3人で過ごすのは久しぶりだった。今日は私もサキもアオイくんも、夕方ごろにほぼ同時に帰宅した。せっかくなので今日は彼にゆっくりしてもらう日にしようと思い、夕飯の支度などの家事は私たち姉妹でこなした。彼は手持ち無沙汰な様子でうろうろしだすので、押さえ込むのが大変だった。
夕飯を食べ終えて、彼をソファに誘った。3人で並んで、なんとなくテレビを流す。ソファは元々二人掛けサイズを一人で使う予定で買ったものなので、3人で使うとぴったりくっつく必要があった。それはそれで都合がよかった。
「んふふ……」
「これ誰?」
「サキ、疎いねぇ。去年のM1の準優勝だよ」
「最近はこういうシュールなのが流行ってるんだ」
彼の肩に寄りかかりながらお笑い番組を見る。時折、好きな酎ハイを口に運びながら。たまらないひと時だ。でも彼の口数が少ないのが気になってはいた。
「……アオイくん?」
「はい」
「もしかして眠くなっちゃった?それともお手洗い行きたい?」
「いえ……」
「アオイ、今日なんか静か。どうしたの?」
「……」
サキの歯に衣着せぬ物言いで、彼は少し黙り込んだ。それから私たちの手を握って呟いた。
「その、シませんか。というか、シたいです」
「「…………!?♡」」
私とサキは目を見合わせた。そもそも彼から誘ってくれることは稀だ。いつも私から先にぐいぐい誘ってしまうからかもしれないが。加えて、3人でするのを彼はあまり好ましく思っていない節があった。多分、この関係の歪さを多少なりとも薄めたかったのだと思う。なので、3人でいるときに彼が誘ってくれたのは初めてだと思う。
もちろん、返事は決まっている。
「する♡ しよ♡ アオイくん♡」
「んふふッ♡ セックスしたくなっちゃったんだ……♡ 珍しいね?♡」
「その、たまには僕から、んむッ……!」
せっかく彼から誘ってきてくれたのだから、彼にリードしてもらいたい。そう思っているけれど、私たちはどちらも心がはやってしまう。手首を掴んで、頭を固定して、強引に唇を割る。胸を押しつけて、腰を擦り付けて、無理矢理に彼をその気にさせる。きっと横から見たら、凄惨なレイプの現場に見えてしまうだろう。
「んぷはッ、ベッド行きましょう?」
「いや♡ もうここでするからね♡」
「ソファでして、ベッドでもして、シャワー浴びながらして、またベッドでするんだよ……♡」
「んふふ♡ アオイくんが言い出したんだからね?♡ いやって言ってもやめてあげないからね♡ 一晩中、二人がかりで全身愛してあげるね♡」
彼に理不尽を押しつけながら、服を奪っていく。ほどよく鍛えられた彼の肉体が露わになった。ただし私たち以外がまず目につくのは肉体美ではなく、暴力を日常的に受けているかのような痣だろう。その正体は、身体の真ん中を避けてぽつぽつとついたキスマークだ。
「んふッ♡ アオイくん、エロすぎ……♡」
「ここ、薄くなってきてる♡ またつけてあげるね♡」
「お、お願いですから、見えるところには……」
「うるさいなぁ♡ キスするから静かにしてて♡ 口答えすると舌噛んじゃうよ?♡ ……んーッ♡ んぅ、んッ……♡」
「んふふッ♡ ここ、ここにつけちゃう……♡ いいでしょ?♡ あッはぁ……アオイの鎖骨おいひい……♡」
彼を無理矢理犯すのが好きだった。一対一でも彼は抵抗しないだろう。でも二対一では、彼は抵抗しないのではなく、抵抗できない。あのアオイくんが、憧れ続けたアオイくんが、諦め続けたアオイくんが、今私たちに組み敷かれて犯されている。私にディープキスされて、サキに際どいところにキスマークをつけられて、それを諦めたように脱力して受け入れている。征服欲が満たされるのを感じた。
「んーーッ……ぷァッ♡♡ カオリ、つぎ私がキスする♡♡」
「んぇ、んー……♡♡ んふふ、アオイくん、愛してるよ♡♡」
「はぁ、ふッ、ちょっと休憩を……」
「だめー♡♡ じゅるりゅッ♡♡ んずずずッ♡♡」
サキが彼の頭を抱きしめて、凄い音を立てながらキスをする。彼の小さなうめき声を聞きながら、私は自分の部屋着を全て脱ぎ捨てた。それから膝立ちになって、彼の耳元に唇を寄せる。
「ほら、ここ触って?♡♡ もうお互い準備できちゃってるね♡♡ アオイくんの長くてぶっといおちんぽ、すぐ入れられるよ?♡♡ 入れちゃう?♡♡ セックスしちゃう?♡♡ セックスするって言って♡♡」
「んーッ……んッんーッ……!」
「なーに?♡♡ ゴム?♡♡ わかったわかった着けてあげるね♡♡ よいしょ……よいしょ……、はい着いた♡♡」
ゴムを着けて、間髪いれずに彼に跨り、完全に勃起しきったモノをあてがう。彼はサキにキスされて苦しげながら、セックスを乞ういやらしい目を私に向けていた。犯されているのにそんな顔をするなんて、あまりにも唆る。私はゆっくりと腰を下ろした。
「お゛ッ…………♡♡♡ う゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛…………♡♡♡ ほッほら……ここまで入ってるよ……♡♡ おなか触るとわかっちゃうね♡♡♡」
「んりゅぅ……ッぷぁ♡♡ アオイ愛してりゅ♡♡ はやくわたしにもして♡♡」
「カオリさんッ……気持ち良すぎ……!すぐ出そうです……!」
「んふッ、んふふッ♡♡♡ わ、わたしのなか気持ちいいんだ♡♡♡ うれしいよ♡♡♡ いっぱい気持ちよくなってね♡♡♡」
煽るような、リードするような顔で言ったけれど、私は鉄心を背中に通されたように動けなくなってしまった。多分、動いたらすぐに絶頂してしまう。彼のがおなか側をぐんと押し上げているから、引き抜こうとしたら一番気持ちいいところをぞりぞりと擦り上げてしまうことが分かっていた。
サキは私を見て状況を察したらしい。口端を釣り上げて、私に見せつけるように彼の首筋を舐めた。
「れえェ……♡♡ ほらッ♡♡ 動いてあげないとアオイかわいそうだよ♡♡♡ ほらほら待ってるんだからはやく動いて♡♡」
「カオリさん……?痛みますか……?」
「ち、ちがう♡♡♡ 動くから待ってて♡♡♡ ゆっくり、お゛ッ♡♡♡ やばいッ♡♡♡ あ゛ーッ♡♡♡ あ゛ーーッ!?♡♡♡」
「うぅッ……!」
「ごめんもうイぐッ♡♡♡ アオイくん好き、好き好きッ♡♡♡ はやくてごめんなさいッ♡♡♡ イく、イくイくイくイ゛ッ…………!!♡♡ ぐう゛ぉッ……か゜ぇ……!?♡♡♡ …………!!♡♡♡♡♡♡」
身体が勝手に縮こまり、彼に身体を預けるようにして絶頂した。まだ数回しか抽送していないのに。全身がびくついて、腰に伝わる振動が余韻を引き延ばす。
「ぁ♡♡♡ い゛ッ……♡♡♡ イ゛ッでる♡♡♡ ごめッイ゛ぎッ……♡♡♡」
「あーあ……♡♡ はっや……♡♡」
「カオリさん……かわいいですよ……」
優しく抱きしめられて、キスをしてもらう。自分勝手にイってしまったけれど、私たちのセックスは大体そんな感じだ。私たち姉妹が盛って襲うのに、結局ぐちゃぐちゃにされて、最後は一方的に愛されてしまう。
余韻が引き切る前に、彼のものが引き抜かれる。サキが限界なのだろう。私は股を開いたまま、ソファにぐったりと寄りかかっていた。
「うっわ……♡♡ アオイの、どろどろになってる♡♡ んふッ……私のもすごいよ♡♡ 絶対気持ちいいよ♡♡ 早くしよ、私が動くから♡♡」
「いえ……僕が動きますよ。後ろからしてあげますね、サキさん好きですよね?」
「やッ……?♡♡ だ、だめだよ?♡♡ それされたらもう動けなくなっちゃうから♡♡」
「ほら、お尻向けてください、ね?」
「あ、あ、……う゛ぉお゛お゛お゛ッ……♡♡♡ かッはァ……♡♡♡ ふッふかすぎぃぃ……!?♡♡♡」
ソファに伝わる振動を感じて、だるい瞼を薄く開く。サキはソファに膝立ちで乗っていて、彼に後ろから犯されていた。
「お゛あ゛ッ♡♡♡ お゛ん゛ッ♡♡♡ やッばい♡♡♡ ア゛♡♡♡ ア゛オ゛イ゛♡♡♡ とばッ♡♡♡ しすぎッ♡♡♡ も゛ッ♡♡♡ もッちょっどぉ゛♡♡♡ ゆ゛ぅ゛ッ♡♡♡ ぐりッ♡♡♡」
「ふふッ♡ ちょっと我慢して、くださいねッ……♡」
サキは後ろから揺さぶられて、操られるように身体を揺らしている。前屈みに縮こまって背骨が浮き出て、かと思えば背を反らして髪を振り乱す。手足は可哀想なくらい強張って、ソファの背を力一杯掴み、足の指は攣ったようにばらばらと曲がっている。血が出そうなくらいに歯を食いしばって、彼から容赦なく与えられる快楽に耐えている。
「もうイ゛ッでりゅッ!?♡♡♡ ア゛オ゛イ゛も゛イ゛ぎまじだぁぁッ♡♡♡ ゆるじでください゛♡♡♡」
「このあとベッドでして、シャワー浴びながらして、またベッドでもするんですよね?楽しみだったのになぁ。もうやめておきますか?」
「や゛めないでッ♡♡♡ カオリいるからッ♡♡♡ こッ交互にッ犯じでッ♡♡♡」
「ふふ、分かりましたッ……♡」
彼が動きを止めて、反り返ったそれを一気に引き抜く。サキは獣のような声とともに潮を噴き出して、ソファに崩れ落ちた。
「カオリさん、まだできそうですか?」
彼の手が伸びてきて、私の髪を優しく撫でる。仕草は父親が娘にするかのように慈愛に溢れているのに、その側にはがくがくと震える妹が転がっている。そのギャップにぞくぞくした。
「でき……る……♡♡」
「じゃあ、ベッドに行きましょうか。抱えてあげますね……」
「……やさしくしてぇ……♡♡」
彼に身体を預ける。サキは私のあとでベッドに運ぶのだろう。
彼の暴力的な愛情表現に脳を壊されながら、私たち姉妹は幸せだ。ソファを離れるとき、サキが狂気的な半笑いを浮かべているのが見えた。