目前には海が広がっている。
だがその異質さを理解する。
自分を境に透き通った青と、どす黒い赤で区切られている。
まるで血の海に立っているようだった。
「なんだ……これは」
自分の声がやけに響いた気がした。
波の音は聞こえない、風も感じられない。
なにもかもが止まったような世界だった。
目の前には見覚えのある少女が居た。
「響……じゃないな……」
俺の妻よりも身長も低く、肌も髪も白い幼女、潜水新棲姫だ。
『こんにちは、おにいさん。こうしてちゃんと話すのは初めてかな』
「あぁ、カタコトじゃないんだな」
『それはいいんだよ、私はそろそろ帰るよ。お兄さんともお姉ちゃんとも会えてよかった』
「そうか……潜水艦の子やお世話になったやつにもちゃんと礼を、言うんだぞ」
『うん、分かってる。あ、そうだ。言わないといけないことが…………
お姉ちゃんはね、おにいさんと居るのが怖いんだって』
「なんて……?」
思わず怒りを滲ませてしまう。
そんな俺を見て新棲姫は微笑む。
そしてそのまま言葉を続ける。
『あぁ、しんぱいしないで。別に嫌いとかじゃなくて、むしろおにいさんの事が好きで好きでしょうがないんだけど、嫌われたらどうしよう、ってずっと悩んでたみたいだよ?』
あぁ……ストンと腑に落ちた。
深海棲艦の血を引いているから、普通の人間とは違うから、俺に拒否されるんじゃないかと思ったのだろうか、何処か他人事のような……達観しているような雰囲気を醸し出す時がある。
気がする……
『だからね。彼を彼女を、優しく、ベールを脱がせ、解いて、理解してあげてね』
「……そうか……」
『じゃっ、お姉ちゃんをまかせたっ!ばいばい!』
「あぁ、またどこかで」
彼女は赤い海の中へと消えていった。
……………………
「んっ……」
目を覚ますと、既に日は落ちていた。隣を見ると、愛しい旦那様の姿があった。
(……可愛い寝顔……)
彼の頬を指先でツンツンとすると、「うぅ……」と可愛らしい声を上げる。
そんな彼を見てクスリと笑みが溢れる。
「のぼるさん、朝だよ。起きて」
彼を揺すり起こすと、彼はゆっくりと目を開いた。
まだ眠いのか、半開きになっている目はトロンとしていてとても色っぽい。
そして、暫く見つめ合うと、突然ぎゅっと抱きしめられる。
胸板に押し付けられ、ふわりと彼の匂いすると精液のが混ざった香りか鼻腔を擽る。
すると、彼がいきなりキスをして来た。最初は触れるだけの軽いものだったが、徐々に舌を入れてくる濃厚なものへと変わっていき、頭がボーッとしてくる。
どれくらい時間が経っただろうか。やっと解放された時にはすっかり出来上がってしまっていて、身体中が熱を帯びているのを感じた。
しかし、それすらも心地よいと思ってしまう程には彼に惚れてしまっている。
いつの間にか覆いかぶさられていて、逃げ場がない。
そのまま首筋に吸い付かれ、ちくりとした痛みが走る。これは、またひとつ跡が付いたなぁ……と思った。
昨晩あれだけ出したと言うのに全く衰える気配が無い事に少し呆れると同時に、これからされる事への期待が高まる
彼の目を見ているとなんだか寝惚けて居るように見える。
(……仕方ないなぁ……♡)
「いいよ……きて?」
そう言って両手を広げると、彼にしっかりと抱き締められ、私は怒張で貫かれ、昨日の夜のように激しく求められたのだった。
◇
「ん……」
「はーっ、はーっ…♡…ようやくちゃんと……めがさめたかなっ……♡」
朝になり、いつも通り目を覚ました俺は、目の前に広がる光景に思わず息を飲んだ。
そこには白い髪の少女が居た。
彼女は全裸だった。
そして、俺も全裸だった。
俺の上に跨るように乗って、恍惚とした表情を浮かべている妻、響香。
今さっき、出されたかのように彼女の身体には白い液体が付着していて、シーツにも染みが出来ている。
つまり、そういう事だろう。まだ意識が覚醒しきっていない頭でも、状況を把握した。
そして同時に、昨晩の記憶が鮮明に蘇ってくる。ある程度したらちゃんと寝たような気がするが……
そんな事を考えているうちに、彼女がゆっくりと腰を上げ始める。ずるりと引き抜かれる感覚に、快感を覚える。
やがて完全に抜かれると、どろぉっとした精液が溢れ出す。
彼女はそれを指先で掬うと、口に含んだ。
そして妖艶な笑みを浮かべながらこちらを見下ろしてくる。
エッッッッッッッッ!!
「あー……響香、俺は……寝込みを襲われてたりする?」
「……司令官が襲って来たんだよ……?♡」
彼女は頬を膨らませて抗議してきた。
「まさか寝惚けながら2回も出されるとは思わなかったけどね?♡」
「……本当に申し訳無い……」
「まぁ、別に良いんだけどさ……♡」
そう言いながらも、彼女は自分の身体についた汚れを拭き取る。
「とりあえず、お風呂に入ろうか。一緒にさ」
そして、彼女は手を差し出してくる。俺はそれに答えるように、優しく握った。
そして、俺達は浴室へと向かった。
───────
鏡を見る。全身に赤い跡がついている。
これは流石に恥ずかしいなぁ……。
ふと横を見ると、既に服を脱いだ彼が立っていた。
「ねえ見て司令官。この跡どうしよう?」
「あぁ、俺もいっぱいだ」
見ると司令官も首元や鎖骨、胸などに跡が残っている。
「お互い様みたいだね。でも……なんだか嬉しいかも。司令官の愛が、こんなに沢山残ってるんだもん……」
「……あぁ……そうだな…………」
ん?なんだか歯切れが悪い。
「ん……どうかしたのかい?」
「いや、なんでもないよ」
そう言って彼は、誤魔化すようにおでこにキスが落とされる
「さ、さっさと身体を洗らおうか」
そう言うと、背中を流してくれる。
自分でやると言ったが、今日くらい甘えてくれと言われたので、大人しく従うことにした。
「なぁ、響香」
不意に後ろから声をかけられた。
「なんだい?」
「響香は……俺の事好きか?」
……突然何を言い出すのかと思ったら、随分といきなりな質問をするものだ。
当然答えは決まっている。
「勿論だよ。大好きだよ。それこそ狂ってしまいそうになるほどにはね」
髪を洗われながら、そう答える。
「そうか……」
そう呟くと、彼は黙ってしまった。
どうしたんだろう? もしかして体調が優れなかったりするのだろうか。
「……大丈夫かい?」
「あぁ、大丈夫だ。ちょっと考え事をしていただけだから」
「……なら良いけどね。あんまり無理しないでね、司令官。 わたしも心配になるからさ」
「ありがとう。気をつけるよ。響香もあんまり思い詰めないようにな?」
「??うん、わかった」
一体なんのことだろう?
───────
「ふぅ、いい湯だったな」
司令官はわしゃわしゃとタオルで私の髪を雑に拭いてくる
「あぁぁぁ〜……痛いよ司令官」
「っと、すまん」
そう言いながら丁寧に拭き直してくれる。
洗面所に持ってきていた司令官の携帯が鳴っている。
どうやら電話らしい。
「もしもし、イクか。あぁ、姫の事か大丈夫だ、それはお前が知ってるだろ。上は装備にしか目がないからな放っておけ」
ん、イク……イクちゃんか、姫は潜水新棲姫か、どうしたのだろうか。
司令官の話を盗み聞きしながらショーツとブラを付ける。
「あぁ、それでいい。じゃあまた後で」
そう言うと彼は通話を終えた。
「……司令官?何があったんだい……?」
「あぁ、潜水新棲姫がいなくなった」
「……それにしては随分と落ち着いてるね」
「あぁ、事前に聞いたよ」
フゥン……事前っていつだろうな……でも嘘は言ってないみたいだしなぁ……
「そうなんだ……私は何も聞いてないのにね。少しぐらい教えてくれても良かったんじゃないかな?」
「響香の事は任せたって言ってたぞ」
「なんだろ……そんな事言える位大きいイメージないんだけどな……あの子……」
「あぁ……俺もそう思う……」
2人でうんうん唸りながら考える。
まぁ司令官が何を考えているかは分からないけど。
彼女なりに帰る場所は思い出したらしい。
そう結論付けて、考えるのは終わりにした。
はい。突っ込みどこら満載かもしれませんが、許してください。
最近ロシア語すらないのでほつれかかっているような……
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