愛の伝道師は愛を独占したい? 作:若杉優太(テト/teto)
時は変わってカレンの自室。
ここでカレンとマナナンが平和的にアンリマユを争う……はずだったのだが。
「おい!何で俺をベッドに縛り付けるんだよ!」
「うるさいですね……これからいい思いができるんですから、黙っていて」
先程予感した悪い予感というのは的中し、アンリマユは現在ベッドの上で上半身と足を聖骸布に巻かれ、芋虫のような状態になっていた。
そんなアンリマユを見かね、傍に居たマナナンがカレンに尋ねる。
「アムール、いえ……カレン。彼は相当に嫌がっていますが、本当に大丈夫なんでしょうか?」
「ええ、問題はありません……彼はシャイなので、素直に喜ぶことができないだけですから」
「んな訳あるかッ!早く俺を解放しろよ!」
勝手に話を進めていく女神二人に抗議しつつ、アンリマユは何とか聖骸布から逃げ出そうと身体をよじる。
「(このままだと何か嫌な予感しかしないぜ、早くこれを解かねぇと……)」
しかし、そうは思っても一向に聖骸布から抜け出す手段は思いつかない。
手も足も拘束されている状態では、ただベッドの上で転がることしか今のアンリマユにはできなかった。
「それでは先程話した通り、私から行かせて頂きますね?」
「ええ、構いません……いきなりあの娘にやらせては荷が重いでしょうし」
「分かりました。では――」
何やら楽しそうな顔をしながらこちらへと歩み寄ってくるカレン。
もうそれだけで嫌な予感しかしなかったが、今のアンリマユができることといえば、ベッドの上で身体をじたばたと動かすことだけだ。
「な、何するつもりだ?痛いのは勘弁してくれよ……」
「大丈夫です。これからやることは別に痛いことじゃありませんから」
そう言ってカレンはベッドに乗ると、いきなりアンリマユの下半身へと手を伸ばす。
「お、おい……ッ!まさか、ここでやるつもりか!?」
「何か問題でも?」
「大ありだ!バゼットも見てるだろうがッ!」
「ああ、それなら問題ありません……彼女とは話を付けてありますから」
屈託の無い笑み……というより悪魔のような笑みをアンリマユに見せると、カレンは有無を言わさずアンリマユの腰に巻いてある赤い布の結びを解き、そして――布を剝ぎ取った。
「ふふ、やっぱり貴方のモノは大きいですね……」
布の下から出てきたアンリマユの男性器を見て、カレンはうっとりとした顔になっていく。
まだ勃起はしていなかったが、以前自分を犯した男性器……その姿、形を改めて見れたことに興奮が止まらなかった。
「(大きくて、刺青の入った男性器……素敵……)」
自身でも気付かない内に頬が赤く染まっていき、吐息が荒くなっていくのが分かる。
「ぐ……ッ!やめろって……カレン……!」
「嫌です。貴方もそろそろ大人しくしなさい……まぁ、私の施しを受ければ一瞬で黙るでしょうけど」
まだ抵抗をするアンリマユを後目に、どんどんと口を男性器まで近づけていく。
そして、吐息が男性器に掛かる所まで口を近づけると、まずは下から上にカレンは竿に舌を這わせた。
「れる……んっ……どうですか?」
「……ッ!や、やめ……ッ!ぅ……ッ!」
まずは様子見のつもりで舌を這わせたカレンだったが、反応の良いアンリマユを見るや否や、すぐに舌の動きを不規則な物に変えた。
「れる、れる……どうれす……?きもひい……れすか?」
「……っ!ぅ……っ!」
亀頭の辺りを重点的に舐め回し、右手で竿の部分を上下に擦り、アンリマユの男性器に刺激を徐々に与えていく。
一見すると手馴れた手付きにも見えたカレンの性技だったが、舌を這わせる動きはどことなくぎこちない物にも見える。
だが、そのぎこちなさが逆に程よい快感をアンリマユに与えていた。
「れる、ちゅ……ふふ、気持ちよさそうね?アンリマユ……?」
「っ……っ……!今は、答える……余裕が、な……い……っ!」
「れる……んちゅ……私は、ぁ……っ!貴方のモノを舐めてたら、……んッ!イッちゃった……ぁ……」
顔を蕩けさせつつも、カレンはアンリマユを射精へと導く為に欠かさず手と舌を動かす。
「(ふふ……我慢汁も凄く出てる……早いけど、そろそろかしら?)」
亀頭から流れ出る透明な液体を全て舐めとり、カレンは微笑むと少しずつ手の動きを激しくしていく。
すっかりアンリマユの男性器は限界まで勃起し、亀頭の先端は膨らみ始めている。
「れる、れる……っ!きもひいんでしょ……?素直に言いな、っ……!ひゃい……っ!」
「だ、れ……っ!が、言うかよ……っ!」
執拗に亀頭を責め立てるカレンに身体を仰け反らせながら言葉を返すアンリマユだが、その表情に余裕はない。
何とか射精すまいと、ギリギリの所で堪えているが少しでも気を抜いてしまえば自分の男性器は喜んで精液を吐き出してしまいそうだ。
それでも”意地とプライド”。ただそれだけで何とか波のように押し寄せる快感を耐えていくアンリマユだったが、そのプライドや意地もカレンが自分のモノを熱心にしごいている所を見ると、すぐに崩れ去ってしまいそうだった。
「らして……っ!あんり……んっ……!まゆ……!」
媚びたようにこちらへと目線を送るカレン……アンリマユはそれを見ただけで理性を抑える錠前が壊れてしまいそうだ。
――駄目だ。絶対に駄目だ。
頭では分かっているが、カレンの蕩けたような顔を見ると、意地やプライドは不思議と消え去ってしまう。
「もう……駄目……だ……っ!」
「いいれすよ……っ!らしてくらひゃい……っ!」
ラストスパートとばかりにカレンは亀頭の先端を咥え、射精を促す。
竿はブルブルと震えだし、射精の時を今か今かと待ち望んでいる。
そして、アンリマユがうめき声と共に身体を仰け反らせた瞬間――アンリマユは全てを解き放った。
「んん……っ!!ッ……!」
顔を驚かせつつも勢いよく流れ出した精液を溢さずに受け止めるカレン。
脈を打ち喜ぶように精液を放出する男性器からもっと精液を搾り取ろうと、亀頭の部分を吸い込むように咥える。
そうすると、更に激しく精液は放出された。
「(ヤバい……何だよこの快感……!気持ちが良過ぎるぜ……)」
俗に言う”フェラ”という物を体験したことの無かったアンリマユにとって、この快感は麻薬のように身体へと染みていく。
思い切り股間の力を緩めてしまうことが、ここまで気持ちの良いことなど考えもしなかった。
「ん……あー、見てくらはい……こんらに、らしたんれすよ……?」
「……ッ!」
亀頭から口を離すと、カレンは大きく口を開け、搾り取った精液をアンリマユに見せる。
それはまるで狩人が獲ってきた獲物を見せるかのように、満足気な顔でカレンは精液を口内で弄ぶ。
聖骸布で身体の身動きが取れないこともあるが、アンリマユはカレンの口に満たされた自身の精液をじっと見つめてしまっていた。
自分がここまで精液を出してしまったことによる驚きもあったが、何よりも自分の精液が愛しい人の口に含まれていることへの興奮で胸が痛い。
「んく……っ……!ふぅ……ほら、全て飲み込みましたよ?」
「……」
精液を飲み込んだ後も口を大きく開け、カレンは口の隅々までを見せつける。
すっかり魅了され、呆けた様子のアンリマユに微笑むと、ベッドから降りてマナナンの元へと向かった。
「流石、愛の女神ですね……見事でした」
「いえいえ。私もまだ慣れていないもので、少しばかり恥ずかしい所もお見せしてしまったかと……まぁバゼットには勝てる自信がありますので」
「そうですか、それはそれは……自身があるのは結構なことです。ですが、油断していると足元を掬われますよ?」
褒め言葉を謙遜しつつも、棘のある言葉を返すカレンに笑みを浮かべると、マナナンは不意に意識を失ったように頭をがくりと下へと向ける。
すると、マナナンの羽織っていたはずのドレスは消え、いつの間にかケルトの戦士達のようなボディスーツへと姿を変えた。
「ん……?ここは?」
ゆっくりと意識を浮上させていく彼女の身体は、その声の雰囲気からして一瞬でバゼットへと主導権が移ったことが分かった。
まだ意識がはっきりしていない彼女だったが、構わずカレンは呆れたような顔で声を掛ける。
「ようやく起きたのね、バゼット?」
「か、カレン……!?というより、私は何故こんな所に居るのですか……ッ!」
「あら?詳しい事をマナナンから聞いていなかったのかしら?」
「詳しい事……?」
カレンの言葉に首を傾げると、不意にバゼットの脳裏に聞き覚えのある声が響いた。
『ああ、すいませんバゼット……私としたことが重要な事を伝え忘れていました」
「マナナン……!一体これはどういう状況なんですか!目が覚めたらいきなりカレンの部屋に居るだけでも驚きなのに、それに加えて何故かアンリマユがベッドで拘束されているなどと、どういう状況か読めません!」
「……そうですね、まずは貴方に状況を知ってもらわなければ始まりませんからね……実は――」
若干パニック気味になっているバゼットを取りなすため、マナナンは食堂から出た後の出来事を一から十まで事細かく喋った。
その内容にはカレンとアンリマユが抱き合っていたことや、先程の行為についても含まれており、最初は冷静な態度で聞いていたバゼットだったが話が進むにつれて顔を赤くしていき、遂に行為についての話をすると耳までも赤く染め、その場で顔を覆ってしまう。
『――という経緯です。分かりましたか?』
何事もなかったかのように振舞うマナナンに若干の殺意を覚えつつも、バゼットはなんとか声を絞り出す。
「……性行為について詳しく喋る必要はあったんですか……ッ!」
『ありますとも、カレンに女の魅力……というより性技で勝つ為に貴方もするんですから……』
「そんなこと私がするわけないです……!私が……するわけ……」
接吻程度でも顔を赤くしてしまう自分が、性行為をするなど考えられない……というより、未知の体験をしてしまうことが怖い。
でも、興味が無いと言えば嘘になる。そんな煮え切らないバゼットを諭す様にマナナンは優しく声を掛けた。
『バゼット、貴方はアンリマユとはどんな関係で居たいのですか?』
「私はただ彼と友人のような関係で居たい……それだけです」
『ですが、アンリマユとカレンは既に恋人同士。今日この時を逃してしまえば、アンリマユはカレンの物になってしまいますが、それで後悔はしませんか……?』
「……ッ!それは――」
絶対に嫌だ。マナナンの問いかけにバゼットは心の中で直感的にそう思った。
まだアンリマユと会って少しの時間しか経っていないが、それでも平行世界での思い出や記憶は僅かだが残っている。
だからこそ、彼ともっと一緒に居たい。
「(もしかして、これが恋という物なんでしょうか……?)」
小さい頃に絵本や小説でしか聞いたり見た事の無かった物、それが”恋”という概念。
長らく封印指定の執行者として活動し、男性……いや人と親密な関わりが無かった自分にとって今のアンリマユは愛しくて、いつも一緒に居て欲しいかけがえのない存在だ。
――ああ、この感情こそが”恋”か……
高鳴る感情を胸に、バゼットは先程まで浮かべていた自信の無い顔を希望溢れる顔へと変え、マナナンに語り掛ける。
「マナナン……私、彼と恋人になってみたいです」
『そうですか!ふふ、それでは早速行動に移しましょう……!』
「ええ、もちろんです……」
マナナンの言葉に頷くと、バゼットはアンリマユの方へと身体を向け、ゆっくりとした足取りでベッドに向かう。
緊張もあったが、勇気を出してベッドの上に乗り、寝転がったままのアンリマユと対面する。
「大丈夫ですか……?アンリマユ?」
「……」
心配して声を掛けてみるが、反応が無い。
バゼットは仕方なく、有無を言わさずにアンリマユの男性器の前まで顔を寄せる。
「(男性の性器は、ここまで大きい物なんですね……)」
愛しい人の物だと思うと抵抗感が薄れたのか、バゼットは前屈みになって男性器を眺める。
「……」
「すんすん……ああ、男らしい匂いがしてきますね……」
未だにカレンに搾り取られた時のショックが大きかったのか、アンリマユはバゼットが自身の性器を嗅いでいても全く反応を示さない。
「(大きい……これから私はこれを……)」
カレンがアンリマユを射精させたばかりで少し元気を無くしているというのに、口へ含んでしまったらたちまち息が詰まってしまいそうなサイズだ。
これを舐めるといっても上手くできるか心配だ……そうして考え込んでいる内に、バゼットは自身のそれなりに育っている胸を見て閃いた。
「(忘れていました……男性が最も性欲を抱く場所を)」
善は急げとばかりに、バゼットは自身の霊衣を少しばかりいじった。
自身を包んでいたボディスーツの谷間部分の上と下の部分に丁度男性器が入るぐらいの隙間を作ると、バゼットは紅潮した顔で自分の胸を両手で持ち上げる。
そして勢いのまま亀頭を谷間の入り口へ押し当て――一気に沈み込ませた。
「……ッ!ば、バゼット……ッ!?何やって、っ……!」
「ようやく、気が付きました……ねっ!アンリマユ……!」
突然の快感に呆けていた表情から驚きの表情へと変えたアンリマユだったが、すぐにその顔は快感に染まっていく。
男性器全体が四方八方から柔らかな弾力に包まれ、アンリマユはカレンから受け取った快楽とは別次元の快楽をバゼットから受け取らされていた。
胸で男性器を挟んで上下に揺らし、一瞬で男を快感へと導く技……いわゆる”パイズリ”というものだが、バゼットのような豊満な胸を持つ者がやるとなると、男に与える快感は言葉で表す事のできないほどの物へとなる。
「っ……!やめろ……!何でバゼットも参加して……ぐッ!」
「今は私だけに集中してください……!私だけを見て、ん……ッ!くらはい……!」
バゼットはアンリマユを無理矢理、快楽で黙らせる為に亀頭を咥え、言葉を封じる。
初めて性行為をやったと思えない程に男殺しの性技を披露していくバゼット。
だが、その顔は嗜虐的な笑みを覗かせていたカレンと違って、バゼットの顔は愛する人を気持ちよくできるという喜びに満ちていた。
「あんり……んっ!もっろ……っ!きもひよくなっれ……ッ!」
「……うぐ……っ!マジで、すぐ出しちまいそうだ……!」
亀頭に与えられる口の温かい感触、そして男性器を刺激する胸の柔らかな感触。
気を抜けば、すぐにでも射精が始まってしまいそうだ。
「はっ……!はっ……!私、上手く出来てますか……?」
「ああ……っ!十分、うっ……!過ぎる程にな……!」
「それは、ん……ッ!良かった……!」
亀頭から口を離し、バゼットは胸の動きを一層激しい物に変化させた。
汗とアンリマユの出した我慢汁が混ざり、胸を上下させる度に卑猥な音を立てていく。
「(嬉しい……貴方が私を見てくれているだけで嬉しい……)」
本当は友人という関係ぐらいで良かったはずなのに、いつの間にかアンリマユと友人を超えた関係で居たい……そんな願望がバゼットの頭にあったのだ。
だから、今こうしてアンリマユと性的にでも触れ合えていることが嬉しかった。
「バゼット……ッ!わりぃ、もう限界だ……!」
「いいですよ……!んっ……!らして、くらさい……ッ!」
再度亀頭の部分を咥え、口内に来るであろう精液を待ち望む。
亀頭の先が急に膨れ始め、どんどんと透明な我慢汁がさっきとは比較にならない程に零れてくるが、バゼットは全て吸い取っていく。
「(出して……!出して……!)」
念ずるようにして激しく胸を揺さぶり、咥えていた亀頭へと止めを刺すかのように舌で刺激を与える。
そして、次の刹那――アンリマユが腰を突き上げた。
「っ……!出る……ッ!」
「んん……っ!んく……ッ!」
絞り出すようなアンリマユの声と共に、バゼットの口内へ精液が吐き出されていく。
ホースから水が出るような勢いで出ていく精液だったが、バゼットは一滴も残さずに口へと収める。
そして、アンリマユが射精し終わると亀頭から口を外し、カレンと同様に口にたっぷり吐き出された白く濁った精液を大きな口を開けてアンリマユへと見せた。
「あー……いっぱい、れましたね……」
「バゼット……ッ!」
アンリマユの目が口へと移ると同時に、胸に挟んだままの男性器がまた勃起していくのが分かる。
そんなアンリマユを喜ばしく思いながら、バゼットは口に含んだ精液を胃へと送り込んでいく。
「(苦くて、生臭いですけど……貴方の物だったら……)」
口に残る嫌な味でさえも愛しく感じる。精液が胃へと行くだけで、バゼットはアンリマユと繋がれているような気がした。
「んく……っ、ふぅ……ありがとうございました。アンリマユ……」
「あ、ああ……」
少し口を開け、全て精液を飲み込んだことをアンリマユに確認させると、自身の谷間からアンリマユの男性器を引き抜く。
一応、これでカレンとの勝負は終わりだ。
後はアンリマユがバゼットかカレンのどちらが、魅力的であったかを選んでもらうだけ……だが、アンリマユの顔を見るに、何か物足りない顔をしている。
あわよくばアンリマユと繋がりたい……そう思ったバゼットだったが、勝負は勝負。
素直にベッドから降りると、カレンの元へと歩いていく。
「終わったようですね……それでは、アンリマユに審判を――」
「ちょっと待ってください。貴方に一つ相談があります」
「……?何でしょうか?今更、勝負は無しというのは駄目ですからね」
「そうではありません!相談というのは……」
首を傾げるカレンを部屋の隅まで移動させ、バゼットはアンリマユに聞こえないような声で相談の内容を全て話す。
最初は怪訝そうな顔をしていたカレンも、バゼットの話を聞いていく内に顔を綻ばせていった。
「なるほど、それは良い提案ですね。今回は私も彼には手加減してあげようと思っていたのですが、ふふ……少し気が変わりました」
「そうでしょう?今なら私と貴方で良い思いが出来ますから……」
二人揃って悪そうな笑みを浮かべると、バゼットの提案を実行に移す為に早速行動を開始するのだった。
「(散々な目にあったぜ……)」
未だ聖骸布で思うように動かない身体を嘆きつつ、アンリマユは先程の出来事をぼんやりと思い出していた。
「(カレンに搾り取られるのはまだ良いとして、バゼットに搾り取られちまうとは予想もしてなかったな……)」
カレンと違ってバゼットは接吻にすら顔を赤らめてしまっていた程の初心な女だ。
それが、娼婦のように艶やかな性技を披露していくのだから、流石に驚かざる得ない。
四方八方から乳房に男性器を押し潰される感覚、バゼットが少しばかり中の居る女神の影響を受けていたとはいえ、あの快感というのは頭に残り続けている。
「(はぁ、しかし……早くここから解放されねぇもんかね?)」
そんな事を心の中で呟くと、バゼットとカレンが部屋の隅から離し合いを終えて、こちらへと近づいてきた。
一瞬、ほっとした表情を浮かべるアンリマユだったが、彼女達の悪だくみをするかのような目を見て、徐々に苦笑いへと変わっていく。
「ふふ、まだ元気そうね?アンリマユ……」
「大丈夫ですから。少しだけ、気持ちよくなるだけです」
「はは……お手柔らかにお願いします……」
自らの運命を悟ったアンリマユの渇いた笑いが部屋へと響いた――
…………
……
…
「はっ……!はっ……!もっと腰を突き上げなさい……ッ!もっと……ッ!」
「そう言われても、な……っ!こっちは身体が不自由なんだよ……!」
自身の下半身でピストン運動をするカレンに抗議しつつも、アンリマユはそれに応じて腰を要望通りに突き上げ、カレンの膣の奥まで男性器を突き入れていく。
見ればカレンは着ていたはずの制服の上着や帽子を脱ぎ、カッター服をはだけさせた状態でアンリマユの下半身に男性器を受け入れていた。
「ん、ぅ……ッ!?いい……!もっとして……ッ!」
「……ッ!こっちは限界だよ……ッ!」
「限界……?ふふ、その割には腰の動きが激しくなって、る……ッ!」
とっくに疲れ果てているはずの腰だが、意識していないのに自然と動きが速くなっていく。
そもそも強引に性行為を迫られたはずなのに、いつの間にかカレンを気持ちよくさせようと一生懸命になっていた。
「あ、ん……ッ!気持ちいい……っ!好きよ、アンリマユ……ッ!」
「……ッ!俺も…だ……っ!」
普段、人に冷たくて凛とした彼女が自分と交わっている時は本性を見せてくれる。
それが愛おしくて、嬉しくてたまらない。
「出すぞ……ッ!カレン……!」
「あッ……!あ……ッ!来て……ッ!来て――ッ!」
カレンの嬌声と共に、アンリマユの男性器は気持ちよく精液を放出した。
温かい膣の中で熱くてドロドロとした白い液が、あっという間にカレンの子宮を埋め尽くしていく。
「イッ……く……ッ!ん……う……ッ!」
頭の中を駆け巡る快楽物質が分泌され、カレンの頭を支配する。
あまりの快感に身体を仰け反らせつつも、腹の下辺りから感じる精液の熱を存分に感じ取り……絶頂へ至った。
――ああ、凄く幸せ……
心の底からカレンは思う。
「ん……ッ!ぅ……っ!ふふ……いっぱい射精しましたね……」
「ああ、むしろ出し過ぎたぐらいだ……」
膣から男性器を引き抜いた途端に溢れ出した精液の量に微笑むと、不意にアンリマユを拘束させていた聖骸布を解く。
「もう貴方は逃げ出さないでしょうし、聖骸布は解いておきます……それより早くバゼットの相手をしてあげて。彼女、限界が近いみたいよ」
「分かってるよ……バゼット、いいぞ」
アンリマユがベッドの端に座るバゼットを呼ぶと、彼女はすぐさまアンリマユの元へと移動してくる。
「ようやくですか、ようやくアンリマユと……」
呼吸を荒げて、頬を赤くした彼女の姿を見ると既に交わる準備は出来ているようだ。
バゼットのボディスーツの股間部からは女性器が見え、そこは大量の透明な液で濡れそぼっていた。
「さて、それでは一旦、私は退いておきましょうか……」
そう呟くと、カレンはアンリマユの下半身から身体を退けて、バゼットの居たベッドの端へと移動をした。
そして、代わりにバゼットがアンリマユの下半身へと馬乗りになる。
完全に発情しているように見えたバゼットだったが、不意に火照った顔を不安そうな顔へ変えた。
「あの、実は私初めてで……だから、優しくお願いできますか……?」
「……ッ!分かった……なるべく優しくする」
「ふふ、ありがとうございます。アンリマユ……」
艶やかさを残したままアンリマユへにっこりと微笑むと、早速バゼットは男性器を握り自身の女性器へとあてがう。
その手はたどたどしい物だったが、逆にそのたどたどしさがアンリマユは微笑ましい物に思えた。
「んッ……!これは……挿れるのが難しいです……っ!」
「無理すんなよ……ゆっくりでいいからな?」
無理矢理にでも膣へ男性器を迎え入れようとするバゼットを気遣いながら、アンリマユは自分でも腰を動かしてなるべくバゼットが痛みを感じないよう、ゆっくりと男性器を入り込ませていく。
まずは亀頭の部分を膣の入り口へと到達させて、バゼットの様子を見る。
「どうだ……?大丈夫か?」
「ええ……大丈夫……そのまま続けてください」
「分かった……続けるぞ」
バゼットの言葉に頷くと、少し踏み込んで竿の上部分までを挿れた。
随時、彼女が痛がっていないかを確認し腰を動かすが、彼女の様子を見る限りでは問題はなさそうだ。
とはいえ一気に挿れてしまうのは駄目だ……そう考えていると、バゼットが切なげな顔で言葉を発した。
「アンリマユ……もう私、貴方のモノが欲しくてたまらないんです……だから、一気に挿れてください……」
「い、いや……でもそれじゃ優しくは――」
「いいんです……もう解れてきましたから、お願いしますアンリマユ……来て」
「……ッ!」
そんな囁くような言葉の直後、アンリマユは無意識に腰を突き上げていた。
同時にバゼットも腰を落とすと、あっさり男性器は膣の中に全て収まる。
「あ……ッ!ぐ……ッ!ようやく、入った……ぁ……」
処女膜が破れたことの痛みで顔を歪めるが、それよりもアンリマユの男性器と繋がれていることにバゼットは至上の喜びを感じていた。
――嬉しい……嬉しい……
痛みさえも忘れて、アンリマユと交われたことを身体で感じる。
「バゼット、動くぞ……」
「はい……動いてください」
バゼットの言葉で理性を失ったのか、アンリマユは先程と違って激しく腰を振り始めた。
「あ……ッ!あ……ッ!はげし、い……っ!」
「……ッ!……っ!」
男性器が突き入れられる度に来る快感や痛み、バゼットはその全てを受け入れていた。
気付けばバゼット自身も腰を上下に動かし、膣が男性器をえぐる感触を存分に感じている。
「は……ッ!は……ッ!好きです……!好き……ッ!アンリマユ……!」
「バゼット……ッ!」
「だから……!私と恋人になってください……ッ!」
「……ッ!!」
後ろで結んでいた髪を振り乱し、バゼットはカレンように愛の言葉を吐き出す。
その言葉は少しだけ残っていたアンリマユの理性を一瞬で溶かし尽くした。
「……ッ!?また、激しくな……ッ!ぁ……ッ!」
咄嗟のバゼットの言葉に喚起され、アンリマユの腰は動きを速める。
「(何だよ……?バゼットもカレンも、こいつら可愛すぎだろ……!)」
カレンは前から内に潜んだしおらしい乙女心は知っていたが、平行世界で知るバゼットは少なくとも、こんな愛の言葉など口にはしなかった。
色恋には興味など示していなかったバゼットが、ここまで自分を求めてくれている……その事実がアンリマユの心に火を点けている。
「バゼット……ッ!バゼット……ッ!」
「アンリマユ……ッ!アンリマユ……ッ!」
いつの間にか互いに手を握り、名前を呼び合いながら肉と肉をぶつけ合っていた。
自分の想う女性はカレンだけだったはずなのに、今はバゼットがとても愛おしい。
「出すぞ……ッ!バゼット……!」
「あ……ッ!あ……ッ!来てください!アンリマユ……ッ!!」
腰辺りにじわじわと来ていた射精感を確かな物にする為、より一層早く腰を突き上げていく。
元々処女を破ったばかりで締まりの良かった膣が更に締まり、アンリマユの男性器から精液を出させようとすると、遂にアンリマユの男性器は限界を迎えた。
「ん……ッ!あ……ぅん……っ!き、た……ぁ……ッ!」
次の瞬間――弾けるような快感と共に、バゼットの膣で精液が暴れるように放出されていく。
注がれる精液に一回、二回と止まらずに絶頂をするバゼットの身体。
絶頂のあまり、何度もアンリマユの腹上でぐらぐらと揺れるが、すぐにバゼットはアンリマユの手を握り直して体勢を持ち直す。
永遠にも感じた永い射精……それが終わる頃には、バゼットの表情は満ち足りた物となっていた。
「す、すごかったです……お腹が貴方の精液でタプタプに……」
「俺も結構、出しちまった……」
精液で少し膨れた腹を撫でつつ、バゼットは感慨深げに言葉を漏らす。
「幸せです……貴方と身体を重ねれて本当に良かった……」
「ああ、俺も嬉しかったよ……」
幸せそうに微笑むバゼットに、アンリマユは起き上がって笑顔で言葉と接吻を返した。
一瞬、動揺した顔を見せたバゼットもすぐに接吻を受け入れ、アンリマユの接吻に応じる。
「んっ……ふふ、好きです。アンリマユ……」
数秒間の接吻の後に、そう告げるとバゼットは名残惜しげに腰を上げ、自身の女性器からアンリマユの男性器を抜いた。
「ふぅ……ぅ……疲れた……」
「大丈夫か……?バゼット……」
「ええ、大丈夫です……ただもう……眠たくて……」
アンリマユの腰から身体を退けて、すぐにバゼットは脱力感に身を任せてベッドへ倒れ込む。
見れば、バゼットの額や頬からは汗が一筋も二筋も流れていた。
初めての性行為に加えて、上下への激しい腰の運動。それらを考えると倒れるのも致し方ないだろう……アンリマユはそう判断し、すっかり寝息を立て始めたバゼットをそっと見守る。
「すぅ……すぅ……」
「ふっ……いい寝顔してることで」
バゼットの髪をくしゃりと撫で、アンリマユは顔の表情を緩めた。
同時にバゼットの隣から聞こえてくるカレンの寝息にもアンリマユは――
「って、お前も寝てたのかよ!」
「すぅ……すぅ……」
驚きのあまり思わず声を上げてしまったが、カレンは穏やか顔で寝息を立て続ける。
「(やけに静かだなとは思ってたけど、まさか寝てるとは……)」
いつぞやの時も途中で眠りこけたカレンを思い出し、アンリマユは思わずため息交じりの笑みを浮かべてしまう。
それでも、アンリマユはカレンの髪を優しく撫でてやる。
二人の女神が無防備で寝ているという状況……本当は拘束された腹いせに、いたずらでもしてやろうかと思うところだが、バゼットとカレンの寝顔を見ると、そんな気も薄れていく。
「まぁ俺も疲れたし、一眠りさせてもらいますか……」
考えることが嫌になってきたアンリマユは、丁度二人の間に入るようにしてベッドへと寝転ぶ。
こうして寝転んでみると、溜まっていた疲労が一気に放出されていく。
自分でも気付かない内に出ていた背中や腰回りの汗が冷え、心地良い感覚が身体全体に伝わっていった。
「ふぅ……色々あったが、なんやかんやで嬉しかったぜ……俺は」
徐々に眠気によって薄れていく意識の中、アンリマユは口元を緩ませながら、寝息を立てる二人に呟く。
確かに二人の行動は度が過ぎた物もあったが、それでもその行動にはアンリマユを愛する心が根本にあったのだ。
それを考えると、どうにも憎むに憎めない。
「平穏な日常より、変わった日常の方がいい……そうに決まってる……そうに、決まってる……」
瞼が完全に閉じる前の最後に、アンリマユはそう呟く。
一人で居た時よりも何倍も楽しい日常をもたらしてくれているのはカレンとバゼット……アンリマユは改めて、二人に感謝の念を強く抱いた。
――ありがとう……
それだけを心の中で呟き、アンリマユは意識を閉ざしたのだった。