コンコン
「失礼します。」
執務室の扉が叩かれ低めの少し掠れた声が聞こえた。
司令官の方を見ると小さくうなずいていた。どうやらお客様らしい。
ドアノブに手をかけ開けるとそこには一人の男性が立っていた。
年齢は30代半ばだろうか?少しだけ茶色い髪をオールバックに固めている男性だった。
「どうぞ、中へお入りください」
私はそう言って彼を部屋に招き入れた。
彼は軽く会釈をして部屋に入り、司令官の前まで行くとそのまま敬礼をした。
「本日付けでこちらに着任しました。白藤です。よろしくお願いいたします。」
ん?司令官と一緒の苗字だ……。
「俺の引き継ぎに応じてくれてありがとう。兄さん。」
へー、お兄さんがいるのは聞いていたけど…思ったよりも厳ついというか……
「ああ、大丈夫だ、問題ない」
「とりあえず大淀さんを呼んでおいたから座っていてくれ」
そういうと二人はソファーに向かい合って座りながら話し始めた。
「あ〜、その子がお前の嫁さんだろ?」
「あぁ、そうだよ。可愛いだろう?」
「随分と美人さんだな?こんな子を独り占めしてるのか……」
初めて会う人だし猫被っておこう…
「…初めまして、響香と申します。第六駆逐隊、二番艦の響として着任しました。」
「これはご丁寧に、俺は白藤 海斗だ。よろしく頼むよ。愚弟が迷惑をかけてないか?浮気されたらうちに駆け込んで来るんだぞ。」
「バカいえ、誰がするか、俺はこいつ一筋だ。」
司令官が突っ込み入れた……仲がいいみたいだね。
「ふふ…もし浮気した時は取り戻しますから…」
「ほう、見た目通りのお嬢さんかと思ったが意外と肝の座った子だな」
「兄さん、茶化さないでくれ」
「ははは、悪い。まあ仲良くやってくれ」
しばらく雑談していると扉がノックされ、大淀さんが入って来た。
「失礼します。」
「大淀さん、わざわざありがとうございます」
「いえ、仕事ですから」
「兄さん、彼女は引き継ぎの説明とある程度手伝ってくれるはずだ。」
「大淀といいます。よろしくお願いいたします」
「白藤だ。こっちこそよろしく頼むよ」
「それではこちらに」
大淀さんは義兄?を連れて出ていった。
「……なんか…元気というか……面白い人だったね……」
「ああ、悪いやつじゃないんだがな……まぁ、あとは兄に任せておけば壊さない程度には好き勝手するだろう」
「帰ってきた時に大変な事になってないと良いけどね…」
お互い苦笑いしながら執務に戻った。
今月最後の仕事だ。
これが終われば司令官とロシアに旅行するんだ…♪
便宜上、私の強化だが、
実際は新婚旅行みたいなものだ。結婚式は無かったからとても楽しみだ。待ち遠しいものだ。
どうもこまごめですー
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