俺は眠気などどこかに吹き飛んでいった。

 

「茂―、ご飯よーッ」

「い、今行くッ!」

 

タイミングよくドアの外から聞こえる母さんの声に、俺はそう返しながら慌てて支度を始める。

カーテンを開けると、薄暗い部屋は朝日によって一瞬で明るくなるが、それに対して何かを感じる余裕など無く、俺は学校の制服に着替えると部屋を後にした。

 

 

 

 

 

「お、おはよう」

「ご飯できてるわよ」

 

自室を後にした俺がリビングに向かうと、朝食が置いてある席について少しばかり急いで食べ始めた。

 

「あまり夜更かしするんじゃないわよ」

「べ、別に夜更かしなんてしてないよ」

 

呆れた様子で注意する母さんに相槌を打ちつつ、俺は朝食を食べていく。

 

「……そういえば、明は?」

「とっくに学校に行ったわよ。部活の朝練なんだって」

 

そんな中、ふと隣の席に誰もいないことが気になった俺の疑問に、母さんはどこか含みのある言い方で返してきた。

 

「茂もいい加減何か部活動でもやりなさい」

「はーい」

 

母さんの注意に、俺はもはや何も返す言葉もなく、そのまま朝食で用意されたトーストを頬張る。

 

(なんか、これだっていう部活がなかったんだよな)

 

進学したこともあって新しく部活でも……と思ったものの、いい部活がなかったので結局帰宅部となった。

もっとも、今の状況を考えるのであれば、それでよかったのかもしれない。

 

「ところで、本当に今週末はお留守番で良いの? 日にちずらそうか?」

「ああ。ちょっと用事もあるし、それに明が楽しみにしているんだから、大丈夫だよ」

 

その時ふと思い出したかのように、どこか申し訳なさそうな表情で母さんが聞いてくる。

実は、今週末に連休ということもあり家族で一泊二日の旅行に行くことになっていたのだが、俺は留守番を買って出たのだ。

そんなこともあり、申し訳なさそうにしている母さんを心配させないように、俺は柔らかい笑みを浮かべながら言うと、母さんも”そう”と、どこか歯切れの悪い様子で返したきり、話は終わりを迎えた。

 

「でも、気をつけるのよ。最近この辺もあまり治安が良くないみたいだから」

「分かってるって。戸締まりはちゃんとするさ」

 

別に泥棒に入った所で……だし、そもそも男一人だしそこまで危険ではないだろ、と思いながらも母さんに相槌を打つ。

そして、朝食を食べ終えた俺は、やや急ぎ足で鞄を手にすると家を後にするのであった。

 

 

 

 

 

俺、斉藤(さいとう) 茂(しげる)は、どこにでもいる学生だ。

学校の成績が良いとか、天才だとかそんなものは一切なく、本当に普通の学生と言っても過言ではない。

家族構成だって、両親に弟の明(あきら)に俺という、これまた普通な感じだし。

そんな俺にも、一つだけ違う所がある。

だが、そんな俺にも、一つだけ違うことがある。

それは……

 

「蘭!」

 

俺は、前方の塀にもたれかけるようにして立っていた少女に聞こえるように、大きな声でその名を呼ぶ。

赤いメッシュの入った短い黒髪が朝日に照らされ、いつもと同じように少しぶっきらぼうな姿勢だが、こちらを見つけた途端、微かに頬を緩ませるのが見えた。

彼女の名前は、美竹 蘭。

俺と同じ羽丘学園に通っており、俺の恋人である。

 

「ん、おはよ。今日は珍しく遅かったね」

「ごめん。寝坊しかけちゃって……まさかここで待ってるとは思わなくて」

「べ、別に待ってたわけじゃないから……たまたま早く来ただけ」

 

相変わらず素直じゃない言葉だけれど、顔は確かに待っていたことを物語っていた。

そんな彼女の横顔を見るだけで胸が温かくなる。

 

「ありがとう。待ってくれて嬉しいよ」

「……変な奴」

 

小さな呟きと共に、蘭はすっと手を差し出してきた。

それは手を繋ごうという、彼女からのサイン。

恥ずかしさからか、指先がかすかに震えているのがわかる。

俺はその手をそっと握ると、細い指が静かに絡みつく感触がした。

 

「手、冷たいね」

「……朝だしね。すぐに暖まるから平気」

 

そう言いながらも、彼女はこちらに身体を寄せ、少しだけ指先に力をこめる。

蘭の手は小さくて、少しでも力を入れれば壊れてしまうのではないかという錯覚を抱かせる。

ほのかに香るシャンプーの匂いが鼻腔をくすぐる。

学校へ向かう道すがら、こんな風に肩を並べて歩くだけなのに、どうしてこんなにも幸せなのかと、俺は蘭の手の感触を感じながら、ふと考えを巡らせる。

 

―――俺と蘭は恋人関係だ。

付き合い始めてもうすぐ四ヶ月になる。

初めて自分の気持ちを告白したあの日を思い出すと、今でも顔が熱くなる。

 

「ねぇ、茂……緊張してる?」

 

蘭が首を傾げて尋ねてくる。

彼女の瞳が俺を真正面から捉えて離さない。

 

「いや、全然緊張なんてしてないよ。ただ……ちょっと告白をした時のことを考えていただけ」

 

嘘だ、本当はめっちゃ緊張してる。

緊張のあまり手汗をかいているんじゃないかと心配で仕方ないほどに。

 

「あ、あたしも告白されたこと……忘れたくても忘れられないよ」

 

そう言って蘭は恥ずかしそうに俯くが、耳たぶがほんのり赤く染まっているのが見える。

その反応がたまらなく可愛らしい。

当時を思い出し笑みが零れる。

―――放課後、夕焼けに染まる屋上。

そこが、俺が彼女に告白をした場所だ。

突然の告白に驚いた様子の蘭だったが、控えめに(本人曰く恥ずかしかったそうだ)うなづいたことで交際がスタートした。

あれから蘭の幼馴染にして俺の友人である四人からは茶化されてるが、それも誰かの言葉を換えれば”いつも通り”の日常だ。

そんな俺たちだが、問題もあった。

それが

 

(何度もデートしてきたけど、まだ片手で数えられるぐらいしか、キスしてねえんだよな)

 

そう、蘭はとても恥ずかしがり屋だ。

手をつなぐのですら恥ずかしげにしているのに、キスだなんてレベルが違いすぎる。

ましてやそれ以上のこととなると……。

そんなわけで、いまだに俺たちははキス止まりなのだ。

 

「そういえば今週末、都合のほうはついたか?」

「だ、大丈夫だけど。父さんも、いいって言ってくれたし」

 

そう聞いてみると蘭はさらに顔を真っ赤にして答える。

 

「……ねえ、本当に……する、の?」

 

蘭は顔をほんのり赤くさせて俺のほうを見ながらそう聞いてくる。

俺はその問いかけに、無言でうなづく。

そう。

俺は今週末に脱童貞を計画していたのだ。

 

「そう……」

 

俺がうなずくと、蘭は俺から顔を逸らしながら呟いた。

蘭は蘭で、今週末の約束に対してその意図を察していたようだが、拒絶の声を上げないのは、おそらく蘭もそれを望んでいるのだろう。

少なくとも嫌がってはいない……と思う。

とはいえ、それを口にすることはしない。

口にしたら絶対に怒ってくるのが目に見えているからだ。

それでもどこか楽しみにしているような雰囲気がするのは、やっぱりそういうことなのだろう。

 

(今週末は絶対に成功させる)

 

そのために俺は色々と準備をしてきたのだ。

そういった行為に関する情報収集をしただけのことだけど。

 

「蘭」

「何?」

 

突然名前を呼ばれた蘭は、不思議そうな表情を浮かべながらこちらを見る。

 

「今週末、楽しみだな」

「うん。私も……楽しみにしてる」

 

蘭は恥ずかしそうに俯きながらもしっかりと返してくれた。

俺は週末の事に思いをはせながら、通学路を蘭と共に歩くのであった。

 

 

 

「おっす、茂」

「おはよう、猛」

 

昇降口で蘭と別れて教室に入った俺が、自分の席に鞄を置いていると、一人の男子生徒が話しかけてくる。

角刈りの髪型で、真面目そうな印象を抱かせるその男子生徒……向井(むかい) 猛(たける) は、ここに入学した時からの付き合いだ。

第一印象に反して、以外と気さくで接しやすかったこともあってすっかり意気投合したのだ。

 

「今日も奥さんと登校か? くーっ、うらやましいかぎりだなっ」

 

とはいえ、少しばかり暑苦しいのが玉に瑕だが。

 

「奥さんじゃねえから」

「なんだ? 遊びか?」

「違うっての」

 

俺は呆れつつそう返す。

確かにゆくゆくは……なんて事を考えていたりはするが、少なくともそれは今ではない。

 

「冗談だって! だからそんなに怒るなよー」

 

全く反省していない様子で笑う猛。

……まあ、コイツはこういう奴だから仕方ない。

 

「さて、授業の準備でもしますかねぇ……」

 

と、そんな会話をしていると予鈴が鳴り響き、俺は授業の準備に取りかかることにするのであった。

こうして、いつも通りの日常が始まるのであった。

 

 

 

 

 

昼休み。

それは、学生達にとって僅かな至福の時。

授業という束縛から解き放たれ、束の間の安らぎを得られる数少ない時間。

今日、この時ばかりはクラスメイト達の喧騒もまるでBGMのように心地よく感じる。

そんな昼休みに、俺が向かっている先は屋上である。

何故ならば……そこが蘭達の昼食を取る場所となっているからだ。

いつも屋上で昼食を食べているためか、生徒会長からは『縄張り』みたいな言い方をされているが。

そんな屋上に続く扉を開くと、そこには既に蘭と、彼女の幼なじみである上原さんや羽沢さんに宇田川さん達の姿があった。

 

「お、茂! こっちこっち!」

 

俺の姿に気づいた宇田川さんが手を振る。

それに釣られて、残りの四人も俺に視線を向ける。

 

「お待たせ」

 

宇田川さんに促されるまま俺は彼女たちのところに移動すると、

 

「茂はここ〜」

 

と青葉さんが当然のように蘭の隣を空けた。

俺はそれにあえて何も言わずに蘭の隣に腰を下ろす。

 

「おー、蘭の顔真っ赤~」

 

青葉さんが茶化してくるように言ってくる。

青葉さんの指摘通り、蘭の耳の裏まで真っ赤になっているのがわかって、俺まで顔が熱くなった。

 

「ちょっ……モカ!」

 

声を上げた蘭に青葉さんはにっこり笑う。

 

「蘭ったら〜、茂くんに見惚れてたよねぇ」

「違っ! そんなんじゃないってば」

 

ぷいっとそっぽを向いた蘭だけど、真っ赤な顔が青葉さんの言葉が真実であることを物語っていた。

 

「へぇ~そうなんだ」

 

と笑みを浮かべながら言う上原さん。

 

「通学路でも二人っきりだったもんね。仲良しさんで羨ましいなぁ」

 

と羽沢さんが微笑む。

 

「あたしたちの方が付き合い長いけどさ。蘭にここまでデレさせる茂もすごいよな!」

 

と宇田川さんはからから笑う。

恥ずかしさで埋もれたくなるくらいの羞恥心だが、同時に悪くはないかもなという気持ちに襲われる。

 

(蘭も恥ずかしがってるけど満更でもなさそうだし)

 

そう思うとますます頬が緩みそうになる。

けれどその感情を表に出すとからかわれそうなので必死で我慢する。

 

「皆、うるさい」

「あはは」

 

赤面して抗議する蘭を皆で宥めてから、昼食タイムが始まった。

手作り弁当組である宇田川さんと上原さんに蘭、そして商店街のパン屋で買ってきた青葉さんと昼食のメニューも個性的だ。

かくいう俺は購買のお弁当だが。

 

「お、茂は今日は購買かー」

「まぁな。朝はバタバタしてて」

 

俺の食べている弁当を見た宇田川さんの言葉に、俺は苦笑いしつつ返す。

すると青葉さんが何かを閃いたように目を輝かせる。

 

「もしかして昨日は、蘭と電話してたとか~?」

「そ、そんなわけないじゃん!」

 

再び顔を真っ赤にさせながら否定する蘭を見て、他の面々が微笑ましそうに眺めている光景を見ると恥ずかしい気持ち半分嬉しい気持ち半分といった感じだ。

ちなみに、半分正解だったりするが、もう半分は今週末の準備をしていたのが理由だけど、それは言わない方が良いだろう。

 

「でもさぁ~? 毎朝一緒に登校してるんでしょ? ラブラブですな~?」

「なっ!!」

 

驚愕する蘭にニヤニヤしながら詰め寄る青葉さん。

その時ふと目が合ってしまい反射的に逸らすと、

 

「お~、蘭と茂が二人だけの世界に入ってる~」

 

と茶化すような口調で言った青葉さんの声を聞きながら改めて視線を弁当の方前に戻す。

美少女(うち一人恋人)に囲まれた昼食。

まるで絵に描いたような青春風景だ。

そんな光景を眺めながら俺は思う。

 

(良い友達を持ったなぁ……)

 

そんな感慨に浸りながら、俺は昼食を採るのであった。

 

 

 

 

 

俺は校門のところで携帯をいじりながら、待ち人の到着を待っていた。

 

「茂っ」

「ん?」

 

やがて校舎の方から聞き慣れた声が聞こえてきた。

声のほうへと振り向くと、そこには待っていた蘭の姿があった。

 

「茂! お待たせ」

「ああ。待ってないから大丈夫だ」

 

そう言いながらこっちに駆け寄ってくる蘭に、俺は笑顔で返事をする。

その後ろから続けて羽沢さんや上原さんに宇田川さんたちも歩いてきた。

 

「うわぁ~。やっぱり仲良しですねぇ。モカちゃん羨ましいな~」

「モカー、あまり茶化さないであげなよ~」

 

笑みを浮かべている蘭を見て、青葉さんがからかうように言ってくる。

上原さんが止めようとするが、その顔はにやにやとからかいの笑みを浮かべていた。

 

「今日は全員一緒か」

 

全員がそろっている状況から、今日はみんなと一緒に帰るという流れになりそうだなと思った俺は、そう口を開いた。

いや、もしかしたら練習かもしれない。

 

「うん。蘭ちゃんと二人きりじゃなくてごめんね」

「は、羽沢さんまで」

 

恥ずかしそうにしながら謝る羽沢さんや、面白そうに笑う上原さんたちに俺は照れ隠しに咳払いを一つした。

その時だった。

 

「あ……茂」

「ん? どうしたんだ?」

 

ふと蘭が何かを思い出したかのように小さく声を漏らした。

その声色が、いつもと少し違うような気がした俺は彼女の方を向く。

 

「あ……いや、その……何でもない」

「……?」

 

俺の視線から逃げるように顔をそらす蘭。

明らかに何かを隠している様子だ。

 

(どうしたものか)

 

再度彼女の顔を見る。

唇は固く閉ざされ、視線は相変わらずこちらからそらされている。

 

(この様子だと、頼み事か?)

 

どこか恥ずかしそうにしているのを見る限り、かなり言いにくい内容らしい。

ここで話すように促してでも聞き出すべきか?

それとも彼女が自分から話してくれるのを辛抱強く待つか?

 

迷いながら俺は頭の中で幾つかの選択肢を巡らせる―――




いかがでしたでしょうか?

早速ですが、アンケートに入らせていただきます。
主人公に取らせたい行動をお選びください。
もっとも得票数の多い選択肢の行動を主人公がとります。
なお、今回のアンケートは本編の物語の内容を決める物になります。
よって、エンディングへの直接の影響はありません。

回答期限は一週間後の2月5日までとさせていただきます。
皆様の貴重な一票お待ちしております。

主人公の選択は―――

  • 蘭の言いたいことを推測して聞いてみる
  • 蘭が自分で言うのを待つ
  • 蘭に話すように促す
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